東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

3/11(金)、14:46から今日まで、その12(5/25)。

2011年5月25日 (水)

 前回のその11を記してから、10日あまりすぎました。ずいぶんと初夏のような天気になり、仙台も暑くなってきました。先日来客があり、時間の関係で空港までご一緒しました。議論の時間が足りず。その折りに、道沿いに沿岸部というか、広瀬川、名取側の河口付近を見ることがありました。今頃であれば、田植えのあとの小さなイネの苗があるのが、何もなく、今まで海を垣間見ることもなかったのが、みえたり。。。さらに、まだ、がれきが残っているところがたくさんあったのを見たのは、目を覆いたくなりました。空港の近くでは、まだ、電気もきておらず、交通整理が行われていました。そういえば、空港の運行は自家発電とか。まだ、まだ、復旧とは言えない場所が、身の回りにたくさんあることを実感しました。津波で流されたがれき、車が山のようになっているのを見て、一体全体、これだけの破壊力のある津波というのをエネルギーに換算したら、どれくらいになるのか、物理学が分かる方から、お話を聞きたいと思ったりもしました。

 そんな中で驚いたのは、ササなどが塩害で枯れているにもかかわらず、アブラナとおぼしき黄色い花は満開でした。以前に書いたアブラナの高い能力は、こうした点でも優れているのだと実感できました。よりよい方向に使えればと思いました。

 そういえば、数日前にいわゆる一次補正の予算措置の通知がありました。なんと、。。。。。。ゼロ査定。?????と、いくつついたか分からないくらいでした。いろいろと理由を調査したら、調査依頼から、24hrで仕上げなくてはいけなかった、「調査書」に、1点不備があったからとか。項目は、被害状況。写真を撮るように言われて、写真を添付したので、記述しないでよいと思ったのか、必須と書いてなかったので書かなかったのか、記憶がありません。また、余裕を持って出しましたが、不足があるので埋めるようにともなかったのは、残念でした。いわゆる、震災の超法規的措置のようなものですから、こうしたことに対して、杓子定規での対応が、。。。。沿岸部で、全損、一部損、等を航空写真で決めたという点からすると、かなり、書類主義というか。。。まじに、涙が出そうでした。そういうルールであれば、そういうルールでやるしかないのが、どんなものにもあるのだと。つまり、どんなに緊急性の高いものでも、被害がひどくても、冷静に書類を作らなくてはいけない。そうでないと、補填されるものも、されないと言うことだと。。。。このあと、こうした被害に遭うことがあわれる方、ぜひ、ご記憶にとどめていただければと思います。誰が悪いというように、子供の喧嘩をするのは簡単ですが、そうでなくて、ここまで極端になると、ある種のあきらめというか、。。。。。のレベルでした。いずれ、これを読んでいただいているみなさまの参考になれば、渡辺の膨大な被害額が、軽減されると思います。せっかくですので、どんなにひどかったかを、お見せしておきます。これでもゼロ査定だと言うことで。しばらく、涙に暮れた、ここ数日でした。。。ただ、そこで、とある方からの暖かいお言葉が。「二次補正もありますから。。。。。」。。。まさに、天の助けの言葉でした。ありがとうございました。

DSCN5339.JPG大きく傾いたシロイヌナズナ等の栽培だな。。。。。


DSCN5341.JPGDNA抽出用の多検体対応、植物破砕機、転倒して180oひっくり返る。


DSCN5351.JPG等電点電気泳動をはじめとるする様々な電気泳動装置。。。。。泳動装置の墓場のよう。。。数が多すぎ単純な見積もりできないが、500万以上か。。。。。。。。


IMG_1114.JPG蛍光顕微鏡、簡易切片作成装置が転落、鏡筒が折れて、使い物にならない。。。500万以上。。


IMG_1115.JPG自動in situ hybridizationの機械も、180oひっくり返る。その後、元に戻してみたが、ふたも開かない。。。300万。。。

 唯一の救いは、運営をお手伝いしている科学者の卵のHP今年の募集が始まり、あちこちから、説明会にきてほしいと。ありがたいお話しです。より多くの未来ある受講生に話ができるのが、楽しみです。


 わたなべしるす


 PS. 渡辺は参加できませんでしたが、古川農試の田植えのお手伝いに、籾まきに続いて、研究室方々がいってくれたのは、研究室力のようなものをお見せできたように思います。研究室のみなさまのご協力にこの場を借りて感謝したいと。ありがとうございました。

DSCN0383.JPG



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