東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2014年7月の記事です。

【出前講義】仙台市立七北田小学校・NSP七北田小サマー講座「子供が転んでも「ただ」では起きない人生を歩むためには---一科学者の子供時代を振り返って考える。。。---」(7/22)

2014年7月22日 (火)

 昨日までに北部九州、近畿、東海が、今日は関東甲信が梅雨明けしたとか。仙台も日曜までは雨模様でしたが、昨日、今日と晴れ間が。ただ、来週になっても、雨の予報が。。。仙台の梅雨明けは、来週の後半、つまり、8月にずれ込むのでしょうか。。。さて、今年で5年目となった「NSP七北田小サマー講座」。NSP(Nanakita Science Project)では、田植えキャベツとブロッコリーなどの講義に伺っています。先日も頂いた手紙に返事を書いたのですが、慌ただしくしており、今年からversionを変えた「イネ栽培」。この生育がどうなっているのか。。。いつもなら、観察会などを設定しておくのですが、今回は、慌ただしくて。。。観察を設定できなかったですが、想定外の状況が。。。詳細は、最後に。学校に入ると、welcome boardが待ってくれていて。ありがたいことです。

DSCN3330.JPG さて、NSP七北田小サマー講座は、保護者と子供さんが一緒になってという、例年取りの形で。今年度は近隣の小学校などにも声をかけていただき、七北田小学校から周辺への波及という点では、講義内容はさほど、version upをできてないかもしれないですが、少しversion upできたのでは。。。講義内容は「キャリア教育」。渡辺自身をモデルとして、小学校時代から現在に至るまで、どの様に過ごして、何を考えてきたのか、といういつものお話。小学校の保護者と子どもたちの両方向けということで、小学校時代が一番長く話すようにして。ただ、中学、高校、大学と将来に渡ってどうなるのか、そうしたことを、保護者の方は経験されてはいるものの、子供さんにとっては、これからのこと。自宅に戻って、また、将来のことを話すきっかけになれば。。。

DSCN3337.JPG この講義を始めた頃は、たぶん、保護者の方は渡辺と同世代くらい。ところが渡辺もずいぶんと年をとったのだと。保護者の方の方が若くて、渡辺が過ごしたような田舎でという方も少なくなり。。。ただ、子供時代に失敗を重ねることの大切さは、いつの時代も同じ。渡辺も自転車で転んだり、ケガをしたり、たくさんしました。いつもどこかに擦り傷があったような。夏は特に、カブトムシ、クワガタムシを捕るために、ずいぶん、危ないことをしたり。。。そんなことを思い出しながら。。。小学校の時の夢が、「科学者になること」と書いたのは、当時のテレビのアニメとかの影響。そんなものだと。ただ、今、そうした影響を与えることができるような、アニメ、特撮などがないのも事実で。。。そういえば、今年が「ゴジラ」生誕60年だったとか。なぜ、そうした映画ができたのか、その中にも、科学などがかくされていると。。。

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DSCN3342.JPG また、あやとりができますかというので、できる子供さんが今年はたくさんいました。みんなにやってもらいました。こうしたことができるのも繰り返して練習したから。算数とか、漢字の書き取りが苦手というのは、その練習が少ないから。だから、少しでも練習をして下さいと。小学校、中学校で覚えたことは、なかなか忘れないからと。また、褒めることと、おこること、どちらも難しいことです。大学にいても、それはいつも感じます。ただ、褒めるだけとか、怒るだけというのは。。。渡辺が無事大学に行けたのも、小学校5, 6年の担任の先生のおかげ。そうした人との出会いも大事にしてほしいと。もちろん、今の渡辺が研究者として仕事をできているのは、大学時代の日向先生のおかげだと。。。。なので、大学生になる頃には、この先生がよいなと思える目を養ってほしいと。

DSCN3347.JPG 配付資料に、一昨年11回、愛媛新聞に寄稿した「道標」昨年河北新報に掲載した「科学の泉」をつけておきました。全部に配布できたか。。。もらえなかった。あるいは、他にも紹介したいという方は、それぞれ、渡辺のHPからdownload(愛媛新聞)することができます。HPには研究だけでなく、一般の方にもなじみのあることだったり、研究室の様子だったりも記しているので、ぜひ、見て頂ければと。。講義が終わったあとに、子供さん、親御さんから質問をいただきました。ありがとうございました。今の教育事情を反映したような少しシビアな問題でしたが、できるだけトライしてみて頂ければと思いますし、渡辺でお役に立てることがあれば、mailでお問い合わせ下さい。今回のことが刺激となり、親子で将来のことを話す良いきっかけになれば、幸いだと思います。今は小さくても、将来、大きくなるために、いろいろなことを話して頂ければと。。講義の途中で話をした「セミの抜け殻」を最後にプレゼント。ところが、いつも使っている博士をつかって、そんな博士にもちびっ子の時代があったと。そのちびっ子時代を大事にしてほしいというのを説明不足でした。。。というか、博士を出すのを忘れて。。。どうも慌てるとだめです。。。

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DSCN3367.JPG 最後になりましたが、夏休み前の忙しい時期にお世話頂きました、校長先生、理科の椎名先生をはじめとする七北田小学校の先生方にはお世話になりました。ありがとうございました。夏休み明けの元気な子どもたちにまた講義ができるのを楽しみにしています。

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 わたなべしるす

 PS. 講義のあと、校長室で校長先生を交えて、色々な話しをすると共に、現在では、七北田中の2年生なった生徒さんが、フルートの演奏を。去年は、夏休みの講座に参加してくれ、一昨年は、研究室に実験に来てくれて。。。とても立派になっていて、感動でした。生徒さんを入れて6名くらいだったのですが、話しをすると、不思議と色々なところでご縁があってつながっていて。。。とても不思議な時間でした。ありがとうございました。

DSCN3369.JPG PS.のPS. 校長先生との話しのあと、イネの観察をと思ったら、「博士、教授」という声が。プールに来ていた5年生たちで、一緒にイネの観察。水田の水やりはしっかりできているようでしたが、一緒に田植えをしたイネは、少し窒素肥料不足で、色が薄くなっているのが気になりました。ぜひ、追肥をお願いできればと思います。品種によっては、もう少ししたら、出穂期を迎えるだろうというのも。しっかり、穂が出る時期が違うのを観察して下さい。例年より、涼しい夏というのは、事実のようで、グリーンカーテンとして植えてある、ゴーヤがまだ、小さい果実しかできてなくて。。梅雨が明ければ、かなり大きくなるのではと。。。

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ぽぽぽぽーとらんどー!

2014年7月20日 (日)

こんにちは、M2の辺本です。

久しぶりのラボです。
さっそく魚の死骸処理をしました。
水槽が想像以上に苔の楽園になっていて驚き!
そして、見知らぬデブミッキーがいるではないか!
まさにアメリカンサイズだわ!
この1週間で何があったのだろうか・・・怖いわぁ。

さてさて、お土産を勝手に紹介します。
坂園さんと2人で悩みに悩んで買ってきました。
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左は、毒々しいカップケーキ。
White Mini Cupcakes と可愛らしい名前ですが・・・
どこがホワイトやねーん!と言いたくなるほどの派手色。
美味しいのかなー?あまり期待できない。
そして、ケールチップス、ココアなど。
ココアは、瓶が欲しくって買いました。みんな捨てないでね。
あと野菜チップスかな?坂園さんが持ってきてくれます。

こんな感じです。
あまり危険なものは買ってきませんでした。


そうそう、現地では昼食時間などを利用して、
学会会場から少し離れたところをぶらぶらしました。
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土日はあちこちでマーケットを開いているようです。
ストリートパフォーマンスもやっていました。

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野菜も果物も美味しそう!このゴロゴロ感がたまりません。
海外のマーケット、大好きです。住みたくなっちゃいます。

でも、問題は食事の量ですね。
向こうの食事は、とにかく量が多く、飽きます。
安くて良いのだけど、食べきれないの。
こりゃ、あんな体になるもんだわーと納得しました。


海外へ行くと、日本とは違ったモノ、コトで溢れていて楽しいものです。
同じ食べ物でも、所変われば食べ方も違う。
(ブロッコリーなどの野菜も生で食べるようです。)
サイズなんて全然違う。
(これがSサイズ?!これがハーフサイズ?!と驚くばかり。)
あと、標識なども結構違う。
(例えばこんなものとかね↓・・・気を付けなくっちゃ。)
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以上、ポートランドレポートでした。
それでは、連休明けに!


M2 ナベ

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旧遺生研ソフトボール大会の景品がもらえたよ!

2014年7月18日 (金)

こんにちは、M1後藤でございます。久しぶりの書き込みになります。今まで何していたんだ?と。

実験が本格的に始まり、忙しかったんです。すいませんw


さて今回の記事ですが、タイトルにもあるように旧遺生研ソフトボール大会の景品がもらえました。何故もらえたかというと、先週金曜日大会当日は雨で、大会が中止になってしまったのです・・・がっかり。それで景品を平等に分配しようという話になったのです。

さて、景品ですが
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まず最初に思ったこと、龍馬さんかっこいい!龍が如くバージョンですね!清酒だそうです。

後は缶ビール、チューハイがもろもろ。おつまみがある!と見ると・・・
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ハバネロ味のさきいか!ハバネロかー・・・

私、後藤は高校時代にハバネロのトラウマがw

高3の文化祭の時にハバネロの実を買ってきた友達がいました。それを15人ぐらいの男子勢が食べまして(後藤も食べました)、食べた全員が腹をこわし、授業中にトイレへ走るという珍事件がありましたw

食べた瞬間から、焼けるような痛みを感じました。もう一生、ハバネロの実を食べることはないでしょうねw懐かしい思い出です。


すいません、ハバネロと見て、つい昔のことを思い出してしまいました^_^;

景品の話に戻ります。なべ研はお酒の強い先輩方がたくさんいるので、すぐなくなってしまうでしょう。自分は、あまりお酒は飲めないので、気分だけ味わうことにします。


次回のソフトボール大会の日は、晴れになるといいですね。そして、なべ研単独で出てみたいです。

ピッチャーは、増子さんでお願いしたいと思います!



というわけで、今回の話はこれで。

最近、実験の失敗が続いていたのですが、やっと成功できそうです。夏の暑さに負けぬよう、体力づくりも適度にしつつ、実験を進めていきたいと思います。


M1ゴトー

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PlantBiology2014

2014年7月18日 (金)

アメリカ・ポートランド滞在も終わりを迎えました.
このダイアリーを書いているのは現地時間の7/17 10:00am過ぎ.
日本だと7/18の真夜中になるようです.
今回,同行のなべもとさんは時差ぼけで連日眠れない夜を過ごしたそうですが,
私はというと,滞在初日からほぼぐっすり寝ている毎日でした.
ただし,期間後半から体調が徐々にあやしくなり,風邪を引いて頭がぼんやりしながらの
帰国となってしまいました.
ポートランドは日差しのあるなしで温度差が非常に大きかったため,
体の適応範囲を超えてしまったのでしょうか・・ここまで差が激しい土地は初めてです.
所変われば環境もがらりと変わりますね.
***
なんだか不安な雲行きの旅になってしまいましたが,渡米の目的である学会には
しっかりと行ってきました.
昨年に引き続いて今回参加したPlantBiology2014は,American Society of Plant Biologists
(アメリカ植物生物学会)が毎年開催している国際学会です.
昨年のPlantBiology2013では40カ国から計1205名が参加したそうです
(ちなみに内訳はfull time employed 600名,PD 200名, students 400名).
今年も同じくらいの規模だったんじゃないかと思います.


今年は生殖関係のセッションが設けられており,口頭発表はもちろんのこと,
ポスターでも関連内容を発表しているグループが多く見られました.
自分が注目している遺伝子で同じ生殖関連の発表が!? と思ってひやりとしたりも
しましたが,よくよく見ると一文字違いの全く違うものでした.とりあえずホッと一息.

最近読んだ論文内容についての発表も多く見られました.
雑誌掲載後に学会発表というスタイルはすっかり定着しているようです.
ポスターに関してはアブストラクトの書かれたカードを配っていたので,
色々気になった発表のものを貰ってきましたよ.
ふと気づいたら大量のカードを手にしちゃってました.
私のせいで貰えなかった人がいたら申しわけないです・・

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会場のコンベンションセンターにあったフーコーの振り子時計.


色々と収穫はありましたが,とりあえずはうかつに収穫してしまった
風邪を治すため,今週末は少しのんびりめで過ごして体調回復に努めて
来週からまた気合いを入れて実験などなど頑張ろうと思います.

さか

おまけの食べ物記録:
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Elephant earというパンケーキを揚げてシナモンシュガーをどっさりつけたものの残り.
人の顔ぐらいのサイズはあったはず.

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フードカートで買った野菜とチキン入りトムヤムスープ.これもまたビックサイズ.




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量と質、データ、遺伝学(7/17)

2014年7月17日 (木)

 考えてみると、7月が半分終わった。アブラナがmainの研究室と言うこともあり、春にサンプリングしたdataとか、実験サンプルの解析がmainとなっている。開花した花を使った実験は難しい。もちろん、人工気象器があるので、夏でも開花させて実験するようになった。ある意味、年中開花状態になったのは、よいことかもしれない。ただ、農繁期、農閑期のようなものがなく、まとまって何かを考えるというのが難しくなった。渡辺よりも20年も先輩で自家不和合性をされていた方は、夏はデータの整理だったと。あるいは、それをよく見て何をどうしようかと言うことを考えることができたと。もちろん、時代が違うので。それから比べると、40年以上違うのであろう。ただ、データにせよ、実験にせよ、論文を読むにせよ、量的にも、質的にも十分でなければならない。そういえば、初めて、抄録、review articleを書いたのは、1990-92年くらいだったような。そのときに、1970-90年くらいの自家不和合性の論文をひたすら読んだ。どの論文のどこにどのようなことが書いてあるのかというイメージであった。そのときに、集中して、読んで頭の中の自家不和合性の情報を整理できたので、そのあとの実験がスムーズだったのかもしれない。海外の博士研究員の場合、雇用されると、関連論文の束を渡されて、抄録を書くようにというlabがあると聞いたことがある。何をやるにせよ、量と質は重要。サイエンスだけでなく、他の分野でもそうなのであろう。そんなことが議論されているのを見て、時代に合わせるというのもありかもしれないが、昔で言う「千本ノック」のようなものも、大事なのかもしれないというような記事を見つけた

DSCN5084.JPG ただ、今の時代は、指数関数的に情報が増えている。それを全部カバーしようとすると、ある意味、破綻を来しそうになる。こう書いている間にもNGS(次世代シークエンサー)で、膨大なdataが増えている。論文も発表されている。どうやって、これという情報を集めて、有意なdataを抽出すればよいのか。頭を抱える。ただ、その膨大なdata。工夫をすれば、その工夫が重要なのであるが、鍵となることを示してくれる。今よりも情報が少なかった、microarrayという遺伝子解析法でも、それなりに意味のあるものが見えたが、NGSの方がさらに精度が上がるが、その分、必要なものを抽出が大事になる。少なければ簡単であるが、多いと工夫が大事になる。そのためにも、論文などと融合することが大事になるのであろう。異分野との。今年度から、文系との異分野融合も始めている。そうした考えても難しかったり、考えないことを考えてみる。そうしたところから、思わぬヒントは生まれるような気がする。では、思わぬヒントとは。。。身の回りの不思議を見て、その不思議を不思議と考え、その不思議を一般化するというか、自分のことに置き換えてみることなのかもしれない。と思ったりする。

 渡辺のところで扱っている遺伝学。生物学の中でも、異質な扱いというか、遺伝学が苦手というか、そんな方も多い。優性、劣性というのは、A, aのような単純なものであり、DNAの情報で言えば、A, T, G, Cである。最近は、メチル化をされたCを5文字目というように考えるところもある。何れ5文字。A, aから比べると、ずいぶん複雑になる。また、どの形質扱うのか、その形質が、特定の遺伝子座の上の対立遺伝子なのか。そんなことを考えないといけないので、余計に遺伝学が苦手になるのかもしれない。ただ、先に書いたようなNGSを使うと、様々な解析が容易にできるようになったのも事実である。原因を突き止めるのは難しいような形質でも、そうでもなくなりつつある。研究室でも、観察用に様々な生き物が育成というか、栽培というか、されている。その違いをわかるようになること、それが生き物を生き物らしく見ること。もし、交雑をして、その形質がどのように遺伝しているのかということを見つけるのが難しくても、どの形質が違うのか、2つの植物で観察する心を磨くのは、毎日の作業の中でできるのではないだろうか。写真を撮るのを忘れていたが、この前、受粉したトマトが結実して、キュウリはゆがんでいた。なぜ、この結果になったのか、そんなことを考えることが、遺伝学のきっかけのような気がする。そんな風に遺伝学を考えると、その違いを生み出すものを見つける。おもしろいものが見つかる、そんな気がする。そういえば、明日には海外出張からのスタッフ、学生さんも戻ってくる。新しい情報が満載で、それをどう考えるかで、また方向性も変わりそうで、楽しみである。

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 わたなべしるす

 PS. 明日が大学院入試の〆切り。前期というか、I期の。どうなるのだろうか。。。心配をしてもしょうがないというか、結果を待つしかない。何があってもよいような体制を考えておくのが、渡辺の仕事なのだろう。。。一昨年も、I, II期でそれぞれ学生さんが来てくれたことを思い出しつつ。。。

 PS.のPS. 高校生時代から、この道でやろうという決意と、崖っぷちというようなテレビをニュースでやっていたのを見て、。。高校生でこんな決意をするのだと。ある意味、感動でした。常にそうありたいと。。。。「高き理想を。。。」と思った瞬間でした。


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