東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】仙台市立泉ヶ丘小学校・特別講義「キャベツとブロッコリー」(楽しい理科のはなし--不思議の箱を開けよう--主催:河北新報社、協賛:東京エレクトロン、6/29, 7/17, 8/4追記)

2015年6月29日 (月)

 金曜日の夜当たりから降り出した雨が土曜日はかなりの恵みの雨となり、金、土、日と南からの空気が入ったのでしょうか。冷たいものを冷蔵庫から出したら、水滴だらけになっていましたが、月曜の今朝には、比較的からっとしたというよりも、前日までとは比べものにならないような梅雨の晴れ間。この晴れ間を活用して、農作業など春の最後の実験になるようなことを何とかしないと。と思えるような天気でした。

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DSCN7792.JPG そんな6月最後の月曜日。今月最後の出前講義は、仙台市立泉ヶ丘小学校で、これまでとはまたちがった印象深いものに。これまでの多くは、小学校、教育委員会、教育センターからのお願い、つながりなどで、出前講義を行ってきましたが、今回は、科学者の卵養成講座でもお世話になっている「河北新報社」様からお願いを頂きました。5/26に泉ヶ丘小学校へ伺い、曽根校長先生、河北新報社の佐藤様と打合せをした「楽しい理科のはなし--不思議の箱を開けよう--」という企画。この企画で、8つくらいの小学校で東北大の色々な分野の教員が出前講義をすると。横断幕まで作っていただき、主催が河北新報社協賛が東京エレクトロン、後援に仙台市教育委員会大和町教育委員会協力として、東北大学。いつもの「キャベツとブロッコリー」の講義なのですが、講義をする渡辺もこれまでになくわくわくするような横断幕で感動でした。なにより、講義に関わるものを河北新報社様、東京エレクトロン様の連携により準備頂き、いつもなら数個のキャベツ、ブロッコリーがたくさん。しっかり観察しながら、出前講義ができることに。ありがとうございました。また、当日は、「フリー参観日」ということで、保護者の方々も、10名近くでしょうか。参加頂きました。ありがとうございました。あと、いつもなら、渡辺が講義にいくだけなのですが、TAとして、東北大・サイエンスカフェで裏方としてがんばっておられる、2名の学生さん(辺本さん宮澤さん)にもお手伝い頂きました。ありがとうございました。

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DSCN7802.JPG 渡辺としては、こんな豪華な出前講義は、間違いなく初めてのことで。。。緊張しながらのスタートに。河北新報社は泉ヶ丘小学校のすぐ北側に工場があるので、多くの児童の方々が知っていて、目を通している方も。良いことですね。最近、活字離れというのが言われていますので。協賛頂いている東京エレクトロン様。これもかなりの方が知っていました。旧県民会館が東京エレクトロンホール宮城といわれ、テレビコマーシャルもあるからのようです。渡辺がうまく、東京エレクトロン様の半導体製造装置など社業を説明できませんでしたが、HPから見て頂ければ。そのあと、渡辺の自己紹介。この出前講義にも関係する「遺伝」に興味を持ったので、大学で勉強して博士になったと。また、博士、教授というのは、渡辺の世代には、テレビをつければ、たくさん出ていて。そんな時代背景もあって、科学に興味を持ったと。今のテレビアニメなどにもう少し博士、教授が出れば、ずいぶんと科学への親しみもちがってくるかと。どこか偉い人たちが検討してくれないのかと、思いますが。。。

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DSCN7809.JPG という導入のあと、植物の形というか、種子から種子までの世代交代が起きるまでに植物がどのように変化するか。トマトをモデルに。子葉、茎、本葉、蕾、花、開花、結実、というこれまで理科の時間に習ったことをしっかり理解できていました。もちろん、トマト以外にも、たくさんの植物、作物が同じような生長をすることも。では、今日の本題の「キャベツとブロッコリー」がどの様に生長しているのか、ほぼ住宅地の学区になるので、見たことがある方は、ほとんどいませんでした。でも、そのために、プレゼン資料に。プレゼン資料も河北新報社様に用意頂き、1 pageに1コマという大きく印刷して頂き、見にくい方には、とても良い資料となりました。で、そのキャベツ、ブロッコリーの生長を比較して、何が同じ、ちがうのか、さらには、キャベツとブロッコリーは同じ種(しゅ)の植物なので、遺伝子を混ぜることができる。渡辺が最初に話をした、日本型、インド型イネの遺伝子を混ぜたイネもできると言うのに近いコンセプト。

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DSCN7815.JPG 写真だけではわかりにくいでしょうから、実際にキャベツ、ブロッコリーの横断面を見て、どの部分が、どの部分になるのか、考えてもらい、それを踏まえて、各グループごとに考えていただき、模造紙に書く。発表時間を考慮して、25minという短い時間でしたが、5, 6年生、どのグループも時間内にしっかりとした絵をみんなで考えながら、書いていたのは、すばらしかったです。今回は、「フリー参観日」ということで、保護者の方々にも1チーム構成して、発表頂きました。児童の皆さん、親御さんのどちらにも刺激になったと思いますし、おうちに帰っての話のきっかけになったのでは。

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DSCN7826.JPG プレゼンの時間には、先日の今治でのふるさと出前授業に習って、黒板の裏表に貼り付けて。発表する、質問に答える、実物でこんな形というのを説明する人というように、しっかり分業して、プレゼン、質疑応答ができていました。質問もたくさんありましたが、時間の関係で、1班に1人ずつ。最後の保護者の方からのプレゼンは、やっぱり迫力がありました。普段から自然をたくさん観察して、よく考えられていたと。感動です。というか、保護者の威厳というか。そんなのを垣間見た瞬間でした。もちろん、子供さんの側もしっかりと質問を投げかけていたのもすごかったです。

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DSCN7850.JPG 最後は、謎解きというか、どんな植物になるのか、植物のルールに則っていることが、大事なこと。それを守れば、答えはたくさんあってもよいと。そう思っている児童の皆さんがずいぶんたくさんいたことが感動でした。5, 6年生の代表の方から、今日の講義の感想。どちらもとてもしっかりしていて、また、遺伝に興味を持ってもらえたのは良いことだと。学校の周りの自然を活かして、考える理科を楽しんでもらえればと。。。最後は、世界に向けて、情報発信。ステージに上がり、横断幕がある写真、感動の一言でした。ありがとうございました。講義が終わったあと、握手を求めてくる方も。この前の川滝小学校以来で。ありがたいことですので。

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DSCN7856.JPG 講義のあとには、6年生と給食。講義時間が少し長くなったこともあって、急ぎの給食の時間でしたので、あまり質問がなかったようですが、今日の宿題になった、この講義の感想の所に、質問がある方は、書いてくださいねと。給食のあとには、曽根校長先生を交えて、30minくらいでしょうか。昨今の教育事情について、deepな議論を。渡辺たちが育った時代、その下の世代が親御さんをされているわけで、その当時のことを思い出して、自然の中で色々な体験をすることが、後にどれだけ重要な意味を持ってくるのか、そんなことを考えることができる世の中になればと。。。そんな時代を物語るわけではないですが「忍耐」と書かれた色紙が。名前・時代から見ると、野口英世博士でしょうか。あと、「啐啄」という言葉。機を逸することなく、対応することの大事さを語っていると。そういえば、昔、どこかの先生から拝聴した言葉と。こんなところで見つけました。

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DSCN7866.JPG 最後になりましたが、本講義の場所を提供頂きました、泉ヶ丘小学校校長・曽根先生、5年生担任・早坂先生、6年生担任・佐々木先生をはじめとする皆様にお礼申し上げます。また、主催の河北新報社の佐藤様はじめ関係の皆様には、当日までの準備、運営において、たいへんお世話になりました。協賛の東京エレクトロンの志村様、古屋様はじめとする関係の皆様には、今回の企画の多大なるサポートを頂きました。最後になりましたが、出前講義がスムーズに運営されたのは、電通東日本・井上様をはじめとする関係の方々のおかげです。ありがとうございました。こうした機会がありましたが、お声かけ頂ければ、できるだけのことをしたいと思いますので。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 給食室の前の所に、季節の野菜というような記事が。「旬」という言葉が失われつつある現在。旬の時期に頂くことのありがたさ、旬がいつなのかを考えること、それは、いつ種播きをするのかと言うことにもつながるわけで、ちょっとしたところに考えることがあるのだろうと。校舎の外には、ウメの木が。。。ほとんど結実していませんでした。これは、校内にこの木だけしかないからなと。この前、天王寺高校に伺ったときには、ずいぶん結実していましたので。。。ウメが咲く頃、天気が良くなったのか、その当たりの記憶がすでに。。。

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 PS.のPS. そうそう、忘れてならないのが、最後に早坂先生からアナウンスがあった、東京エレクトロン様からの小学生へのプレゼント。「えれめんトランプ」と銘打った元素記号と素粒子の解説をしたもの。写真を撮らせてもらったのですが、中身は。。。渡辺は見ることができず。見るからにすごそう。。。渡辺だけでなく、TAをやってくれた辺本さん、宮澤さんも興味津々でした。というか、それくらい、すごいものだと。今から、小学生になりたいと。。。そんなことを思ったくらいでした。東北大というか、渡辺、辺本さん、宮澤さんの研究室がある片平キャンパスには、「東北大学知の館(TOKYO ELECTRON House of Creativity)」というのが、春先に竣工。中を見たことはないのですが、外からは、。。いつか、伺ってみたいところだなと。。。HPからの文章を読むと、東京エレクトロン様より多大なる支援を頂いたと。。。ありがとうございました。

DSCN7870.JPG PS.のPS.のPS. 「楽しい理科のはなし--不思議の箱を開けよう--」という企画には、続きがあり、夏休みに東京エレクトロンホールで、大がかりな企画が。まだHPに出てないようですが、とりあえず、去年の所にlinkを。。ちかいうちにまた、このHPから、広報したいと思います。少しお時間を。。。

 PS.のPS.のPS.のPS. 7/17(金), 17:00。先日、受講した児童の皆さんから、手紙を頂きました。今日が夏休み前の最後の日だったのですが、他のこともあり、返事がかけていません。すみません。何とか、夏休み中に届けて、学校に出る日には、手元にと思いますので。すこしお待ち下さい。それから、今頃気がついて申し訳ないのですが、仙台市立泉ヶ丘小学校のHPに渡辺の出前講義の記事を発見しました。このところ、出張続きで。ようやく落ち着いたので。。。遅くなってすみません。ありがとうございました。
 
 PS.のPS.のPS.のPS.のPS. 8/4(火) 13:30。研究科のHPに関連記事が掲載されました。あわせてご覧頂ければ、幸いです。

 

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