東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】愛媛県立今治南高等学校・園芸クリエイト科・特別講義「今治市立日高小学校・2年生との交流学習「野菜栽培指導」と日高農場での肥培管理」(9/24, 19:30、追記あり)

2014年9月24日 (水)

 このところ、愛媛に出張があると、近くに台風が来ていることが多いのは、何かあるのかと思うくらいです。おかげで日中の気温が少し上がり、週末、久しぶりに発熱でdownしたこともあって、また、仙台が涼しくなったこともあって、外での実習はこたえました。。。ただ、台風は昨日あたりまでかなりの被害を出したようですが、今日の夕方、夜には温帯低気圧に変わるというので、明日からの岡山での出前講義も大丈夫でないかと。本四連絡橋ができたとはいえ、風が吹けば、四国は孤立してしまうので。

 9/24(水)は、いずれも今治市内の高校での出前講義。午前は、愛媛県立今治南高等学校・園芸クリエイト科での肥培管理だけの予定でしたが、2年前にも出前講義で伺い、今年は冬期間中に出前講義をお願いされている、今治市立日高小学校へ訪問・交流学習。小学校2年生に「ジャガイモ」と「春野菜」の種播きなどの指導を、一緒にと言うことで。高校生と一緒に、小学生を指導するというのは、石川県立小松高等学校での実験指導以来でしょうか。栽培に使う土などは、高校の先生方が準備され、春野菜の種は、小学校の先生方が準備され。。。ジャガイモは、肥料袋に種薯を植え付けて。寒くなるまでに収穫できる早生品種を。西南暖地ならではのことだと。仙台だと、ナス科の作物は、秋にと言うのは、かなり難しいような。昔だと、縦の繋がりがずいぶんあったので、先輩からいろいろなことを習ったもの。良いことも悪いことも。。。でも、そんな繋がりが希薄になりつつあり、また、田舎であっても、野菜の栽培を知らないという子供さんも。知らない人に声をかけられても、話をしたりしないようにという指導であったり、子供から何をしているのかを聞かなくなったり。。。なかなか難しい時代となり、こうした野菜の栽培を通じて、小学校と高校とが交流というのは、よいことだと。伺ったところによると、15年近く続いていると言うことなので、さらに進化・深化して、連携ができれば、また、お手伝いができればと。

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DSCN3821.JPG お昼前の時間は、野菜の肥培管理。キク、ダイコン、トマトなどを対象に管理。メインは、キクの盆栽。以前に訪問したときは、ガラス室の中は、スイカ、トマト、メロンが栽培されていましたが、以前、記事にも書いたとおり、今はメロンだけが栽培され、スイカのように、上からつるす形での栽培を。これは初めて見ましたし、太陽光が当たりやすいという意味では、よいことだなと。昨年のこの時期に訪問したときにも書いたかも知れないですが、キクの栽培は立派なものがあります。枝を仕立てる、腋芽をのぞくなど、大変だと思いますが。大学ではできないようなしっかりした肥培管理で。。。こちらもこうしたことは学ばないといけないなと。。。6月に出前講義で伺ったときには、スイカの交配と果実の内部形態観察。その時に、最後はスイカを試食した訳ですが、その時に食したスイカの種子から、苗ができて、立派な果実になっていました。ずいぶん温度が違うからでしょうが、8月の終わりに交配して、この大きさまで生長しているのは、ハウスの中と言うこともありますが、ずいぶんと初秋は暑いのだと。。。仙台での生活がなれた渡辺には、今治での初秋の暑さを思い出させてくれたスイカの果実でした。

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DSCN3831.JPG 最後になりましたが、愛媛県立今治南高等学校・園芸クリエイト科の別府先生をはじめとする関係の先生方にはお世話になりました。ありがとうございました。次に訪問できるのは、冬のシーズンか、来春になると思いますが、今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 日高小学校の渡部校長先生は、これまで、日吉小学校の教頭先生として、長く出前講義でお世話になった方で。このようなところでお目にかかるとは、びっくりでした。日高小学校では、文科省の研究指定を受け、11/7(金)に文部科学人権教育研究指定校事業研究発表会を開催する予定とか。研究主題は「互いの人権を尊重し、共に学び支え合う児童の育成」。今回のような交流会において、小学生と高校生が一緒に活動することの教育効果は両者にとって大きいと。生命体(野菜)とかかわり、生命を育てていくことは、自分以外(他者)とのかかわりによって成立すると。友人との協力も欠かせない訳であって、さらに、栽培活動には感情が伴います。物言わぬ植物を思いやり・責任を持って育てるというのは、大事です。また、そのかかわりの中から自分自身の存在を確かめることができるというのが重要だと。。(自己効力感)。子どもにとって体験が大切であるが、なかでも野菜栽培は、生命とかかわりながら成功体験を積み重ねることができる絶好の活動であると、というのは、うれしいことだなと。。。。(19:30、追記あり)

 ということで、たぶん、2月になると思いますが、出前講義に伺いますので。楽しみにしております。

DSCN3819.JPG PS.のPS. 日高小学校の校庭の片隅で「ヘチマ」の栽培を見つけました。この前の仙台市立木町通小学校では、花も咲いていませんでしたが、こちらは、暑い分だけ、大きなヘチマもありましたが、ちょうど開花した雌花も2つほど発見。遺伝学をやっていると、ついつい、交配をしたくなるもので。。。雄花を見つけては、たくさんの花粉をかけておきました。うまく大きなヘチマができるのではと。。。

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