東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

アナログ、常識、古文書(9/28)

2014年9月28日 (日)

 周りを見ていても、昔より出張が多い。渡辺が学部生として、日向研に入った頃、日向先生の出張がどれくらいだったのか。。。ぱっと思いつかない。ただ、今の渡辺よりは遙かに少ないという記憶しかない。であれば、渡辺だけかと思えば、共同研究、プロジェクトの共同運営をされている先生方を見ると、同じようにあちこちに行っている。そんな昔のよかったことは、一度出れば、連絡のとりようがないこと。連絡を取ろうとしたら、宿に電話を入れて、伝言をお願いする、どうしても急ぎの時は、Faxなどで要件を入れる、くらいであった。なので、もう無理というような時以外というか、まず、あきらめて、自分でこうしようと決めて、もどってきたら、こうしましたという報告であったと思う。というか、日向先生が出張から戻ってくるまでに、言われていたあれをここまではやったぞ!!(実験ノートを机にたたきつける訳ではないですが、そんなイメージで。。。)という感じで、もどった翌日などに議論したのを思い出す。そんなアナログの時代なので、もちろん、Internetもないし、携帯もない。携帯と言うよりは、スマホなのかも知れない。そうなると、出張先でどんなことがあるのか、どんな街なのかと言うことをあらかじめ、調べておく、あるいはそれに類した本を仕入れて、出かけた。ところが、今では、そんな時間がないのもあるが、まあ、行って調べればよいとか宿で聞けばよいとか。。。時代が変わると、そうなるのだろうか。。。そうした、アナログ・デジタルと言うことも出先で問題であるが、それと同じくらい考えるのが、pdfをパソコンで読むのか、印刷するのか。。。結構、頭を抱える。書類全部になったら、たまったものではない。ただ、pdfは普段、大きな画面で見ているので、出張用のパソコンの画面では、。。苦労する。特に苦労するのが、2つ以上のものを比較しようと思うとき。これはかなり大変である。。。何とかしたい。液晶画面でなくて、有機ELだっただろうか、丸めることができる画面。そんなのが実現するのがよいことなのか、そうでないのか。。。これまた、難しい問題である。

DSCN3928.JPG そんな出張からもどってくると、書類がたまっている。。。これも頭の痛い問題である。いろいろ工夫をして、出先でも処理できるようにしているが、アナログでなくて、デジタルのおかげである。。。そんな書類の中に「曙光」という全学教育広報誌があった。半期に1度、昔で言う、教養部から発行されている。半年前には、昨年度の実施の渡辺の基礎ゼミを受講し、発表会で受賞した木幡君がその基礎ゼミのことを記した記事があったのを思い出す。ただ、こうした教養部内での活動とか、先生方が何を考えているのかなどと言う情報発信は、思えば、渡辺が学生の頃には、何もなかったような。。。代わりに、あったのは、当時は意味不明に思われた「三◎塚」とか書いたわら半紙に印刷されたチラシと言わず、ビラと言われていたものが散乱していた。そんな渡辺の教養部時代と余り変わらないというか、少し前の教養部時代を過ごされ、いまは「科学者の卵養成講座」を一緒に運営している工学部の安藤先生の「「教養教育」という名の同床異夢」と題した記事を見つけた。もちろん、他にもこれはと言うのもあったのかも知れないが、何せ、書類の山を片付けるのが先決なので、おもしろいものから読んでみるという日向先生の教えに習って。。。それによると、1993年に教養部が廃止されたとか。助手になって数年、学位を頂く1年前の出来事だったのだと。。。職員でもあったので、旧教養部の教員が農学部にも来るとか、何とか、そんなことが学科の会議だったか、研究室の職員の会議で話題になったような。大学で、遺伝学をやりたくて農学部に来たのに、実際は教養部。学生証も教養部長のはんこが。。。なんか、だまされたような気分であったし、これはと言うか、おもしろいと思った講義は聴いていたが、そうでないのは。。。(この。。。。の部分は、当時、学生であった世代なら、ご理解頂けるのでは。。。)。その文章中に「大学時代には・・・・先生は教えてくれる存在ではなく、自分で勉強しないといけない自覚とか、・・・・」と言う下りが。確かに、分厚い有機化学の本の一部を講義して、そこから試験だと。。。全然できず、これは困ったと思ったら、その試験でよくないこと(これも想像をしてほしい。。やってはいけないこと、当たり前に。。。)をした学生がいたらしく、全員が再試験。何で、全員と思ったが、逆にほっとして、気合いと根性で本を読み込んで、単位をgetしたと言う記憶だけある。今となって、本を見たら、わかるのかも知れないが。。。あと「読み書きそろばん」と言うのがあって、これはよいことだと思ったら、そのあとに、国際化対応で、英語力もとか。。。これは困った。。。教養部時代からと言うより、それ以前の問題かも知れないが、少なくとも、論文を読み書き、するくらいは。。。しゃべるのが、聞くのが難点であるが。。。いずれ、手持ちのdataをためなように論文として発表することが大事なのだろうと。最後の方に「価値創造力」、「パラダイムシフト」と言う言葉があった。難しい言葉と思ったが、「常識」と思ったことをひっくり返す考えと言われれば。。。ずいぶん、学生の頃に学習したような。。。というか、ずいぶん、痛い目に遭ったので、。。。これだけは、何とかなるのかも知れない。非常識と言われても。。。

DSCN3829.JPG そんな教養時代、理系の科目はそれなりに何とかなった。子供頃から苦手であった天文学以外は。。。その講義で覚えているのは「陽子、量子」と言う言葉。物理学の話かと思ったら、そうでなかった。。。それこそ、非常識で。おもしろい人もいるものだと思った。。文系はと言うと、何故か、今治人だからであろうか、経済学だけはおもしろかったし、試験の時にも倍以上くらいの答案を書いたような。ただ、fitするのがなかったのか、理由がわからないが、歴史とか、そういうのがなかった。今になって、歴史の重要性を理解して、古い本を読んだり、古文書は読めないが、文理融合のプロジェクトも始めたり。。。そういえば、この前の倉敷天城中学校でのSSH特別講義の時、玄関先に古文書というか、漢文というか。。。。きっと著名なものなのだろうと思ったくらいで。まだ、まだ、修行が足りない。。そういえば、さっきの安藤先生の最後のパラグラフには「真の自立には知的判断力や大局観が必要であり、そのためには文学、歴史、科学、芸術への深い好奇心と継続的な学修が求められる。」と。。。一見関係ないように思えることを結びつけることができるからこそ、新しいことができるのだと。。。そんな好奇心があればこそ、よい文章も書けるのだろう。。。ということで思い出した。出張先で思いついたことを、ノートの端に殴り書きして、「古文書」の読めない文字のようになった「科学研究費」の答案の一部を早く読み返して、アナログからデジタルにしておかないと。。。読めないような文字で書いてあるので、。せっかくの思いつきが。。。消えてしまってはしょうがないので。。。そんな9月最後の日曜日であった。

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 わたなべしるす

 PS. 先日の英語の単語の使い方に関連した記事ではないが、「米国では10人に1人が「英語が苦手」」と言う記事が。。。何か、狐につままれたような。。。。ただ、最後には、やっぱり英語が重要だと。。。。困ったものだ。

 PS.のPS. 話題の中に入れることができなかったが、昨日の昼頃に岐阜県と長野県境の御嶽山が噴火して、多くの死傷者が出ていると。。。雪のように積もった灰の中を歩いているというのを見て、鹿児島での桜島の噴火を思い出した。亡くなられた方々のご冥福を祈りつつ、。。黙祷。



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