東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【招待セミナー】アブラナ科植物の学際的研究に関する日中交流学術交流検討会「アブラナ属植物の自家不和合性と遺伝的多様性」(7/2)

2015年7月 4日 (土)

 昨年度採択された大谷大・武田先生を代表とする科研費「アブラナ科植物の伝播・栽培・食文化史に関する領域融合的研究」。この関係でこれまでも国内での会議、海外調査・検討会などが行われてきましたが、今回は中国・西安シルクロードの東の始まりだったような。むかし「西遊記」のテレビだったか、何かを見ていて、そうだったのを記憶の彼方に。。。アブラナ科作物の起源が、中近東の砂漠当たりと言われていて、シルクロードを通って作物がここ西安まで届いたかと思うと。。。不思議な感覚でした。

DSCN7978.JPG 現地での調査も大事ですが、現地の大学の先生方との交流も。今回は「アブラナ科植物の学際的研究に関する日中交流学術交流検討会」と題して、日中両国から2-3名が発表することに。渡辺からはこれまでのアブラナ科植物の自家不和合性とこれからの遺伝的多様性について。はじめてだったのは、英語でのプレゼンで、プレゼンの文字は中国語。途中で、何をしゃべればよいのか、結構、困ったり。。。最初は、通訳が入り、日本語でプレゼント言うことだったので、安心していたところに、「英語」となって。。。あとにも書きますが、3日連続で、やっぱり「大イベント」が起きてくれました。。。。いずれ、プレゼンがどうだったのか、それはよくわかりませんが、検討会に来てくれていた大学院生と思われる方からもシビアな質問をたくさん頂きました。よい交流でした。

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 わたなべしるす

 PS. 6/30(火)、7/1(水)と西安に来るまで、かなりのいろいろなことが。6/30(火)のことは、少し書きましたが、7/1(水)には「航空管制」と言うものに。。。。はじめてのことばかりで。。。よく無事にいくことができ、もどってこれたなと。ご一緒頂いた先生方に感謝です。ありがとうございました。

DSCN7964.JPG PS.のPS. 海外調査などの関係でuploadが遅くなりました。

 PS.のPS.のPS. 関連記事を科研費のHPにも。あわせてご笑覧下さい。


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【招待ゼミ】名古屋大学農学部・招待ゼミ「アブラナ科植物の自家不和合性--研究の現状と展望--」(6/4)

2015年6月 5日 (金)

 6/3-4(水、木)で行った名古屋大・農での集中講義。その最後というか、1hrほどで、全体を俯瞰的に見えるようなゼミ形式で。講義に出た大学院生だけでなく、他の一般の方にも解放する形で。受講生の方々には、2日間で渡辺がしゃべったことが何だったのか、短くまとめることで、わかりやすくなったのでは。そんな配慮も、森先生からのご提案で。ありがとうございました。

DSCN1854.JPG ゼミには随分多くの学部生、院生をはじめ、いろいろなところでお世話になっている先生方も。随分、ご無沙汰で、いつもmail、電話だけで失礼していたりで。こうした機会があり、何よりでした。ありがとうございました。最初に、森先生の方から、渡辺の紹介を。研究内容はこの後と言うことで、なにより、出前講義をたくさんやっている方という事で紹介を賜りました。ということで、時間も短いこともあり、いつもの出前講義のようにほぼ、しゃべりまくって。。。時計を見ながら、花のこと、花に季節があることからはじまり、雌しべの先端の柱頭上にあるpapilla cellに花粉管が侵入すると言うことで、そのことを説明したときと言うか、あとで、質問を頂き、植物の生殖を研究しているわれわれには、一般的である、花粉管の通り道がどこなのかと言うことが、意外と一般に知られてないことに。。。。「餅は餅屋」ですが、もうすこしわれわれも広報しないといけないのだなと。自家不和合性というか、他殖を促進するために、他にもいくつかの仕掛けがあると。

 で、自家不和合性はと言うことで、アブラナ科植物を例にして。SLG/SRKのどちらが雌ずい側S因子であるのか、その工夫したこと、花粉側S因子を発見するまでに、工夫をしたこと、とは逆に、失敗したこと。少し歴史の話も交えて。。。S遺伝子座が解析されたあと、残された問題として、S遺伝子の下流、S対立遺伝子間での優劣性の問題。シロイヌナズナの自家和合性というか、自家不和合性への復活の問題。などなど。あっという間でした。質問では、優劣性のからくり、老花受粉という問題、など、こちらもよい刺激を頂きました。ありがとうございました。今回のゼミでこれはということがあれば、是非、共同研究に発展できれば、こちらとしても幸いです。最後になりましたが、この2日間、企画、運営を頂いた農学部の森先生にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。また、何かの折りにお邪魔できればと思います。

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 わたなべしるす

 

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第25回生命科学セミナー「Self-incompatibility in Petunia」開催(3/17)

2015年3月17日 (火)

 前日の植物生理学会シンポジウム「植物の生殖過程における鍵分子とその機能解析」。その時も話を頂いた、Professor Kaoに仙台に来て頂き、いろいろな議論をして頂いたわけですが、その合間に、生命科学セミナーを。震災の前、渡辺の建物が改修工事をされる前にも来て頂き、セミナーをお願いしたわけですが。。。今回は、topicというよりも、ナス科ペチュニアの自家不和合性の歴史を。

DSCN6326.JPG セミナーでは、Penn. State Univ.に移って、なぜ、Petuniaを使うようになったのか、その時に、7つの個体を選んで、その前のPDの時代のCornnel Univ.からどんな気持ちで異動したのか。。そんなことも伺えました。そのあとの数枚のスライドは、渡辺にとっては、涙もの。。。。Ai et al. (1990) Sex. Plant Reprod.のS-RNaseの遺伝子がS alleleと分離が一致するdataを見たときには、ちょうど、D1くらいだったと思います。この論文を読んだのは。研究室の学生さんの年代。あのとき、論文を読んで、感動したのを、その時にもどったように、思い出したのでした。。。Lee et al. (1994) Natureの論文。これで、S-RNaseが雌しべ側S因子というのをしめされたのでしたが、この1年前、横浜での国際会議の時に、小さな会議で、Professor Kaoの同時通訳をして、。。それを思い出して。。時代を追って、説明をして頂いたので、自分はあのとき、こんなことをしていたなど、思い出して。何ともいえない気持ちになりました。Professor Kaoにとって、それまで、Chemistry, Biochemistryをベースに実験をされてきたのに、形質転換というPlant Scienceをやる事への決断の過程も。。。そうだなと。fieldを変えたり、方向性を変えるのは、大変なことなので。

DSCN6310.JPG もちろん、話の核心はS-RNaseとSLFがどの様に相互作用して、自家不和合性になるのか。アブラナ科植物の自家不和合性のようにおなじS alleleのSP11とSRKが相互作用するのではなくて、それ以外のS locusに持っているたくさんのSLFが他人を識別する。鍵をジャラジャラと持っている状態。。。理解はとても大変ですが、こんなモデルももちろん、自家不和合性の歴史を考えると、初期にはあったわけですが、まさか、こんな形で使われているとは。。。質問のところで、動物の免疫系、T-cellとの比較というか、そんなことを話されていたのが、印象的で。。より刺激的な2hrでした。ありがとうございました。Professor Kao。また、数年後に、さらに発展した話を伺えれば。。。


 わたなべしるす

 PS. Professor Kaoといつも書いていますが、元々は台湾の出身で、昔で言う台北帝国大学、現、国立台湾大学を卒業されたあと、アメリカで学位を取られて。。。もちろん、中国語をしゃべることができるわけです。昔、国際会議で、中華料理店でずいぶん、一緒に食事をするのを助けてもらいました。今回は、文理融合の科研費「アブラナ科植物の伝播・栽培・食文化史に関する領域融合的研究」の関係で大谷大・武田先生、明治大・江川先生が来られていて、研究室での来客との議論がはじめて、中国語。渡辺はもちろん、蚊帳の外でしたが、文理融合の科研費については、思わぬ情報を頂けたり。。。そうそう、忘れないうちに。Professor Kaoと書きますが、漢字で書くと、「高徳輝」。それに老師と最後につけて、高徳輝老師と書くのが、目上の方というか、偉い方に使う表現のようで。これも文理融合で学んだのでした。

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【招待セミナー】立命館大・生命科学部・石水研究室で「アブラナ科植物の自家不和合性--研究の現状とその研究を行うための心得--」、招待セミナー(10/15)

2013年10月15日 (火)

 久しぶりの招待セミナーです。渡辺はアブラナ科植物の自家不和合性をずっと研究していましたが、今回お邪魔した、石水先生のところはというか、石水さんが学生の頃、大阪大のタンパク質研究所の崎山先生の研究室でバラ科ナシの自家不和合性の研究をされていました。そんなで学生の頃からずっと存じ上げていて。。。崎山先生のお部屋はずっと物取りというか、タンパク質精製とか、微量分析が本職。そんな中で、遺伝子を扱う実験系を立ち上げられ、ナシの自家不和合性の雌ずい側因子のS-RNaseの立体構造を決める結晶構造解析も。。。そんなのをずっと見ていて。。。その後、理学部化学科に移られ、助手をされていました。その研究室は最初の教授が東北大から赴任された真島先生。胸像が片平キャンパスの中庭にあります(いつか、写真を撮って掲載することにします。)。何かこれということを書いてあったような気がするのですが、忘れました。いずれ、ウルシの成分のウルシオールの構造を決めた方。そこでは、植物細胞壁多糖の生合成について、生化学的にやられていて、こちらはいつも感心させられるばかりでした。数年前に現在のところに異動になり、一度、研究室に伺ってと思っていた時、今回のセミナーをお願いされ。。。セミナーだけでなく、いろいろな情報交換もできました。

DSCN0064.JPG セミナーでは、アブラナ科植物の自家不和合性について、生殖一般から現在、どの様なことまでわかっているのか、これからの問題はということ。それから、普段は出前講義のキャリア教育のところで使っているスライドを使って、研究をするための心がけというか。。。そういえば、そんなことは、この前の記事にも書きましたが。。。自分が人の前で話しをするのは、高校生なら。。。大学生となると。。。また、知っていたり、お世話になった先生方がいるところでというのは。。。あっというまの1.5hrでした。講義のあとで、キャリア形成についての講義のことを伺ってみましたが、東北大でもやっているような単発のゼミ形式のはあるようです。というか、かなり熱心に大学としても取り組まれていると。。

 生命科学研究科の別の研究室で研究をされていた方が、こちらに異動になっていたり、共同研究でお世話になった先生にも。。。世の中、狭いです。というか、また、新しい展開で、共同研究ができればと思います。セミナーの前には、石水先生に学内を案内してもらいながら、共同研究の話しも。。。翌日からの出前講義の関係もあり、短い時間でしたが、充実した時間でした。ありがとうございました。また、こうした機会を持てればと思います。

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 わたなべしるす

 PS. また、台風ですが、今度は仙台に大きな被害が出そうです。そんな時に出張で出かけていてよいのか。。。明日の朝の出勤、登校には気をつけるようにと、事務からmailが流れるくらいですし。雨もすごいようです。被害が出ないことを祈りつつ。。。

 PS.のPS. 石水先生の研究室にも早速記事を書いて頂いていました。ありがとうございました。自家不和合性、研究をするということについて、刺激になったのであれば、幸いです。これからもよろしくお願いします。

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【招待講演】第38回日本超音波検査学会学術集会・招待講演「今、教育研究の原点を考える -次世代育成に向けて-」(6/15)

2013年6月15日 (土)

 前日は、愛媛大学医学部でのセミナーとそのあと、招待頂いた教授と議論でした。今日、土曜日には、同じ医学系ですが、HPに予告掲載してあった、第38回日本超音波検査学会学術集会・特別講演。2日続けて、医学系で、招待セミナー、講演というのも、初めてです。

DSCN6564.JPG 昨日までの猛暑はどこへやら。。朝から土砂降りで、。。1hrに10mmを超えるようなすごい雨の中での学会参加でした。受付後、講演の前に、座長の先生と講演の趣旨など、打合せ。今回、大会長の高須賀先生が渡辺に講演依頼となったことが、愛媛新聞に昨年掲載されていた日曜コラム「道標」の記事を見られてということ。多くのいろいろな方に読んで頂いていたんだなと。そんな不思議なご縁で、今回のこうした異分野の学会での特別講演。

IMG_0089.jpg 昨日の医学部でのセミナーは、いつものように小さなセミナー室。今日は、「ひめぎんホール(愛媛県県民文化会館)」の一番大きな会場。さすがに緊張しました。1hrという講演時間の中で、「次世代育成」ということは、どの分野、領域でも重要なポイント。つまり、教育研究ということを通じて、いかにそうしたことを実現するか。自分でもどうやって、これを実行するのかは、難しいこととわかっているだけに、。。講演では、東北大の例、自分の学生時代のことを例に、また、昨今いわれているような教育問題を例に出して、異分野でしたが、ある程度は、理解頂けたのではないかと思っております。緊張していたこともあり、時間配分が不十分で、最後にスライドをはっしょったのは、申し訳けなかったなと。。

IMG_0098.jpg 最後に、座長の先生から、質問を頂き、どの分野でも人材育成の難しさ、組織の運営の難しさを議論できました。また、ぜひ、異分野交流として、植物科学でもエコーなどの超音波を使った研究を共同でといって頂き、これがご縁で新しい研究ができればと思いました。ありがとうございました。最後になりますが、大会長の高須賀先生、座長の渡邊先生をはじめとする関係の方々にお礼申し上げます。ありがとうございました。

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 わたなべしるす


 PS. 講演後に、改めて、座長の先生と議論をしていた時、東北大学病院の方から声をかけて頂きました。異分野だけど、こちらの意図は通じていたようでした。ほっとした瞬間であり、松山という場所で、仙台の方にお会いできるのも、不思議でした。ありがとうございました。

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