東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】岩手県立盛岡第三高等学校・SSH課題研究等報告会・コメンテーター(2/17, 19追記)

2014年2月17日 (月)

 先週は火曜日が福島県立福島高等学校のSSH運営指導委員会木曜日が香川県立観音寺第一高等学校・SSH研究成果報告会運営指導委員会土日はまた、豪雪が。。。日曜日、仙台にもどったら、少し解けて、学内の雪も少なくなっていたはずなのに。。。また雪が。。。足下ばかりが気になっていたので、本館の脇にある樹木が倒れていたのは、事務からの連絡があるまで気がつきませんでした。この写真は生命の事務の方から使わせて頂きました。ありがとうございました。というか、注意力、観察力がなかったのだと。。。教育研究では、大切なことなのに。。。まだまだ、修行です。

2014021613200001.jpg さて、今週は3校目のSSH課題研究等報告会、運営指導委員会が岩手県立盛岡第三高等学校1997年12月~2005年3月までいた盛岡市。仙台がかなりの雪だったので、盛岡はもっとすごいことになったのかと思ったら。。。駅前にも雪は少なく、学校の前も。。今回の豪雪がかなり局地的であったことを実感した一面でもありました。

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DSCN1745.JPG 午前中はまず、「震災からの復興と今後の防災のあり方」と言うことで、1年生から日本語、英語での発表。まちの復興のあり方、漁業の6次産業化、がれき処理、バイオ燃料、心のケア、震災アーカイブス、防災教育というのが、日本語での発表として。英語の発表は、震災医療、脱原発、農業復興。いずれも、震災という問題をきちんととらえて、これからどうすればよいかという提言であったかと。。。ただ、実際にそれを実現するために、さらなるハードルがあると言うことをもう一歩進んで深く考えてほしかったと。。。また、それらの問題には、現在の日本が抱える様々な問題の一端でもあると。。。そうしたことを理解できれば、。。と。もちろん、一方で、他地域でうまくいっている「高知県馬路村のゆず」の例が出てきたり、安政南海地震の時の「稲村の火」の例。和歌山県では、今でも「稲村の火」のことは確か、和歌山県内では小学生の時から学習しているとか。そうしたこともぜひ、学習して下さい。これに引き続いて、ディベート決勝。テーマは「原発撤廃の是否」。とてもシビアな問題で、。。。論理性をどこまで突き通し、相手の論理の破綻したところを見つけて、どこからそれを突き崩すのか。プレゼンの人選の順番もポイントかもしれないと。。。去年のディべー決勝から見たら、ずいぶん、論理的に進化したのではないかと。。。。プレゼンもジャッジも。こちらが高だろうと思ったジャッジで、他の運営指導委員の先生方と、ほっとしたのでした。また、今回の活動の場所が、体育館というのもあるかもしれないですが、時間をカウントに運動部の部活の逆算タイマーを使っているのは、とてもniceでした。今年は、英語でのディベイトも。テーマは「ILC(International Linear Collider)の日本への誘致の是否」。日本と言うよりも、岩手県にという方が、現実に即した形になったのでは。。。defenseとattackという単語を見たら、ディベートでなにをすべきなのかという意味がより明確になるのでは。。。

DSCN1746.JPG 午後からは、課題研究発表会。数学、物理、化学、生物、地学の5分野から9個のテーマ。最近はどこの高校でも、数学を扱うようになってきているのは、よいことかと思いますが、テーマをどうするかなど、難しいところがあるのは、致し方ないところだと思います。他のSSH高の皆さんも同じように、悩まれていますので。実験系では、繰り返し実験をしていて、分散、標準偏差を出しているのは、よいことだと。。。一方で、やっている実験の科学的背景が何なのかと言うことが不明瞭なのも。。。SSHのSはScienceです。なので、科学的に考えること、なぜそうなるのかと言うことをしっかり実行して下さい。おもしろい現象が見えているのに、気がつかないと言うのもあったような。とてももったいないです。身近な不思議に気がつくこと。それが考える力を養成することになるのだと。。。

 最後の講評では、運営指導委員の先生方から。プレゼンをするときに、原稿は読まないことは大事でしょう。読まなくても自分たちの実験ですから、覚えていても、当然でないかと。。。また、結果からそれを最もよく表すタイトルにすると言うことなど、午前中のこともまとめて。。。他の先生方からは、背景にある「物理現象」の理解、自分で考え、判断する、なぜ、この実験をしているのか、この実験系でよいのか、実験の全体像を考える、答えのないことを考える、外部で発表するなど、これからのこちらの活動の参考になることがたくさんありました。

 今回のSSH研究成果報告会でお世話になりました、校長先生、副校長先生、県教委の先生方をはじめとする関係の先生の方々にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。今年度のことを踏まえて、次年度、さらなる発展を祈念しております。


 わたなべしるす

 PS. 2/19, 追記。出張から戻って、慌ただしくしていた関係で、発表当日の夜に、課題研究を発表した生徒さんから、こちらのコメントを受けて、さらにがんばってやってみるというか、まだまだと言うことを実感したと。とても謙虚ですばらしいと思います。何かを達成したら、そこがてっぺんと思うかもしれないですが、世の中はそんなことはなくて、さらに新しい高い山がそびえたり、そこを目指すというか、登ろうとすることがほとんどです。ぜひぜひ、これからもがんばって下さい。楽しみにしていますので。



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