東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

花粉管、複対立遺伝子、花成ホルモン(1/20)

2014年1月20日 (月)

 週末の寒さなのか、その前のサンジエゴ出張の疲れなのか、風邪を引いたようで。。。のどが痛いのとだるさが。。。。いずれ、今日あたりは早めに上がって。。。少し休養を。大学ではこの時期、修士論文、博士論文の〆切、発表、審査で、ばたばた。審査をされる方も〆切に追われて大変でしょうが、審査をしてもらっている先生方には、色々とご指導頂き、また、こちらが審査を賜っているものについては、可能な限りコメントして。。。毎年恒例のイベントなので、なれた部分はありますが。。。それにしても。。「修士」、「博士」という学位をもらうわけです。名刺にそれを書くことができるようになるわけです。履歴などにも。そう考えたら、ここが一踏ん張り、がんばるしか。。。という気がします。

DSCN5842.JPG そんな寒さと大変さの中で、昨日、一昨日はセンター試験センター試験に限らず、2次試験の生物の問題にどんなのが出題されているのか。というか、今の高校生はこんなことも知っているのだというのは、出前講義をやる上でも参考になること。朝の新聞を広げて、びっくり。「植物生殖遺伝分野」という研究室にいて、アブラナ科植物の自家不和合性をやっていて、へーーーというようなことがいくつか。。最初にびっくりしたのは、「花粉管」。花粉管が伸び始めると、花粉管の中を移動する細胞中に精細胞が入れ子になっているわけですが、精細胞というようになったもの最近。昔は、細胞質がない核だけのものと思われていたので、精核と呼ばれていて。。。なので、花粉の発達ステージを1核期、2核期、3核期と昔は呼んでいたのが、いまは、1細胞期、2細胞期、3細胞期。。。そんなことがすでに浸透しているとは。。。びっくりでした。

 次は、遺伝学の問題。いきなり、「複対立遺伝子」という表記。そもそも、対立遺伝子は特定の遺伝子座上にある遺伝子対というか。一般には優性の対立遺伝子と劣性の対立遺伝子の2つというのが普通。ところが、この複対立遺伝子というのは、2つでなくて、3つ以上。その例として、昔であれば、ABOの血液型が複対立遺伝子のモデルとして、。。くらいだったような。というか、この場合、AA, AOの人は、A型、BB, BOの人は、B型。ABの人がAB型。つまり、A=B>Oという図式。AとBは共優性で、A, BはOに対して優性。ところが、今回の問題には、朝顔の葉っぱの遺伝子で、「並葉」、「立田葉」、「柳葉」というのが、並葉>立田葉>柳葉、という直線的な優劣性関係。。。まるで、自家不和合性のS複対立遺伝子の花粉側での優劣性のよう。。。ここで2度びっくり。

DSCN5707.JPG 最後は、花成ホルモン。渡辺が習った頃にはもちろん、わかっていなく、フロリゲンと書かれてあったかどうか。学生の頃には、隣の研究室で、アサガオを使って、「花成ホルモン」の実験をしていたような。その後、いろいろあって、シロイヌナズナでFTという遺伝子がそうだというのを京都大の荒木先生が最初に示したような。。。その最初の頃から、遺伝子単離までを見ていたのもあって、。そんなことが、ここに出てくるとは。。また、その問題の中に「接木」の実験も。接木は実際にやったことはないにしても、スイカなどの苗を買ってくると、カボチャなどを台木にして、接ぎ木してあったような。そのつぎ方を習ったのは、大学の3年の時の蔬菜園芸学の講義。。。いずれも自分のこれまで歩いてきた道が、ぽつぽつと出題されていて。。。。体調があまりよくない渡辺が見ても、なんとまあ、びっくりという問題でした。。。難易度などは、渡辺にはよくわかりません。なにせ、共通一次の理科は、物理、化学で受験でしたので。。。研究室との不思議な関係に驚いた今年のセンター試験でした。


 わたなべしるす


≪ Prev  | diary Top | Next ≫

ARCHIVE