東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2014年3月の記事です。

【ネット講義】循環型科学者の卵養成講座・発展コース「プラズマ照射法で自家不和合性を破る」、研究発表会準備-4(3/14)

2014年3月14日 (金)

 明日が「循環型科学者の卵養成講座」の最後の発表会とこれまでの修了生(ひよこさん)たちとの交流会。昨日の夜から今朝にかけてずいぶんと雨風が強かったです。雪でなくなった分だけ、春が近いのかもしれないと思いつつ。。。

 そんな中で、発展コースの受講生さんたちを集めて、発表会の練習というのも現実的ではない。ということで、発表をどの様にすすめるのか、また、最初の口頭発表のあと、どの様にポスター発表の前に来て、聞いてもらえるようなことを考えるのか、など、この1週間、受講生と渡辺とで、色々なやりとりが、。。3人寄れば何とかと言うとおり。これはということに気がついてないことも、誰か1名は、これが欠落してはないかなと言う感じで。。。また、渡辺の方から、一般的なポスター発表、口頭発表の時に気をつけること。普段のうちの研究室の学生さんたちにプレゼンをする前に話しをする内容を。高校生の段階でこんなことをしっかりと知っておくことは、科学者になると言うことでなくても、社会人として大事なことですので。というか、こうしたmailでの会議が高校生レベルでしっかりできるというのも、さすがだなと。。。たまごを修了して、ひよこになって、大きく羽ばたくのではと。。。楽しみです。

DSCN1832.JPG 明日は暖かくなると思いますし、しっかりとした発表を楽しみにしていますので。内容などは、また、このHPから。。。。


 わたなべしるす

 PS. 年度末の疲れが出たのか。。。このところ朝が弱くて。。。で、とある方から、朝来たらmailが。。。「愛媛で大きな地震があった」と。。慌てて、tenki.jpを。今朝の02:06頃に伊予灘を震源とするM6.2の地震が。最大震度は5強。このあたりで地震があったのは、2001年3月24日の芸予地震。そういえば、この時は、どこかに出張にでていて、友だちから電話をもらって、びっくりしたのを思い出しました。小学校の頃に、地震が来たらという訓練はしていましたが、実際に揺れることもなく、。。ただ、Wikipediaによると瀬戸内海でも100年に1回くらいは大きな地震が。。。今回の地震で、愛媛新聞に号外があるのも見つけました。県庁内の災害警戒本部。夜中の03:00頃と。夜中だったので、電話など、比較的通じやすかったのはあるかもしれないですが、被害の状況を知るのは大変だったのではないかと。大きな被害もなく、ほっとしています。

 ただ、少し気になったのが、2011.03.11の翌日が科学者の卵養成講座の発展コースの発表会。今回と同じパターン。もちろん、場所、時間などちがうわけですが。。。何か変なつながりがないことを祈りつつ。。。

DSCN1851.JPG PS.のPS. 愛媛つながりではないですが、渡辺の卒業した今治西高校が春の選抜高校野球に出場。午前中に組合せが決定とか。1回戦は、3/25(火)。ちょうど、先日の記事にも書いた「野依科学奨励賞」の授賞式。東京から勝利を祈念しております。。。

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3/11(金)、14:46から今日まで、その23(3/11)。

2014年3月11日 (火)

 今日であの地震から3年となった。あの日と変わっていたこと。午前中はあの日よりも暖かかったような気がする。地震があった時刻には外は曇っていたような。ここ数日、大きく揺れると言うことはないが、数日~10日に1回くらいは、本棚が揺れている。というか、鋭敏な本棚なのだろう。揺れるとすぐに気がつく。最近は、M5-6クラスの搖れは久しいような。。。それでも余震として、M7クラスのがあるとか。。。エネルギー的に、あの地震(M9.0)より、桁違いに小さいので、そのぶん、ほっとできるが。。。もちろん、8日くらい前に、沖縄県、鹿児島県の島嶼部がM6クラスの搖れになったというのを見たが、netで。ただ、ニュースにはなってない。とおもった。もちろん、それ以上に大きいニュースがあったからかもしれない。研究室の中にいたり、仙台市内というか、町中にいれば、震災の傷跡というか、そんなことも余り見なくなったような。。。この前の海外出張の時、仙台空港に電車で行ったとき、がれきはなくなったが、水田の区画整備をしていた。今年の作付けは可能になるのだろうか。。。一方で、ニュースでも話題になっているが、10m近い堤防のようなものがつくられているのと、その内側に、何を植えているのかわからないが、防風林の植栽が始まっているとおぼしきものを見ることができる。何を植えているのかわからなのは、木が小さいからで、震災前の防風林の状態になるのは、かなりかかるであろう。

DSCN1842.JPG ここ数日、震災当日の様子が様々な形で見ることがある。テレビ、新聞、net等々。渡辺の周辺のように、ある程度もどったところは、。。。。ただ、そうでないところは多い何より、津波被害のあった沿岸部。なにより、福島第一原子力発電所から放出された放射性物資。この3年間で何がどこまで進んだのか、どこかに一覧表でもあれば。また、当初計画とどれくらいの差異があるのか。。。そうしたことがあって、これからもっとここのところに力点とか、考えられるようになるのではと思う。言い換えれば、研究、実験をしていても、予定よりどれくらい進んでいるのか、逆に送れているのか。そのために、どこを加速させないといけないのかなど、明確になる。と言うか、そうすることが何より大事だと思う。なにより、そうした日々の変化が小さくなったからであろう。この記事を書くのは、ちょうど1年ぶりとなる。もちろん、心の中に気になっていても、変化がよい方向に進んでいるというニュースなどを聞くことがあまりないからかもしれない。もちろん、放射性物質には、半減期があるので、また、除染作業の効果だろうか、3年前よりは、各地の線量計の値は小さくなっているが、局所的にはまだまだのところもあると。

 仙台市内でも、長町の昔の貨物駅などがあったところに、仮設住宅を見かける。新幹線でも在来線からでも。それらが減っていれば、よい方向なのだと思っているが。。。貞観地震から確か、1,200年だが、その間にもかなりの津波が来ているという記事も見たことがある。と言うことは、その度に被害が出ている。もちろん、昔と今では様々な環境が違う。昔はどれくらいで復旧したのだろうか。あるいは、三陸で経験している津波からどれくらいで復旧したのだろうか。そんなことがわかれば、もう少しいろいろなことの方向性が見えてくるような気がする。そういえば、複雑な思いであるが、農学部がある雨宮キャンパスは青葉山に引っ越す。それを思うとき、雨宮キャンパスへの思いはひとかたならぬものがある。もといた場所、ふるさとを離れると言うことは、そういうことなのかもしれない。

DSCN1831.JPG 3年目の3/11, 14:46を迎えるに当たり、そんなことを思った。この大震災でなくなられた多くのみなさまに哀悼の意を表し、14:46にあわせての黙祷であった。黙祷。


 わたなべしるす

 PS. 明日からは、国公立大学入試後期試験とか。前期試験で希望を叶えることができた方、そうでなかった方。さまざまであろう。残された後期試験でできる限りの力を出してほしいと。。。仙台から、祈っています。あと少しです。夢を達成するための1つのハードルが。。。もちろん、その先にもたくさんのハードル、決断は待っていますが。。。

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広井さん、前田さん、おみやさん

2014年3月10日 (月)

この土日,2011年度卒業生の広井さん,2012年度卒業生の前田さん
ラボに遊びにきてくれました!!

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前田さんは去年の夏以来でしょうか.
「二人とも全然変わらないねぇ~」と,ますこさんが言っていました.
前田さんの今回の来仙目的のひとつは「おさかなを回収すること!」.

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何度かこのブログにも登場したシルバーシャーク2匹とプレコさんを回収していきました.
いつも陰に隠れていたプレコさんは,取り出してみると想像以上に
大きく成長していました.

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実験や論文作成で忙しいときも,私たちを癒してくれたおさかなさんたち.
いままでありがとう.
これからは前田さんの家の大きな水槽でのびのびと生活してね!


話は変わり・・・・
今,ラボにはたくさんのお菓子が並んでいます!!

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広井さん,なべさん,坂園さんからのおみやげです.
これでしばらくは生活していけそうです.みなさんありがとうございます!!


広井さん,前田さん,お忙しい中遊びにきてくださり,ありがとうございました!
またいつか会えるのを楽しみにしています♪

M2 曽根

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【出前講義】金光学園高等学校・SSHにおける「国際化」の取組についての発表会・コメンテーター(3/8)

2014年3月 8日 (土)

 課題研究中間発表会の個別分科会に続いて、SSHにおける「国際化」の取組についての発表会。最初は「国際化」の取組について、SSH委員長の田中先生から。今回の国際化の取組に加えて、金光学園高等学校でのSSH全体の取組をあわせて。自然が豊かなところ、中高一貫を活かしての取組。ポスター等にまとめるときに、最後のところで、中学生の時から「感想」を書かせるとか。この感想が将来のdiscussion, conclusionにつながるのだろうと。。。

 どこのSSH実施校もだと思いますが、海外研修、留学生の受け入れ等を行っていて。。。また、海外の先端的な研究所への研修と平行して、国内の大学とも連携。大学へのあこがれを持ってもらうために、よい大学、よい研究室に実際に行ってみると。また、その国内の大学訪問時には、留学生の方々と交流をすると。なるほど、これであれば、国内にいて、英語でしゃべったりするような貴重な体験もできると思います。低予算でと言うのも費用対効果を考えると、よいと思いました。

DSCN1858.JPG 驚いたのは、科学英語、英語の科学論文を読むと言うこと。かなり大変なことだと思いました。大学、大学院にいても、科学英語は頭を抱える問題ですから。。。実際には、英語教員と理系教員がコラボし、それのサポートを大学院生TAが行うと。。。研究室でも院生が書いた論文を博士研究員などが読んでなおしたものを、教員が修正し、最後にnative speakerの方に直してもらって、ようやく投稿ですので。論文としては。。。それに近いところまで来ているというのが、驚異的でした。。。質疑の時間を頂いたので、「国際化はもちろん大事。ただ、海外の大学と日本の大学を比較したり、なぜ、特定の研究が日本、海外の方が優れているのか、そうした歴史的背景というか、そうしたことを是否、生徒さんたちに考えてほしいと。そうした歴史を正しく理解していれば、科学の発展に貢献できると。。。」。。。渡辺がこれまでやってきたアブラナ科植物の自家不和合性研究にも30年を超えるような歴史というか、海外との競争があって、ここまで来たのはありますので。。。

DSCN1861.JPG 午後からは、英語での50題のポスターセッション。全てが英語の発表というのも初めての経験です。質問をしてくれる海外の方々として、20ヶ国だったと思いますが、75名の外国からの留学生。ここはどこなのかと思うほどでした。さらに、渡辺をはじめとする大学の教員も20名以上いましたので、1 posterに2名は英語で質疑ができる計算。。。さながら、国内での国際会議、国際シンポジウムを見ているようでした。。。。SSHがここまで来たかというすごさと、ここまで。。。というなんというか。。。もちろん、できるヒトはよいのかもしれないですが、自分たちがやっている「課題研究」の様々な意味であったり、様々な背景などを理解することも大事なのではと。。。先の歴史的なこととではないですが。。。いずれ、どちらにしても難しい問題だと。。。ただ、これまでの想像を超えるすごいものを見せて頂きました。

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 わたなべしるす

 PS. 渡辺が最初の「国際化」の取組について、質問というか、お願いをした訳ですが、そのあと、参加されていた他の大学の先生にも、こちらが指摘したことはとても大事なことだと。同感しましたと。。。こちらが少し的外れかと気にしていたのですが、共感頂ける方がいたのは、何ともいえず、心強かったです。ありがとうございました。また、何かの折りに、連携ができればと。。。よろしくお願いします。

DSCN1864.JPG PS.のPS. 発表者の中に、SSH実施校で中高一貫校があり、中学3年生の発表も。外国人と丁々発止でやっているのは、。。。。すごすぎでした。もちろん、この時期にこのレベルなのはよいこと。さらに、と言うか、次の新しい山に登るためには、是否、特定の領域だけでなく、ちょうど、科学者の卵養成講座でやっているような広く先端を学んで、領域融合をできる力を養成してほしいと。。。また、今度どこかでお会いできるのを楽しみにしております。

 PS.のPS.のPS. 金光学園高等学校があるのは、浅口市。となりの里庄町は、日本ではじめてサイクロトロンをつくり、原子核物理学などの基礎をつくられた仁科芳雄博士の生誕の町。共同研究でお世話になっている理化学研究所の仁科加速器センターの「仁科」はこの仁科博士の名前を冠したもの。時間を見つけて、町内にある「仁科会館」を見せて頂きました。1hr弱だったですが、博士の生きたすごさを見るにつけ、まだまだ、自分のがんばりではいけないと。。。。さらなる力を仁科博士から頂きました。ありがとうございました。また、サクラのシーズンには早かったのですが、この仁科加速器センターで育成された2つのサクラ品種も植樹されていました。今度は是否、このサクラが咲く頃に。。。。というか、受験生の皆さんにも、サクラサクことを祈念しつつ。。。。

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【出前講義】金光学園高等学校・SSH探求I課題研究中間発表会・コメンテーター(3/8)

2014年3月 8日 (土)

 2月から週末は荒天になることが多いです。もちろん、全国的という訳でなくて、今週末は、北東北から主に北海道のようです。と言うのも、ニュースで見ているだけなのもあって。ただ、全国的に風が強かったり、今朝の最低気温がかなり下がったのは、共通しているのかもしれません。いずれ、春が待ち遠しいです。

DSCN1827.JPG さて、この土曜日は昨年の6/5以来の金光学園高等学校のSSH探求I課題研究中間発表会のコメンテーター。 今回も生物ゼミを担当。研究材料は、虫、鳥、甲殻類など、今年も多様。繰り返し実験をどれくらいやるのか、どういう素材を使うのか、同じ実験をしたとき、 前の実験の影響がどれくらい出るのか。普段、植物を使って実験をしている訳ですが、植物以外でも、考えることは同じ。なにより、昔の実験(最近は、先行実 験という言葉が定着しているようですが、どうもこの言葉に慣れなくて、使ったことがないのですが、。。ご先祖様の実験という方が。。)でやっていたとき と、今とは時代背景も異なる。その時、昔の実験では何か考えることを見落としていたのではないか、というか、その時代にはそんなことはわかってなかったの で、それを仮定してないとか。。。この議論は、大学で行っている研究でも同じで。。。昔のdataを再解釈するとき、今との時代背景を十分に考慮しないと いけない。こちらにもよい刺激になりました。

DSCN1856.JPG 記録するのポイント。どの様な状態なのか。乾燥しているのか、ぬれているのか。植物だとdry weightという乾物重と言う概念はあります。ただ、収穫してすぐの葉っぱを計ることはそういえばないかも。また、何かを測定するとき、測定の時期、季 節によっても違う可能性も。自家不和合性でも、春は安定していて、秋は少し不安定になります。多様性と環境。これも大事なこと。そういえば、最近はやりのepigeneticsでの実験が、昨日のScienceにreportがあったような。。。時間が忙しくて中身を見られていませんが、タイトルからは。。。もちろん、高校生がepigeneticsまで考えるのは、難しいかと思いましたが、たくさん観察して、違いがわかる眼を持つことはできるし、それが大事なのではと。。。

  最近の高校生も画像解析をするというのは、驚きでした。もちろん、どの研究も基本的なことをやろうとしているとても高校生らしいテーマではないかと。自然 の中での観察が主になるので、その周辺もあわせて観察することができれば、よいのではないかと。。。自分たちが見たいものの脇に「すごい現象」があるかも しれない、そんなことを考えながら。。。

DSCN1860.JPG ここでの指導も今回で3回目だったかと。実際に実験をしている生徒さん、毎日の指導をしている先生を交えて、渡辺のような大学の教員がコメントする場と いうか、交流会というか、発表会というか。課題研究をよりよい方向に進展させるためのよい手法ではないかと思いました。ぜひ、渡辺が運営指導委員を引き受けたり、指導している高校との連携で、この手法を展開できればと思います。

 最後になりましたが、SSH課題研究の指導をされている、森下先生、滝澤先生をはじめとする多くの先生方にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。今回のコメントを参考にして、次回さらに研究が発展するのを祈念しております。

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 わたなべしるす




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