東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2009年3月の記事です。

年度末、ラセン、年度初め。。。

2009年3月20日 (金)

 今年度もあと、10日あまり。本当にあっという間でした。年々、ひとつきの時間の流れが速くなるのを感じる毎日です。この時期、桜が咲くということで春を感じるようになりますが、久しぶりに「つくし」がはえているのを見て、懐かしさを感じました。昔はたくさん集めて、はかまを取って、食したのを思い出しました。

 また、4月からは新しい年度。そういえば、先日、DNA二重螺旋模型を見つけました。とてもよくでているものがあると感動しました。この模型のように、新しいメンバーと今までのメンバーが作ってくれた基盤を上手に組み合わせて、新しい展開につなげたいと思う今日のこの頃でした。

わたなべしるす

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愛媛県立松山南高校でのSSH特別講義・実習「アブラナの交配」(3/17, 19)

2009年3月19日 (木)

 昨年のSSH特別講義で、自家不和合性、アブラナ科植物の多様性の講義をしました。その後、キャベツの仲間であるBrassica oleraceaを材料として、ケール、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーを種子から育成し、開花するまでに至っていました。アブラナ、ダイコンに関するSSH全国コンソーシアム形成には、全国で少しずつの研究開始が鍵でした。その意味で、四国・松山でこのように自力で植物を育てることができたことはさすがと思っておりました。高校生には、種から植物を育て、花を咲かせたのは、小学校の理科の時間以来でないでしょうか。

 当日は、開花していたのが、ケール、ブロッコリーに限られたこともあり、相互交配を行い、雑種種子を得ることを試みました。松山では、ソメイヨシノの開花宣言もあり、かなり暖かいこともあるので、5月の連休明けには、種が取れることと思いますし、これ以降も交配を続けてもらえればと思いました。ここまで指導いただいたSSHの先生方に感謝したいと思います。

 この講義・実習の合間に、生物の講義を拝見しましたが、遺伝子組換え、組織培養をやっているのには驚きました。遺伝子組換えには、X-gal, IPTGを塗ったときに青くなるコロニー、GFPを導入した大腸菌の観察もあり、これが高校生の生物の実験なのかと驚きました。

 秋に雑種植物が育つのが楽しみになってきました。

わたなべしるす

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愛媛県立丹原高校での特別講義・実習「アブラナ科植物の自家不和合性、品種改良、遺伝学的交配実験」(3/18)

2009年3月19日 (木)

 今年度最後の出前講義は、丹原高校で午前、午後をあわせて4コマの講義・実習を行いました。進学クラスでは、自家不和合性、植物の不思議を講義し、園芸クラスでは、品種改良の重要性、その実際の手法などを体験してもらいました。さらに、放課後には、数名の教諭と意見交換ができたことは今後の励みになりました。

 今でこそ、自家不和合性という言葉が大学入試に出る時代ですので、講義を聴いている方も目を輝かせて話を聞いていました。今日講義をした生徒さんと将来、一緒に研究がどこかでできればと思いました。また、交配実験では、最初にペチュニアを使って概略を体験し、アブラナ、ダイコンの交配も行いました。遺伝学の基本ですから、様々な植物・作物で交配を行ってみることが今後できるでしょうし、授業を発展させることができるだろうと。楽しみになりました。

わたなべしるす

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桜島大根に蕾がつきました

2009年3月17日 (火)

増子@花粉症でクラクラ。です。
先週の頭あたりから、なんか花粉が飛んでいる気がして、くしゃみが出ます。
実験で花粉を扱うためか花粉症持ちが多い当研究室です。
最近、新型空気清浄機(光クリエール)が導入されました。
まだ稼働して数日ですが。。。
部屋だと楽、な気がします。
しかし、最近の空気清浄機はすごいです。
空気は読むし(ニオイやほこりを感知して作動します)、静かだし(普段は20~40dBくらい)、さわやかな白さだし(白物家電なので)。。。
ほんと、家にも一台欲しいです。

閑話休題。温室で育てている桜島大根に、蕾がついてきました。
去年の10月から育てているものですが、最近暖かいですからね。

桜島大根は、カブのように太く丸く育つ、大型大根の代名詞です。
本来温かい鹿児島などで育つ品種です。
寒い東北でも太くなるのか、という興味で育てていましたが。。。
見た目にはあまり太らず、現在に至っています。
大根は花が咲くと根が固くなるため、慌ててひとつ収穫してみました。

虫にも病気にもやられない、立派な葉ですが。。。
肝心の根の部分は細い大根になりました(写真参照)。
大根と言うより、高麗人参を連想させる姿。。。
鉢で育てたので仕方ないですが、ちょっと可哀相です。

寒いと、やっぱりダメなのか。
もうちょっと太らせることはできないものか。
今更ながら、調べてみました。

すると、以下の2点を守ると良いらしい、ということが書いてありました。

1.できるだけ早めに植えること(7、8月あたり)。
2.マメに追肥(火山灰質の土で、マメに追肥)。

これを守れば、ある程度寒くても太るんだそうです。
(もちろん、本場の大きさには及ばないようですが)

早めに着手、マメに手をかけ=良い収穫というのは、実験にも通じるところがある気がする。。。
そういえば、最近、いろんなことに後手後手だった気が。。。
自分、これでいいのか!?

というわけで、桜島大根を通じて、日頃の生活態度を反省した一日でした。
明日からがんばろう(ぉ

今年はもっと早く、夏に植えてみようかと思います。
マメに肥料をやってみよう。。。
とりあえず今回は花を楽しみにしたい、と思います。
どんな色の、大きさの花が咲くのか。。。
今から楽しみです。


増子

ついしん:

世の中にはDAIKONコンテストという、桜島大根を全国で育ててみよう、っていうプロジェクトがあるんですね。。。
それぞれの場所で育った桜島大根を見ると、個性的でほんと面白いですね^^

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福井県立大・生物資源学部招待セミナー「アブラナ科植物の多様性--自家不和合性と形態--」(3/16)

2009年3月17日 (火)

 今年度最後の招待セミナーは、福井県立大・生物資源学部でした。コムギをベースに生殖形質を研究されている村井教授にお世話いただきました。ちょうど春休み期間ということもあり、学生、院生の聴講は少なかったですが、プレゼンのあと、30min以上の質疑があり、好評でした。

 コムギといえば、京都大・遺伝研の木原均博士が、「ゲノム」という概念を構築され、コムギは、A, B, Dゲノムから構築されている6倍体であることを思い出しました。村井教授は木原先生のお弟子さんのお弟子さんだとか。コムギと同様に、Brassica属のA, B, Cゲノムの解析について1935年のU博士の解析が有名です。世の中不思議とつながっているものだと思いました。

 そういえば、昨今の市町村合併で福井県立大のある町も統合され、永平寺町になったとか。永平寺といえば、曹洞宗の大本山。厳しい修行のお寺と聞いたことがあります。研究も同じように厳しくなければならないと思う今回のセミナーでした。

わたなべしるす

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