東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】福島県立岩瀬農業高校・特別講演「高等植物における生殖・受粉反応」--自家不和合性・受精・品種改良--(10/22)

2012年10月22日 (月)

 先週は、七北田小学校宇都宮女子高等学校岩沼市と異なるversionというか、違った対象向けの講義でした。今週の最初は、福島県立岩瀬農業高校へ。ここへの講義には、「公益財団法人東北活性化研究センター」が縁を取り持って頂き、「東北活性研ユニバーサイエンス」との合同企画ということになりました。郡山まで新幹線。そのあと、在来線で。在来線に乗ると、多くの貨物列車とすれ違ったのですが、郡山が新潟方面、常磐方面への分岐点でもあることから、そうなのだなと。改めて、物流が東北本線を使っているを実感しました。

 講義の前に、学校内を案内頂き、培養室、圃場を。培養室には様々な植物の無菌培養が。また、机には学生の頃に使っていた簡易型のクリーンベンチが。ただ、このクリーンベンチのガラスの部分がプラスチックに。震災で全部落下して、予算措置がなく、プラスチックにしたり、ビニル袋の一部にしているのは、何とも言えず、痛々しいものがありました。また、圃場を案内頂きながら、地割れがあって、加工室が使えない、水田も昨年は池に水がはれなかったとか。あと、大きな牧草地があったのですが、そこも、放射能汚染の関係で、通常であれば、使えるところが、刈り取って捨てざるを得ない。。。何とも言えず、震災のすごさと、未だにここまでしか、直せない理由が。。。もう少し、どうにかならないのかと。講義前でしたが、ずいぶんと切ないものに。。。何とか被災地がもう一段高いところに復旧、復興できるようにと、思わざるを得ないのでした。

DSCN4049.JPG 講義では、当日、学校を公開ということと重なり、生徒さんに加えて、いろいろな先生方が、出たり入ったり。よい経験でした。講義内容は、これまで今治南高校などで行ってきた、農業高校向け。最初に、生殖・自家不和合性のお話し。最初の作物の花のところは、さすが、農業高校の生徒さん、ずいぶん知っていましたし、サツマイモの花を知っていたのは、感動でした。生殖、自家不和合性のところは、リンゴの果実と種子の関係を考えてもらい、なるほどと思って頂いたのでは。後半には育種をするための基礎と、実際に交配をするときには、花の特徴を知るということ。交配に使っている袋、ラベルの書き方、ラベルは、他からの転用したものを使っているなど。生物工学でももちろん、習っていることかもしれないですが、実際に新しいものを作るということが少し見えたのではないでしょうか。講義のあとには、校長先生などを交えて、いろいろな情報交換ができたのは、何よりでした。ありがとうございました。

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 最後になりますが、今回の出前講義を設定頂きました、岩瀬農業高校・横山校長先生、郷田先生、久保木先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。また、今回の講義の間を取り持って頂きました、公益財団法人東北活性化研究センター様とセンターの小笠原様にも、この場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。これを機会に、これからもよい交流ができればと思います。


 わたなべしるす

 PS. 渡辺が岩手大に勤務していたときにお世話になった、内田先生ともお会いできました。その当時のことを少しですが話す時間もあり、懐かしかったです。ありがとうございました。

 PS.のPS. 青葉山地区ですが、熊が目撃されたという情報が。。。。困った状況です。。。



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