東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】コアSSH・アブラナコンソーシアム・特別講義「アブラナ科植物のいろいろ」(7/7-8)

2012年7月 8日 (日)

 今週の初めは岩手県立釜石高等学校のSSHで講義でした。この週末は、同じ岩手県の水沢高等学校がorganizeしている、コアSSH「アブラナコンソーシアム」の指導、講義となりました。2008年から始まっていたこの研究も、昨年度は、一度stopしましたが、今年度から復活。全国から集まっての研究ですので、何よりだと思います。参加校は、北海道から東北、北陸、関東、四国、九州とほぼ全国をカバーするような研究になりました。アブラナの多様性だけでなく、参加校の多様性も出て、楽しく研究できるのではと。

 1日目の午前中は、PCRによる遺伝子多型実験。電気泳動は、翌2日目に。1日目の午後は、渡辺の講義とこれまでの研究経過・今年度の方針ということでした。渡辺の講義は、「アブラナ科植物のいろいろ」。講義では、アブラナ科植物の中でも作物・花卉を中心に、Brassica属の作物の多様性、近縁の作物、花卉を紹介して、実際に自分たちで栽培をしてみること、近くの農業高校などと連携して、本物の作物の栽培を見ることの重要性も。。。。最後は、遺伝学の実験の基本である「交配の方法」を実演。めしべをむき出しにして、花粉をかけて、袋掛けをする。ほとんどの高校生が初めてのことで、なるほどと。。実際にやってみると、もう少し難しいと思います。でも、ぜひやってみてくださいと。

DSCN3168.JPG 講義のあとには、参加校のこれまでの研究、今年度の研究内容。少し背伸びをした研究、高校生らしいたくさんの観察ありで、研究についても多様性があるのは、何よりだと思います。これまでの議論を含めて、今年度の研究内容について、各高校毎に議論をしたり、大学教員と議論をしたり。この議論と継続して、交流会も。totalで14校参加のコンソーシアムで、中高一貫校で中学生が参加していたのは、結構びっくりでした。

 2日目には、PCR産物の電気泳動、写真撮影、実験の説明など。初めてのピペットマンの操作など、苦労していました。よい経験になったのでは。午後には、各高校からの今年度の研究計画の発表と討論。栽培による形態比較、生化学実験などいろいろありましたが、できそうなこと、難しいことなどたくさんあると思います。できることは、よりdeepな研究を、難しくてdataが出ないときには、勇気ある撤退も大事なポイントだと。というようなコメントをしました。これから秋に向けての栽培など、北海道から、九州までで栽培条件も違ってくると思います。大変だと思いますので。来年の2月の発表会が楽しみです。

DSCN3211.JPG 最後になりましたら、organize校の水沢高校の先生方、参加の先生方にはお世話になりました。ありがとうございました。また、出前講義などでお世話になれれば、幸いです。

 わたなべしるす


≪ Prev  | diary Top | Next ≫

ARCHIVE