東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】香川県立観音寺第一高等学校・SSH研究成果報告会(2/13)

2014年2月13日 (木)

 昨日が福島県立福島高等学校のSSH運営指導委員会。今日は四国・香川の香川県立観音寺第一高等学校・SSH研究成果報告会、運営指導委員会。さすがに四国。と思ったら、先週の雪が山には残っていて、今年は全国的に寒いのだなと。。ただ、吹く風は冷たいですが、雪がなくて、足下を気にしないのはよいことと思っていたら、明日にかけて、また、先週のような爆弾低気圧が発達するとか。。。四国から東北で明日から日曜にかけて雪とは。。。今回の出張を遂行できるのか、。。。そちらの方が心配になってきました。

DSCN1714.JPG 午前中は、1, 2年生の生徒さんたちによる国内外の大学・企業などへの体験研修のプレゼン。プレゼンの中に「土壁」の話が。。。その中に、藁を練り込んでいる理由を考えていました。おもしろいと思ったのですが、ふと思ったのは、普段の生活で「藁」をさわったことがあるのか。最近は、温暖化して、稲刈りをしたあと、ひこばえがでて、かれたものも見ることができます。ただ、残念なのは、昔のように田んぼに稲わらがそのままになっていない、cutされて田んぼにまき散らかされていて。。。そんな環境で、土壁に塗り込む藁をどれだけイメージできたのか、また、昔の家では普通だった「土壁」をどれだけの生徒さんが触れているのか。。。観音寺もまだ、そうした家もいくらもあると思います。ぜひ、観察してみて下さい。本物を見るのは、大事ですから。海外科学体験研修については、英語でのプレゼンだったのは、niceでした。途中で話に詰まった生徒さんが、「Sorry.」と言う場面がありましたが、あれは、たぶん、「Excuse me.」と言うことだと思います。わかっていても、渡辺もなかなか出てこないのですが。。。あと、国内外の先端的な研究室を見てきて、国内外の研究室のどこがどの様に違うのか、国内のどこがよくて、海外のどこがよいのかと言うことを考えてほしいと。。。。海外の研究室で博士研究員をするような方もいるでしょう。その時に、なぜ、その研究室なのかということから始まって、大事なことだと思いますので。。。プレゼンの中に、「恐竜の寿命が短いと。。」。ふと、なぜ、短いのだろうかと。。。もちろん、彼らからのプレゼンに解答はなかったのですが。。。そこに「不思議」を考えるのも大事なのでは。。。ただ、恐竜は生きていないので、生物学的な実験ができないというネックはありますが。。。。(そもそも、爬虫類の寿命を知らないのですが。。。)。こうした生徒さんからの発表があった訳ですが、惜しむらくは、質疑の時間がなかったこと。質疑があれば、先日の福島のコアSSHで英語での質疑ができたようになったのにと。。。。

DSCN1713.JPG 午後からは、SSHの今年度の取り組みと成果の報告。午前中の高校生からの話とoverlapする部分は、おいておくとして、興味深い取り組みがいくつかありました。1つ目は、観音寺市は香川県ですが、愛媛県との県境なので愛媛県川之江市、伊予三島市が隣町。いまは、四国中央市と言うようですが。。。そこは紙の町。。愛媛大学大学院農学研究科の特任教授の方と思いますが、その方々に紙についての講義枠をつくっているのは、何よりではないかと。。。愛媛県民だったものには、うれしい限りでした。第2は、国内研究機関との連携では、観音寺第一高等学校の卒業生がいらっしゃるところに。というのは、何よりのことではないかと。いつも、研究室に来るのは、母校の高校生でなくて、。。。と思っていますので。もちろん、年に1回は、母校で出前講義はできる訳ですが。。。第3は課題研究をして、学会など、可能な限り多くのところで、発表しているところ。最低1回は、どこかで発表する。とてもよいことだと思います。いろいろなヒトに見てコメントをもらうというのは、何よりよいことだと思いますので。第4は「科学リテラシー」のアンケート調査。日常の中にある不思議に興味を持たないというのは、少し残念かと。。。こんなに自然豊かな三豊地区なのに。。。ぜひ、この自然の変化、不思議を観察してみて下さい。

DSCN1712.JPG 最後は、課題研究中間発表会。2年生のポスター発表。物理、化学、生物、地学、数学で様々な試みがされているのは、なによりかと。ただ、昨日の福島高校でも課題研究の伸びしろと言うことを気にされていました。何に原因があるのか、少し考える必要があるかもしれません。1つヒントになるとしたら、なぜ、そのようになるのか、何かに書いてあるからと言うレベルではなくて、その原因はどの様な理論というか、理屈というか、そんなことを深く考えてほしいと。

DSCN1715.JPG 今回のSSH研究成果報告会でお世話になりました、校長先生、教頭先生、県教委の先生方、石井先生、上原先生、猪熊先生をはじめとする多くの方々にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。今年度のことを踏まえて、次年度、さらなる発展を祈念しております。


 わたなべしるす

 PS. ダイコンの研究班は、12月の鹿児島で発表したグループ。早速F1の種子を買って実験をしようと。。。ただ、カイワレダイコンのF1がなかったので、ハツカダイコンのF1だけど、大丈夫かと。。。ところが、ハツカダイコンでカイワレダイコンのように伸びるのだろうかと。。。「ええええ??」。そこで「ダイコンの普通、食べる部分は、根っこなの、何なの??」、「根っこと茎は何が違うの???、小学生に説明するとしたら???」。この問題に頭を抱えられたのは、こちらが頭を抱えました。今日の帰り道に、スーパーでダイコンを見て、根っこだと思っていたダイコン、どこが何なのか。しっかり観察して、明日からと言わず、今日からの課題研究に活かして下さい。というか、毎日の自然観察に活かして下さい。

DSCN1716.JPG PS.のPS. 学校は現在、立て替え中。次に来たとき、新しくなった校舎を見れるのではと。。楽しみにしております。

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