東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】今治市立朝倉小学校「花の不思議な世界」(2015年度ふるさと出前授業-1、6/10, 11追記)

2015年6月10日 (水)

 前日の仙台は朝から雨。かなりの雨が降ったのは、台風通過よりも前の4月のいつだったでしょうか。それくらい降っていなかったので。恵みの雨になったのかと思いましたが、そうでもなかったようです。少しはないよりはましで、雑草にも恵みの雨だとしたら、。。。。野放図に伸びないように。。。その管理も大変だなと。四国の梅雨は小中高と学校に行くとき、湿度が高くて。土砂降りでくつに水が入って、裸足で歩いて帰ったり。そんな子供時代でした。そんな梅雨の走りとなったこの時期は、3年前から「ふるさと出前授業」と冠を頂き、今年は、6/10-6/15の4日間で、7つの小学校へ。今年度も今治市立吹揚小学校の高橋校長先生がとりまとめをして下さり、こちらは今治市と近郊の四国中央市(旧川之江市)、新居浜市で実施。今年度、市内の中心部にある今治小学校、日吉小学校、美須賀小学校、城東小学校が統合され、吹揚小学校に。学校の立ち上げだけでも大変な折りに、このプログラムの日程調整も賜り、ありがとうございました。今年度も生まれ育った今治でふるさと出前授業ができるのは、望外の喜びです。去年までは、そんな梅雨らしい梅雨でなくて、わりと晴天に恵まれたような気がするのですが、今年は、初日の朝は、仙台の梅雨のように、低いところまで霧が立ちこめて、講義が始まる頃には霧も晴れていましたが、愛媛県内ではかなりひどいところもあったようで、交通事情にも影響が出たとか。。。。。おまけに、比較的気温が低いのが、どうしたのかなと。。。ただ、この低めの気温も週末には、30oC近い温度になるようで。。。やっぱり、ここは愛媛なのだなと。というか、少し高いような。いずれ、実際の温度を感じながら。また、このHPからと言うことで。

DSCN7217.JPG さて、2015年度、最初の「ふるさと出前授業」は、今治市立朝倉小学校。ここは、渡辺の通っていた小学校の隣の校区。というか、近くの頓田川をはさんで川向こう。子供の頃は、カブトムシ、クワガタムシをgetするための秘密の場所があったり。長い坂を登って、一気に下ると、となりの周桑郡だったか、東予市だったか。。。いずれ、あのころは、自転車でいろんな所に出かけていました。昨年度から、上朝小学校と下朝小学校が統合されて、朝倉小学校に。もと、下朝小学校があった場所に。近くに高速道路ができているので、その関係で少しずつ風景は変わっていますが、それでも昔ながらの所もあって。何より、畑、田んぼがあるのは、ほっとする風景です。

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DSCN7175.JPG 朝倉小学校の講義は5, 6年生合同で行うこともあって、1年おきに違うテーマ。昨年度が「キャベツとブロッコリー」でしたので、今年度は「花の不思議な世界」。リンゴをモデルにして話をしましたが、朝倉は、ナシの生産で有名なところ。暖地リンゴも九州などでは生産が多いようですが、四国は少なかったような。ナシの生産を行っている古谷地区の方もいらして。そんな話をする前に、この朝倉の自然の中で、いろいろな体験ができることの大切さを。学校の行き帰りに、農作物の生長であったり、花を分解してみてほしいと。渡辺が子供の頃は、ゴミ捨て場にあるテレビを壊して、真空管を取り出したり、テレビの裏に書いてある回路図を見て、かっこいいと思ったものでした。ところが、今は、何を壊しても、ほぼ、集積回路。時代は変わっても花の形態は変化していないので。この朝倉の自然の中でそうした体験を積むことがきっと将来につながるからと。少し長めのintroから。。。

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DSCN7193.JPG 講義の本題では、花から結実までをリンゴをモデルで、講義形式。もちろん、いろいろなことをみんなに答えてもらうようにして。花の名前を見て知っているかの所では、伺ってすぐに越智校長先生と植物の観察について、ちょっとした話をしていて、分類は花の形態でと言うことを話していたことを思いだして、花の名前だけ出なくて、キク科、バラ科など科(family)という分類単位のことを説明して。花粉管伸長の動画は、かなり感動してくれたのは、うれしかったですね。日々の自然の中でこうしたことが起きていることを実感してもらえれば。。

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DSCN7199.JPG 果実形成が始まると、摘果をするわけですが、その理由もきちんと理解していて。また、摘果作業をすることで、リンゴの大きさは、日本のものと海外で品種が同じでも違うことを、代表の方にたって、握りこぶしを作って、実感してもらったり。いつも写真を撮っておけばと思うのですが。。。後の祭りで。毎年感じることですが、愛媛の児童のみんなには、ミカンの名前はたくさん知っている。でも、リンゴの品種は。。。。これはしょうがないことですが、今回の講義をきっかけに少し覚えてもらえれば。ただ、リンゴの季節には少し早いので、冬にたくさんのリンゴの品種が出るまで、覚えておいてくれるよいのですが。というか、この時期にリンゴを用意して頂いた先生方に感謝でした。この時期にリンゴを用意するための工夫についても。少しだけ。難しかったでしょうか。

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DSCN7205.JPG 後半は、リンゴが持っている、自家不和合性、逆さま、リンゴのどこを食べているのか、リンゴのどの部分は、両親の遺伝子なのか、片方の親なのか。リンゴが逆さまというのは、実際に実物のリンゴを見て、観察してもらいました。すこし難しい問題と思いましたが、などのたくさんの不思議をおうちに戻って話してみて下さい。最後は、世界に向かって情報発信。最後の最後というか、全体を代表して、今日の感想とお礼の挨拶。とてもしっかりしていました。是非、朝倉の自然を活かして、これからもがんばって下さい。次は、高校生になった頃にどこかでお目にかかれればと。。。

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DSCN7210.JPG 講義のあとは、6年の児童の皆さんと給食。ちょうど座った席からは、以前、山火事になった笠松山がずいぶん緑にもどっていたのは、感動というか、自然の偉大さを感じました。質問をくれたり、あれこれと質問をしたり。楽しい時間でした。給食の準備までと終わったあと、伺ってすぐは、越智校長先生と昨今の教育事情などについて。この旧朝倉村のご出身で、このあたりでたくさん自然から学んだと。だからこそ、たくさんのことを学ばせてあげたいという校長先生の強い思いを頂きました。去年度の宮窪小学校・村上校長先生と同じく、地元愛というか、それはそうだなと。。。この後に書くであろう、桜井小学校では、渡辺も同じ事ですので。。。感動だったのは、キャベツとブロッコリーの交雑をされたり、接ぎ木をされたり、植物でいろいろなことをtryされていたことでした。うまくいかなかったようですが、それを反省にして次の年にと考えておられたのも、是非、児童の皆さんにも学んでほしいなと。

DSCN7213.JPG 最後になりましたが、本企画の立案、計画を取り仕切って頂いた吹揚小学校校長・高橋先生、朝倉小学校校長・越智先生、理科専科の渡邉先生を、はじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。最初が順調なスタートでしたので、4日間、がんばってできそうです。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 渡辺が最初に講義の準備をしていたら、5, 6年生が入場。いすに座るのをもたついていたら、羽藤教頭先生が「ちゃんとしなさい。そんなことでぐずぐず言わずに!!」と。いつぞやの立花小学校の竹内校長先生ほどではないですが、今治の風土なのでしょうか。感動でした。ありがとうございました。

DSCN7212.JPG PS.のPS. 講義が終わったあと、全体の片付けをしていたのは、6年生。最高学年として、しっかりしていました。そんな6年生にちゃんとお礼を言ってから、片付けをお願いして、4時間目の授業に出た5年生も素晴らしかったです。何かをやるとき、お互い様と言うことはたくさんあります。そうしたとき、こうした交流ができることは大事なことですから。大事にして下さい。

 PS.のPS.のPS. 午後からは、地区の方が、竹細工の工作指導をされるというので、校長室で少しお話しを。写真のような竹細工を作られるそうなのですが、稲わらでのしめ縄作りは、苦手とか。渡辺は子供頃に、近所の方に教えていただき、今もたぶん、作ることができると思うのですが。。。いずれ、地域の人的資源というか、古くからの知恵を吸収できる子供たちは、恵まれているなと。。。

DSCN7214.JPG PS.のPS.のPS.のPS. 6/11(木) 20:00, 朝倉小学校のHPに記事を見つけました。ありがとうございました。たくさん書いて頂いていました。また、児童の感想も。感動です。ありがとうございました。

 

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