東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】仙台白百合学園中学・高等学校・特別講義「進化論を唱えたダーウィンも注目した高等植物の自家不和合性」と「花の解剖実習」(9/12)

2014年9月12日 (金)

 昨日の午後から夕方にかけての50mmを越える雨が嘘のように、夜には月もでているし、思ったほどの水たまりもなく。。。片平もかなりふったと思うのですが。このあたりの水はけがよいのか。。。ただ、市内でも冠水した道路があったようで。。。県内には大きな被害が出たところも。。。一夜明けて、今日は晴れ間は見えて、気温も上がったのですが、また、今日もどこかで「ゲリラ豪雨」があるのではないかと、今から心配になっているところで。。。

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DSCN3702.JPG そんな週末の金曜日。科学者の卵養成講座に参加している生徒さんから出前講義をお願いされて。。。そんなつながりで、仙台白百合学園中学・高等学校へ出前講義に。また、この記事の前にも書かれていますが、アルバイトの進藤さんが通っていた中学校でもあって。そんなで、また、同行していただき、写真撮影係をお願いして。。。本来なら、7/11(金)の予定だったのですが、予定の調整不足で、double bookingに。。。申し訳ありませんでした。改めて調整していただき、講義をするの受験生である3年生が対象なのですが、この時期に。受験まで早いAO入試などは、あまり時間もないはず。渡辺の講義で少し脳みそをリフレッシュできればということだったでしょうか。講義の前半は、植物の生殖の話。その前に、農作物の花の絵を見てもらって、それが何の花かを考えてもらう。意外とわからないようでした。もちろん、家庭菜園をしていて、しっかり観察している生徒さんも。たいしたものです。その観察する心を大切にして下さい。その一方で、同じ講義をやったときに問題となる、ヒマワリの上のハチがどこから来てどこへ行くのか。それによって何が起きるのか。ということを考えてもらうわけで。。。。ハチが自由に飛ぶことは、雑種ができる可能性があるわけで。。。でも、なぜできないのか、あるいは、できたりするのかということを考えてもらうわけです。その時に、ヒマワリが咲いている時期に咲いている花をこれまでの出前講義だと考えられず、いきなり、春の花の「チューリップ」、「ソメイヨシノ」がでてくるわけですが。。ちゃんと、「ヒマワリは夏に咲くので。。。アサガオは夏だけど朝なので。。」と、季節と時間をしっかり考えているのは、すばらしかったですね。季節感、旬というのは、大事ですから。しっかり考えるように。。。それに続いて、多様性をもたらす「自家不和合性」についてとその分子メカニズム。低分子タンパク質と受容体という組合せによって、植物が色々なセンサーを持つようになれたと。その1つが、自家不和合性であり、同じような仕掛けが受精の時にもあると。。。けっこう、へーーー。だったようです。皆さん、積極的であっという間の前半戦でした。

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DSCN3716.JPG 後半戦は、小学校、中学校でも行う「花の解剖」。今年の夏にも市内の中学生にきてもらって行いました。時間の関係で、今回は季節的なこともあって「キク」。確か、集合花という形態だったと思いますが、小さな花が真ん中の所に集まっている形。また、雄しべ、雌しべが熟するタイミングも中心部と周辺部で外れていて。。。と言う厄介者ですが、それによって、違う花粉がかかるような仕組み。また、自家不和合性でもあるはずで。キク科は。。。キク科全体かどうかは、渡辺も勉強不足なので。。。興味のある方は、調べてみて下さい。で、実際に分解を始めると、性格が出る訳で。やっている生徒さんたちもおもしろいかも知れないですが、もちろん。それ以上に、見ているこちらも楽しめる訳です。どれだけきちんと並べるかなど、実験を終わったあとの整理などを考えると、とても大事なポイント。全部をいっぺんにばらばらにするのは、簡単。でも、それだと、後始末が大変。。となる訳です。最後は、世界に向かって、情報発信。最初にも書きましたが、受験生な訳です。がんばって、あと少しです。もちろん、大学に入ってもやらないといけないことはたくさんありますし、その先にも。ただ、よい師匠と巡り会うためにも、今、がんばることだと思います。

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DSCN3724.JPG 最後になりましたが、今回の発表会でお世話になりました、生物の多賀先生をはじめとする先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

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 わたなべしるす

 PS. 多賀先生の大学時代のご専門は「ゾウリムシ」。そういえば、渡辺が学部の頃に「モノクローナル抗体」を作るために通っていた理学部・生物の竹内研は、その前の教授の先生がゾウリムシのmatingの研究をされていた樋渡先生。研究室のあちこちに樋渡研と書いたものがあったりしましたし、当時の言葉で、over-doctorだったと思いますが、博士研究員というか。ゾウリムシをつぶして実験をされている先輩がいらっしゃいました。農学部から慣れない理学部の生物にきて、とても親切であれこれとして頂いたのを思い出しました。多賀先生は樋渡先生のお弟子さんのお弟子さんとか。。。世の中狭くできていました。あと、仙台白百合学園中学・高等学校の卒業生といえば、渡辺の研究室ができて間もない頃にアルバイトをしてくれていた「若林さん」がそうでした。HPを見たのですが、その当時のHPのdataがなくて。。。ここでアルバイトをされたあと、農学部の応用微生物の金子先生の修士課程をでられて、今は発酵関係の企業に就職していると。。ずいぶん、懐かしく、ご無沙汰なのですが、こんな環境で育って、社会に出たのだなと。。。

 PS.のPS. 再来週は、中四国方面に出前講義。母校の今治西高等学校でも。楽しみにしています。あと、いつも農業科でお世話になっている今治南高等学校へも。今日の愛媛新聞を見たのですが、「メロンたわわ、ユニーク栽培法で収穫 今治南高」という記事が。渡辺が6月に伺い、スイカの交配などの指導と講義をする場所。とても立派なメロンができているようでした。9月末に伺ったとき、講義が終わったあと、拝見できれば。。。できれば、試食できればと思いつつ。楽しみが増えました。

 PS.のPS.のPS. ちょうど、9月になったので、科研費を書く時期。今も、作戦をどうしようかと考えているわけですが。。。そんな科研費関係でとてもお世話になっていた事務の方がこの9月いっぱいで退職ということで、挨拶に来て頂きました。こちらから伺わないといけないのに。。。恐縮でした。お世話頂いた「科研費の心」の部分を次の科研費につなげるようにがんばりたいと思いますので。ありがとうございました。本当にお世話になりました。また、いつの日かお世話になることがあればと。。。何よりも世の中、狭いので。。。

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