東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

正確性、物差し、改善(1/19, 20写真追加)

2014年1月19日 (日)

 実験をしていると、というか、研究をしているとハプニングは起きる。想定内、想定外。。。様々なことが起きる。慣れてくれば、想定内の範囲が大きくなって、想定外のことを考えながらできるようになる。ただ、誰かもいっていたが、その日に行うことのシミュレーションをあらかじめ行う。つまり、実際に今日の手順をノートに書いて、どうなるかを考えるというのは、実験に足りないもの、遠心器が競合しないかなど、考えることができた。ただ、人間がやる限り、どこまで正確かというと。。。結構難しい。たとえば、微量の溶液をとるのに、ピペットマンを使うが、定期的に点検を行わないと、さび付いたり、正確な量をとることができない。ただ、1mlをとるというとき、どこまで正確なのか。。。というか、どこまでの正確性が必要なのか。1.000001mlと0.99999999999mlは、実験を行うときに、もちろん、この場合、われわれの分子生物学の実験と言うことにしたとき、たぶん、余り変わらないような気がする。というか、実際には攪拌の仕方だったり、そっちの方が遙かに重要な気がする。つまり、マニュアルに書けない部分の方が実際には正確性を出すには重要な気がする。では、正確性を追求するには、。。。ロボットが行うことなのだろうか。。。ただ、この場合には、想定内のことにしか対応できないような気がする。実験、研究とは、想定外のことが起きるので、何か起きたときに、臨機応変に対応する力を養成するものなのかもしれない。

DSCN5796.JPG そうした正確さをはかるためには、何らかの物差しが必要になる。どの様な基準ではかるかによって、正確さは変わってくる。現実の実験であれば、例えば、花粉の表面の模様を計ろうとしても、模様の1つずつはたぶん、微妙に違う。アブラナの花粉であれば、蜂の巣のように見える。蜂の巣でも、1つ1つの大きさはおなじようにみえても、もちろん、正確に計れば、違う。ただ、ぱっと見、同じように見えるというか。フラクタルという概念を正確に書けないが、小さな模様を重ねると、大きな模様ができ、それが小さいのを拡大するようなイメージという感じだろうか。ブロッコリー、カリフラワーに似た、ロマネスコというのがあるが、あれの形状は、フラクタルと言われ、1つ1つは、unitになっていて、それがまた大きな形を作る。たぶん、ロマネスコの形状を説明できていると思う。この正確性も、何かで計らないといけないが、なにで計ればよいのか。。。そういえば、この前のPAG XXIIの会議の時に、企業ブースで物差しをもらった。15cmくらいだったろうか。cmのメモリの反対側は、確か、インチになっていような。。。彼らは上手にその2つの単位を使っているのだろう。サイエンスをやるときと言うか、cm, m, kmなどの単位を使っているはずだが、普段はインチを使っているとか。。。日本にも一寸、一尺、というのがあった。中学校時代、技術家庭の時に使った直角に曲がった物差し。名前が出てこない。。。当時は、もちろん、cm, mmという単位しかなかったが、たぶん、当時の大工さんはたぶん、一尺という単位の物差しを使っていたような。。。家を建てるところで見たことがある。彼らは上手に使っていたのに、なぜ、うまく両方を使えるような教育が成されなかったのか。。。。その物差しにも良さがあったろうに。。。。というか、その場に適した「物差し」をつかうことで、そのものごとを正確に評価できるようになるのではないかと。。

DSCN1282.JPG 正確に物事を計って評価できるようになっても、それを変えるというか、改善するというか。。。もちろん、なにを持って改善、つまり、よくなると言うことに持って行くかというのはむつかしい。まだ、実験をしていたとき、サンプル数を多くするために、自分でサンプル数を多くなるような道具をアクリル板で作ったことがあったが、アクリル板が薄かったのだろう。。隣同士のサンプルが混じったり。。。せっかく作ったサンプルが無駄になったり。。。そのうちに、そうした現場からの意見を吸い上げて、アクリル板を加工してくれるような「ベンチャー企業」というか、そのようなものができた。そうしたら、それまで一度に、17サンプルだったのが、25サンプルできるようになり、もちろん、失敗なく。。。そうしたサポートがあればこそ、よりよい実験ができるようになった。最近は、さらに発展してと言うか、「アウトソーシング」で、実験を受けてくれるようなことも多くなった。教育的観点から、どうなのかと言うこともあるが、。。。そういえば、PAG XXIIの企業ブースにも遺伝子、ゲノム解析の受注というのがたくさんあった。もちろん、そうしたことだけでなくて、トレーニングコースのようなものも用意されていて、そこで、そこでトレーニングすることで、研究室に戻れば、現場は改善されるのであろう。改善は、改善でも「カイゼン」という言葉もある。トヨタのカイゼンというのは、有名である。世界のトヨタ。そのカイゼンも取り入れることができるようにしたいものである。


 わたなべしるす

 PS. 今朝はずいぶんと寒く、各地で雪とか。テレビでは京都で雪が舞っていた。。。今日もセンター試験、受験生にはがんばってほしい。あと1日。そして、春には、花を咲かせてほしい。そのためにも、落ち着いて、正確にがんばってくれれば。「サクラサク」というのを心待ちにして。。。。

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