東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】岡山県立倉敷天城中学校「課題研究2014」発表会

2015年3月 7日 (土)

 岡山県立倉敷天城中学校に出前講義に伺ったのは、昨年の秋。3年生の3クラスに1クラスずつ講義をしたのを思い出します。そんな天城中学校はSSH実施校でもあって、中学校3年生だけで、発表会を。SSH実施校で高校生の発表はきいたことがありますが、中学校単独というのは、はじめてのこと。どんな様子なのか、と思って伺いましたが。。。冷静に考えると、小学校6年生で受験をして、入学しているのでこの時期に発表会をしても受験の問題がない。中学入試を経験しなかった渡辺にはわからないですが、小学校6年、中高一貫で6年というのも、こうした側面からもよいことなのかなと。もちろん、全ての中学校、高校がする必要はないのですが。。。

DSCN6275.JPG いきなり、英語でのプレゼンテーションが2題。化学電池の話と層別刈取。化学電池のコンセプトは、何となくくらいしか理解できないですが、基本的な繰り返し実験、分散というか、標準偏差(Standard deviation)を示すのは大事と。層別刈取と言えば、渡辺が学部3年の時にはじめて行った学生実験。雨降りになると実験が休みになりながら、オオムギとコムギの草型を比較すると言う実験。その時に、いくつか読んだ本の中に、門司・佐伯の理論というのが。。。そうした昔の偉い先生がやった実験が以外に大事だったりします。そうしたことをきちんとReferenceには入れるように。。。結構、難しいことなのですが。この後もほとんどが英語でのプレゼンテーション。。。。もちろん、質疑のほとんどが英語で。。。英語だと、どうしてもdeepな議論は、。。是非、日本語でdeepな議論をすることも。大事だと思うのですが。。。講評をされていた先生から、科学の基礎の部分をもっとしっかりしてほしいと。。。科学者の卵養成講座でもそうですが、「基礎コース」で、高校では学ばないよう大学レベルの話をして、それを自分なりに理解するので、基礎力が上がるわけで。。。基礎力は、何にも代えがたい大事なものだと。

 秋に伺ったときにも書いたかも知れないですが、文系の課題研究の取組もあること。その内容もとてもしっかりとしており、理論的に文献なども検証して、おもしろい取組であると同時に、境界分野、理系的観点からの考察があってもよいのではと。。。SSHである訳なので。一方で、理系的センスの部分、大きな集団からランダムにサンプルを抽出するのか。これは、文系だけでなく、理系でも結構難しい問題なのですが。。。

DSCN6281.JPG 休みをはさんで、ポスターセッション。文系理系関係なく、多様な研究が。全部を拝見できませんでしたが、いくつかおもしろそうなものに質問したり、こちらも勉強になりました。高校生になってもがんばって下さい。何より、論理的に考えることは大事ですから。

DSCN6283.JPG 最後になりましたが、岡山県立倉敷天城中学校・中塚多聞校長先生、塩飽修身先生をはじめとする関係の先生方にはたいへんお世話になりました。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 発表会後には、関東、関西から岡山県立倉敷天城中学校・高等学校のSSH活動を見学に来て折られた先生方と昨今の情報交換をしたり、口頭発表をした生徒さんが積極的に質問に来たり。とても有意義な時間でした。今後、共同研究等に発展できればと思いますので、よろしくお願いします。

 PS.のPS. 記事を書こうとしたら、ポスターの前で議論をした生徒さんから、そのあと、早速こちらの質問した内容について、調べて、課題研究は終わったけど、さらに調べたいと。是非是非、がんばって下さい。渡辺もお手伝いできることであれば、いつでも。何より、興味あることを深く、そして、幅を広げて、考えることは大事ですし、脳みその体操になりますので。

DSCN6278.JPG PS.のPS.のPS. 課題研究発表会の最優秀賞トロフィは、昨秋伺ったときに、質問をしてくれた方。渡辺ではfollowできない範囲だったので、科学者の卵養成講座で同じようなダニエル電池の研究をしていた受講生を思い出して、その方に実験面のfollowを頂きました。そんなのも実って、受賞に。ありがとうございました。

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