東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2010年6月の記事です。

社会貢献、出前授業、義務づけ???(6/24)

2010年6月24日 (木)

 数年前に科研費の申請をしたとき、初めて見て驚いたことがあった。それまではどのような研究実績で、これからどのようなことをするのかと言うこと、つまり、研究に限った内容だけだったところに、はじめて、「社会貢献」という言葉が現れ、この研究で得た成果をどのように社会に還元するのか、つまり、出前授業、市民講座、市民向けパンフレットの作成、HPの作成など。。。こんなことをと驚いていた。申請書を書いていて、筆が止まったのを、いまだに思い出す。ただ、その申請書も採択され、研究をしつつ、その約束事を守るべく、できるだけ多くの小中高に出前講義に伺っている。詳細は、研究室のHPを参照されたい。

DSCN4295.JPG そうしたら、数日前の日本経済新聞のnet上には、「文部科学省は22日、1件あたり年間3000万円以上の研究助成を受ける一流研究者に、小中高校での理科の出前授業などを事実上義務付けることを決めた。」とあった。詳しくは、そのHPを参考にしていただければと思う。超一流の研究者に小中高生があえることは、うれしいことであり、数年前の科研費より、ずいぶん突っ込んだ意見になったなと。

 日本で理科離れが叫ばれて久しい。それを埋める、解決する妙手になることは間違いなく、より多くの方々が、こうした社会貢献をすることで、科学の進歩、楽しさを広めてほしいと思った、新聞記事であり、自分もさらなる努力をしないといけないと思った記事であった。ただ、将来、出前講義をした子どもたちと一緒に研究ができるかもしれないと言うことを考えると、どこかわくわくするところがあるのも事実である。


わたなべしるす

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【お知らせ】学生アルバイトの石川さんからのうれしいお知らせ!!

2010年6月23日 (水)

こんにちは。学生アルバイトをさせていただいております、石川です。

仙台の梅雨というと肌寒くどんよりしたイメージですが、今年の梅雨はなんだか蒸し暑くはやくも夏バテしてしまいそうです...何度かスコールのような雨も降りましたし、まるで熱帯にいるようですね。温暖化の影響でしょうか。

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ところで、私は学友会吹奏楽部に所属しています。この研究室には吹奏楽の経験者が数多く在籍しているので、不思議なご縁を感じますね。先日は、渡辺教授のご紹介で、川内キャンパスにある川内萩ホールで行われた「科学者の卵養成講座」の席で、音響工学の講義のあとに学友会吹奏楽部が演奏を披露する機会をいただきました。音響工学の権威が設計に携わり、日本有数の音響効果を誇るという川内萩ホールは、受講生のみなさんにとって興味深いものであったと思います。演奏を聞いて吹奏楽にも興味を持っていただけたら、嬉しい限りです。

さて、7月11日(日)に学友会吹奏楽部 Summer Concert 2010行われます。会場は、「科学者の卵」のときと同じ、川内萩ホールです。日本有数の音響効果を、なんと!入場無料で体感していただけます!こんな機会めったにありませんよ!

おなじみの民謡曲をあつめた「あの日聞いた歌」をはじめ、コンクールで定番の「マゼランの未知なる大陸への挑戦」など、吹奏楽の良さを味わっていただけるような曲をたくさん用意して、皆さんのご来場をおまちしています。ぜひいらしてくださいね!!

詳細はこちら  http://www.tohoku-wind.org/summer2010/index.html

文責 いしかわ

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【出前講義】仙台市立七北田小学校・NSP 5年生「キャベツとブロッコリー--何が同じで何が違うの???--」と第1回学校評議員会への参加(6/17)

2010年6月22日 (火)

 5/28に、異なる品種のイネの田植えをしましたが、実は、そのとき、肥料計算を渡辺がまちがっていて、栄養過剰となり、「枯れ上り」が起こり、肥料成分を水で洗い流すことなど、関係の先生方にご迷惑をおかけすると共に、子どもさんたちには心配をかけました。先生たちの絶え間ないご努力のおかげで、いくつかのポットではかれてしまったのもありましたが、ほとんどは復活して大きく成長をしているのを確認するのが、この日のNSPの最初の仕事でした。

P1010052.JPG 従来であれば、午後からの講義のみですが、今年度から、学校評議員を引き受けた関係で、午前中は七北田小学校の運営、討論会でした。自分が小学生の頃には、この様なものはなかったのかもしれないですが、今はまさに、どこかの研究機関、大学と変わらないように、外部評価というか、そういうコメンテーターがいるというのは、世の中の変化を感じると共に、研究室運営でも、何が欠けているか、何をどうすればよくなるのか、考えさせていただいたような気がします。ありがとうございました。よりよい方向に進むことを祈念しております。

DSCN4311.JPG 午後からは、5年生にキャベツとブロッコリーが一見すると全く違う種(しゅ)のように見えるけど、実は同じ種である。だから、交配ができる、雑種を作れる。では、実際に実験するのは、大変なことなので、それがどんな植物になるのかをキャベツとブロッコリーを考えながら、各班ごとに絵を描いて、授業の最後に全体にプレゼンをしてもらいました。どの班もよく考えられていて、キャベツとブロッコリーが、それぞれ、葉っぱと花の集合体であることを理解し、葉っぱと花のどちらが先に出てくるかと言うこともよく考えられていて、観察力というか、みんなでの討論力というか、感心しました。

DSCN4315.JPG 今月の頭には、このHPでも紹介したように、今治市立今治小学校では、実際に雑種の作成に成功しています。ぜひ、来年の春には、自分たちでも花を咲かせて、雑種を作ってみましょう。想像と実際とは、ずいぶん違うと思いますので。

DSCN4316.JPG 最後になりましたが、準備を頂いた、理科の椎名先生、5年生の先生方、校長先生をはじめとする多くの先生方に感謝したいと思います。ありがとうございました。次にお会いするのは、ウリのなかまの講義か、自家不和合性だと思います。楽しみにしております。

わたなべしるす




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今年も半年が過ぎようとして。。。(6/19)

2010年6月19日 (土)

 気がついたら、今年も半年が過ぎる頃になった。例年よりも雪が多く、春先にはサクラの開花が例年より、ずいぶん遅くなった。その後は、夏と冬のような天気が毎日入れ替わり、今年は冷害になるのか、とひやひやしていたが、梅雨入りは少し遅いくらいで、その後の天候は比較的安定している。そんなこともあり、冷害はないのかもしれないと、そんな実験をしている関係もあって、また、出身が農学部・農学科と言うこともあるのだろう、ほっとしている。いつもの年の1-6月よりは上がり下がりの多かった年だったような気がする。

P1000096.JPG では、研究室のactivityとしてみたとき、どうだったであろうか。初めて、理学部・生物から研究室配属できてくれた、五十川さん、金子さんの研究成果を論文として発表できたことは、何よりうれしいことである。また、仙台に研究室を移して、初めての「Nature」論文にcorresponding authorとして関われたことは、何よりもうれしい成果であった。こうした成果をtop pageから簡単に見えるように、「最近の当グループ関連論文」というコーナーを作成した。参考になれば、幸いである。残り半年でより多くの研究成果を情報発信したいものである。

うずまきER100413 .jpg 研究室のactivitiyを研究面とすれば、教育面はどうだったであろう。先の研究成果は、研究室の教育面の成果とも言える。他の教育面というと。学内プロジェクトである「未来の科学者の卵」は、2年目を迎えて、基礎コース、発展コース、エクステンドコースがそれぞれ開花してきた。出前講義でも様々なことを教育してきたが、小学生が遺伝学の実験の基本である「交配」を行い、雑種の作成に成功したことは、驚きであり、サポート頂いた先生方の熱意に感謝したい。雑種と言えば、SSHのコンソーシアムでは、アブラナとダイコン研究をsuperviseしているが、F1, F2という遺伝学的展開があり、様々な形質の評価も進んでいる。何より、国際会議での発表は、よい刺激になったのではと思う。こうしたSSHの取組が、JST・平成22年度パンフレットにまとめられているが、昨年行った夏の活動での交配実験の様子を取り上げて頂いたのは、何よりの励みとなった。関係の方々に感謝したい。

RIMG0228.JPG 日々の活動で、研究と教育は両輪であり、どちらが欠けても推進力に欠ける。また、どちらもすぐに結果が出ることではない。5年先、10年先を見越して、この両者の発展を考えていきたい。今年の春の気候ように、急な上がり下がりでなく、ゆっくりとでも右上がりの成長になるように。。。。。何より、こうした発展を支えてくれる様々な共同研究先の方々、そして、その共同研究先の人たちがつなげてくれるひとの新たな連携に感謝しつつ。。。。

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 わたなべしるす






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【出前講義】愛媛県立今治西高校での文化祭・特別講演会「進化論を唱えたダーウィンも注目した高等植物の自家不和合性」--花粉と雌しべの細胞間コミュニケーションとその分子機構--(6/12

2010年6月18日 (金)

 昨日に引き続き、今回は母校での文化祭の特別講演会でした。文化祭での講演は、昨年の松山南高等学校での文化講演会に続いて、2年連続でお話をできる機会を頂いたことに感謝しております。

DSC_8290.JPG 講演会には、小学生からお年を召した方まで、幅広い年齢層でこれまでずいぶん多くのの出前講義を行ってきましたが、これほどの年齢層では初めてだと思います。講義の最初に「野菜・果物」の花の写真を見て頂き、それがどんな野菜、果物になるのかを考えてもらいました。元気の良い小学生、中学生、高校生から、発表をもらえたのは、うれしい限りでした。そのあとは、いつものようにお花の不思議ということで、「自家不和合性」のお話をしましたが、予定の1.5hrはあっという間でした。最後の質問では、高校生、小中高の先生方から、鋭い質問を多く頂き、とても盛り上がった講演会となりました。

DSCN4270.JPG 渡辺の地元ということもあり、また、渡辺が話すということで、出前講義を行ってきた小学校、知人などに声をかけておきましたが、そうした方々が人づてで広げて頂き、こちらが予想もしなかったような方々にご参加頂いたことは、感謝に堪えません。ありがとうございました。また、渡辺の恩師に当たる先生にもきて頂き、いつもは教室で教えていたいていたのに、立場が逆で話をするというのは、こんなにもプレッシャーなのだということも、実感しました。

001.JPG このような形で地元に科学を還元し、社会貢献できたことは何よりもうれし限りでした。また、参加頂いた小学生、中学生とは、昨年までの出前講義でこちら講義をした生徒さんたちでした。渡辺の話があるというので来てくれたのは、何よりうれしいことです。ありがとうございました。また、いつか講義でお会いしたいと思います。

DSCN4272.JPG 最後になりますが、この企画をサポート頂いた生物の稲葉先生、そして、多くの聴衆を集めて頂きました多くの方々に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。また、5-10年立って、研究が発展したところで、お話ができればと思います。ありがとうございました。


わたなべしるす

PS. 人のつながりとは不思議なもので、知らないところでつながっていたり、そのネットワークが思いもよらないすごい方向に発展したり。普段、研究をしていて、人のつながりのありがたみを感じているわけですが、その人のつながりの違った不思議な一面を見せてもらったような気がしました。ありがとうございました。




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