東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【研究室訪問】山形県立鶴岡南高等学校理数科・SSH理数セミナーI・研究室訪問、実験実習「バナナからDNAを」、特別講義「自家不和合性、植物の生殖」(3/20)

2014年3月20日 (木)

 午後からの中園先生のセミナーの前、午前中は、山形県立鶴岡南高等学校理数科の研究室訪問、実験実習、講義。今年で3年目。山形県立鶴岡南高等学校は、渡辺の大学時代の師匠である日向先生の母校。旧藤島町の出身で、日向先生自身、時々そちらにも帰っておられるというのを、いつだったか、日向先生から伺ったことが。。。そんなつながりもあり、今年で3年目の研究室訪問などとなりました。1年目に旧藤島町出身の方がいたので、今年もと思ったのですが、いらっしゃらず。もちろん、高校にはそうした方もいると。ぜひ、日向先生というか、高校の先輩でそうした方がいることを考えるきっかけにしてもらえれば。

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DSCN1942.JPG 最初は「バナナからDNAをとて見よう」という実験。1/4くらいにしたバナナをつぶして、食塩水で攪拌というか。その抽出物を濾過して、洗剤を入れて、膜を破壊。それをプラスチックチューブにうつして、エタノールで析出。2-3人がグループとなり、実験をしたわけですが、いつものように、しっかりバナナをつぶしたグループ、そうでないグループ、それぞれ特徴があるのが。。。それで、バナナの抽出液が自分たちのところだけ、他よりも「褐色」であることについて、質問というか。。「最初のバナナの質が悪かったから。。。」という意見も。。。それはほとんど同じくらいのバナナを使った訳なのでないはずです。では。。。。。たぶん、褐変化がひどかったのは、最初にたくさんつぶしすぎというか、酸素と混ぜすぎ。なので、激しく酸化したので、褐色の程度がちがうと思ったのですが。それを説明しないままでした。。。このHPをみて、納得してもらったでしょうか。

DSCN1951.JPG 実験がほぼ、同時に終わったので、10人ずつくらいのグループで、研究室内とガラス室のBrassica oleraceaの多様性観察。バナナの実験からTAをしてくれていた辺本さんに研究室内の説明を。外は、渡辺の方が。キャベツの仲間、B. oleraceaは、ケール、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ロマネスコ、コールラビ、葉ボタンなど、多様に分化しています。形態観察とせっかくなので、葉っぱなどの可食部の比較。ブロッコリーなど花茎を食べるようになった分、葉っぱの部分の味は、原種であろう「ケール」よりもごわごわして、おいしくないというのも体感してもらいました。雪が解けたら、鶴岡の周りにはアブラナの畑を見ることもできるでしょうから。。。

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DSCN1953.JPG 実験、見学に続いて、最後は講義。講義のイントロは、野菜などの花の写真から、何なのかを考えてもらう。最初はすごく引っ込み思案でしたが、では、応えてくれた人には何かをといったら、さすが、反応よく(正解の人へのプレゼントを失念していました。あとで、飯澤先生経由でもらって下さい。)。majorなものは、わかっていましたが、意外と知らないもの。これを機会に周りの自然の観察をしっかりやってもらえれば。それに続いて、自家不和合性の講義ですが、なぜ、自家不和合性のようなことがあるのか、自殖弱勢が起きるという問題、渡辺が日向先生の研究していたものを発展させて、ここまで理解できるようになったとか。なにより、師匠である日向先生の元で実験をしたので、ここまで来たと。それくらい、大学、大学院での指導してくれる先生の影響は大きいと。それだけに、自分の将来のことをしっかり考えてほしいと。将来、植物を使って、遺伝子の研究をしたいという生徒さんも。うれしいですね。ぜひ、日向先生の意志を継いで、一緒に自家不和合性の実験を一緒にできれば、うれしいですね。自家不和合性の話しの最後のところで、同じく鶴岡南高校の卒業生である名古屋大教授の東山先生からお借りしているトレニアの受精の動画。この受精に、アブラナ科植物の自家不和合性に関わっている低分子ペプチドに類した物質が機能していると。最後は質問の時間。自殖弱勢はどの様なメカニズムなのか、自殖と他殖というちがうものがなぜあるのか。自殖で大丈夫なのかなど。鋭い質問を。さすがと。。。質問の最後は、例年通り世界に向けて情報発信。

DSCN1959.JPG 講義が終わったあとに、代表の高校生から今日の講義のお礼の言葉。とてもしっかりしたコメントを頂き、自然を観察すること、その変化に気がつくことの大切さなどを理解してくれていたのは、とても感動でした。自然豊かな山形・鶴岡の自然をしっかりと観察して、将来に活かして下さい。今日、質問をするのがはずかしかった方々、mailでもかまいません。タイトルのところに、今日の講義を聴いた鶴岡南高校の生徒ですと書いて。。。お待ちしております。また、最後のところで、引率で来られた飯澤先生から、また、来年度もこの時期に研究室訪問、実験、講義等の依頼をいただきました。ありがとうございました。師匠の日向先生から引き継がれたもの。大切にしたいと思います。よろしくお願いいたします。

DSCN1957.JPG 最後になりましたが、今日の実験、講義、研究室見学をお手伝い頂いたTAの辺本さん、準備を頂いた方々に感謝します。ありがとうございました。研究室見学等のアウトリーチ活動も今回のが今年度最後。本当にお世話になりました。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 昨日は工学部の安藤先生のところに行っていたというのを、学科のTwitterで見つけました。こんなところにも。。色々な分野を見ておくのはよいことだと。。。

 PS.のPS. この記事を書いているのは、夕方。みぞれていたのが、気がついたら、すっかり雪が積もって。。。夜にかけて積もるというようなことを聞いていたのが。。。。かなり早めにずれ込んで、というのでしょうか。困ったものです。また、雪かと。。。。さすがにもう雪はいらない。というのが本音です。

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【研究室訪問】循環型科学者の卵養成講座・エクステンドコース・第1, 2日「プラズマ照射法で自家不和合性を破る」-1(3/17-18)

2014年3月18日 (火)

 循環型科学者の卵養成講座・発展コースは、先週の土曜日の発表会で終了。もちろん、エクステンドコースも、表彰式などを行って、終了。本当は、渡辺のところで、2名のエクステンド生を引き受けていたのですが、プラズマ発生装置がうまく機能しないなど、いくつか問題があり、また、エクステンド生である仙台一・遠藤さん、笠原さんが、受験生ということもあって。。。受験が終わったこの時期に実験ができないかと言うことで。どこまでできるかは別として、発展コースの3名の方々がやってくれた続きの実験を。

DSCN1935.JPG 今回はTAとして辺本さんにお願いをして。。。曽根さんの方が卒業で実験の最後のまとめとか、論文作成などがある関係で。。。今回の実験は、雌しべの先端の乳頭細胞はたぶん、なんというか、感受性が高いというか、低いプラズマでも影響が出るだろうと。では、他の組織、例えば、花弁、葉などでは、どうなのか。もちろん、同じ処理条件で、乳頭細胞を比較するわけですが。。。

DSCN1936.JPG この実験は「プラズマ」という外的刺激に対して、植物がどの様な反応を示すかと言うことでもあるので、他の外的刺激として、「紫外線」を使ってみようと。この結果がどうなるのか。。。比較実験としてとても楽しみです。

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 わたなべしるす

 PS. 処理装置3号も何より、工学部の安藤先生の手作りのもの。長時間の照射で一部劣化が。。。昨日の夕方、昔電気工作は好きであった渡辺が急遽修理を。。。こんなことをするのどれくらいぶりだろうかと。装置の一部のスライドグラスが破損していました。それを新しい者に交換したら。。。何とか動くようになって。。。一度、安藤先生に見て頂かないと。。。「餅は餅屋」ですから。。。

DSCN1932.JPG PS.のPS. 昨日とある海外の博物館の方を交えて、夕食会というか飲み会がありまして。。。その時に、写真を頂きました。そういえば、来週は上野の国立科学博物館「野依科学奨励賞」の表彰式。少し時間を早めにとって、「科学を見せる」ということも少し学ぼうかなと。。。そんなことも。。

DSCN1937.JPG PS.のPS.のPS. このプラズマ照射装置を作って頂き、共同研究をしている安藤先生が所属の工学部情報知能システム総合学科のTwitterで、アウトリーチ活動、広報などをされている中村先生が、昨日の宮城県高等学校理数科課題研究発表会のこと、そこで、渡辺が質問したこと、さらには、上記の受賞の件も書いて下さいました。ありがとうございました。こうした異分野融合というか、領域融合ができればと思います。

 PS.のPS.のPS.のPS. 先日、とある方から、「せとか」という柑橘を頂きました。とても甘くて、晩柑にしては、手でむくことができるのが特徴。ところが。。。。1つ、これがせとか??というくらい、甘くないものも。。。もらった方にどうこうでなくて、できて間もない品種と言うことで、高接ぎの台木の違い、栽培土壌によって、こんなにも品種特性が出なくなるのだろうかと。。。外見上、中の砂のうという部分だったと思いますが、そこに違いがないだけに、余計に。。。。品種改良というか、育種の難しさというか、栽培の難しさを実感したのでした。。。

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【研究室訪問】宮城県仙台第一高等学校・小松原先生、来訪(2/26)

2014年2月27日 (木)

 今年度も、イネ・アブラナの課題研究などで、仙台一の生徒さん、小松原先生と交流をしてきましたが、今年度のまとめと次年度に向けてと言うことで。。。先日、生物班の発表会があったのですが、こちらが時間がとれず、うかがえなかったのが残念でした。。。聞いていれば、このプロジェクトはこちらとか、細かなことが話せたのですが、。。ただ、遺伝子組み換え作物の実験については、3/2の東北大での高校生研究ポスター発表で発表するとか。。。たくさんのところで話をして刺激を受けるのはよいことではないかと。。。

 今回の議論の中心は、今年、スズメにやられたイネのプロジェクトをどの様に展開するか。実験的にはおもしろいことなのもあって、うまくそうした鳥害などを避けて、また、それぞれの系統の遺伝的な特徴をもう少し理解しようと。。。イネがご専門ではないですが、先日のサイエンスカフェでお会いした、宮城教育大の小林先生にも議論に加わって頂き、何とか、よい方向に調整できたのでは。。。ありがとうございました。

DSCN1792.JPG 議論はプロジェクトから少しずれてと言うか、昨今の教育問題というか、高校生、大学生への教育、それ以前の教育など、total 4hr近い議論となりました。遅い時間までありがとうございました。次回は、イネの播種の頃から、ということになるかと思いますので。。。


 わたなべしるす



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【研究室訪問】循環型科学者の卵養成講座・発展コース「プラズマ照射法で自家不和合性を破る」、研究発表会準備-3(2/23)

2014年2月23日 (日)

 今日の最高気温は5oC近くに。今週は10oC近くまで上がる日も。。現在8cmという積雪も解けるのでは。。。ただ、これだけ気温が上がっても来月までこの積雪はあるのだろう。。。今日は、科学者の卵養成講座・発展コース、研究発表会の準備の3回目。これまでは市内の仙台二華・丹野さんがmainでやってくれていたのを、今日は秋田南・一ノ関さん、山形西・佐藤さんも合流して、ポスターとプレゼン資料の作成。秋田、山形から来た一ノ関さん、佐藤さんも仙台の積雪にはびっくり。仙台の方が多いとか。。。やっぱり、今年の雪はすごいのだと。。。

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DSCN1759.JPG 丹野さんが金曜日に準備し、その後もmailでやりとりをして、これで議論しましょうというたたき台を一ノ関さん、佐藤さんと議論して。。。ポスターの方は少し手を入れて、これでOKでしょうと。続いて、Power Pointを使って、この研究の紹介プレゼンの作成。Power Pointを使ったことがあるのと、文字、写真、動画などを自由な位置に入れることができることを理解していることもあって、こちらから、少しコメントしたくらいで、ほぼ完成。では、ちゃんと動くかというのを、液晶テレビにうつして、確認。表紙もniceですし、これなら、たくさんの方がこのプレゼンを見て、ポスターを見に来てくれるでしょう。当日が楽しみです。プレゼン当日の3/15の朝から、丹野さんは高校のイベントで2週間の海外研修。最近の高校生はすごいのだなと。。。。というのと、発表当日は、一ノ関さん、佐藤さん、がんばって下さい。楽しみにしていますので。

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 ということで、準備できたものをそれぞれの生徒さんに送って。。。あとは、当日までに提出するレポート作成は、時間の関係で各自と言うことで。がんばって下さい。


 わたなべしるす

 

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【研究室訪問】循環型科学者の卵養成講座・発展コース「プラズマ照射法で自家不和合性を破る」、研究発表会準備-2(2/21, 22:50写真追加)

2014年2月21日 (金)

 この発展コースの発表会に向けて、前回準備をしたのが、2/4(火)。今のように雪もなく、今年も余り雪も降らないでと。。何より、その日が立春でしたので、これから春になるぞと、楽しみにしていました。。。ところが、そのあとの2週続けての週末の大雪で、。。今でも仙台は解けてないところで、10cm程度。道路にはさすがに雪がないですが、路肩には、大量の雪が積まれて。。。。どうすればよいのか。。いつまでこの雪があるのか。予報を見ていると、来週後半には暖かくなり、雨が降るという予報も。。。雪にならないことを祈りつつ。。。

DSCN1752.JPG その発展コースの発表の準備は次の日曜日に3名の高校生が集合して、ポスターとプレゼンを完成させると言うことで。期末試験中なのですが、学校の帰りに、仙台二華高校の丹野さんに前回のポスター作成の指導の続き。渡辺が高校生の頃はさすがに、試験中は午前中で帰り、翌日の試験に備えて、勉強をしていたような。。。したからといって、できた訳でも何でもないのですが。。。渡辺の頃には、もちろん「情報」と言うようなことは習うこともなく、というより、パソコンを初めて見たのが、高校生から大学生になるとき。それも友達のところで。40~100万位したような。。。とても買える代物ではありませんでした。今や、ほとんどの家庭には、パソコンがあり、MS-Wordも使っているというのでは。ただ、「情報」も高校生では、2年生で学習とか。その中で、ポスターをつくることは、大変だろうなと。。。今回は改めて、dataを見直したり、どの様に見せると、よりインパクトがあるか。あとは、細かな点。ここには、横線があった方がよいとか、文章は基本、過去形で書くとか。。。高校でやっている国語、理科の時間とは、また違った「ある種のお作法」が、科学論文というか、そうしたものにはあるので。。。それを覚えるのも大変だと思います。こちらで少し文案を考えたり、あるいは、こんな写真はとか。いくつかのsuggestionをしながら、だいたい、素案は完成。

DSCN1754.JPG で、ここで気になったのは、実際に自宅に帰ってから、Wordでつくるとなったとき、大丈夫だろうかと。。。そこで、少し帰宅時間まで時間があるというので、渡辺の机のパソコンを使ってもらって、実習というか、実際にポスターを直してもらい。。。こちらが気がついたことをコメントしながら。。Wordを使い始めたのは、このポスター作りからといっていましたが、さすが、若いです。どんどん吸収して、つくっていくのを見ると、昔、パソコンを使い始めて、今は、MS-Wordが文章を書くために主流ですが、昔は「一太郎」。その一太郎で、特殊文字を作ることをずいぶんとやっていたような。そんなことを思い出しました。週末には、試験勉強をしながら、このポスターも仕上げるというのは大変だと思います。と言うか、たいしたものだと。。。。今回は、実際に作製もあったので、3hr弱。お疲れ様でしたというか、定期試験もがんばって下さい。このポスターの続きは、また、日曜日に3人集まってと言うことで。。。

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 わたなべしるす

 PS. 昨日の夕方、アルバイトをしてくれていた農学部3年の志田さんが、最後のご挨拶に。。配属先の研究室も決まり、忙しい中、ありがとうございました。また、来月にお疲れ様会をしたいと思いますので。志田さんと最初にお会いしたのは、震災のあと、すぐの3月後半か、4月のはじめ。。何もかも壊れたところから、片付けなどもしてもらい、実験ができるようになり。。。あれから3年になるのだと。。。時間がたつのも早いのと、大変だった時期を一緒に乗り切ってくれた方がいらっしゃらなくなるのは、何というか、寂しさを感じますが、また、どこかでご一緒できれば。。本当にありがとうございました。

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