東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2014年9月の記事です。

【出前講義】仙台市立七北田小学校 NSP 5年生「花の不思議な世界--りんごの花からリンゴができるまで??--」(9/30, 10/1追記)

2014年9月30日 (火)

 ついに今日で9月も終わり。科研費の申請書の〆切が気になりながら。。。少しずつ書いては、出前講義という感じでしょうか。今月最後の出前講義は、仙台市立七北田小学校 NSP。5年生向けに「花の不思議な世界--りんごの花からリンゴができるまで??--」。10日ほど前に、木町通小学校と同じ内容。七北田小学校に着いたら、見上げるような大きなマメの鞘が。。。。たぶん、「ナタマメ」だと思うのですが。。。さすがに、石垣島で見つけたことがある「モダマ」よりは小さそうに見えたのと、モダマはたしか、亜熱帯くらいの気温がないといけなかったような。ナタマメなら、本州でも可能だったような。。。そんなのを見つけて、驚いて。今日の講義は、最後にも少し書きますが、仙台市教育センターの青木先生、豊川先生が渡辺の講義を参観ということで。。。

DSCN3931.JPG 最近、忙しいのもありますが、忘れ物が多くて。。。ということで、研究室のスタッフの方に色々な場所に、カメラ、リンゴ、博士、。。。何とか忘れ物もなく、講義をスタートできました。130名を超える5年生。夏休み前には、田植えイネの観察などを行って、植えたあとには観察するようにいっておきましたが、やっぱり夏休みが入ると。。。出穂期がちがうのですが、見てくれてなかったようでした。少し残念。。。講義のあとに、見に行ってみると、出穂期が早いと思われるものは、稔ってないというよりもトリに食べられたのではという穂になっていて。一方、ひとめぼれくらいの出穂期のものは、周りに水田があるからでしょう。稔っていました。七北田小学校の少ないイネより、田んぼのほうがという感じだったのでは。。。これはあくまで、渡辺の観察。帰り道で水田に行くと、しっかり、イネの籾をむいて観察している児童の方々も。すばらしいことです。

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DSCN3938.JPG 最初は花の名前と何科の花か。バラ、リンゴ、イチゴがバラ科というのは、皆さんには驚きのようでした。一方、3年生からNSPをやっているからでしょうか。アサガオ、ヒルガオはヒルガオ科、ユウガオは、ウリ科でカンピョウというのを覚えてくれていたのか、知っていたのか、いずれ、立派でした。感動でした。また、ハイビスカス、コスモスの花もしっかり理解していて。ただ、キク科の花は多いので、「ガーベラ」という名前は難しかったようですが、名前を聞いて、「あああーーー!!」ということは、知っているのだなと。

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DSCN3952.JPG 雌しべの先端を電顕で観察した写真は感動だったようです。あのような写真を小学生で見ることはないでしょうから。また、花粉管が伸びていく動画は、かなり感動だったようです。中学校で習うようなことですが、もちろん、動画でなくて。よく観察できていました。さらに、リンゴの花から、リンゴができるまででは、リンゴを並べておいて、講義の休み時間にたくさんの児童の皆さんが触ったことで、ぴかぴかに。ちょうど外国でよく見かけるリンゴのように。日本では、この表面のwaxを取り除かないで出荷。これもある種の農業というか、文化の違い。ぜひ、外国に行ったら、見てみて下さい。あと、リンゴはバラ科で、花が咲ききったあとの小さな果実の時は、ちょうど外国産のサクランボみたい。そこから摘果をして、1つのリンゴを大きく育てる。これも、去年のメロンの時に講義をしたので、覚えてくれていました。立派でしたよ。で、リンゴには、自家不和合性というのがあって、自分の花粉と他人の花粉を区別できると。さすがに、植物なので、そんなことはないだろうと思っていた子どもたちも、動画を見て、びっくり。他人の花粉だけが動き始めると。。。やっぱり動画の効果は大きいです。さらに、リンゴの花が咲いていた当時とリンゴの果実を比べると逆さま。ぜひ、おうちでみんなに話してみて下さい。ということを話したら、あっという間。それぞれのクラスごとに質問の時間がありませんでした。レポートに質問はお願いしますね。

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DSCN3964.JPG 最後になりましたが、椎名先生、5年生の先生方を初めとする先生方にお世話になりました。ありがとうございました。これから秋・冬のNSPシーズンとなります。よろしくお願いいたします。


 わたなべしする

 PS. 最初にも書きましたが、仙台市教育センターの青木先生、豊川先生を交えて、校長先生、椎名先生と理科の話を。終わったあとには、立派に育てられている畑、水田を見て、こうして、命の大切さを理解してほしいという議論も。最近は、動物を小学校で飼育するのが難しくなりましたので。この前の今治南高等学校と日高小学校の連携は、重要と思いましたので。

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DSCN3970.JPG PS.のPS. 出前講義と直接関係はないのですが、研究室でアルバイトをしてくれている1年生の進藤さんが、基礎ゼミ発表会で、「ポスター・プレゼンテーション賞」を受賞したというお知らせを頂きました。去年も、渡辺が主催していた基礎ゼミの受講生がダブル受賞。2年続けての受賞というのはうれしいですね。そうそう、明日からの後期では、展開ゼミを行います。また、別のところでお知らせしますが、まだ、2名の学生さんしか、申込がありません。。。お待ちしております。

 PS.のPS.のPS. 10/1(火)、17:30ころですが、七北田小学校のHPに昨日の講義の記事を見つけました。ありがとうございました。



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アナログ、常識、古文書(9/28)

2014年9月28日 (日)

 周りを見ていても、昔より出張が多い。渡辺が学部生として、日向研に入った頃、日向先生の出張がどれくらいだったのか。。。ぱっと思いつかない。ただ、今の渡辺よりは遙かに少ないという記憶しかない。であれば、渡辺だけかと思えば、共同研究、プロジェクトの共同運営をされている先生方を見ると、同じようにあちこちに行っている。そんな昔のよかったことは、一度出れば、連絡のとりようがないこと。連絡を取ろうとしたら、宿に電話を入れて、伝言をお願いする、どうしても急ぎの時は、Faxなどで要件を入れる、くらいであった。なので、もう無理というような時以外というか、まず、あきらめて、自分でこうしようと決めて、もどってきたら、こうしましたという報告であったと思う。というか、日向先生が出張から戻ってくるまでに、言われていたあれをここまではやったぞ!!(実験ノートを机にたたきつける訳ではないですが、そんなイメージで。。。)という感じで、もどった翌日などに議論したのを思い出す。そんなアナログの時代なので、もちろん、Internetもないし、携帯もない。携帯と言うよりは、スマホなのかも知れない。そうなると、出張先でどんなことがあるのか、どんな街なのかと言うことをあらかじめ、調べておく、あるいはそれに類した本を仕入れて、出かけた。ところが、今では、そんな時間がないのもあるが、まあ、行って調べればよいとか宿で聞けばよいとか。。。時代が変わると、そうなるのだろうか。。。そうした、アナログ・デジタルと言うことも出先で問題であるが、それと同じくらい考えるのが、pdfをパソコンで読むのか、印刷するのか。。。結構、頭を抱える。書類全部になったら、たまったものではない。ただ、pdfは普段、大きな画面で見ているので、出張用のパソコンの画面では、。。苦労する。特に苦労するのが、2つ以上のものを比較しようと思うとき。これはかなり大変である。。。何とかしたい。液晶画面でなくて、有機ELだっただろうか、丸めることができる画面。そんなのが実現するのがよいことなのか、そうでないのか。。。これまた、難しい問題である。

DSCN3928.JPG そんな出張からもどってくると、書類がたまっている。。。これも頭の痛い問題である。いろいろ工夫をして、出先でも処理できるようにしているが、アナログでなくて、デジタルのおかげである。。。そんな書類の中に「曙光」という全学教育広報誌があった。半期に1度、昔で言う、教養部から発行されている。半年前には、昨年度の実施の渡辺の基礎ゼミを受講し、発表会で受賞した木幡君がその基礎ゼミのことを記した記事があったのを思い出す。ただ、こうした教養部内での活動とか、先生方が何を考えているのかなどと言う情報発信は、思えば、渡辺が学生の頃には、何もなかったような。。。代わりに、あったのは、当時は意味不明に思われた「三◎塚」とか書いたわら半紙に印刷されたチラシと言わず、ビラと言われていたものが散乱していた。そんな渡辺の教養部時代と余り変わらないというか、少し前の教養部時代を過ごされ、いまは「科学者の卵養成講座」を一緒に運営している工学部の安藤先生の「「教養教育」という名の同床異夢」と題した記事を見つけた。もちろん、他にもこれはと言うのもあったのかも知れないが、何せ、書類の山を片付けるのが先決なので、おもしろいものから読んでみるという日向先生の教えに習って。。。それによると、1993年に教養部が廃止されたとか。助手になって数年、学位を頂く1年前の出来事だったのだと。。。職員でもあったので、旧教養部の教員が農学部にも来るとか、何とか、そんなことが学科の会議だったか、研究室の職員の会議で話題になったような。大学で、遺伝学をやりたくて農学部に来たのに、実際は教養部。学生証も教養部長のはんこが。。。なんか、だまされたような気分であったし、これはと言うか、おもしろいと思った講義は聴いていたが、そうでないのは。。。(この。。。。の部分は、当時、学生であった世代なら、ご理解頂けるのでは。。。)。その文章中に「大学時代には・・・・先生は教えてくれる存在ではなく、自分で勉強しないといけない自覚とか、・・・・」と言う下りが。確かに、分厚い有機化学の本の一部を講義して、そこから試験だと。。。全然できず、これは困ったと思ったら、その試験でよくないこと(これも想像をしてほしい。。やってはいけないこと、当たり前に。。。)をした学生がいたらしく、全員が再試験。何で、全員と思ったが、逆にほっとして、気合いと根性で本を読み込んで、単位をgetしたと言う記憶だけある。今となって、本を見たら、わかるのかも知れないが。。。あと「読み書きそろばん」と言うのがあって、これはよいことだと思ったら、そのあとに、国際化対応で、英語力もとか。。。これは困った。。。教養部時代からと言うより、それ以前の問題かも知れないが、少なくとも、論文を読み書き、するくらいは。。。しゃべるのが、聞くのが難点であるが。。。いずれ、手持ちのdataをためなように論文として発表することが大事なのだろうと。最後の方に「価値創造力」、「パラダイムシフト」と言う言葉があった。難しい言葉と思ったが、「常識」と思ったことをひっくり返す考えと言われれば。。。ずいぶん、学生の頃に学習したような。。。というか、ずいぶん、痛い目に遭ったので、。。。これだけは、何とかなるのかも知れない。非常識と言われても。。。

DSCN3829.JPG そんな教養時代、理系の科目はそれなりに何とかなった。子供頃から苦手であった天文学以外は。。。その講義で覚えているのは「陽子、量子」と言う言葉。物理学の話かと思ったら、そうでなかった。。。それこそ、非常識で。おもしろい人もいるものだと思った。。文系はと言うと、何故か、今治人だからであろうか、経済学だけはおもしろかったし、試験の時にも倍以上くらいの答案を書いたような。ただ、fitするのがなかったのか、理由がわからないが、歴史とか、そういうのがなかった。今になって、歴史の重要性を理解して、古い本を読んだり、古文書は読めないが、文理融合のプロジェクトも始めたり。。。そういえば、この前の倉敷天城中学校でのSSH特別講義の時、玄関先に古文書というか、漢文というか。。。。きっと著名なものなのだろうと思ったくらいで。まだ、まだ、修行が足りない。。そういえば、さっきの安藤先生の最後のパラグラフには「真の自立には知的判断力や大局観が必要であり、そのためには文学、歴史、科学、芸術への深い好奇心と継続的な学修が求められる。」と。。。一見関係ないように思えることを結びつけることができるからこそ、新しいことができるのだと。。。そんな好奇心があればこそ、よい文章も書けるのだろう。。。ということで思い出した。出張先で思いついたことを、ノートの端に殴り書きして、「古文書」の読めない文字のようになった「科学研究費」の答案の一部を早く読み返して、アナログからデジタルにしておかないと。。。読めないような文字で書いてあるので、。せっかくの思いつきが。。。消えてしまってはしょうがないので。。。そんな9月最後の日曜日であった。

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 わたなべしるす

 PS. 先日の英語の単語の使い方に関連した記事ではないが、「米国では10人に1人が「英語が苦手」」と言う記事が。。。何か、狐につままれたような。。。。ただ、最後には、やっぱり英語が重要だと。。。。困ったものだ。

 PS.のPS. 話題の中に入れることができなかったが、昨日の昼頃に岐阜県と長野県境の御嶽山が噴火して、多くの死傷者が出ていると。。。雪のように積もった灰の中を歩いているというのを見て、鹿児島での桜島の噴火を思い出した。亡くなられた方々のご冥福を祈りつつ、。。黙祷。



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【出前講義】岡山県立倉敷天城中学校・SSH特別講義「SSH課題研究を始めるに当たって」、「課題研究指導」、「中高生との交流会・ワタナベセッッション」(9/25-26)

2014年9月26日 (金)

 前日が、愛媛県今治市内で、午前(愛媛県立今治南高等学校)、午後(愛媛県立今治西高等学校)と高校に出前講義。今治はこれまでも書いたとおり、生まれ故郷。大学に入って間もない頃、今治から仙台へ行くのに飛行機を使うことはなく、船で本州へ渡る訳です。今と違って、橋がないので。。。しばらくよく使ったパターンが、予讃線で高松まで。そこから、宇高連絡船で1hrで宇野へ。そこで、寝台特急瀬戸に乗換え、東京まで。東京からは、大宮暫定開業の間は、上野に出て、そこで、リレー号で大宮へ。寝台以外は自由席だったので、その度ごとに、少し早くたって、ダッシュで自由席を確保。また、宇高連絡船の上では、海を見ながらの讃岐うどんをいっぱい。旅という感じもあって、今となっては懐かしいものがあります。今では、本州四国連絡橋ができ、岡山に直接行くことができ、便利になりましたが、そのぶん、列車の中で、うどんという具合は行かなくなり、お弁当をと言う訳です。まあ、それはそれで風情がある訳ですが。。。。

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DSCN3866.JPG 今回の出前講義最後は、金光学園での発表会で、中学生が英語でしっかりした発表をしているというので、びっくりして、プレゼンで質疑をしたのがきっかけの「岡山県立倉敷天城中学校」。学校設立当時は、私学だったようですが、いくつかの統合などもあり、現在に至り、10年ほど前から中学校も併設され、SSHも実施している学校です。学校の中には、昔を偲ぶような古い建物と同時に、サイエンス館という、科学を目指そうと言うような建物も。今回は、2日間で中学校3年生対象に3コマの課題研究等の講義(1クラスずつで、2hr x 3)と1日目の講義のあとが、高校生の課題研究の時間でしたので、課題研究の見学とコメント。課題研究はちょうど、テーマを決める時期に当たっていて。。。そのあとの夕方には、希望する中高生との交流会「ワタナベセッッション」と名付けて頂き、世界の「ナベサダ」のようにかっこよくないですが、いろいろな話を。

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DSCN3881.JPG で、中学生向けの講義は「SSH課題研究を始めるに当たって---中学校でのSSH, 課題研究が高校、大学、大学院での研究につながる。。。---」と言う内容。課題研究を始める前に、開講式のあとに講義をしたことはありますが、それはあくまで高校生対象。もちろん、1, 2年生な訳で。高校の。今回は、それよりも半年ほど若い中学生が対象。この出張前から少し体調を崩していたというか、発熱をしていたりして。。。というよりも、中学生に講義をするのは、ほぼ、はじめてという感じだったのもあって、緊張していました。というか、中学生からの目に見えないオーラがあったのでしょうか。。。おかげで、1日目の講義風景の写真と集合写真を担当の塩飽先生にお願いするのを忘れる始末というより、2日目の最初の講義では、集合写真も忘れて。。。。何事も修行が大事だと。改めて、感じました。1つの学年を対象に講義をするとき、ほとんどが学年全体で講義。多いときは、400人くらい。それだと、生徒への個別の目が届きにくいと。。。それもあって、クラスごとの講義をお願いされました。クラスごとに講義というのははじめてですが、七北田小学校では、講義が終わったあとに、クラスにもどってのクラスごとでの質問タイムはありました。

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DSCN3913.JPG 1日目の午後と、2日目の午前で、3コマでしたが、クラスごとに反応する生徒さんの具合も違っていて。それはそれで、こちらも楽しめました。ただ、ついつい、最初の、SSHとはとか、サイエンスだけでなくて、文系とも融合してほしいとかなど、本質論からかけ離れたような話も。。ただ、大学での講義を思い出すと、本質の部分は覚えてなくて、脇道の部分は、たくさん覚えていることもあって。。。なので、それはそれで、刺激になったのでは。。。英語ももちろん、大事。ただ、日本人である訳なので、その日本語できちんとした文章を書けるようにと。また、自分の中学校時代を思い出し、自由研究はしたけど、課題研究のような論理的なことはできておらず、どれくらい繰り返しをしただろうかとか。定量的な実験をしていただろうかと、反省をしながらの講義という感じでした。この倉敷天城中学校は、3年間で個別に課題研究に取り組むとか。もちろん、文理の課題に関係なく。これまでは、毎年新しいテーマで取り組んでいたとか。新しいことも大事ですが、継続してみてはと。SSHの講義のあとには、渡辺のこれまでの履歴というか、それぞれの世代で何を学んでほしいか。そういえば、何かを読んだときに、サッカーなどでは、身につけるべきことを決めているとか。科学だとそんなこともなく。。渡辺の履歴がどれくらい参考になったのか、よくわかりませんが、高校進学で受験がない分、いろいろなことをしっかり考え、観察して、進路を見つけてほしいと。。もちろん、渡辺の研究室に来てくれる生徒さんがこの中にいれば。。。そんな中で、小学校時代までは、将棋のプロを目指したという生徒さんも。ただ、自分の限界を感じて、プロでなく、今の道へという方も。これまでもいたのかもしれないですが、はじめてのことで。しっかり将来を考えているのだと。。。感動でした。いつもなら、全てのクラスで集合写真が、最後のクラスだけ。。。申し訳ありません。また、次の時には。。。と言うことで、世界に向けて、情報発信。

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DSCN3926.JPG 1日目の講義のあとは、高校SSHの課題研究活動を見学。それぞれの分野で何をやろうかと。昨今、高校生がテーマを考えることが大事と言われていますが、もちろん、そうしたこともあるかも知れないですが、以前、鹿児島でしゃべったように、それを最後まで完遂する実行力、自分の実験がどれくらいの経費がかかっているかというコスト意識、また、最初と関係あるかも知れないですが、様々な環境に適応できる忍耐力、ストレス耐性というのも重要とか。そんなことも課題研究で学んでほしいなと。生物班は水質の問題をやろうとしていて、渡辺は、変数が多くなること大変なので、変数はできるだけ小さいように考えることが大事と。というのは、師匠である、日向先生の教え。いつだったか、自家和合性の遺伝解析をしている学生さんを指導して、遺伝子座の数を多くしたら、説明できるというので、3, 4遺伝子座でやってみたらと言うことがあったのですが、実際にその遺伝子が何をしているのかわからないような仮定を多くしても、意味不明なものが増えるだけというのを日向先生にいわれて。。。いまにして思えば、できるだけシンプルなモデルの方がよいというのはわかるのですが。。。若いうちには、少し難しいのかも知れないとと思いつつ、そんな話も。と、あっという間の見学、コメントでした。

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DSCN3891.JPG 1日目の最後は「中高生との交流会・ワタナベセッッション」。ポスターも作って頂きました。最初に中学生がダニエル電池だったと思いますが、そんな実験で、なぜこうなるのかと言うことについて、コメントを求められたのですが、。。化学はすでに、。。確か、SSHのどこかの高校でやっていたので、そうしたところの生徒さんをまた、紹介したいと思いますので。そのあとは、中高生20名弱と数名の先生方も交えて、交流会。多くの質問が出るかと思ったのですが、少し遠慮がちの生徒さんだったのでしょうか。塩飽先生の方が質問をリード頂き、渡辺の人生の分岐点はと言うことで。遺伝学をやろうという決断をしたこと、共通一次試験ができず、東北大に行ったけど、そこで、日向先生・自家不和合性研究に出会ったこと、また、Natureに論文掲載をできるような研究にできたことだろうと。また、サイエンス面での質問では、なぜ、自家不和合性、和合性があるのか。自家和合性では、自殖弱勢が出ないのかと言うことを。ダーウィンの実験を紹介して、。。結局、交流会と言いつつ、渡辺がしゃべっている時間の方が多かったかも知れないですが。。。いつでもまた、質問のmailを送って下さい。さらに、高校3年生の方々、4年後に渡辺の研究室でお会いできるのを楽しみにしております。と、気がついたら、すっかり周りは真っ暗で。。。秋が深まりつつあるのだなと言うのを実感しつつという感じでした。いずれにしても、渡辺が暮らしたような田舎で、自然も豊か。そんなところで、自然の変化を学んで、それを理解することで、他の様々ことを深める力をつけてほしいなと。

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DSCN3895.JPG 最後になりましたが、岡山県立倉敷天城中学校・中塚多聞校長先生、塩飽修身先生をはじめとする関係の先生方にはたいへんお世話になりました。ありがとうございました。また、年度末に開催される発表会でのコメンテーターもお願いされました。できるだけ日程調整を行って、お邪魔できればと思います。と言うのと、是非、1人でも多くの生徒さんを東北大学に、また、大学院で渡辺と一緒に研究できる方がいれば、楽しみにしておりますので。ありがとうございました。

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DSCN3903.JPG わたなべしるす

 PS. Wikipediaによると、この高校の卒業生に、テレビでよく拝見するアナウンサーの方もいるとか。多様な人材を輩出しているというのは、教育システムがしっかりしていることの裏返しだろうと。。。ふと、そんなことを。。。

 PS.のPS. 一昨日の今治での出前講義のあと、先生方との交流会でしたが、食事をしたところのオーナーが、この岡山県立倉敷天城高等学校を卒業して、九州工大に行かれた方でした。何か、不思議なご縁を感じつつのここ数日間でした。ありがとうございました。

 PS.のPS.のPS. 今回の講義のきっかけを頂いた英語での発表の時に、発表を間違えたら、その時は、なんというのか。わたなべは以前に、「Excuse me」と。生徒さんたちは、「Sorry」と。それについての記事が、Wall Street Journalのweb pageにあると。そんなmailを頂きました。ありがとうございました。



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【出前講義】愛媛県立今治西高等学校・大学出張講義「農学・生命科学入門--アブラナ科植物の自家不和合性と研究者への道--」(9/24, 10/4追記)

2014年9月25日 (木)

 午前中は愛媛県立今治南高等学校。午後は愛媛県立今治西高等学校。本校相互は歩いて数分の所にあるのですが、日高農場からだと。少し距離があります。高校時代は、年に1回のマラソン大会の時に日高農場の前を通ったような。。。歩くと結構な距離です。このところ、毎年ですが、母校の今治西高等学校から、大学出張講義をお願いされ、今年も。ありがたいことです。高校から今治駅の方に少し歩いたところに常盤小学校がありますが、その小学校と今治小学校の合同だと思いますが、ここ数年、普通のうるち米と紫稲をつかって、水田アートとでも言うのでしょうか。そうしたものが作られています。いつも何なのかわからないのですが、今年は立て看板があり、こんな文字という説明が。ただせっかくなので、できるだけ高い位置から撮影して、それらしく見えるように。。。実際に植える小学生は楽しいだろうなと。。。また、その近くでは、高校時代の体育の時間にハンドボールをおしえてくれていた先生が、マツの手入れをされていて。高校の時には、ボールうまくつかめず、苦手でしたが、今は、渡辺に近いfieldのことをされているもあって、高校へ伺う前の短い時間でしたが、楽しく話して頂き、昔を懐かしむことができました。ありがとうございました。

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DSCN3838.JPG 大学出張講義で母校に伺うと、時間を見つけて、校長先生とお話しします。今回も時間を頂き、今年度、東北大受験生がおらず、申し訳ありませんと校長先生からお話しを頂いたのは、恐縮でした。東北大には、あとの講義でも話をしましたがAO入試を2 pattern用意しているので、是非、トライしてほしいと。。。そんな校長先生との話のあと、講義をされるtotal 11名の大学教員が会議室に集合し、担当の月原先生の方から、総合学習の時間を使って、進路のことを考え始めたところだと。もちろん、文理選択は、渡辺の頃と同じように、2年生の時というか、1年生で希望をとって、2年生からは文理それぞれと。また、渡辺の頃とは、カリキュラム、おしえる内容も異なることもあって、。。ただ、講義をするときには、こんなことは、ニュースとかで聞いたことがあるのではと言うことは、渡辺の頃に何を習ったというのは関係なく。

DSCN3862.JPG 講義はいつもの生物講義室。高校に入って、はじめて1年生で生物の講義を受けた場所。あの当時は、細胞の成り立ちから入り、核、核膜、ミトコンドリア、小胞体など、中学校まででは聞いたことがないような細胞内小器官の名前も。また、渡辺が大学に入ってからの「生物化学I, II」の講義もそうでしたが、黒板を上下にして、ひたすら、黒板に書かれることをノートに書くのが精一杯で。。。どうも苦手でした。高校時代では、生物Iの最後の「遺伝」の所だけは、確率というか、数学的に考えればよかったこともあって、そこだけは点数がよかったような。そんな記憶が蘇る場所です。この講義は2年生が聴講対象ですが、昨年、1年生で何かの都合で、1年生のイベントに参加できず、渡辺の講義を聴いてくれた方が、今年も聴講してくれていました。うれしい限りです。今の高校生が、今治しないで小学生向けに講義を始めた2年目の学年。なので、小学校の時に、渡辺の講義を聴いた受講生がいるかと思いましたが、意外とそうでもなくて。来年あたりからでしょうか。講義の内容は、渡辺の研究対象である「自家不和合性」のことと「キャリア教育」の話。将来を考えるという意味では、こんなことをしてみたい、こんな学部を考えているけど、将来への不安というか、キャリアをどうすればよいのかと言うことに悩まれているからだと思います。最初に、講義のどちらに重きを置けばよいかというので、手を上げてもらったら、「キャリア教育」の話だと。ということで、研究の話をできるだけ早めに切り上げ、キャリアの話と思ったのですが、。。。

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DSCN3847.JPG 講義の最初は、渡辺が受講生の先輩であると言うこと。年齢を数えるととてつもなく上になってしまったという何ともいえない気持ちになりつつも。簡単に自己紹介を。そのあと、自家不和合性というか、植物の生殖の話をする訳ですが、その前に、植物の基本的な大切さ。それは、植物があるから、生きとし生けるものがO2(酸素)を摂取することができると。。。当たり前のことではありますが、意外とこの酸素のありがたみを忘れている訳です。植物は光合成をしてくれて、その同化産物を、人間に食糧として提供してくれていることは、もちろん、理解している訳ですが、その前にと言うところを、改めて。。。こんな地球に大規模に貢献している「植物」の話と言うことで。それに続いて、恒例の普段食べている野菜、果物、穀類などの花を見て、それが何の作物なのかを考えるコーナー。今治のように自然が豊かなところです、たくさんの名前がわかるだろうと思ったところ。。。わかったのは、オクラ、キュウリ、ネギ、くらいだったかと。。。もう少しわかると思いましたし、愛媛県の花になっている身近な「ミカン」の花はわかってほしかったですね。ヒルガオ科のサツマイモの花を見て、食べるものという条件があるのに、「アサガオ」という生徒さんも。。。ネギ坊主をみて、タンポポかな。。。と言うのもあったのは、結構かなり、ショックでした。また、ヒマワリの上のハチさんがどこから来て、何をして、次にどこへ行くのか。というのをいつも聞く訳ですが、ここではちゃんとした回答があることを期待したのですが、。。。まず、最初に、ハチさんがどこから来てというところで、これはある意味斬新でしたが、「森、山からきた」と。よくある回答は、「巣から来た」と言うのがほとんどなのに。。。確かに、蜂の巣の多くは、山とか、森にあるかも知れないですが、意外と身の回りにもあります。最近は、温暖化の影響で人家の周りにまでスズメバチの巣ができているというのを聞きますし、アシナガバチであれば、簡単に見つけることができると思います。秋は巣別れからのシーズンだったでしょうか。あまり近づかない方がよいかも知れないですが、冬には落ち着いていると思います。探してみて下さい。

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DSCN3851.JPG 遺伝的多様性を持つことは大事なこと。その多様性を生物というか、生き物は大事にしている訳で。動物では免疫系が機能しているとか。では、植物ではどの様に多様性を獲得するための工夫をしているのか。トウモロコシなどでは、雌雄の生殖器官が熟するタイミングをずらすことによって、違う個体の花粉で受粉、受精していると。。。意外と知らないようでした。もちろん、話のメインの自家不和合性では、驚きの動画を見ているようなのは、何よりだと思いました。というか、多くの生徒さんが動物に興味を持っているようでしたが、植物も考え、工夫しているというのは、わかってもらえたのではないでしょうか。また、自家不和合性を使うことで、異なるS系統を用意することで、容易にF1雑種を作ることができ、雑種強勢を発揮させることもできると。ただ、雑種強勢発現のためには、多くの組合せを実験した結果であり、それをするのが、品種改良、育種だと。また、アブラナ科植物の自家不和合性については、25年近くの研究で多くの成果を上げてきて、Nature, Scienceというtop journalを目指したと。是非、今西の後輩と一緒に研究をして、Natureに論文掲載をしたいと。。。この中から、そうしたメンバーになってくれる人がいるのを楽しみにしていますので。

DSCN3854.JPG 後半は、渡辺の小学校時代から現在に至るまでを提示しての「キャリア教育」。渡辺と同じ小学校、中学校を卒業した方はきていませんでしたが、隣の小学校の学区の方は。ずいぶん時代も変わったので、ただ、基本、今治の田舎というのは、変わってないのではないかと。そうした中で、小学校の時に体験したのが、大事であったと。もちろん、今でもよいのでと。。。。その渡辺が小学校を卒業するときに「科学者になりたい」と書いたのは、いつも書いていることですが、当時のアニメの影響。でも、そのアニメの科学力は、現在でも実現されてない訳で。そう考えると、科学の心を揺するには十分であったのだと思いますし、今でも、意味があるのではと。。そんな渡辺が高校時代にどの様なことを学んだのか。今でも意味があることだと思うので、是非、大事にしてほしいと。。。高校3年生で共通一次試験ができず、悩んでいるときに励ましてくれたのが、小学校の時の担任の先生だと。また、そのおかげで、東北大に行くことができ、先日なくなられた師匠の日向先生、自家不和合性に巡り会うことができたと。。。だから、やりたいことをしっかり持って、がんばることだと。このあたりから、時間も足りなくなってきて。。。ただ、農学部というのは、幅広い学問であり、是非、進路の1つに考えてほしいと。また、論理的思考力、リーダーシップ、問題発見能力も大事だけど、責任感、コスト意識、ストレス耐性も大事だからと。今治人なら、コスト意識は知らないうちに、埋め込まれているからと。。。座右の銘として、いつものように、理化学研究所所長・原子物理学者・仁科芳雄博士の「環境は人を創り、人は環境を創る」を。だからこそ、今治の後輩たちに還元したいのだと。。。それは、前々日に研究打合せでお会いした、広島工大の渡辺より15級くらい上の越智教授も同じことを。是非、そんな先輩もいるから、HPを見てほしいと。。。最後はいつもの組織論と集合写真で世界へ情報発信。

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DSCN3860.JPG それから、後半のキャリア教育の所だったか、どこかで何をやりたいのか、と言う質問をしたときに、イネの品種改良をしたいとしっかりとした目標を持った生徒さんがいたのは、立派です。ぜひ、大学院では、渡辺の所に来て、一緒に遺伝学、ゲノミクス、エピジェネティクスという先端のことを学んで、日本のleading varietyになるようなイネ品種を育成してもらえるような人材になってほしいなと。楽しみにしておりますので。と言うことで、今年の母校での講義も終わった訳です。

 最後になりましたが、愛媛県立今治西高等学校・月原先生、小野先生、中川先生をはじめとする関係の先生方にはお世話になりました。ありがとうございました。また、今治で出前講義があるとき、お邪魔でいればと思います。と言うのと、是非、1人でも多くの生徒さんを東北大学に、また、大学院で渡辺と一緒に研究できる方がいれば、楽しみにしておりますので。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 講義をしていた机の上に九大の仁田坂先生が書かれた変化アサガオの本を発見。あんなに変わったアサガオを江戸時代に。というのは、すごいことだと。遺伝学のおもしろさを理解する上では、よい刺激になるかと。多くの生徒さん、是非、見てみて下さい。渡辺も河北新報の記事を書くときに、ずいぶんお世話になった先生でもありますので。と言うこととともに、皆さんの祖先の人たちは、メンデルの遺伝の法則を知らないで、こんなことができたのだと。。。

DSCN3861.JPG PS.のPS. 講義が終わったあと、同じように講義に来られていた、九州工大・安永先生とは、高校時代の同期。こんなところでお会いして話をできるのはうれしい限りで。ただ、どこの大学が抱えている問題も同じ。議論が進んだ頃に、午前中にお世話になった別府先生も。高大連携と言うことで、いろいろな話もできました。ありがとうございました。

DSCN3863.JPG PS.のPS.のPS. 昨日の夜に、Twitterで速報しましたが、打合せなどが終わって宿に戻った少し前と、ちょうど、その頃だったと思いますが、21:45頃、22:30頃に、M5.0, M5.2の地震が。。。1hrの間に連続とは。。。ちょっと、びっくりでした。研究室のある仙台市青葉区は震度1~2だったと思われますが、確認したところ、研究室の被害はなかったと。ほっとでした。

 PS.のPS.のPS.のPS. 講義の翌日の岡山への移動前には、今治市内の小学校のふるさと出前授業を統括頂いている、今治市立今治小学校の高橋校長先生と11月の出前講義についてお話しをできる時間を頂きました。ありがとうございました。教育実習の時に、ご一緒した方がこの学校にいらしたり、世の中、狭いなと。。。また、余りに差があるならしょうがないけど、そうでなく、僅差で何とかなるようなことであれば、それはtopを目指さないと。。。最初から、勝てないとあきらめるというのはと。。まさに、その通りだと思いました。勝利至上主義というとおこられるかも知れないですが、勝つことができるのであれば、がんばって、topになろう。というのは、子供の頃から、大切だと。ちょうど、運動会の頃。走るのが苦手だった渡辺も障害物競走では、工夫をして、勝とうと努力をしていましたので。。。

 PS.のPS.のPS.のPS.のPS. 10/4(土) 21:00追記。講義でお世話になった月原先生から母校のHPに今回の記事が掲載されていると。。。この上ない喜びです。ありがとうございました。


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ケーキマップ追加 三重 津 みゅう

2014年9月25日 (木)

ケーキマップに新しいケーキやさんを追加しました。

三重のみゅうというケーキやさんです。

こないだ教えてもらってたのに、登録遅くなってごめんね > 三重大のみなさま。

DSCN3677

↑を作ったケーキやさんです。

 

HPは無いのですが、三重大生に愛されている、素敵なケーキやさんのようです。

シュークリーム100円て、すごい!です!

食べたい!エクレア型シュークリーム!

 

という訳で、ケーキマップは26件になり、日本全国に、世界に広がっていくのでしたー。

県外の方のご協力、ますますお待ちしております。

 

ますこ


追伸及び業務連絡:

津の女という歌が最近リリースされましたので、以下に共有します。レ・ロマネスク"津の女"。津は今日も雨だった、ウォン ツー!世界一短い都市名を持つ三重県津市の"非公式"キャンペーン曲。ロケ地・津。

同時リリースの"蚊~~~"もおススメ。キッチュでブランニューなポップチューンです。

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