東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】新居浜市立金子小学校「花の不思議な世界」(2014年度ふるさと出前授業-5、6/16, 22追記)

2014年6月17日 (火)

 ふるさと出前授業も3日目。今治と新居浜とは予讃線の特急で30minほど。ただ、単線だと言うこともあって、列車の待ち合わせがあるのが、少し難点。予讃線沿いでは、田植えが終わってしばらくたって、水田が緑に見え始めたところから、これから田植えをするために代かきを終えたような水田まで。子供の頃からこの時期が田植えというのは余り変わってないのだと。。。。というか、少しほっとします。天候もよく、ちょうど梅雨の晴れ間という感じで。ふるさと出前授業は金曜日の午後に今治市立富田小学校に続いて。土日をはさんだこともあって、少し余裕ができるかと思いましたが、打合せなど、。。。1, 2日目は、いずれも「キャベツとブロッコリー」でしたが、新居浜市立金子小学校は、昨年に引き続き「花の不思議な世界」。6月に観察に使う「リンゴ」を用意頂くのは、難しいと思ったのですが、その当たりは、日本の育種技術。この時期でも、低温貯蔵で「ふじ」のリンゴはちゃんと保存でき、また、王林はこのシーズンに食べることができるように、夏、冬をひっくり返して、栽培しているのかと思うようなきれいなもの。

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DSCN2821.JPG 講義では、最初に本田校長先生から渡辺のご紹介を頂き、昨年度の講義ではすごい児童の方がいましたと。。。こちらの簡単な自己紹介をして、金子小学校に来るようになったきっかけである前の教頭先生である岡田先生のこともお話しして。。。今治と新居浜、同じ愛媛の東予地方なのですが、少し感じが違うのは、その地方地方の良さだと思いました。いろいろな花の写真を見て、花の名前を考えるのでは、一番最初に「ガーベラ」の名前が出たのは、すばらしかったです。また、ヒルガオの写真を見て、写真にヒルガオの影があるのを見つけて、というも、niceでした。雌しべの電子顕微鏡観察、動画での受粉反応はさすがに「へーー!」だったようです。小学校の理科の時間に見るのとは違って、感動だったのかもしれないと。。。

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DSCN2830.JPG リンゴの花から果実ができて、食べることができるところまでの写真を見て考えるところでは、1枚、写真がきちんと写らないことが。。。申し訳ありません。リンゴの果実が育ち始めた頃、ちょっと見たら「オウトウ」、サクランボに似ている訳ですが、冬の時期に講義をすると、なかなか出にくいのが、今回はすぐにわかった児童の方が。。。これはちょうど、サクランボの季節と言うこともあったのでしょうか。いずれ、よく観察していると。リンゴの種類は、愛媛の子供たちには、あまりしらないもの。ただ、逆にミカンの種類は、15種類以上しっかり答えてくれました。これが地域性でよいことだと思います。今回のことをきっかけにして、ちょっとだけ、リンゴも気にしてもらえれば。。。

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DSCN2839.JPG 自家不和合性の動画は、やっぱり感動だったようです。と言うか、不思議だったのかもしれません。植物に自他識別ができるのは。で、なぜ、自家不和合性という形質があるのか。今年もすごい児童の方々が。。2-3名の答えを合わせると、ぴったり。。。是非、将来、渡辺の研究室で一緒に実験をしましょう。楽しみにしていますので。今は虫とか、他のものが好きかもしれないですが、渡辺も小学校の頃は、カブトムシ、クワガタムシを捕る毎日でしたので。最後にリンゴの花とリンゴの果実の対応。ひっくり返っていると。それを実際にリンゴを切って観察してもらい。。。不思議に思えたというか、秋にリンゴを食べる時に、また、観察してみて下さい。講義が終わって質問の時間をゆっくり取れましたので、質問の時間。10以上の質問があったと思います。とても鋭い質問もありましたし、感動したのは、質問に対して、他の児童の方が回答すると言って、手を上げて、答えてくれたこと。。。すごすぎですというか、初めての体験でした。是非是非、渡辺の研究室に。

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DSCN2843.JPG 最後に児童を代表して、とてもしっかりしたお礼の言葉を。今日のことをきっかけに、身の回りの不思議に気をつけて観察してみて下さい。挨拶のあとに、全体の集合写真。世界に向けて。。。

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DSCN2845.JPG 講義の時間と電車の時刻表の関係で、学校に訪問したあと、講義が終わったあとの空いた時間で、本田校長先生と昨今の教育問題について。いろいろな小学校をはじめとする学校に行きますが、昔であれば、職員室、校長室は1Fにあるのが多かったのが、今は2Fにと言うのも。。。玄関から1Fにあるというのが、渡辺の小学校時代であったので。また、動物の飼育というのは、この小学校でも大変なようですが、先生方が対応することで、実施していると。いろいろなことはあるかもしれないですが、「いのちの大切さ」を理解する上でも、動物が小学校にあったのは、よかったと。もちろん、それだけでなく、様々な効果があったと。。。渡辺自身が小学生であった時代とは異なり、難しい時代なのかもしれないですが、それだけにその当時は何を期待して、どんなことをしていたのか、今は何を期待して、何をして、何ができないのか、単にこうした教育問題だけでなく、サイエンスを展開する上でも、大事なヒントになるのではと。。。

 最後になりましたが、金子小学校校長・本田先生、教頭・今村先生、6年担任の先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今年もとても楽しく過ごせました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 以前に書いた「キウイフルーツかいよう病」。病害の出ている枝の伐採なのか、全伐採なのか。。。難しいところでしたが、やっぱり現地に行くと、こうしたニュースにも触れることができ、難しい問題なのだと。。。今村教頭先生からこの病害の原因が輸入の花粉由来と言うことが言われていることから、「そんなこともしているんですね」と。。リンゴなどの花粉も輸入されているという話をしたとき、かなり驚いておられました。一般の方には、こうした花粉の輸入というのは「へーー」なのかもしれないですが、病害の拡大などを考えたとき、国内での問題解決と言うことも含めて、複雑で困難な問題であることを実感しました。

 PS.のPS. 去年まで教頭としてお世話になっていた岡田先生は愛媛県教育委員会東予教育事務所に異動になられたと。どこかの小学校でお会いできるのを楽しみにしていたのですが。。。。また、次の学校でを楽しみにしてお待ちしております。

DSCN2814.JPG PS.のPS.のPS. Twitterではとりあえず、地震のことを書きましたが、2014年6月15日 2時31分頃の岩手県内陸南部を震源とする、M5.5の地震で震度26月16日 3時19分頃の茨城県沖を震源とする、M5.6の地震で震度26月16日 5時14分頃の福島県沖を震源とする、M5.8の地震で震度3。で、研究室に被害はありませんでした。また、この記事を書いている6月17日 2時42分頃の房総半島南方沖を震源とする、M5.3の地震もありました。研究室を離れているときに、これほど地震があるのもずいぶん久しぶりで。。。何が起きるのか。。。少し出なく、かなり気になって、地震情報を見ている毎日です。。。。

 PS.のPS.のPS.のPS. 6/22(日)追記、金子小学校のHPに講義の記事を見つけました。ありがとうございました。



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