東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】今治市立常盤小学校「花の不思議な世界」(2014年度ふるさと出前授業-7、6/18)

2014年6月20日 (金)

 午前中の立花小学校の隣り合わせの学区である常盤小学校が今回のふるさと出前授業の最後。「ふるさと出前授業」という冠がつく前というか、今治市内の小学校での出前講義のきっかけを作って頂いたのが、この常盤小学校。その最初にうかがったときに、常盤小学校の教頭先生をされていたのが、現今治小学校の高橋校長先生理科専科の先生をされていたのが、現富田小学校の村上教頭先生。不思議なご縁を今になって感じます。この常盤小学校も少子化の波というのでしょうか。今年の6年生は2クラスに。。。昔は4クラスは最低でもあったような。渡辺の場合、2, 4年生が終わって、クラスの発表があるとき、どの先生が担任になり、どの友達と一緒のクラスになるのだろうかというのを、緊張して見ていたような。。。それが2クラスだと。組換えの割合は小さくなり、。。遺伝的多様性ではないですが、マンモス校と言われたような大きな小学校も大変だと思いますが、小さすぎるのもと。。。

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DSCN3026.JPG さて、講義は「花の不思議な世界」。常盤小学校では、最初に講義を始めてから、ずっとこの講義。今シーズンは、月曜日の金子小学校と同じ。リンゴを使う関係で、この時期の準備は大変だなと。。。ただ、とてもきれいなリンゴをたくさん用意頂き、このあとにも書きますが、観察するとき、助かりました。ありがとうございました。講義の最初は自己紹介。そのあと、5つの花を見てもらって、花の名前を考えてもらう。ヒルガオは難しかったようですが、影が下にあるので、ヒルガオと言うことをわかった方がいました。すばらしいです。受粉の様子を電子顕微鏡写真と動画で。どちらも小学校では見ることがないでしょうから、感動していたのは、なによりかと。また、動画がぱらぱらマンガの仕掛けだというのもびっくりだったようです。

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DSCN3035.JPG 花が咲くのは次の世代、つまり、子孫を残すため。それをリンゴをモデルに花から果実ができるまでで考えてもらいました。もちろん、摘果作業をなぜするのかというのも、ちゃんと理解できていました。niceです。担任の先生は、海外で「小さなリンゴ」を食したことがあるようで、摘果をしないと、どうなるのか、また、授業の中で説明頂けるのでは。。。最近は、子供の頃に、海外へ行くという経験も多いと思います。その時に、是非、観察してみて下さい。また、リンゴの種類よりもミカンの種類の方がもちろん、たくさん知っているというのは、月曜日の金子小学校と同じ。でも、この冬には、是非、リンゴの種類というか、品種名を覚えて下さい。

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DSCN3039.JPG で、そのリンゴは、自家不和合性がある訳ですが、なぜ、自分の花粉がきらいで、他人の花粉がOKなのか。動画を見て、へーーーと思ってみてもらったと思います。ただ、なぜ、自家不和合性が必要なのかと言う点を考えるところは、かなり難しかったようです。ただ、とても根本的なことですので、。。覚えて下さいね。また、リンゴを普通においた下の部分を切って見ると、がく、乾燥したおしべ、雌しべが見えると。。さすがに、本当に???と思ったのかもしれないですが、切ったリンゴを観察してもらい、しっかりわかったのではないでしょうか。つまり、リンゴは逆さまで、花が咲いていたことも。。。リンゴのシーズンにまた、改めて観察してみて下さい。

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DSCN3047.JPG 最後は質問コーナー。花、リンゴに限らず、植物についてであればよいですと言うことで。10以上の質問に回答しました。一番すごかった質問は、なぜ、おしべと雌しべがあって、それで種子ができるのか。言い換えれば、なぜ、雌雄があるのか。遺伝情報を次の世代のために、新しいセットにすると言うことだと思いますが、これをわかるように説明するのは、かなり苦労しました。と言うか、こんな根本的なことで、すごい質問をもらったのも久しぶりというか、はじめてだったと思います。そこで、忘れていたのが、是非、渡辺の研究室で一緒にこの問題を解決しましょう。楽しみにしていますので。また、代表のかたからのお礼の言葉も、とてもしっかりしていました。感動でした。最後の最後は、みんなで世界に向かって情報発信。このタイミングで渡辺のカメラの電池切れ。。。常盤小学校の先生のカメラで撮って頂き、送って頂いたものです。ありがとうございました。

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Imabari-Tokiwa-1.JPG 講義のあと、渡邊校長先生と三好先生を交えて、講義のことなどを含めて、意見交換ができたのは、何よりでした。その時、11月末に理科の大会をするので、参加のお願いも頂きました。少しでも、今治、愛媛の理科教育に貢献できるのではと言うことで、賜りました。今から、楽しみにしております。最後になりましたが、立花小学校校長・渡邊先生、三好先生、武田先生をはじめとする5年生の関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. この記事を書いていたら、常盤小学校のHPに講義の記事を見つけました。ありがとうございました。

 PS.のPS. 初夏の「ふるさと出前授業」も6つの小学校で小学生向けに、1つの小学校で保護者、地域の方向けに講義ができました。梅雨の走りだった関係だと思いますが、比較的天候にも恵まれ、また、とてもactiveな児童の皆さんから元気をこちらが頂きました。それぞれの小学校の先生方に感謝するとともに、この「ふるさと出前授業」の日程調整等の裏方というか、統括頂いた今治市立今治小学校の高橋校長先生にお礼申し上げます。ありがとうございました。また、秋冬の今年度・2回目の「ふるさと出前授業」にうかがえるのを楽しみにしております。ありがとうございました。



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