東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

3/11(金)、14:46から今日まで、その17(10/13)。

2011年10月13日 (木)

 9/11に3/11から、半年が過ぎた。毎月1回は記していたこの記事も、この前の記事から2ヶ月合間ができた。この間、仙台市内盛岡浦和などに出前講義に出ており、震災から半年を振り返る時間が十分になかった。あったのかもしれないが、文章にするだけの時間がなかった。そうこうしているうちに、3/11から7ヶ月目である10/11も、一昨日過ぎてしまった。その間に復旧、復興について、世の中がどのように動いたのか、大きな変化があったかと思い出してみると、研究室では、何度か書いたかもしれないが、落ちてしまった機器類が、少しずつ復旧しつつあり、こうしたことに配慮頂いた研究科の方々に感謝したい。ありがとうございました。学生さんたちの研究に弾みがつくと思っています。では、身近な町の様子。大学の周りを見ると、壁の復旧をしていたり、直すことができない木造建築物を壊して、更地にしたり。もう少し広げると、東北新幹線は、9/23には震災前のダイヤになった。仙台空港までの電車も10/1から全通した。一部を除けば、震災は???というイメージかもしれないが。。実態はそんなこともない。。。

DSCF8194.JPG では、もう少し沿岸に近い方になったとき、常磐線も沿岸部から山間部への移動は決まっても、いつになったらできるのだろう。。。仙石線も同じようなことが問題となっている。沿岸部では、震災で生じた大量のがれきもそのまま、高い山のように積まれる一方。。いつまでかかるのだろう、攻めての現状復帰というか、復旧まで。。なんというか、半年以上たって、この状況。。。高所から意見できる方々、もう少し迅速な対応をお願いしたいと、切に思って、7ヶ月が過ぎた。こうしたときの、速さというのは本当に暖かみを感じ得ないと思うのは、渡辺だけでないだろう。

 放射線の問題が、いろいろなことで問題拡大していることも、気になる。特に、植物を扱っていて、農学部卒という立場では、農産物への影響を考えた時、何とも言えない悲しさというか、どうにもできない自分の力のなさをどうしようもなく、。。。ニュースにも、ホットスポット、ストロンチウム、プルトニウム、セシウム、福島原発から250kmなど、どこまで被害が広がるのか、。。。植物科学をやっていると、どうも、物理、化学は。。なぜ、こうなったのか、このあとどうなるのか、もう少し、日本の科学力がという気がする。もちろん、農業を含めた様々なことへの「風評被害」がどこまで拡大するのか、暦が1年回るまで、その季節に応じたイベントと連動することなどもあり、もう少し長い目で見ないといけないのかもしれない。何より、見えないのが、。。いろいろなものが可視化されてきて、ずいぶんと進歩してきた。何とか、放射線というか、放射性物質が、可視化できないものなのだろうか。。。

 震災とは直接関係ないかもしれないが、AppleのCEOもつとめたスティーブ・ジョブズがこの間にこの世を去った。大学に入ってから使っていたパソコンは、MS-DOS, Windowsということもあり、AppleのMacとは遠縁であった(もちろん、今もWindowsを使っているのであるが。。)。しかしながら、ABIのDNA sequencerの初期モデルでは、sequencerを動かすパソコンがMacであり、リンゴマークのキーボードを使うのは、どうにも苦手であった。その彼がスタンフォード大学での卒業式スピーチで、「ハングリーであり続けろ。愚かであり続けろ。」という言葉を残していると聞いた。「ハングリーであり続けろ。」というのは、まさに、気合いと根性でがんばろうというように考えた。では、「愚かであり続けろ。」とは。。。どう考えればよいのだろう。。。正しい解釈かどうかわからないが、今回の震災で身の回りで起きたことをtotalに考えると、人間が理解しているというか、考えていることは、まだ、ほんの自然の一部であり、全部ではない。何でもできると思ったとき、自然災害のようなことが起きるでは、過信をしてはいけないという気がした。もちろん、彼自身の真の解釈と異なるかもしれないが。。

DSCN1096.JPG これから季節は冬へ。震災後の影響が少しでも少なく、迅速な復旧、復興を祈ってやまない。。。


 わたなべしるす


 PS. そういえば、11日前後に起きる比較的大きな地震。今月も。10/10の昼頃に。なぜなのか。。。地学がわからない渡辺には、地球が生きているというか、生き物様な。。地面の下で見えないのが、何とも歯がゆい10日前後です。。。

 震災後ひとのつながりがということをよく言われる。確かに、出前講義だったり、日常生活だったり、不思議なつながり、ご縁を感じる。こうしたpositiveな面は、震災とは関係なく、継続してほしいものである。。。


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