東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2013年7月の記事です。

比較、梅雨、絶滅(7/24)

2013年7月24日 (水)

 実験をすると対象区、つまり、比較対象となるcontrolが必要になる。当たり前のようであるが、これに気がつくまでには、ずいぶんとかかったような気がする。さすがに論文を書くようになってからは、図表のことを気にするので、controlがないとおかしいと気がつくようになり、あらかじめそれを考えて実験できるようになる。もちろん、実験区同士の比較も必要である。そのためには、統計的に処理をして、有意な差があるかを検証することも求められる。今でこそ、Excelでそうした計算もできるらしいが、自分で計算する時には、教養部の頃に使った統計学の本を持ち出して、計算している。論文を書いたはじめの頃に、分離比を計算するために、その本の意味を理解しているから、使いやすいのかもしれない。本当は、もっと簡便で使いやすいものがあるのかもしれない。それこそ、比較して、新しいものへ脱却することも必要と思うが、そうは簡単ではない。比較といえば、インドネシア沖とタンザニア沖のシーラカンスのゲノムが決まって、比較すると、物理的に離れているのに、0.18%としか違わないとか。。。比較して初めてわかったとはいえ、不思議なことである。。。

 仙台は未だに梅雨明けしない。残っているのは、北陸、東北地方だけ。今日も雨が降っている。。。気温が何とか、20oCを越えているので、低温注意報が出ないで、冷害にはならないだろうと少しほっとしているが、今がちょうど、幼穂形成期、そのあと、減数分裂期、受粉のステージにかけて、低温に弱くなる。お盆が過ぎるまで、安心はできない。その意味からすると、本当はその年のお米の収穫が終わって、一段落なのだろう。実験も同じで、最後の最後まで気を許さないというか、ほぼ終わったところが、半分終わったものだと、指導してもらった教授の先生にいわれた。確かに、ほぼ終わったと思える90%くらいまでにかける時間・気合いと、最後のツメをする気合いと時間。同じくらいなのかもしれない。そういえば、昔のことわざに、「◎△は、下駄を履くまで。。。。」というのがあったような。下駄を見つけて、はなおがきついと、簡単に履けないからそう言うのだろうか。。。。というより、下駄を履いて、浴衣をきてという季節になってほしい。。

DSCN6628.JPG シーラカンスは絶滅危惧種なのか、もっと絶滅しそうなのか。。。大昔の生きた化石といわれるくらいなので、昔のままどこかでひっそり生きていた。。。(たぶん。。。)。としたら、海の中には、そんな不思議なものが、。。ジャングルの中にも。という気がする。子供の頃に、海水をどこかに吸い上げて、持ち上げることができたら、深海に恐竜がいるのではと思っていた。もちろん、そんなことできないし、。。。ただ、できたら、おもしろい。植物と違って動くので、局所的に水をなくせばよいというのでなくて、なので。。。海を動くといえば、マグロ。速いらしい。そのゲノムが明らかになった。クロマグロも、資源は枯渇している。同じようにウナギもそうである。土用の丑の日にウナギがなくならないように、また、マグロの刺身が食べることができるように、ゲノム情報をこれまで以上に利活用してほしい。。。もちろん、自分たちの研究している、ハクサイのゲノムも十分に活かして、。。と思う訳で。。。なくなってから、その大切さを感じることは、生き物だけでなく、書類だったり、日常の生活にたくさんある。。。しまったと。そうならないうちに。。そう思わないようにするためにも。。。なくさないようにしないと。。。


 わたなべしるす

 PS. 本題とは関係ないが、「仙台市青葉区川内亀岡北裏丁」でクマを発見とか。。。片平からは少しあるが、東北大の敷地の近くではないのかな。。。。

 PS.のPS. 先日までは、河北新報に記事を掲載していましたが、去年は、愛媛新聞へのコラムその9/9(日)の時に、甲子園でのプレーでとてもトリッキーなことが起きたと。それは、昔読んだ、ドカベンにもあったと。。。そのプレーとは違いますが、審判が落とした、新しいボールで。。という、これも、ドカベンをよんでいる方なら、そのシーンを思い出されるのでは。。。(確か、2年生春決勝の対土佐丸戦)。。そんなことが、現実に起きたとか。。。マンガだからといって、そんなことは起きないとは思わないようにしないと。。。何が起きるかわからない、そんな世の中なのかもしれません。。。

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Plant Biology 2013 in Providence

2013年7月22日 (月)

Plant Biology 2013 に参加するため、アメリカのロードアイランド州、プロビデンスに来ています!

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まず、空港から出て思ったこと。
暑い!!!!!!!!!
サウナにいるのではないかと思うほどの暑さ。
ニュースを見たら、体感気温は40℃くらいだったそうです。
長年東北に住んでいる私にとっては初めて経験する暑さでした。
しかしこれは記録的な暑さだったようで、今日の最高気温は27℃程のようです。

そして、2日目の夜には雷にも遭遇しました。
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雲の中で光っているのが雷です。
日本ではなかなか見ることのない大きな雷雲でした。


さて、Plant Biology 2013の会場近くはプロビデンスの中心部。
アメリカの昔ながらの建物が多い、きれいな街です。
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会場はとても広く、国際学会は規模が違うなと感じました。

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植物の研究に関する様々なシンポジウムが開かれています。
pollenやseedなどのシンポジウムを聞いてきました。
やはり聞き取れない部分も多く、改めて英語の重要性を感じています。

また、今回参加している方々を見ると、女性が多い。
男性と女性、約半々くらいではないでしょうか。
日本だと男性が多いイメージですが、世界だと女性研究者もたくさんいるのだなと感じました。


さて、今回私はポスター発表で参加しています。

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初めての国際学会発表なのでとても緊張しています。
英語で自分の研究を説明するという貴重な機会を頂いたので、
しっかり勉強して帰りたいと思います。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アメリカに来たということで、アメリカらしい食べ物を紹介します。

会場近くのショッピングモールの中にあるフードコートで
Sakura Japan という日本食のお店を見つけました。そこでTeriyaki Chikin を頼んでみました。

P7210080.JPGのサムネール画像

写真だと大きさがわからないかもしれませんが、このランチボックスは
20cm×20cmぐらいあり、高さも十分。
とてもボリュームのあるご飯でした・・・・。
これを見て、アメリカの人はこれが日本食だと思っているのかなと考えてしまいました。


次はこれ。

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アメリカらしいスイーツを食べたい!ということで、
アメリカ国旗をイメージしたドーナッツを見つけました。
中には真っ赤なジャムがたっぷり。
アメリカスイーツを満喫できました。


残り数日となりましたが、学会で多くのことを吸収し、
アメリカでしか経験できないこともたくさんして帰りたいと思います。

M2 曽根




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【出前講義】仙台市立七北田小学校・NSP七北田小サマー講座「子供が転んでも「ただ」では起きない人生を歩むためには---一科学者の子供時代を振り返って考える。。。---」(7/22)

2013年7月22日 (月)

 4年連続のNSP七北田小サマー講座。春先から、田植えキャベツとブロッコリーなどの講義に伺い、NSP(Nanakita Science Project)の方も順調に進展しているかと。また、NSPの卒業生の方が、中学校に進んで研究室の方に訪問してくれたりしました。また、今週の後半には、「夏休み大学探検2013」という形で、仙台市教育委員会との連携ですが、NSPの卒業生の方が実験にいらっしゃいます。ありがたいことです。

DSCN7000.JPG さて、NSP七北田小サマー講座は、保護者と子供さんが一緒になってという、例年取りの形で。講義内容は、いわゆる「キャリア教育」。渡辺自身をモデルとして、小学校時代から現在に至るまで、どの様に過ごして、何を考えてきたのか、といういつものお話し。

DSCN7012.JPG 小中学生は、昭和40-50年代に過ごし、その時、どんなことをして、どんな失敗をして、それから何を学んだのか。最近は、失敗をすることを恐れて、親が先回りするということを多く目にしたり、聞いたりします。そうではなくて、小さい時に、小さな失敗をすることが、大きくなって、その失敗が生きてくると。ぜひ、いろいろなことにトライしてもらえればと思います。トライという意味では、あやとりをみんなの前でやってくれた子供さんも。たいしたものだと思いました。

DSCN7007.JPGDSCN7011.JPG 前半は子供さんたちが多く、ちょうど、小学生の頃の話ができ、後半にかけて、保護者の方々が多く参加頂いたので、人生の選択ということについて、うまく話ができたのではと思います。

 今年は配布を失念していたのですが、昨年11回、愛媛新聞に寄稿した「道標」の案内先の日曜日まで河北新報に掲載していた「科学の泉」についても、最後にご紹介しておきました。HPには難しいことではなく、いろいろなことがあるので、ぜひ、見て頂ければと。。

 講義が終わったあとに、いくつか質問をいただきました。ありがとうございました。子供時代のこと、学習のことなど。今回のことが刺激となり、親子で将来のことを話す良いきっかけになれば、幸いだと思います。今は小さくても、将来、大きくなるために、いろいろなことを話して頂ければと。。

DSCN7029.JPG 最後になりましたが、夏休み前の忙しい時期にお世話頂きました、校長先生、教頭先生、理科の椎名先生をはじめとする七北田小学校の先生方にはお世話になりました。ありがとうございました。夏休み明けの元気な子どもたちにまた講義ができるのを楽しみにしています。


 わたなべしるす

 PS. 講義終了後、理科の椎名先生と野生イネの10品種の観察と給食のメロンの種が発芽したというか、すでに、メロンの苗になっているものを拝見しました。周りに、virusにかかって、萎凋している植物も多く見られ、少し注意が必要かなと。

DSCN7030.JPG イネは、少し窒素肥料不足で、色が薄くなっているのが気になりました。ぜひ、追肥をお願いできればと思います。先週あたりから、ちょうど梅雨前線が近いようで、仙台らしい梅雨寒になっていて。。少し生育が心配になっていますが、梅雨が明ければ、暑い夏になって、イネが実ったり、メロンの花というか、開花、結実が起きるのではと楽しみにしております。

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うなぎで元気!

2013年7月22日 (月)

こんにちは、M1の辺本です。

今日は7月22日、土用の丑の日ですね。土用の丑の日と言えば・・・鰻を食べる日!
実は私たち・・・一足早く(7月18日)鰻を食べてきました。
なかなか行くことができないであろう雰囲気の良すぎるいわま亭で・・・誠に美味でした。

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あ~幸せ。なべさん、ありがとうございました。

さて、土用の丑の日
土用って、土曜のことではないの?幼い頃こう考えていた人は私だけではないはず。
土用は、全てのものが木、火、土、金、水という5つの元素から成っているという中国の五行思想からきています。
春=木、夏=火、秋=金、冬=水というように、季節ごとにそれぞれの元素を当てはめていくと、「土」があまる・・・
じゃあ、季節の変わり目ってことにしよう、となったのだそうです。
よって土用とは、季節の変わり目を指し、立夏、立秋、立冬、立春の直前約18日間を指します。
ちょうど体調を崩しやすい時期ですね。

次に丑の日とは、十二支の干支が丑の日ということです。
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥・・・
最近では、今年の干支は○○といったようにしか使われなくなってしまいましたが、
昔は日、そして時間にも適用されていました。
それにしても何故、丑の日なのか・・・それは、江戸時代に遡ります。
夏場は暑くて食欲失せますよね。今のように冷房など無かった時代なら尚更でしょう。
そんな中、鰻の売り上げ不振に悩んだ鰻屋が「鰻が売れなくて困るよー」と平賀源内というお方に相談したそうです。
すると、源内は「本日、土用丑の日」というキャッチコピーを考案し、鰻屋の前に張り紙したのです。
その広告のおかげと、それに加えて「丑の日」と「鰻」の語呂が良かったのもあり、
夏場にも関わらず鰻屋が商売繁盛になったのだとか。
これが「土用の丑の日は鰻」が習慣になったきっかけだと言われています。
(※ちなみに土用の丑の日に関する説は、他にもあるそうです。)

ということで、土用の丑の日は季節の変わり目である18日間の丑の日。特に夏の土用の丑の日のことを言います。
夏バテしやすい時期に、鰻を食べてスタミナをつけましょうということです。
地方によっては鰻に限らず、「う」の付く食べ物をたべる習慣があるのだとか。
うどん、梅干し、ウニ・・・などでしょうか?あれ、「う」から始まる食べ物ってなかなか無いですね。
ここ最近は鰻の価格が高騰し、高級食品となりつつあるので、土用の丑の日にうどんを食べることもアリなのですよ。
スタミナを付けることが目的なのですから。とあるニュースではチョコパンや、甘酒などが紹介されていました。
土用の丑の日に食べるものが、変わっていきそうですね。

私にとっては初めての仙台の夏。
夏バテしないように、食事、睡眠を十分に摂りたいと思います。
軽く運動もしたいなーと思う今日この頃。そう言えば・・・運動ですが、先週走りました。

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あれ、観戦なのに何故?
はて、何故だろうか・・・翌日、全身筋肉痛でした。なべさんは大丈夫だったのだろうか。

最後に。
土用の丑の日ですが、18日間で十二支がまわると言うことは、土用の期間に丑の日が2回来ることだってあるのです。
まさに今年の夏がそうです!土用の丑の日が2回やってきます!
7月22日(一の丑)と、8月3日(二の丑)。
二の丑の時は、うどんを食べようかしら。


M1 なべ

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【出前講義】宮城県仙台第一高等学校・生物部・SSH活動他「イネ・アブラナ多様性研究」研究指導(7/19)

2013年7月19日 (金)

 今週は月曜日が「海の日」でお休みだった関係もあり、あっという間に週末になった気がします。また、前線が停滞していて、しのぎよいというより、少し寒いくらいだったので、体調管理も、まずまずだったからもしれません。いずれ、金曜日の夕方なのだと、気がついたくらいですので。さて、週末は、前から、相談を受けていた宮城県仙台第一高等学校での研究指導というか、打合せというか。。。6/6に講義があり、伺って以来。こちらも、6月は、愛媛、香川、大阪などでの出前講義があり。。7月に入ってからは、天気が余りよくなく。。そんなで、この時期になってしまいました。

 最初に、「科学者の卵養成講座」のエクステンドコースについて。2名の3年生が、やりたいと。。昨年も、埼玉県立浦和第一女子高等学校で4名の方がトライされて。。。昨年は少し離れていたので、高校でもできるないようということで。今回は、大学までとても近いので、時間をこちらと調整して、アブラナを使ったおもしろい実験ができればということになりました。中身については。。。この席では。。。ということで。また、発表する機会もあると思いますので。聞いてしまうと、何だとなりかねませんので。

DSCN6991.JPG そのあと、これも懸案の「イネ多様性研究」について。一部の品種では出穂が始まっており、他の品種でもずいぶん、止め葉が出て、穂孕期になっているんだなというのを、イネをさわりながら、実感できましたし、研究をやっている生徒さんにも理解してもらえたのではないかと。さらに、現状の写真を撮るためにどうすればよいかということを、昔、学部生だった頃に、D3の先輩に、イネの草型を画像解析するためにやっていた方法を思い出して。。。アップの写真ではないですが、それなりに、記録としては使えるでしょうし。また、出穂日、葉数、分げつ数などで、イネ全体は理解できるのではと。。。たくさんの品種がありますが、ぜひ、しっかりまとめて下さい。イネが持っている多様性がどれくらいすごいかということを実感できると思いますので。観察することは、サイエンスをすることの第一歩ですので。。。また、梅雨寒が続きますが、最高気温は、25oC前後でこのあとも推移すると思いますので、何とか、稔実率はある程度のところで確保できるのではと思いますので。

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DSCN6990.JPG 最後は、SSHの課題研究の指導。ここは、2年生全員が課題研究にトライされると。。。とても大変なことですが、やったことは5年後、10年後にきっとあのことがよかったという日が来ますので、大変と思いますが、がんばって下さい。

DSCN6993.JPG 最後になりましたが、出前講義を設定頂きました小松原先生にお礼申し上げます。ありがとうございました。明日から夏休みですが、今後もよりよいコラボができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 今日のというより、これまでの人生の40何年間、何でこんなことに気がつかなったのだろうということにぶつかりました。余りの衝撃で。。。。しばらく口が開いたままふさがらないというのは。このことだと。。。。それくらいすごいことでした。

DSCN6992.JPG PS.のPS. 昨日、カンキツを頂きました。昔であれば、ナツダイダイという、とても酸っぱい、カンキツしかなかったのが、今のはむきやすいですし、とてもジューシーで、酸味も弱く。。。品種名がわからないのが。。。それでも農学科の卒業かといわれそうですが、最近のカンキツの品種育成は、爆発的なものがあるので。。。知らないものも多くなりました。

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