東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】大阪府立天王寺高等学校・SSH天高アカデメイア「農学・生命科学系大学教授から見た高校生の進路選択へのアドバイス」(6/20)

2015年6月20日 (土)

 6/10(水)から始まった一連の出前講義。愛媛では7校での「ふるさと出前授業」西条農業高校での3コマの出前講義・実習西条高校での出前講義香川では、観音寺第一高等学校でのSSH特別講義。その〆は、大阪府立天王寺高等学校での天高アカデメイア。3年連続で2年生向けに「キャリア教育」の講義。翌週末には、大学訪問であったり、この先には、授業の科目選択、その先には、進路の決定などあると言うことで、指導される先生から、このキャリア教育の講義をきっかけに将来を考えてほしいというコメントがあった後、渡辺を紹介頂き、講義をスタート。前の時間の授業が終わってから、すぐに体育館に移動して、開始予定より早く講義をできたことは、素晴らしかったです。何事も先手、先手だと思いますので。

DSCN7725.JPG 天王寺高校に伺う最寄り駅から高校までの道ばたには花が咲いていたり、今年も玄関にたくさんのウメが結実していました。去年よりも多くの結実だったのは、春先の天候がよかったというのが関係しているのではと。ちゃんと比べているわけではないのですが。話をできなかったのですが、町中でもちょっとした自然の変化はありますので、是非、見てほしいなと。

DSCN7723.JPG
DSCN7724.JPG 講義内容は水曜日の香川県立観音寺第一高等学校でのSSH特別講義と同じ。渡辺が小学校の頃から現在に至るまでを振り返り、それを踏まえて、と言うか、それをモデルとして、生徒さんたちに将来設計を考えてほしいというもの。もちろん、いつものように出し物として、というか、双方向の講義なので、自分の意見、コメントをしてくれた方には、渡辺の論文の別刷をプレゼント。もらったことが何かのきっかけになれば、うれしいですね。

DSCN7727.JPG 渡辺が小学校時代というか、高校までを過ごしたのは、天王寺高校があるような都会ではなくて田舎。そんな田舎の自然から受ける刺激は変えがたいものですが、最初にも書いたとおり、天王寺高校周辺にもちょっとした自然がたくさんあります。キュウリ、ズッキーニが栽培されていたり、その葉っぱにうどんこ病が出ていたり。見つけることができれば。まだまだありますから。是非、トライしてみてください。また、小学生の頃覚えたあやとりは今でもできるわけで、同じようにできる生徒さんも。まさか、やってくれた方ができるとみんなは思っておらず、感動ものだったようです。それから、渡辺が小学校の頃から何となく科学に対して興味を持ったのは、テレビアニメにでる、博士、教授のおかげ。それが少なくなったのが、理科離れでないのか、少し気になりましたが、昔のアニメの博士もfollowしているのは、さすがだなと。

DSCN7730.JPG
DSCN7736.JPG 高校時代、まさに今の生徒さんたちですが、渡辺は何を学んでいた。数学で論理的に考えること。今のような数学の問題集とは違い、答えの数字しかなくて、考えることの大切さを学んだのだと。是非、そんな考えることを大切にしてほしいと。また、化学の先生からは、高校時代と言うよりも、教育実習にいって、いかにたくさんある仕事を片付けて、自分のやりたいことをやるか、その大事さを。また、高校時代に見たテレビの影響で、今の植物遺伝学の道に。きっかけとは、そんなものだからと。大事にして下さい。

DSCN7738.JPG
DSCN7741.JPG 大学以降、どんな師匠のもとで仕事をするか、生徒さんたちが考えているよりも大事なことで、渡辺は運良く、日向先生というアブラナ科植物の自家不和合性の大家のもとで研究をできたわけです。今のように情報がない時代に。もちろん、ある種の偶然となりますが。。。でも、今なら、オープンキャンパスなど、たくさんの機会がある訳なので、是非、そんなチャンスを活かして、将来設計をしてほしいと。また、研究でも何でもですが、世界トップクラスを目指してほしいと。渡辺であれば、Nature, Scienceという世界トップを目指す訳なので。また、歴史を学ぶことの重要性。どうしても歴史というと「年号」と思いがちな今の教育。そうではなくて、これから起こるであろうイベントの壮大な実験事例が過去の歴史の中にあると。だから、それをしっかり理解して、よりよいミラにしてほしいと。最後はいつもの組織論で。余分に時間を頂きながら、終わったのは、予定通り。ちょっと申し訳なかったです。もうすこしちゃんと時間コントロールをしないと。。。反省でした。

DSCN7746.JPG
DSCN7752.JPG 講義のあと、質問コーナーでは、大学生としてこうあってほしくないというモデルはとかということを生物系、農学系を希望している生徒さんから。ちゃんと、自分で考えて実験等できることが大事だと。また、別の方からは、なぜ、しゃべりがじょうずなのかなど。しゃべりの質問を頂くのは、はじめてのこと。ちょっとびっくりでしたが、たぶん、今回の出前講義で、アウトリーチ活動がtotal 700回程度になるはず。ということで、それくらいしゃべることをすれば、誰でもできるようになるからと。もちろん、渡辺も最初は、全然へたくそでしたので。質問のあと、代表の生徒さんからお礼の挨拶。こちらが言いたいと思っていることをきちんと理解してくれていたのは、感動でした。確実に「進化」していると思いますので、がんばって下さい。何より、東北大で一緒に研究できる方に、この中から会うことができれば。望外の喜びです。そのあとは、いつものように世界に向かって情報発信。カメラの都合上、両端の方々が入っていないかも知れないですが、お許しください。

DSCN7763.JPG
DSCN7766.JPG 最後になりましたが、谷井校長先生、今堀教頭先生、SSH担当の武井先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。また、秋に自家不和合性の講義でうかがえるのを楽しみにしております。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 帰り道の玄関先で、去年までお世話になっていた先生とお話しする機会があり、その高校では、東北沿岸の被災地に4年連続でボランティアにきて頂いていると。ありがたい限りです。こうしたつながりができることが何より、ありがたく、うれしいことですので。よろしくお願いいたします。

DSCN7768.JPG
 

ページの一番上へ

【出前講義】香川県立観音寺第一高等学校・SSH特別講義「大学教授からの進路選択アドバイス---進路、就職、人生を戦略的に考える---」(6/17)

2015年6月18日 (木)

 前日は、西条農高西条高への出前講義。その西条市の伊予西条駅から予讃線で、40minくらいでしょうか。香川県観音寺市。途中に先週の金曜日に出前講義で伺った新居浜川之江(四国中央)があり、川之江駅が愛媛県の東の端だったような。最近、電車移動からの車窓を見る時間があれば、こうした記事を書いていたり、mailの対応をしていることが多くて、瀬戸内のきれいな風景を見ることができないのが、残念に思います。Internet、携帯電話などができて、便利になった代わりに、あり得ないような忙しさがやってきたのだけは事実。。。小学校の頃、日が暮れるまで、外で遊んでもかなりの時間があったように思うのですが、年齢の関係もあるかも知れないですが、net、携帯とつきあっているとあっという間に時間が。。。観音寺駅でした。

DSCN7721.JPG 香川県立観音寺第一高等学校にはじめて伺ったのが、ちょうど5年くらい前。出前講義とSSH申請に向けての討論だったのを今でも覚えています。SSH採択後は、運営指導委員も賜り、毎年この時期に「キャリア教育」の話というか、ここでは「科学リテラシー」と言う言葉を使っていることもあり、渡辺のこれまでのことを話すとともに、高校生として、普段から何をどの様に考えることが大事なのか、そんなことも最後のところで付け加える形で。会の司会は、SSH実施校で多くなりました、高校生が執り行う、よいことだと思います。取り仕切ると言うことは、これから以降、とても大事なことですので。話し方など、是非、習得してもらえればと思いました。そのあと、校長先生から、渡辺の紹介を頂き、ありがとうございました。渡辺の講義は、一方向でしゃべり倒すというのでなくて、双方向にやりとりをしながら。なので、必要に応じて、手を挙げてもらったり、何かをしてもらったり。せっかくの講義ですから、audienceにも参加頂くというのが、よいと思って心がけている次第です。

DSCN7646.JPG
DSCN7657.JPG そんな渡辺の小学生時代は、田んぼ、畑のある田舎。今でも瀬戸内沿いには、そんなところはまだまだ残されていて。そんな自然からたくさんのことを学んでほしいと。小学校5年生だったと思いますが、あやとりを覚えて歩きながら。学校の帰り道に。今なら、かなり危ないことかも知れないですが。。。あやとりをできたのが、男の子が多くて、女の子にできる方が少なっ田のは、少し残念でした。これから先、パソコンのキーボードを見ないで打つようなことも必要になります。手先の器用さというのは、重要ですから。そんな小学生時代に渡辺が科学者にあこがれたのは「テレビアニメなどの科学力というか、教授・博士」。子供心に白衣を着て、指揮・統括をしているのが、かっこよかったと。そういえば、最近はそうした番組が少ないのが、理科離れに関係していなければよいのですが。

DSCN7666.JPG
DSCN7674.JPG
DSCN7677.JPG 高校生になって数ヶ月。高校で学習することのレベルがupしているのは、渡辺も実感したこと。それでも、数学からは、論理的に考えることの大切さを学び、公式に頼ることなく、結論に導く。その意味で、昨今の数学の問題集に解答がついているというのは、いかがなものかと。。。是非、そうでないものにチャレンジしてほしいというか、一昔前までの高校生はトライしていたわけですから。また、高校3年生の地理の時間に見たテレビ番組のおかげで、今の植物の遺伝学をやると言うことに。どこにきっかけがあるかわからない訳なので。普段から、身の回りのいろいろなことに注意して、自然から学んでほしいと。英語は中学までは何も問題なかったのですが、高校になったら、ぜんぜん。。。。もちろん、今も結構大変ですが、高校での基礎力があるからこそ、今があるわけです。くじけずにがんばってほしいと。

DSCN7690.JPG
DSCN7693.JPG その先の大学。漠然と進学と思っているかも知れないですが、大学で何を学ぶのか、自分で考えないといけない。それが本来の大学の姿であると。貴重な4年間、しっかりとした目標としっかりとした指導教官に出会うこと、とても大事であると。渡辺自身も日向先生との出会いがあり、今があるわけで。人生の分岐点が違う方向に行っていれば、違ったようになった訳なので。最初に司会の方が、研究者というキャリアと言っていましたが、研究者が重要なわけでなくて、どんな仕事をしてもやりたいというか、趣味に近いことをしごとにするのか、そうでないのかによって、人生はずいぶん変わるもの。また、年とともに、仕事の内容も変化します。最初は現場かも知れないですが、だんだんとそうでもなくなる。そんなキャリアのことを考えながら、将来設計をしてほしいと。

DSCN7695.JPG
DSCN7696.JPG また、理系を考えている方には、大学の先の大学院というのも。昔であれば、大学と大学院は同じというのが多かったですが、今はそんなこともなくて。。。渡辺の研究室は基本、学部生がいないので、その意味では学部と大学院は別というのが標準。そうしたことも考えてみてはと。もちろん、大学でこれはという師匠に出会えば、それはそれでよいわけですが。。。

DSCN7699.JPG 最近の高校生を見ていて、気がつくことであったり、人生の座右の銘を持つとか、どういう戦略で何をどうするかと言うこと、そんなことをしっかり考えてほ しいと。その意味で大事なこととして、「歴史」をどう学ぶかと言うこと。つまり、歴史という単に年号とイベントを覚えるというのではなくて、過去における 膨大な実験場であったものだととらえて、これから何をどう考えるのか、と言う点では、よいsampleだと。実際、欧米では、歴史学部というのがあり、一 番の伝統と人数だと。また、身近な組織を取り上げて、どちらが組織として大事か。つまり、失敗してもへこたれずに、また、チャレンジする、大きな夢と希望 を持って、そんな人材になること、それが「科学リテラシー」をもった21世紀型の人材であろうと。

DSCN7707.JPG
DSCN7708.JPG 講義のあとには、質問の時間。研究者になりたい方であったり、いくつかの質問を頂きました。また、最後に、代表の方から、これまでの日々の取組を見直して、しっかり自分で考え、五感をちゃんと使って、努力したいと。がんばって下さい。次にまた、どこかでお目にかかれるのを楽しみにしております。

DSCN7713.JPG
DSCN7714.JPG 高校に伺ってすぐ、講義のあとには、高井校長先生、森先生、猪熊先生を交えて、昨今のSSHの事情、activeに活動しているSSH実施校についてのことなど、deepな議論ができました。ありがとうございました。なにより、本SSH活動を通じて、しっかり考えて、失敗にめげずにチャレンジングなことができる生徒さんになることが、高校、大学、その先での活動において重要なのだろうと。もちろん、いろいろと活動において考えないといけないことはあるのですが。最終年の活動の支えになればと。ありがとうございました。

DSCN7638.JPG 最後になりましたが、観音寺第一高校校長・高井先生、1年団長・森先生、猪熊先生、進路担当・石井先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。と言うか、来週のSSHの発表会、運営指導委員会を楽しみにしております。


 わたなべしるす

 PS. 講義の最初に昨日今日、何が起きているのか、どんなテレビでおもしろいことがあったかなど、聞いてみたのですが、スマホ世代なのでしょうか。何が起きているのか、意外と知らない。渡辺も新聞を読んだかと言えば。。。かもしれないですが、スマホを持っていれば、ニュースのコンテンツ、何が起きているのかなど、情報をとることは、昔より簡単になったわけで。隙間の時間で情報をとることは、大事ではないかなと。スマホも使いようだと思いますので。是非、トライしてみてはどうでしょうか。

 PS. 予定より少し早く着いたこと、講義時間のずれなどで、久しぶりにきれいな海と砂の造形を。。。来年度からのいろいろなことを考えて、思わず手を合わせたのでした。。。よろしくお願いいたしますと。。。

DSCN7637.JPG
 

ページの一番上へ

【出前講義】愛媛県立西条高等学校・特別講義「農学・生命科学入門-アブラナ科植物の自家不和合性と研究者への道--」(6/16)

2015年6月17日 (水)

 夕方までが愛媛県立西条農業高等学校での講義実習を3コマ。いつも植物を扱っている渡辺には、ほっとする空間。その愛媛県立西条農業高等学校からちょうど駅をはさんで海側と言えばよいのでしょうか。愛媛県立西条高等学校があるところは、昔、城があったところ。学校の周りがお堀で囲まれていて、石畳の道の向こうに昔の門があって、その中に高校が。いつ来ても、何ともいえない感動が。いつも書くことかも知れないですが、愛媛県立西条高等学校が愛媛県内で、東予地区にはじめてできた旧制の中学校。その分校として今治にできたのが、渡辺の母校である愛媛県立今治西高等学校。分校の卒業生が本校で講義をできるというわけですので。時代が時代であれば、なかなか大変なことだったのではと、いつも思いながら。2年ほど前にもこのような講義をお世話頂いたのが、愛媛県立松山北高等学校の出前講義でもお世話になった化学の矢野先生。今回も多数の生徒さんを集めることにご尽力頂きました。ありがとうございました。

DSCN7608.JPG
DSCN7610.JPG 最初に渡辺のことを矢野先生からご紹介頂き、講義としては、前半が渡辺がやっている植物の生殖・自家不和合性の話。後半がキャリア教育の話。と言う構成。60枚近いスライドを並べているし、頂いた時間も1hrちょっと。無理をしないというか、余りどこかのスライドでしゃべりすぎないようにと。自己紹介で、なぜ、遺伝学をするようになったかなど、簡単に。また、今治の人間であると言うことも。。。で、講義の最初の難関は、農作物の花の写真とその名前。普段の普通科、理数科での講義よりはたくさんの正解だったのでは。というか、自然をよく観察しているなと。愛媛県人としての誇りというか、ミカンの花の名前が出たのは、ほっとでした。次の難関がヒマワリの上にいるハチ。これがどこから来てどこへ行くのか。ヒマワリの花の季節感というか、それを理解してほしいと言うことなのですが、季節感を無視して。。。。ワープが機能するように改造されたという理数科の生徒さんらしい解答なのかも知れないですが、。。それはやっぱり。。。

DSCN7611.JPG
DSCN7615.JPG 自家不和合性が起きると言うことは、やはり不思議なことのようでした。動物のように機敏にと言うか、動きが見えないので、植物は。そんなところで評価を受けるとき、植物は損をしているのかなと。。。また、せっかく研究をする、大学で何かを学ぶのであれば、世界topを目指してほしいと。自家不和合性の動画も不思議の対象かも知れないですが、名古屋大の東山先生からお借りしている受精の動画。これも感動を頂きました。植物も動物並みにきちんと考えて、彼氏と彼女を探しているのだと。そんなことがわかってもらえれば。。。草食系とか言われている世の中ですが、植物は草食系なのか、どうなのか。しっかり競争の渦に巻き込まれているようなことは、理解してもらえたかと思います。

DSCN7618.JPG 後半は、キャリア教育の話。渡辺が小学校の頃、なぜ、科学者に興味を持ったのか。何のことはないテレビの影響。アニメなどいろいろなものに博士、教授が出てきてその科学力は今ですごいこと。ところが、そんなことが今ではないので、科学に対する興味が下がっているのか。だとしたら、もうちょっと違った角度から、理科離れなど、対策があるのではと。高校時代には、どの様な生徒だったのか。何に興味を持っていたのか。あの当時はそんなことを考えなかったけど、今となったら、数学で自由に考えて解く力をつけてくれた先生方に感謝なのだと。あれを公式で何とかしようとするものなら、覚えきらないわけで。考える力の源になったのだと。だからこそ、しっかりと考える力を数学で養成してほしいと。まだ、高校1, 2, 3年生でそれぞれどんな進路というか、将来の職業というか、そんなことを考えて、実際の共通一次で悲惨な結果となり、でも、それが今に至る道として、よかったと。もちろん、いろいろなことはありましたが。

DSCN7621.JPG また、同じ高校、大学で学ぶという同窓生と言うことが将来にわたって、どれだけ重要になるのか。そのためにも、友達を大切にして、将来、共同研究、共同 プロジェクトなど、すごいことをやってほしいと。餅は餅屋の精神で。このあたりになって、明らかに時間overになるのではと、。。というか、over。 かなりのスライドをはしょりました。なので、はしょった部分は、各自、レジメを読んで学習してもらえれば。。。講義の最後の〆は、いつものように組織論。 どんなに失敗してもくじけないことが大事だと。失敗をして、その失敗が何に由来したのか、それを考えること。それが大事だからと。と言うところで、さすが にoverをした講義も終わりました。

DSCN7623.JPG 質疑応答の時間には、かなり多くの生徒さんから質問が。どんな戦略でこれから興味を絞るのか。納得がいくまで数回質問する生徒さんも。可能な限りこたえるようにしましたが、疑問が残った方は、レポート、あるいは、渡辺にmailをして頂ければ、可能な限り、迅速に回答しますので。

DSCN7625.JPG
DSCN7627.JPG 発表・質疑応答のあと、全体の集合写真撮影をして、みんなで世界に向かって情報発信。最後は、代表の方から、今日の講義が自分たちにどの様な刺激になったかなど、とてもしっかりとしたコメントでした。素晴らしかったです。ぜひ、考えること、五感をしっかりと働かせることを大切にしてがんばって下さい。是非、この中から、渡辺と一緒に植物の遺伝学、研究をできる方が現れるのを楽しみにしていますので。

DSCN7630.JPG
DSCN7633.JPG 最後になりましたが、西条高校教頭・中井先生、矢野先生、藤田先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 以前、愛媛県の理科部会からお願いされて、本に寄稿しましたが、その時に原稿のハンドリングでお世話になったのが、当時、新居浜西高におられた田村先生。こちらがたくさん書いたことにも真摯に対応頂き、感謝でした。その田村先生と一緒に仕事をされており、西条高校に来られた藤田先生先生。その藤田先生が担任をされていた生徒さんが震災の年に東北大に受験にいらしたと。そういえば、新居浜市立金子小学校での出前講義の時に伺ったような。こんな所でもつながっているのだなと。びっくりでした。というか、今後ともよろしくお願いいたします。

 PS.のPS. 講義が始まるまでの少しの間、こちらがパソコンを稼働させて、ちょっとした仕事ことをしていたのですが、矢野先生にはお見通し。。。恐れ入りました。と言うか、そんなことをしていて、お許し頂けたのは、ありがたいことです。

 PS.のPS.のPS. 最初にも書いたとおり、歴史があり、卒業生には、国鉄総裁も務められた十河信二氏も。彼が寄贈した庭と言うも。写真を撮り忘れたのが、失敗でしたが。。。また、体育館が新しくなったそうで、愛媛県内の材木を使っての建築物。遺跡があると言う関係で、建築までにずいぶんとかかったそうですが、天井は高く、照明は白色のLED。光熱費を考えれば、また、近年の技術革新を考えれば。よくできていました。感動でした。そういえば、母校の今治西高校の体育館も古くなり、改築するとか。これに近いものができるのか。どうなのか。楽しみになりました。

DSCN7634.JPG PS.のPS.のPS.のPS. このHPを書いているところ、西条高校のHPを見たら、すでに渡辺の記事が。ありがとうございました。感動です。
 

ページの一番上へ

【出前講義】愛媛県立西条農業高等学校・特別講義「農学・生命科学入門」(6/16, 17追記)

2015年6月17日 (水)

 午前中の生殖関係の講義・実習遺伝学の講義に続いて、昼休みには、希望者向けの特別講義。メインに講義を聴きに来てくれた生徒さんは、3年生でこれから大学進学を考えている方々。時間の関係で前半の自家不和合性というか、生殖の話を駆け足で。普段から農作物を扱っているだけに、農作物の花は、基本的に理解できていたのは、1, 2時間目の3年生と同じというか、それ以上だったかも。

DSCN7594.JPG
DSCN7595.JPG そんな植物の生殖の中では、自家不和合性という果樹などで習うイベントがあることを改めて、理解してもらえたのでは。果樹の講義の時間に自家不和合性を学習しているだけあって、果実形成、種子形成における細胞のゲノム構成というか、受精した細胞からできるのが何であって、果実は何が肥大したのか、大事なポイントですから。ここで、リンゴの花と果実の対応関係。別府先生の方で、リンゴを用意頂き、観察できたことはよかったのでは。改めての認識かも知れないですが。

DSCN7596.JPG
DSCN7597.JPG 農業高校という実業系の高校からの大学への進学で大変と伺っているのが、農業以外の一般教養など。どうしても高校での履修時間などが少なくなるので。ただ、それは、乗り越えないといけない道だから、是非、がんばってほしいと。と言うことで、本当に駆け足の講義だったですが。何かあれば、また、質問をmailで下さい。

DSCN7598.JPG 午後からは、農場の中を幅広く見学させて頂きました。ちょうど、水稲の田植えの時期。育苗箱がたくさん並べられてあったり、新しい施設園芸の花卉のはち植えが。花卉の担当は、山元先生と明日先生。渡辺も初めて見る花卉・グロキシニアで、種子から栽培し、色が多様になっているバルクのため、開花まで色がわからないとか。それにしても見事な管理で、出荷時期を見越して、開花時期を調整していたのは、さすがプロの仕事。こうしたことを考えて、花を研究しているわれわれも植物材料の調整をしないといけないのだなと。よい刺激を頂きました。ありがとうございました。

DSCN7601.JPG
DSCN7602.JPG また、水耕栽培初期モデルと言われていましたが、レタスの栽培も。異なる色のテープをつるしているのは、異なる害虫をターゲットとか。labでの害虫管理にもこうしたものを探してみようと。参考になりました。ありがとうございました。

DSCN7605.JPG
DSCN7607.JPG 1日で3コマの出前講義と農場見学という慌ただしい日程でしたが、細かく対応頂きました、西条農高校長・信尾校長先生、成高教頭先生、担当の別府先生をはじめとする関係の多くの先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 21:10、この記事の修正をしていたとき、ふと、おもいだしたことが。。。農場見学の折、管理をされている白石先生から、いろいろなことを伺っていると、なんと、渡辺の小学校の後輩。前日までの「ふるさと出前授業」の2校目で伺った、今治市立桜井小学校卒。。。。びっくりです。というよりも、世の中どこまでも狭いと感じた今回の西条農高での出前講義でした。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 

ページの一番上へ

【出前講義】愛媛県立西条農業高等学校・特別講義「遺伝学入門--F1雑種の後代を考える--」(6/16, 17追記)

2015年6月17日 (水)

 1, 2時間目が3年生向けの講義と実習。4時間目は、2年生向けに急遽、講義を。ちょうど遺伝学というか、遺伝子の所を講義されている生物の木田先生からのリクエスト。1, 2時間目の講義のあと、担当の木田先生と相談をして、雑種強勢の例として示している「ダイコン」の育種のスライドを使って。今は、メンデル遺伝学を高校でなくて、中学校で習うとか。普通科、理数科の高校で生物の教科書を拝見したら、渡辺が大学で学んだような内容が。細かな各論が入ってくると、こうした基礎的なことが下の学年になるのかなと。ただ、一方で、遺伝学と遺伝子を一貫して教える方が、理解する生徒さんにはよいのではと、そんなことも考えながら。そんなこともあり、1枚のスライドから、スタートの講義としたわけです。

DSCN7578.JPG
DSCN7579-2.jpg 細くて長いダイコンと太くて短いダイコンを交雑したら、F1世代では、太くて長いダイコンができる。ここで、太くなる形質を優性のA、対立遺伝子の細く なるのが劣性のa。長くなる形質を優性のB、対立遺伝子の短くなるのが劣性のbと仮定し、両親をそれぞれ、AAbb, aaBBとしたとき、F1はどうなるのか。AaBbになると。ここまでは何となく。理解をしてもらっていたようです。

DSCN7581-2.jpg
DSCN7584.JPGのサムネール画像 では、このF1を自殖、つまり、自分の花粉を自分の雌しべにつけて、種子をとると、その種子をまいた個体は、どの様な形質になるのか。と言うことを5つのグループに分けて考えてもらうと言うことに。こんな感じに分離するのではと言うところから、両親と同じような表現型になるのではと言うところ。さらには、減数分裂をきちんと理解していて、そこから導き出される雌雄の配偶子の組合せを書き出して、どの様な個体になるか、遺伝子型から、表現型を考えるグループも。しっかり理解できていました。最後のところで、慌てて書き出したからだと思います。少し分離比がずれていましたが。考え方は、しっかりしていますので。

DSCN7585.JPGのサムネール画像
DSCN7587-2.jpg最後の解説の所は、次の講義との関係で、生物の木田先生にお願いして終わりましたが、遺伝子を理解することも大切ですが、実際の農作物を普段から観察しているという点では、表現型を観察して、それがどうなっているかを5つ目のグループのように考えるのが大切ではないかと

DSCN7592-2.jpg 最後になりましたが、生物の木田先生、別府先生には、講義の機会を頂き、ありがとうございました。1枚のスライドでこうしたことを考えると言う講義の大切さも理解できました。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 生物の先生は、東北大で実施している「科学者の卵養成講座」でJSTからお願いされて指導的なコメント等を頂く先生のお弟子さんでした。。。なんと世の中、狭いこと。びっくりでした。

 PS.のPS. 中庭に西条農高の校訓を書いた大きな石が。。。。農作物を誠実に見て、それを心から敬愛し、新しいものを創造する。とても大事なことだなと。ふと。。。

DSCN7593.JPG PS.のPS.のPS. どこかの講義の合間に、今治西高の2級先輩に当たる体育科の毛利先生とお話しを。高校時代にお世話になった先生のたくさんの名前が出てきて。。。ありがたいことです。こうした先輩方がいたので、高校時代を楽しく過ごせたのだと。。。いろいろなイベントのことを思い出しながら。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

 PS.のPS.のPS.のPS. 6/17(水) 19:50、この記事を修正したところで、西条農高のHPを見たところ、渡辺の昨日の記事に対して、linkを貼って頂きました。ありがとうございました。明日にはこの記事、この後の記事にもなるのかと思うと感動です。ありがとうございました。

 

ページの一番上へ

diary Top« 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11

ARCHIVE