東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】鹿児島県立錦江湾高等学校コアSSH発表会・コメンテーター(12/7)

2013年12月 7日 (土)

 今年は4回目の鹿児島です。2月にSSH発表会のコメンテーターとプレゼン指導8月はコアの計画発表会小学生向けの実験指導を仙台一、福島高校の生徒さんたちと。10月は育種学会で曽根さんが発表してくれました。それで今回は8月のコアSSHで計画したものの発表会。いつもなら、2日間という予定が取れるのですが、最近はどこも高校生がいろいろなactivityをしているようで、1日だけになりました。

DSCN0681.JPG 午前中は、京都大学・防災研究所附属火山活動研究センター・井口教授が「火山はなぜ噴火するのか--1年間1,000回爆発桜島のマグマ--」ということで、火山とそれに伴う災害の話し。前にも書いたことがあるかもしれないですが、鹿児島市には桜島があり、かなり火山活動が活発で、夏にもずいぶんと火山灰にやられました。このように近い距離に火山と県庁所在地があるというのも世界的に珍しいとか。。。講義では、桜島火山活動の歴史、火山噴火発生のメカニズム、桜島のマグマ供給システムと火山噴火予知、火山防災とその予測について、様々なトピックを交えて。興味深かったのは、桜島が島でなくて、九州と地続きになった「大正噴火とM7.1の地震の連動」。大正噴火と前兆群発地震の連動。。。また、今後10年間が、桜島の噴火にとって、何かある時期になるとか。。。。2030年頃には。。。。大噴火になると、火山灰で鳥居が埋没したこともあるとか。。。また、この大正噴火以降、これを越える火山噴火が20世紀以降で最大規模。。。。そう考えると、最近、小笠原諸島・西ノ島でも海底火山噴火、陸地形成がされているが、あれでも小規模とか。。。。また、火山灰の降下によって、交通が麻痺すると。道路であれば、1cmの堆積で。。。。2011/03/11の震災を経験したものには、昨今の日本での火山活動と大きな地震との関係はやっぱり気になるところ。これからどうなるのか、いろいろなことを考えさせられました。地球という時間軸からは、まだ短いことかもしれないですが、すでに、震災から1,000日。次の大きな地震のことも気になりますので。。。

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DSCN0686.JPG 講義のあとは、昼食をはさんでのポスター発表。かなりの参加校なので、4つのグループに分けて。。。ダイコンコンソーシアムからのスタートでしたが、このコアSSHでは、それ以外の理数の研究もwelcomeというか、そうしたほか領域への発展を目的としているので。。。そう考えると、ずいぶんとheteroになったと。。。研究対象が、ダイコン、イネ、津波、火山、バイオマス、遺伝相関などなど。。。deepなdiscussionができたのは何よりでした。また、次年度は、ぜひ、これをさらに発展させてほしいと。それが、このコアSSHの発展にもなりますので。

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DSCN0687.JPG 午後の特別講義として、鹿児島大・理・阿部教授から「マメ科植物と根瘤菌~共生の仕組みと窒素固定~」。窒素循環、工業的窒素固定(haber and Bosch法)、生物的窒素固定(ニトロゲナーゼ触媒)、単生窒素固定菌、共生窒素固定菌(マメ科、ヤシ科、シロアリ、ハンノキ、アカウキクサ)、マメ科の根瘤菌形成、根瘤菌と植物との相互作用という点についての現状とこれからの問題としての宿主特異性。根瘤菌と植物との相互作用は、自家不和合性をイメージするものがあって。。。少しこのあたりもカバーしないといけないと。。。最後に出ていた写真では、1995年に宮崎大での育種学会の時のシンポジウムでお世話になった、東先生も写っていたような。。。何かとても懐かしかったです。

 最後は、恒例の表彰。様々なポイントから・・・。なによりも、この1年間の活動であったり、今回のポスター発表がどれも甲乙つけがたく。。また、さらに精進してほしいというところについては、そうしたコメントも。。。今年度はコアSSHの中間年。次年度が最終年となる訳で、次にどの様に発展させるのかというのが、大きな問題であり、宿題でないかと。。。こちらもできるだけのことをしたいと思いますので。お世話になりました関係の先生方にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。さらに発展することを祈念しておりますので。

DSCN0690.JPG わたなべしるす

 PS. 鹿児島までの行程は、仙台一の小松原先生と2名の生徒さんと偶然一緒。これから飛行機に乗る前にと言うところでお目にかかって。。。びっくりでした。世の中狭いです。また、会議の前日には、コアSSHのコアな先生方と食事をしながらの情報交換もできました。ありがとうございました。これからどう発展させればよいのか、そのために、こちらがどの様なサポートができるのか、というようなことが少し見えたような気がしました。次年度以降が楽しみになってきました。ありがとうございました。

 PS.のPS. 2011/03/11の大地震がどの様に、なぜ起きたのかということについて、金曜日のScienceに論文が出ていました。細かな内容まで理解できた訳ではないのですが。。。。

 PS.のPS.のPS. 午前中の講義の中に、桜島爆発記念碑に「本島ノ爆発ハ古来歴史ニ照シ後日復亦免レザルハ必然ノコトナルベシ 住民ハ理論ニ信頼セズ異変ヲ認知スル時ハ未然ニ避難ノ用意尤モ肝要トシ平素勤倹産ヲ活メ何時変災ニ遭モ路途ニ迷ハザル覚悟ナカルベカラズ 大正十三年一月 東桜島村」と。。。日頃からの備え、自主的に判断することの重要性を再認識させてくれたのでした。。。。

 PS.のPS.のPS.のPS. ポスター発表の時間に錦江湾高校の家庭科、理科実習助手の先生方とキャリア教育をはじめ、様々な教育問題について議論できました。ありがとうございました。また、折を見て、出前講義にうかがえれば、幸いです。

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