東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2014年4月の記事です。

片平の遺跡-4(4/23)

2014年4月23日 (水)

 仙台も少し暖かくなってきた。連休が始まる頃までは天気も良さそうである。どこかに出かけるほど時間はとれないが、片平のキャンパスの中でも、シダレザクラなど、おそめに開花するサクラは今が見頃という感じである。青葉山の上で会議というか、用事というか、そんなのがあり上がると、片平より少し開花は遅れている。学生の頃、農学部のある雨宮キャンパスで雨であっても、青葉山では雪とかみぞれでないかと。。。といっていたような。そんな雨宮キャンパスもあと数年で山の上。旧ゴルフ場跡地のかなり山奥らしい。どれくらいの位置になるのか、実際に工事が始まり、他の建物との位置関係がわかれば、もう少しイメージができるのであるが。。。もちろん、手前の工学部のところにできる駅の建設はずいぶん進んでいました。よいタイミングで止まらなかったので、写真にならなかったのが残念ですが。。。次に工学部にいくときには、何かしらのものになっているのではと言う気がした。

DSCN2212.JPG と、前置きが長くなったが、渡辺がいるのは、前に書いたとおり、昭和40年代にこの場所に旧農学研究所が移ってきて、その後、旧遺伝生態研究センターとなり、現在に至っている。もちろん、改修工事というか、耐震補強というか、そうしたものが施されて、学生の頃、仙台に戻ってきた頃の建物から比べると、天井は低くなったが、ずいぶん明るくなった。その渡辺の研究室のある建物は、南北になっていて、西を背中にして座っているので、ちょうど、米ヶ袋、広瀬川、その向こうには、向山という位置関係となる。米ヶ袋と片平の町名の境に道路があり、その道路からすぐ見えるところに、遺跡群というような形で、保存されているものがある。それが、旧制第二高等学校の門跡などである。

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DSCN2210.JPG 旧制高等学校とは、なんぞや。。。渡辺が大学生の当時は、1, 2年生は農学部に所属していると言うより、教養部生といわれたような。。。その教養部に当たるのが、この旧制高等学校ということらしい。この片平と後に、農学部ができるところにもあったとか。そういえば、学生の頃、卓球、バドミントンをしていた行動の脇に、旧制第二高等学校の碑というのがあったような。。。今の学校は、小学校から、大学、大学院というような形であるが、一体全体、昔はどうなっていたのか。。。その当たりを少しめくってみると、何かおもしろいもの。というより、これから跡、どうすればよいのかというようなことに突き当たるのではと。。。そんな気がした。もちろん、歴史を振り返ると言うことは容易ではない部分もあるのであろうが。。。少なくとも、写真の中に刻まれている文言が言わんとするところの意味くらいは理解しないと。。。。

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 わたなべしるす

 PS. 先の写真にあるハチ。スズメバチかどうかは不明であるが、東北大のアメリカンフットボール部の愛称は「ホーネッツ」で、このハチから由来したというの聞いたことがある。スズメバチと言えば、外来のスズメバチが国内のスズメバチよりすごい勢いで増えているとか。。。ちょっと困ったものである。。。

 PS.のPS. 青葉山での用事というのが、「学際科学フロンティア研究所」から頂いていた去年のgrantの発表会。今日のために、labの辺本さん坂園さんが、遅くまで準備していてくれたポスターを持ち込んで、1.5hrほど、異分野交流。流体、数学、医工学という異分野の方々とお話しできたのは何よりでした。ありがとうございました。

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【出前講義】宮城県古川黎明高等学校・SSH特別講義「SSH課題研究を始めるに当たって」(4/22)

2014年4月22日 (火)

 先週の金曜日から「国際植物の日」に連動した出前講義。今日はその第2弾として、宮城県古川黎明高等学校。今週はあと、福島県立磐城高等学校、福島県立福島高等学校。古川黎明高校は一昨年から3年連続。校長先生の最初の挨拶にあったのですが、古川黎明高校ができたのが、渡辺が仙台に戻ってきた年、2005年4月。と同じような歴史になっていると。。。不思議なご縁を感じました。また、昨年まで伺っていたのは、旧校舎、つまり、古川女子高時代のもの。今回伺った新しい校舎のあった場所は、ササニシキひとめぼれを育成した古川農試の跡地。新しくなった建物を見ながら、ここには何があったのだろうと、考えたり、道路をはさんで、あった水田の場所は宅地になっていたり。。。助手の時代に学生実験で来ていた頃のことを考えると、何か不思議な感覚でした。

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DSCN2184.JPG さて、3年連続で、1年生向けに、SSH特別講義「SSH課題研究を始めるに当たって」。最初に校長先生が渡辺ことを過分にご紹介頂き、恐縮でした。愛媛・今治の出身と言うことから、現在に至るまで。。。で、講義の最初にこの講義室があった場所に何があったのか、また、その古川農試でどの様な品種が育成されたのか。ササニシキ、ひとめぼれのどちらが好きかということ。そんなことから話を始めました。ササニシキの作付けがずいぶん少なくなり、ひとめぼれの方がmajorになったからでしょうか。ひとめぼれの方がおいしいという生徒さんの方がおいしいというのには、少しがっかりというか。。。この大崎平野で作られる「ササニシキ」は、すし米にしても最高だと思うくらいおいしいと思っています。是非、改めて、食べてみて下さい。そんな導入部分に続いて、SSHとは何か、課題研究ではどの様なことに気をつけないといけないのかと言うことについて。ちょうど、1週間ほど前に石川県立小松高等学校の理数科の生徒さんたちに話したような内容を。課題研究を自由研究のように位置づけるのか、そうでないのかと言うことについてはいろいろと議論の余地はあると思いますが、高大連携とか言われる時代。また、課題研究をまとめたもののformatは、いわゆる、大学で行う、卒論、修論などと同じformat。であれば、ぜひ、大学、大学院につながるような考え方、やり方を学んでほしいと。ちゃんとノートをつけるとか、繰り返し実験をして、統計処理をするとか。実際に高校に入ったばかりで、余り実感がわかないかもしれないですが、やり始めたときに、また、思い出して頂ければと。。。

DSCN2190.JPG 昨年までは、この課題研究の話だけだったのですが、これだけでは、なぜ、こうしたことをするのか、高校で学習する教科とどの様なところで結びつくのか、また、大学、大学院に進んだときに、どの様に活かされるのかと言うことなど、キャリア教育的だったかもしれないですが、そんなお話も。人生は長いです。いろいろなところでつまずいたり、転んだり、失敗したり。でも、それを糧として、次に進んでほしいと。講義の最後には、質問コーナー。たくさんの質問を頂きました。渡辺と同じように植物というか、品種改良の重要さがわかってくれていた生徒さんからの質問は感動でした。ぜひ、オープンキャンパスの時に、片平の渡辺の研究室にいらしてください。こうした生徒さんとお会いできたのも、この講義室がある場所が、古川農試があった場所だからでしょうか。なんかそんな気持ちにさせられた時間でした。楽しみにしていますので。質問のあとには、代表の生徒さんから、講義の感想というか、コメント。こちらが伝えたい内容をとてもしっかりととらえていて、課題研究だけでなく、普段の学習、生活でも十分いかしていけるのではと思いました。また、どこかでお会いできるのを楽しみにしております。もちろん、はずかしくて質問できなかった方。mailでの質問もwelcomeですので。

DSCN2200.JPG 講義のあとには、庄子校長先生とSSH活動、評価の問題、高校で行うこと、ひととしてなど、昨今の教育事情について、ずいぶんと時間を頂き、deepな議論ができました。これからの日本を作る人材をいかに教育するのか、また、その教育に関わるノウハウをどの様に共有するのか、高校も大学も同じ問題を抱えているのだと実感できたこと、逆に言えば、高校大学相互で連携して、そうした問題解決に当たることが、よりよい人材育成には欠かせないのではないかと思いました。ありがとうございました。

 最後になりましたが、今回の講義などの設定をいただきました、菅原先生、佐藤先生をはじめとする関係の先生方、ありがとうございました。今年度の課題研究がよりスムーズになるのを楽しみにしております。また、何かあれば、ご相談頂ければ、幸いです。


 わたなべしるす

 PS. 仙台と古川の直線距離は40-50kmだと思うのですが、桜前線とはちゃんと季節を知っていて、古川黎明高校の隣に昔からある野球場の所のサクラはまだ花盛り。研究室にある片平キャンパスのサクラは桜吹雪のように散っていて。。。たった40kmくらいかもしれないですが、北上しただけでこんなにも違うのだと。。。植物の温度センサーというか、そうしたものに感動でした。

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規律正しい、制限、アナログ(4/21)

2014年4月21日 (月)

 今年の春の天候も安定しない。今日も昼頃から雨が降っている。昨日は10oCに満たない気温で結構寒かった。。。もちろん、そんな中でも片平キャンパスのサクラを見るというか、お花見をしている研究室とおぼしき人たちも。数日前には夜桜をしていたところ。元気なものだと。。。どこからともなくブルーシートが敷かれて、わーーーと集まり、ゴミを散乱させることもなく、片付けて帰る。これだけは、片平にきて10年になるが、そうだと思う。規律正しいというか、ちゃんとしているというか。そういえば、震災の時に、寒い中、並んで順番を待つ姿もそうだったと思う。そんなことを評してだろうか。日本人のイメージというのだったと思うが、「勤勉」、「まじめ」、「信頼できる」、「正直」、「規律正しい」というのをどこかのニュースか、netで流れていたのを思い出した。ちゃんとしているというイメージを持ってもらっているのは、これまでの先輩方、ご先祖様がそうであったからであろう。そうした方々に感謝し、それを継続していかないといけないと。。。

DSCN2045.JPG そうしたイメージの枠の中にあると、制限がかかっていると思って動きにくいかもしれないが、その枠の中で何とかするのも大事なことである。大学院生の頃、等電点電気泳動とSDS-PAGEを組み合わせて、二次元電気泳動をやっていた。大きな予算があれば、それを同じメーカーで組み合わせてやることもできたのかもしれないが、そんなこともままならず、手持ちのガラス板でゲルを作るときに、一工夫して、分子量マーカーを流すレーンと一次元目のIEFを流すレーンができるコームを作成した。いざできると、完璧ではないが、何とかそれなりに使える代物であった。それを使って、最初の論文ができたのを思い出す。無制限に何でもできるというのもよいこと。ただ、一方で、何かの制限はかかっていて、そん中で何とかすると言うのも大事なこと。昨日の記事に「東大が70連敗」とあった。高校生の頃だろうか、万年最下位がひょっとしたら優勝するというような年があった。あの頃と何がちがって何が同じなのだろうか。もちろん、東京六大学の他の大学よりは大きな制限がある。ただ、その制限を乗り越えて、これまでのチームはやってきたのだから。何とかなってほしい。弱いと言われるチームが勝つのは、見ている方も応援したくなるものである。昔ながらの「判官びいき」というのに由来するからであろうか。。。。

 最近はほとんどのものがデジタル。身の回りを見ても、文章を書くのは、パソコンで、ブラインドタッチをした方が速い。Power pointでプレゼンをするのも手で描いた絵を貼り付けることはまずない。そこもデジタルで。。。論文も冊子でなくて、pdfで読む。アナログを探すと、。。新聞、雑誌くらいであろうか。出張にでも出かけないと、こうしたものを見ることもない。。。あまりよくない生活と思う。そんなアナログ。この前、出張先でテレビをつけたら、ゴジラの生みの親「円谷英二」監督のことをやっていた。ゴジラの映画を作り、ウルトラマンをテレビに送り出した方。というイメージしかなかったが、戦前から映画を作っていたというのを聞いてびっくりした。もちろん、物資、情報が十分でなく、かなりの制限を受けていた中で、作った映画もたくさんあり、その特撮のqualityがとても高く、特撮でなくて、実際に撮影したのではないかと、言われたとか。なんでも、何かの高さを基に、建造物などの高さなどを推測し、ミニチュアを作ったと。今なら、netで世界の現在ではないにしても地図がある時代からは考えられない。そんな制限というピンチをチャンスに変えるのだから、やっぱりすごい。だからこそ、一時代を築き上げることができたのだろう。その中での言葉で印象的だったのが、「デジタルだと、意外性を出すことは難しいと。。」。建物を壊すとき、アナログであれば、壊れた破片はその度ごとにちがうであろう。もちろん、概ね同じなのだが。。。その意味では、実験もアナログ。その度ごとに少しずつちがうので、平均とか、分散とかをとって、どうすればよいか考える。生き物だから、こうしたことがあるのかもしれないが。まだまだ、アナログな部分はたくさんあるのだと改めて。。。

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 わたなべしるす

 PS. この前の北陸遠征の間に、野依科学奨励賞の授賞式の時に、久しぶりにお目にかかった当時中学生、この春から高校生になったかたから、当日の写真などが入ったdataと手紙を頂いた。とてもしっかりした文章で。。。ありがとうございました。また、どこかで。。。もちろん、出前講義もrequestして下さい。

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ダイナー's の温室デビューが決まりました!

2014年4月21日 (月)

こんにちは、M2の辺本です。


先週は暖かい日もあった仙台ですが、
金曜日あたりから寒くなってきましたね。


さて、今日のお話は・・・
4月上旬に食べることだけを目的として植えた野菜たちのお話です。

ズッキーニのダイナー3株が大きくなったので、
温室デビューさせることにしました。おめでとう!


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いざ、温室へ!
何だか寒そうですねー。そう、今日は雨なのです。
しかし私が今夜からラボ不在の日が続くので仕方がない。
ダイナーたち、我慢してね。


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あまりにも寒そうなので、マルチをすることに。
ゴミ袋に穴を開けて、ねじりっこで留めるという、
「簡易すぎるマルチ」の完成です。
適当すぎるかしら・・・まぁいいか。


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温室の野菜達は今のところこんな感じです。
まだまだ寂しいです。
ズッキーニたちの奥にあるのは、葉もの野菜です。
先日、マスコさんとバイトさんが植えてくれました。
ありがとうございます。


それにしても、寒い!野菜たち、頑張れー!
無事育ってくれることを願うばかりです。


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そう言えば、種を蒔いたセルトレーの土を捨てようと思ったら、
ズッキーニのダイナーが遅れて芽を出していました。
なんて可愛い子なの!大切に育てます。


それでは!


M2 ナベ


P.S. なべさんからのアドバイスを受けて、
ズッキーニたちをもっとぬくぬくさせることにしました。

P4210265.JPGのサムネール画像
ダイナー's を見守る私。(1人なので、セルフタイマーで撮影・・・)

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【研究室訪問】宮城県仙台第一高等学校・生物部、来訪(4/18)

2014年4月18日 (金)

 朝から慌ただしく、昼にはお花見午後からは年度初めの顔合わせを兼ねて、最初の「ケーキ会」。夕方には、先日、今年度のSSHなどを含めた高大連携の話しで伺った宮城県仙台第一高等学校・生物部の生徒さんと指導をされている小松原先生が研究室に。

 去年から実験をされている「アブラナ」の調査に関して、アブラナの種の判別。見かけでは、なかなか難しいところがあり、基本ゲノムとなる、B. rapa, B. oleracea, B. nigraであれば、わかりやすいのですが、なたね油として使われているのは、B. rapaとB. oleraceaのゲノムが合わさったB. napus。両親の形質を上手に持っているわけですが、形態的にはB. rapaに似ていて、waxの程度、葉の厚さなどがB. oleraceaという感じですが、書くのはかけても、それを実物で判断するのは。。。。かなり難しいわけです。こんな感じということを話をしたり。。。

DSCN2174.JPG で、実際には、ガラス室で栽培しているB. rapa, B. oleraceaとB. rapaとB. nigraが合わさったB. junceaというのがあるので、それを見たり、せっかくなので食して何がどう違うのかを実際に体験してもらい。。。B. napusを植えていればよいのですが、それがないので。。。もちろん、調査と同じものがあるわけではないので。。。また、週末には調査をされるとか。。。少しは参考になったのではと思います。高校のある場所と片平キャンパスは自転車で5-10minくらい。また、いらし頂ければと思います。

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 わたなべしるす

 PS. 今日から6/18までの2ヶ月間にわたってのアウトリーチ活動が、国際植物の日関連。その初日にこうした活動ができたのは何よりでした。ありがとうございました。

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