東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【招待講演】愛媛大学医学部・第45回分子病態医学セミナー&消化器・内分泌・代謝内科学基礎セミナー「生物の自他識別のメカニズム」(6/14)

2013年6月15日 (土)

 翌6/15(土)は、以前からHPに掲載してあったとおり、第38回日本超音波検査学会学術集会・特別講演。その前日の午後は、今治での午前の出前講義に続いて、愛媛大学医学部でのセミナーの依頼でした。愛媛大学医学部ができたのは、自分が子供の頃。各県に1つは医学部をというので、できた医学部の1つだったような。愛媛大学の多くが松山市内にあるのに対して、昔の温泉郡重信町だったような。今は、東温市となっています。市内からは、伊予鉄電車の横河原線で。愛大医学部南口という駅下車で、徒歩10minくらい。最近、耐震工事が終わったらしいですが、とてもきれいな高層建築で。研究室に伺い、白衣を着た医師の先生方を拝見した時、「awayにきての講義だな。。。」ということを感じつつ。

 そもそも、医学部からのセミナー依頼。そのきっかけは、病因・病態領域の消化器・内分泌・代謝内科学の教授は、この4月から就任された、日浅陽一先生。実は、高校(今治西高校)の同期。3年の時は同じクラスでした。今回の学会に来るのであれば、ぜひ、セミナーをと。最初は簡単にひいうけたのですが、いざ、セミナー室で白衣を着られた先生方を拝見すると、どれくらいぶりでしょうか。こんなに緊張した、セミナーというか、講義をするのは。普段、出前講義をしていることもあり、さほど緊張することもないのですが。。やはり、異分野での他流試合は、だいじだと。。。エレベーターの中に、自分のセミナー案内を見て、その周りの他セミナーのを見ると、さらに緊張が。。

DSCN6698.JPG 講義は、植物の生殖、自家不和合性の話とプレゼンのポイント。前半の自家不和合性の話は、全くの異分野。どうやったら、わかりやすいかなど考えながら。。。以前、誰かに伺ったことがあるのは、植物は両性花が一般的。動物は雌雄が異個体。ここで遺伝学に対する考え方が違うということで、その話しから。。自家不和合性は、動物のMHCに対応するといわれ、その話しをするのは、釈迦に説法かと思って、しなかったのですが、終わったあとに、議論している時にそんな話しに。やっぱりすればよかったと反省。。。自家不和合性の動画を見てもらった時には、植物の不思議を理解頂けたのでは。後半は、ポンチ絵、プレゼンについて。そのきっかけは、「日本サイエンスビジュアリゼーション研究会」でお世話になっている、筑波大の三輪先生が春先にこれと同じところでセミナーをされた時に、渡辺のことも紹介頂き、ぜひにと。世間はせまいなと。。こんなところでも感動でした。講義では、ポンチ絵をプロにお願いするきっかけになった理由から始まり、どんなことに気をつければよいか等々。最後には、現在、筑波大の田中先生が編集されている、『PowerPointによる理系学生・研究者のためのビジュアルデザイン入門』(7月末発売予定, 2200円)の紹介も。簡単にですが。

 講義のあとには、夕食をしながら、最近の教育研究、共同研究等について、2hr以上、deepに議論できました。また、2011/03/11の東日本大震災の時には、愛媛大学からの派遣として、石巻に来られたと。。。こんな身近な方が、支援にきて頂いたとは。。。何ともいえない感動でした。ありがとうございました。
 ぜひ、これを機に、植物と動物という異分野交流、領域融合ができればと思います。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 松山駅で、今治のゆるキャラ・ばりぃさんの模型というか、見つけました。すっかり、有名になったものだなと。。。。

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【招待講演】第54回日本植物生理学会年会のPCP特別企画ランチョンセミナー「論文投稿から審査、受理に至る過程」で講演(3/21)

2013年3月21日 (木)

 昨日がお彼岸の中日。仙台では寒さが幾分ありますが、3/17には、四国・松山でのソメイヨシノの開花。岡山は、開花しているところもあるようですが、毎年測定しているところがまだのようです。特に、当日は、前日まで暖かさから、一転全国的に寒くて。。。そうした中で、3/6にもお知らせしましたが、岡山で開催された第54回日本植物生理学会年会のPCP特別企画ランチョンセミナー「論文投稿から審査、受理に至る過程」で、「論文の審査では、どのようなことが見られているのか ~審査される前に考えておくべきこと~」というタイトルで、論文を書くためというか、論文を一通り書いたあとに気をつけること、というようなイメージで話をさせて頂きました。ランチョンと言うことと、企画がよかったのか、聴衆は、200名近く。。。(もしかしたら、200名を超えていたかも。。)ありがたい限りでした。

 前後にお話頂いた、京都大・鹿内先生、理研・榊原先生のように、論文というもの(科学的・論理的整合性、論文の新規性)は、とか、論文の基本情報(Impact factor被引用数h-index)、PCPへの投稿のadvantage(decisionまでの速さ、)というようなことより、もっと基本的なこと。自分でも経験がありますが、例えば、AというJournalに投稿した。ちょっと背伸びをして。でも、審査結果は、だめ。。。さて、。。。というとき、結構、へこんでいるわけです。自分としては、このJournalにいけると思っていたのに。ところが。。。そうしたときに、結構、冷静な対応ができない。新しく投稿するJournalの投稿規定(Instructions to authorsのようなもの)もあまり見ないで。。というのも、BというJournalの引用とか、Figureの表記とか、結構違っているわけで。。それをきちんと変更しないで出すと、いかにも、Aがだめだったので、Bにしたのだなと。。。たくさん、論文を編集しているEditorなどには、そうしたことがわかります。そうしたとき、なんというか、心を込めて、この原稿を作ったのではなくて、いろいろな意味で、突貫工事でやったのだなと。。。もちろん、原稿の作成でですが。ただ、そのときに、dataの中身の信頼性が、そうした表記で危ぶまれるわけではないわけですが、そのように思われても、仕方ない。。そうならないように、日頃から、それぞれにあわせて、きちんとしたものをつくって、投稿する。当たり前のことですが、結構できてないわけです。

DSCN5812.JPG これは、投稿原稿に限らず、生活一般というか、普段の研究生活というか、教育というか。どこででも、共通することではないかと。そういえば、自分の師匠だった日向先生がこんなことを。。。「ほぼだいたい何かができたというところは、90%終わっているわけでなく、50%くらいしか終わってない。残りをきちんとするための時間というのは、最初のほぼ終わったと同じくらい時間を要する」と。。そんなことを思い出させてくれた講演でした。

 最後になりましたが、今回のランチョンセミナーに招待頂きました、Plant Cell Physiol.編集委員長・山谷先生、Oxford University Pressのみなさまにはお世話になりました。ありがとうございました。また、こうした機会でお世話になることがあるかと。また、よろしくお願いします。


 わたなべしるす

DSCN5810.JPG PS. 今日は3/21と数字が並ぶ日。1982年には、「浦河沖地震」が。。。M7.1だったと。。ちょうど、高校2年の春休みだったためか、四国では、地震がほとんどない頃。そういえば、というくらいしか、記憶にないのは。。。これからは、地震が気になることが多くなるような。。。


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【招待セミナー】理化学研究所・仁科加速器研究センター・生物照射チーム・特別セミナー「アブラナ科植物の自家不和合性」(2/5)

2013年2月 6日 (水)

 農学部の学生の頃に習った、突然変異を起こす変異源と言えば、chemicalなものとガンマ線。農水省には、「ガンマフィールド」という照射する場所があり、いろいろな変異が出るのを習いました。その後、加速したイオン粒子を植物などに照射することでも変異が起きる。このときの変異が、ガンマ線とは異なる、ということを聞いて、何度か訪問して、実際の育種状況の会合にも参加したことがありました。

DSCN5534.JPG 今回は、アブラナ科植物の自家不和合性のセミナーをお願いされました。自家不和合性もこのシステムで打破した系統を作ることができればよいのですが、。。講義では、花、生殖に始まり、自家不和合性の最近の話しを。また、こうした話しで、アウトリーチ活動をしているようなことも交えて。。。最後にいただいた質問では、こちらもこれから考えないといけないようなことであったり。よい情報交換になりました。

DSCN5520.JPG 先にも書いた、イオンビームによる照射は、「仁科加速器研究センター」の加速器を利用したもの。センターの名前の仁科は仁科芳雄博士に由来するもの。高校時代の物理の時間に加速器の原理ではないですが、話しを来たり、問題を解いたり。一時期、核融合がおもしろいと思った高校生の時代もあり、センターの一部を拝見しました。大型の加速器、その原理、利用など、まさに、秘密基地という感じで。迷路というか。裏側というか。すごい施設でした。また、何とか利用できればと思います。

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DSCN5524.JPG 最後になりましたが、今回のことでお世話になった阿部様をはじめ、関係の皆様にお礼申し上げます。ありがとうございました。


 わたなべしるす




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【招待セミナー】大阪府大・生命環境科学研究科・特別講義「植物も自他認識できる?!--花粉と雌しべのコミュニケーション--」と国際植物の日・検討会(9/3)

2012年9月 4日 (火)

 アウトリーチ活動がここ10年近く認知され、広がってきたという感じを受けます。今年から、「国際植物の日」のactivityが、今年は5月・1ヶ月をこの日のactivityとして、渡辺は出前講義などを行いました。次年度以降の検討会が、大阪府大であった関係で、特別講義として、「植物も自他認識できる?!--花粉と雌しべのコミュニケーション--」という、普段、アウトリーチ活動で行っている講義パターンで、自家不和合性の講義を行いました。普段は高校生向けに、講義しているスライドで、大学生、大学院生向けに講義をしたのは初めてでした。いつもなら、自家不和合性に関係している分子についてとか、hybrid riceを作るのに、細胞質雄性不稔を使うとかなど、専門の方々にも興味を持っているような形の話を盛り込み、アウトリーチを考えるための1つの素地になったのではないかと思ったりしました。途中でずいぶんと質問をしたりした、大学院生、研究員の方々でしょうか。失礼しました。

 「国際植物の日」の検討会では、今年度の活動内容、次年度以降の活動の方向性、どのような単位で活動するのがよいかなど、来年度以降、よりよい方向に行き、さらにこのactivityに参加する方々が増えてくれればと思った次第でした。今回のセミナー、会議をお世話頂きました、大阪府大・小泉先生、青木先生、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

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 わたなべしるす

 PS. 合間に大型の植物工場を拝見しました。ここまで自動化されて、いろいろな野菜が栽培されているのかと。感動ものでした。

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【招待セミナー】東京大学教養学部附属教養教育高度化機構科学技術インタープリター養成部門での招待セミナー「アウトリーチ活動の展開と小中高大連携の重要性」(7/1)

2011年7月 2日 (土)

 午後イチのセミナーは、先の自家不和合性のセミナーでしたが、それに引き続いて、これまで渡辺が行ってきた出前講義などのアウトリーチ活動について、プレゼン・討論する機会を頂きました。サイエンスをいかにわかりやすく一般に普及するかということは、今回の震災での様々な災害、福島原発など、渡辺自身も重要性を痛感していますが、東北大では、「未来の科学者の卵」というプログラムが進行しているくらいで、あとは、個人ベースです。それに対して、東京大学では、「科学技術インタープリター養成部門」というところが設置され、専門のプログラムが進行していることは、学ぶところが多いと痛感しました。今回の大地震の震源に近い、東北大として。

 講義では、通常であれば、渡辺が出前講義で使っている資料がどのような意味があって入れているのか、また、昨年の分子生物学会でも話をしたサイエンスイラストレーションの重要性について、before-afterの形式で、お話しをしました。実際に、こうした活動をしたり、将来、こうした活動をやってみようという学生さんたちの集団だけあって、とてもシビアな質問をたくさん頂きました。また、質疑をはさんで、実際に渡辺が使用しているプレゼンのシートなどをお見せして、どのような講義ができるかなど、また、どうやって、大学が小中高とつながるのかなど、deepな議論ができたのは、とてもよい刺激でしたし、これからの活動の方向性を考える上で、大変有益なものでした。何より感動だったのは、この活動に対して、実に細かな点まで注意深く疑問、質問を持っていることでした。渡辺のこれまでの経験が、少しでもお役に立てたのであれば、幸いですし、渡辺の方は、そんなことも考えられるのだと。感心させられ、これからの活動にいかさないとと。。。

DSCN0708.JPG 科学はもちろん、真理の追究という点で重要です。ただ、それをいかに一般の人にわかりやすく社会に発表するのかということは、今回の震災でいったい何が起こっているのか、一部の人だけがわかるのでは意味がないことは、誰しも痛感したことではないかと思います。そうした意味で、科学をよりわかりやすく、講義することに心がけることを実感しました。また、このプログラムを受講している学生さんのバックグラウンドが、文理に渡っているということでした。つまり、文系、理系関係なく、広く、アウトリーチ活動ができるような人材の育成も重要なのだろうと。

 最後になりましたが、こうしたプレゼンする場を企画いただき、招待いただいた、渡辺先生、佐野先生、深草先生に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。これからもよりよい交流を深めて、科学を広く社会に還元する人材育成、アウトリーチ活動ができればと思いました。また、ぜひ、伺わせてくださいと。。


 わたなべしるす

 PS. 午後いちで自家不和合性の話をしたのですが、夕方にかけてのこのセミナーでも、注目された方がいらっしゃり、昔お世話になった先生方をご存じであったり。。。やっぱり、世の中は、狭いのだなと、こんなところでも痛感したというか。よくできていると。

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