先週も小学校へ出前講義であった。出前講義の最後には、サイエンスと直接関係ない「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という、戦国武将の言葉を入れていた。よくわからないけどうまくいくことはある。でも、失敗には必ず、要因というか、理由があると。。。ただ、これでは難しいと思えるような小学校3年生などにも教えることがあって、それ以降、この言葉と両方使うこともあるが、最近は主に、「毎日、がんばること、続けること、努力すること」という言葉を伝えている。最初は、この言葉を入れる講義と入れない講義があったが、どこかの小学校の校長先生にお願いされて、最近は高校生のプレゼンにも入れることがある。普段、自分がlabであったり、出張先であったり、いろいろなところで、自分が普段子どもたちに言っていること、「毎日、がんばること、続けること、努力すること」を実行できているだろうかと。。。もちろん、どのレベルまでがんばるのか、毎日となると、120%の力は継続できないと思うが、それに近いことをしないといけないとは思っている。歴史上の「天才」と呼ばれた人から見たら、全然なのだろうから。。。それを「続ける」というのが、それ以上に難しい。きのうはたくさんやったけど、今日は、だらだらというのでは。。。スポーツ選手が1日休むと10日の継続だったか、それくらいを失うと。。。こうしてみると、継続は力と言うことは明白である。そんな続けることの大切さを改めて教えてくれたのが、昨日あたりから、テレビなどの報道、netでも話題になっている理研の研究者。何度も同じシーンが出てくるニュースを見たからだろうか、いくつか、なるほどと思うことがあった。植物には分化全能性があるのに、なぜ、動物、ほ乳類にはないとなっているのかということを疑っている点。渡辺自身は、生物Iだけの履修で、受験に使わなかったが、核置換の実験、確か、カエルだったと思うが、。。それだけは覚えていたが、植物との比較をするようになったのは、大学のたぶん、研究室に入ってからだろうか。当時、培養がバイオテクノロジーとして、隆盛を極めていたので。。。なので、動物でできない理由がなぜなのか、不思議でならなかったが、今回理解できた。なるほどと。。また、「今日はがんばろう、明日までやってみよう」という言葉も感動であった。続けると言うことは、こういうことを言うのだと。。。また、NatureのOfficeから「これまで歴史を愚弄するのか。。」というような言葉であったような気がするが、すごい発見というか、実験というのは、これまでの歴史がひっくり返るというか、コロンブスの卵というか、そんなことが多くあるのだろう。とおもう。そんなmailをもらっても、めげずに続けて、Natureに掲載されたというのが、感動であった。めげないで、がんばって、努力を続けることが、最高峰への道なのかもしれない。で、その実験のことを様々な新聞が取り上げていたが、その一部を以下に記しておく。いずれも感動であった。
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140129/scn14012921150000-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140129/scn14012921250003-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140130/scn14013013280002-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140130/scn14013008430000-n1.htm
http://www.asahi.com/articles/ASG1Y41F4G1YPLBJ004.html?iref=com_rnavi_arank
http://mainichi.jp/select/news/20140131k0000m040105000c.html
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG3000P_Q4A130C1CR0000/
その女性研究者(最近は、リケジョというのかもしれないが。。)、小保方晴子博士が言っていた言葉に、色々な人が場面場面で助けてくれたと。もちろんそうしたことがあるのも、真摯に研究を続けていたからであろう。そんな研究室とは、。。高校生が昨年末にも「科学者の卵養成講座の発展コース」で訪問してくれ、実験をしていったが、研究室がどんなところかというのは、なかなか想像しがたいものだと思う。そうしたことを、これはという形でまとめてくれていたのを、宮城県の地方紙・河北新報の「プリズム」という書き物。現在は、金属材料研究所の佐々木教授が書かれている。その中に、大学の研究室はヒトのつながりを学ぶ場であると。。様々な年齢層という縦のつながり、学生のところは同期がいれば横のつながりということになる。それは社会に出た時の小さな職場と同じ。そこに適応することは、社会に適応すること。そう考えれば、研究室でどんなことを学び、どんなことに気づいて、社会に出るかと言うことは重要なポイントとなる。もちろん、教授である自分の普段の行いというか、行動というか、そうしたことが学生さんたちに影響しているのだろう。もちろん、今の自分も指導教官であった日向先生をはじめとするlab memberからの様々な影響、教え、また、外部の共同研究先の先生方からいろいろなものをもらったように思う。そんなことを大切にすることが、今回のような大きな発見につながるのだろう。あらためて、研究室運営というか、研究室で日々のあり方の大切さを考えないといけないと。。。
そうした日々の指導をしてくれたり、逆に指導をしていた学生さんから刺激を受けたりして、今の自分がある。そうした方々にお礼をというか、感謝というか、そんなことも今回の報道の内容では考えさせられた。ちょうど、そんなことと同時期に「変わる」と題した生命誌年刊号 vol. 73-76, 中村桂子編集という本を頂いた。その中に、「化学で生命現象をつなぎ、人をつなぐ」と題して、渡辺自身、学部4年生の6月か、7月からお世話になっている奈良先端科学技術大学院大学 名誉教授の磯貝先生の小さい頃からの話がつづれたものがあった。渡辺が磯貝先生の研究室に伺ったのは、まだ、東京大学農学部にいらしたころ。とても重たい鐵の扉を開けて、「東北大の渡辺と言います。日向先生の研究室から来ました。」というようなことを言ったような。その時、研究室の奥から、「はい、どうぞ。」というようなことを今も変わらない声で。。。雌しべの先端の柱頭を凍結したものを持ち込み、あらかじめ、精製されていたSLG糖タンパク質を頂き、その濃度がこうなっているとか、どの様なbufferに解けているとかなど、色々なことを教えて頂いた。それ以来、こちらも少しずつであったが、「化学」の言葉などを覚えて、会話の中には入れるようになった気がする。もちろん、気がしているだけで、「化学」の本質などまだまだである。テレビなどの報道と共に、この本が届いたのも、「何かの縁」だろうと思った。昔のことをしっかり振り返って、あのとき、こうしておけばよかったと言うことのないように、これからも毎日続けて、よりよい研究成果を生み出し、教育した人材を社会に出すことができればと。。。。そんなことを考えさせられた今回のニュースというのだろうか、そんなことであった。。。ありがとうございました。
わたなべしるす
PS. 2/1追記。このJT生命誌研究館の記事に、「年を刻む冬眠物質--低体温の世界--近藤宣昭」と言うのもあった。去年の今治自然科学教室で本が紹介された近藤先生。今治西高の卒業で、渡辺の15級先輩。自然科学教室で名前が出たときもびっくりでしたが、こうした1つの本の中にとじられるというのも何かのご縁。とても不思議に思った瞬間でした。どこかで近藤先生にお会いできるのを楽しみにして。。。
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140129/scn14012921150000-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140129/scn14012921250003-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140130/scn14013013280002-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140130/scn14013008430000-n1.htm
http://www.asahi.com/articles/ASG1Y41F4G1YPLBJ004.html?iref=com_rnavi_arank
http://mainichi.jp/select/news/20140131k0000m040105000c.html
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG3000P_Q4A130C1CR0000/
その女性研究者(最近は、リケジョというのかもしれないが。。)、小保方晴子博士が言っていた言葉に、色々な人が場面場面で助けてくれたと。もちろんそうしたことがあるのも、真摯に研究を続けていたからであろう。そんな研究室とは、。。高校生が昨年末にも「科学者の卵養成講座の発展コース」で訪問してくれ、実験をしていったが、研究室がどんなところかというのは、なかなか想像しがたいものだと思う。そうしたことを、これはという形でまとめてくれていたのを、宮城県の地方紙・河北新報の「プリズム」という書き物。現在は、金属材料研究所の佐々木教授が書かれている。その中に、大学の研究室はヒトのつながりを学ぶ場であると。。様々な年齢層という縦のつながり、学生のところは同期がいれば横のつながりということになる。それは社会に出た時の小さな職場と同じ。そこに適応することは、社会に適応すること。そう考えれば、研究室でどんなことを学び、どんなことに気づいて、社会に出るかと言うことは重要なポイントとなる。もちろん、教授である自分の普段の行いというか、行動というか、そうしたことが学生さんたちに影響しているのだろう。もちろん、今の自分も指導教官であった日向先生をはじめとするlab memberからの様々な影響、教え、また、外部の共同研究先の先生方からいろいろなものをもらったように思う。そんなことを大切にすることが、今回のような大きな発見につながるのだろう。あらためて、研究室運営というか、研究室で日々のあり方の大切さを考えないといけないと。。。
そうした日々の指導をしてくれたり、逆に指導をしていた学生さんから刺激を受けたりして、今の自分がある。そうした方々にお礼をというか、感謝というか、そんなことも今回の報道の内容では考えさせられた。ちょうど、そんなことと同時期に「変わる」と題した生命誌年刊号 vol. 73-76, 中村桂子編集という本を頂いた。その中に、「化学で生命現象をつなぎ、人をつなぐ」と題して、渡辺自身、学部4年生の6月か、7月からお世話になっている奈良先端科学技術大学院大学 名誉教授の磯貝先生の小さい頃からの話がつづれたものがあった。渡辺が磯貝先生の研究室に伺ったのは、まだ、東京大学農学部にいらしたころ。とても重たい鐵の扉を開けて、「東北大の渡辺と言います。日向先生の研究室から来ました。」というようなことを言ったような。その時、研究室の奥から、「はい、どうぞ。」というようなことを今も変わらない声で。。。雌しべの先端の柱頭を凍結したものを持ち込み、あらかじめ、精製されていたSLG糖タンパク質を頂き、その濃度がこうなっているとか、どの様なbufferに解けているとかなど、色々なことを教えて頂いた。それ以来、こちらも少しずつであったが、「化学」の言葉などを覚えて、会話の中には入れるようになった気がする。もちろん、気がしているだけで、「化学」の本質などまだまだである。テレビなどの報道と共に、この本が届いたのも、「何かの縁」だろうと思った。昔のことをしっかり振り返って、あのとき、こうしておけばよかったと言うことのないように、これからも毎日続けて、よりよい研究成果を生み出し、教育した人材を社会に出すことができればと。。。。そんなことを考えさせられた今回のニュースというのだろうか、そんなことであった。。。ありがとうございました。
わたなべしるす
PS. 2/1追記。このJT生命誌研究館の記事に、「年を刻む冬眠物質--低体温の世界--近藤宣昭」と言うのもあった。去年の今治自然科学教室で本が紹介された近藤先生。今治西高の卒業で、渡辺の15級先輩。自然科学教室で名前が出たときもびっくりでしたが、こうした1つの本の中にとじられるというのも何かのご縁。とても不思議に思った瞬間でした。どこかで近藤先生にお会いできるのを楽しみにして。。。