東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【全学教育科目・展開ゼミ】農学部・進藤経過報告(66)

2014年12月21日 (日)

 お久しぶりです。農学部一年の進藤です。早いもので、水菜を育て始めて早2ヶ月が経過しようとしています。

 前回の中間報告の後、ついに鉢植えの水菜を間引きしました。このとき地植えを想定して育てていた水菜と葉の形状などを比較したところ、外に出していた地植え想定鉢のミズナは、室内で育てたものよりも葉っぱの幅が小さいものが多く見受けられました。原因としては、日光を多く吸収できる環境になかった室内の葉っぱが、より効率的に日光を得るためではないかと考えました。鉢植えの水菜は間引きのタイミングが遅すぎたせいで葉の生育方向が斜めになってしまっていましたが、間引きから数日後には再び真上に葉が向いていました。その日から、肥料やけを起こさないように少量ずつ肥料を与えて、現在は写真のように育っています。

DSC00383.jpg 水耕栽培で栽培、収穫した水菜は、こちらの水菜が育つまで保存しておくことはさすがに難しいそうだと判断し、ついに塩漬けにしたものを食しました。市販のものと異なり、いかにも野菜というような若干の苦みを感じましたが、歯ごたえはしっかりとしており、とてもおいしくいただきました。

 一方、豆苗は、あれから手は尽くしたものの一回水を切らしてしまったこととこの寒さ、乾燥などの環境の悪さもあるのか、なかなか回復しなかったので栽培を打ち切り、あらたにカイワレ大根の生育に挑戦することにしました。

 豆苗の栽培での失敗点は
・水を切らす、つまり乾燥状態にしてしまった
・徒長させずに日向においてしまった
・播種する際に種をまきすぎた

 だったので、この二点を改善することに重点を置いて栽培を始めました。三番目の問題点は播種時の数を減らせば解決するのですが、一番目と二番目の問題を改善するには
・密閉性が高く、多湿状態を保てる
・遮光性が高い

 この二つの条件を満たす容器でなければならず、なかなか条件に合う容器を見つけられずにいました。そんなある日、私は奇跡的に一番目の条件を完璧に満たす理想の容器と巡り会うことができました。密閉することが可能で、ある程度の耐水性を持つので水分を吸収することもない...その容器とは、インスタントコーヒー用の紙コップでした。この紙コップのすばらしい点は、熱いコーヒーを保温するためプラスチック製のふたがついている点です。これがあるおかげで、ほぼ完全な湿度100%が保てる上に生育状況の観察も容易に行えます。もちろん、通常の紙コップでも、上をサランラップで覆い輪ゴムで縛ることで同様の容器を作ることが可能かと思います。そしてお弁当用の断熱材でできた袋の中に入れてほぼ完全に遮光された環境をつくりだすことで二番目の条件も満たすことができました。結果、カイワレ大根はかなり順調に育っています。写真は播種からおよそ1週間経過した時点のものです。

DSC00385.jpg 今後は室内で育てている水菜を収穫し、カイワレ大根を十分に徒長させていく予定です。水菜はサラダにするか漬け物にするか迷っています。





**********************
渡辺コメント

 農学部・進藤さん、4回目の投稿ありがとうございました。とてもしっかりとした報告ですね。ミズナの生育について、これまでの何がよかったかなどを考えているのはすばらしいです。文末にあったように、ぜひ、食して、その味も評価してほしいです。そのとき、市販のものと比較してください。十分に育っているので、大きさなども、忘れず、比較してください。サラダも、漬け物もおいしそうです。結果を楽しみにしています。

 スプラウトの豆苗については、うまくいかなかった原因をしっかり考えて、それを踏まえて、カイワレダイコンに応用しているのは、よいですね。また、こちらから提供したカップより、保温性の高いカップを再利用で使っている。niceです。特に、12月になってずいぶん、寒くなってきましたので。これからが楽しみですね。


 わたなべしるす
**********************


 

≪ Prev  | diary Top | Next ≫

ARCHIVE