東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2011年12月の記事です。

今年も残すところ。。。。(12/6)

2011年12月 6日 (火)

 気がついたら、今年も最後の月になっていた。12月になり、ずいぶんと寒くなり、風が強い日もあり、電車が運休したり、落ち葉がまったり、時雨れるような雨が降ったり、冬らしさが見えてきたなと思えるようになってきた。あっという間なのか、長かったのか、年末までの間もう少し持ち越して、考えてみたい。3/11があったので。。。

 年末までにやることは、まだ山のように残っているような気がする。自分だけが暴走して何かをすればよいというようなことでなく、どのようなやらないといけないことも、相互作用というか、相互コミュニケーションというのが、重要なものばかりである。講義もそうであろう。一方的にしゃべっても、聞いている方が楽しくなく、理解できなければ、何の意味もない。というが、そうは簡単でない。特に、初めてやる講義であればなおさらである。来週、そんな講義があり、かなり緊張気味である。

DSCN1863.JPG 研究面の言葉で言えば、「自家不和合性」も植物における、花粉と雌しべの相互作用である。相性とでもいえば、わかりやすい言葉になるのだろうか。そんな相互作用は、2つの因子があって成立する。片方だけが、無理な主張をしたり、相性に反することをすれば、相互作用、コミュニケーションは成り立たない。当たり前かもしれないが、これをうまくやることは結構難しいようである。植物だけでなく、いろいろな場面を見たとき。。何事もよりよい相性であってほしいと思う。復興まで時間がかかっている、この世の中もなのかもしれない。

 今年も残すところ、20日あまり。残された日数との相性というのがあるのかわからないが、やれることをやれるところまで、やるのが、震災復興にもつながるのであろう。。。そうそう、ずいぶん寒くなりました。HPをご覧いただいている方々も、ご自愛ください。インフルエンザもはやってきているようです。

 わたなべしるす

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 PS. そういえば、昨日、出前講義に行った子供さんから、お手紙をもらい、そのお手紙に返事を書いたら、そこにあったlabの電話番号を見て、電話をかけてきてくれました。mailなどをもらうことはあったのですが、ありがとうの電話は初めて。でんわをもらったこちらが感動でした。ありがとうございました。あと20日くらいの今年をがんばって乗り切れそうです。本当に感謝、感謝です。ありがとうございました。こういうのを、お互いのコミュニケーションの相性がよいというのだと思います。

 そういえばといえば。きのうから、新学術領域研究「遺伝子ゲノム相関」渡辺が分担をしており、この計画研究の代表者をされている、大阪教育大の鈴木先生が来訪されました。大学院生とdeepにdiscussionをしていただきました。院生さん達のそれぞれの研究内容は、まさに「遺伝子ゲノム相関」に関わるものであり、鈴木先生と院生さん達の「新しいpositiveな相関」ができ、よりよい方向に研究が進むのではと。鈴木先生、ありがとうございました。

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【出前講義】今治市桜井小学校「花の不思議な世界」、今治市立国分小学校「キャベツとブロッコリー」(2011年度ふるさと出前授業-7, 8、12/02)

2011年12月 3日 (土)

 前日は、金子小、今治小でしたが、最後の4日目の午前は、渡辺の卒業した小学校の桜井。昔から比べると、もちろん木造の校舎はなく、当時、「新校舎」と呼ばれた新しい校舎が全部の校舎になり、木造の講堂で入学式、卒業式をしていたところも、体育館になっていました。残っているのは「ユーカリの木」です。懐かしい反面、ずいぶん変わったなと。。。もう1つ同じものは、昔からの制服。講義をしながら、見ていて、ふと自分が小学生に戻った感覚になった、そんな気持ちでした。

 校長室には、歴代の校長先生の写真があり、渡辺が小学校の時にお世話になった校長先生、その当時は、担任などの先生をされていた方が、後に、校長先生をされたんだなと。とても懐かしく拝見し、昔の先生方にお会いできたような気持ちになり、うれしい限りでした。やっぱり、卒業した学校はよいなと改めて思いました。

DSCN1945.JPG 武本校長先生には、3月の今治自然科学教室の時にもお世話になっており、8月には、自然科学教室を運営されている先生方へのセミナーのようなものもお願いされていたのですが、当方が、3/11の東日本大震災の影響で大変だろうということで、見送って頂いたのは、ありがたいとともに、申し訳ない思いで。ぜひ、次の折には、また、できればと思っております。

DSCN1956.JPG 講義では、このふるさとで前授業の最後の「受粉・受精」講義だったのですが、他の小学校では、もう少し他のこともしゃべったと思っていたのですが、予定をオーバーした講義になっていたのは、びっくりでした。桜井には、リンゴの畑はないと思いますが、通学路に、なしの畑はあったような、ぜひ、観察してみてください。

DSCN1966.JPG 午後からは国分小学校。これも同じ桜井の校区にある小学校なのですが、渡辺が小学校を卒業する頃から、クラスの数が増え、その結果、2つの小学校に分かれた、その新しい小学校が、この国分小学校でした。近くを通ることはあっても、伺うの初めてでした。今回の講義の8回のうち、7回が、先にも書いたとおり、花のこと、自家不和合性のことでしたが、最後の国分小学校だけが、キャベツとブロッコリーから、どんな植物ができるのだろうかという、講義主体というより、各班ごとで考える。キャベツにもちろん根っこがあったり、ブロッコリーに葉っぱがあるのは、われわれ的には当たり前のなのですが、そうしたことを普段見ていない子供さんのために、今治南高の園芸科の別府先生が、授業用に分与頂きました。子供さんたちにも好評でした。この場を借りて、お礼申し上げます。

DSCN1967.JPG さて、授業の方ですが、5, 6年生が、それぞれ5つのグループに分かれ、キャベツとブロッコリーからどんな植物ができるのかを様々な観点から、模造紙に書きました(愛媛では、これをとりのこ用紙という名前で呼びます。昔も今も。)。今回の講義でもそうだったのですが、市販のものではないのか。ということの質問が多かったですが、キャベツとブロッコリーのそれぞれの特徴を見て、考えるようにと何度かいうと、みんな考えるようになり、新しい植物を書き始めました。書き上げたところで、全体へのプレゼン。なぜ、このような植物を書いたのかという点に力点を置き、その上で、それ以外の特徴も。

DSCN1986.JPG 1つのグループが少しブロッコリーの特徴を十分に含んでいなかったというコメントをした以外、よく両者の特徴を取り込んで、新しい植物が書かれていました。また、どのグループもみんなでよく相談したり、グループをリードする子供さんがいたのは、特徴的でした。この背景には、先にも書いた、「今治自然科学教室」で自然をよく観察し、科学を見るというシステムがあり、そこに理科好きの5, 6年の子供さんたちが参加していることがあるのだろうと。。もちろん、日々の理科の先生、クラスの先生方のご努力の上ということは当然のことですが。。

DSCN2005.JPG 最後になりましたが、桜井小学校・武本先生をはじめとする先生方、国分小学校・別府校長先生をはじめとする先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。講義を行った体育館など、各所を暖かくして頂き、腰痛を抱えての最終日は、本当に助かりました。ありがとうございました。また、来年もぜひ、お世話になれればと思います。

 4日間の午前午後で、8校に伺い、今年度の「ふるさと出前授業」は無事終了しました。本当にお世話になりました。それぞれの学校の先生方のご配慮があり、腰痛で危ないと思いつつ、何とか最後までこなすことができました。ありがとうございました。また、未来の科学者となって、どこかでお会いできればうれしいです。最後になりますが、今回のふるさとで前授業の調整役をして頂きました、美須賀小学校・高橋校長先生には、この場を借りて、改めてお礼申し上げます。来年以降もよろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 他の小学校にも声をかけてあったつもりだったのですが、こちらの連絡不足で、保護者の方がご参加頂いたのは、この国分小学校で、1名の方でした。それも、数日前の日吉小学校の理科支援員をして頂いている方からの口コミだったとか。ありがたいお話しだと思いました。こうして、輪が広がることができれば、より、理科大好きになれると思います。

 余談かもしれないですが、昨年、一昨年のいわゆる「事業仕分け」で、この「理科支援員」制度が廃止になるとか。先にも書いたとおり、今治は、自然科学教室があり、理科の先生方がいるので、ずいぶんと理科好きの子供も育っていると思います。そこに理科支援員さんがいれば、さらなる底上げになるはずなのに。今治でないところでは、理科の専科の先生がいないというところがずいぶん多いことに、全国を出前講義すると、わかってきました。そんな大変な環境で、理科支援員制度もなくなる。いったい現場は、どうやって、理科好きの子供を作ればよいのでしょうか。渡辺が理科が好きになったのも、小学校からの理科の先生と自然科学教室です。全国でもこうした環境がないことを考えると、理科支援員の廃止の事業仕分けをされた方々、ぜひ、ご一考頂けないものかと、痛感しました。ノーベル賞を増やすとか、いろいろなすごいことをいっていますが、何より、次の世代を背負う子供たちが理科が好きになってくれないとどうしようもない。なにとぞ、立派な立場にいらっしゃる方々。この制度を復活させ、理科大好き、科学立国日本を目指してほしいと思います。科学立国日本以外に、この先、生き残る道がないと思いつつ。。。。

DSCN1859.JPGのサムネール画像

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【出前講義】新居浜市立金子小学校、今治市立今治小学校「花の不思議な世界--りんごの花からりんごができるまで?? --」(2011年度ふるさと出前授業-5, 6、12/01, 06追記)

2011年12月 1日 (木)

 昨日は、今回校内の改修工事の関係などで、出前講義をできなかった、日高小学校との打合せでした。来年度は、春、秋のどちらかではできるというようなことをお話しでき、ありがたい限りでした。また、残りの時間で、今治南の別府先生にアブラナ栽培、遺伝資源のことなどを伺い、今後の参考を頂きました。ありがとうございました。

 前々日は、日吉小、常盤小への出前講義でしたが、3日目の午前は、新居浜市立金子小学校。新居浜市は今治市のお隣のお隣。今回この小学校に行くきっかけになったのは、この日の午後から伺う、今治小学校の理科を担当され、様々なことでお世話になっていた、岡田先生が昇任され、教頭先生としてこの小学校に赴任されたことでした。子供の頃はあまり電車に乗ることもなかったのもあり、同じ愛媛県内なのですが、新居浜駅で下車したことは、今回が初めてだったような気がします。朝から、少し雨模様で、昨日よりもずいぶん寒い気温でしたが、室内は、一昨日同様に、暖房を十分にかけた環境を準備頂き、ありがとうございました。腰の方も、順調な状態で、講義ができました。

DSCN1869.JPG 6年生、4クラスへの講義でしたが、今回は、特にインフルエンザなどもはやってなく、見やすい場所で見てもらえたのは、よかったのかなと。意外と知らなかったのは、お寿司に使う、ユウガオ、つまり、かんぴょうなのですが。。。最近の子供さんたちは、くるくる寿司に行くことが多く、いわゆる、にぎり寿司の方が多いのでしょう。食べる機会が。そんなで、ウリ科、お寿司に使うというのは、今の子供たちには、ヒントにならないのでしょうか。。結構、びっくりでした。初めて、大学の教員が講義をしたのかなという感じで、最初は、手を上げる子供さんたちも少なかったのですが、後半になるに従って、多くの子供さんたちが様々ことをこたえてくれたのは、何よりでした。

DSCN1887.JPG 最後は、集合写真とサイン会。ここのサイン会も盛り上がり、さて、どれくらいサインを書いたでしょうか。。。

 記事を書いている途中で、岡田教頭先生からmailを頂き、「花粉やめしべのことがよく分かった」「楽しかった」「おもしろかった」「知らないことがいっぱいあってびっくりした」などという子供さんたちの反応を聞いて、初めての学校だったですが、こちらもほっとしました。ありがとうございました。身の回りにはままだ、不思議なことがたくさんあります。ぜひ、たくさん観察してください。

DSCN1899.JPG 午後からは、午前の話にも出てきた今治小学校。今治市で出前講義を始めてから、継続している小学校です。これまでの小学校同様に、校長室、理科室とも暖かくして頂き、腰に負担がかかることなく、講義をすることができました。ありがとうございました。今治小学校も、美須賀小学校日吉小学校同様に小規模校ですが、とても活発で、質問にもはきはきと答えてくれたのは、感動でした。何より、他の小学校だったら、たとえば、アサガオ、ヒルガオがヒルガオ科で、その仲間にサツマイモがあるというのを、クイズ形式にすると、ずいぶん時間がかかるのですが、スーパーで見たことがあるという5年生。とても、毎日の生活を観察していました。また、トウモロコシにあるひげのよう見えるもの。あれは、めしべな訳ですが。。それもぱっと、こたえる別の5年生。ぜひ、東北大でいっしょに渡辺と研究をしましょう。すごかったです。

DSCN1916.JPG また、こたえる様子など、昨年教えた子供さんと似ているなと思ったら、その方の弟さん。お兄さん同様に活発で。こんなつながりができるのは、うれしい限りです。どこの小学校でも同じですが、花粉管伸長、自家不和合性の動画の時には、「へーーーーーーー」という歓声が上がったのは、うれしい限りです。植物もすごいんだぞと。。。こんな風に感動を受けながらの講義だったからでしょうか、なんか、子供たちに圧倒され続けた2hrでした。

DSCN1929.JPGのサムネール画像 リンゴ、自家不和合性、生殖、植物の不思議をたくさん理解してくれたのだと思います。また、毎日の生活の中で、観察することの大切さを学んでくれたのを実感できました。終わったあとには、いつものように集合写真。それで終わるかと思ったら、ちゃんとマジックペンを用意している子供さんがいて、サイン会、握手会。「おうちに持って帰って、宝物にしよう。」というのを聞いて、うれしい限りでした。ぜひ、感想などのお手紙をください。お返事を書きますので。

DSCN1935.JPG 最後になりましたが、金子小学校・藤田校長先生、岡田教頭先生をはじめとする先生方、今治小学校・渡部校長先生、理科の渡邊先生をはじめとする先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。また、来年もぜひ、お世話になれればと思います。


 わたなべしるす

 PS. 昨日は、母校の今治西高等学校にも伺い、生物の先生方と今年の東北大学への希望者などを伺い、ぜひ、がんばってほしいと。そんな折、渡辺が大学4年生の時に、教育実習でお世話になった、白川先生が定年されたあと、非常勤でこられておられ、お会いすることができました。とても懐かしく、昔と変わっておられず。何より、実習中に頂いた言葉というか、教えて頂いた、「年をとるほど、雑用は多くなるので、それをどれだけ迅速に右から左に片付けるか。それが、真に自分がやりたいことをやるためには大切である」と。教わった当時は、そんなこと気にすることないほど、雑用もなくだったのですが、今となっては、この言葉の意味の大切さを痛感しております。ありがとうございました。

DSCN1858.JPG それから、10/30にも一度記しましたが、科 学者の卵、SSHなどでお会いしている高校生から、というか、今年の受験生から、AO入試などで無事合格したというお知らせを頂きました。うれしい限りで す。連絡ありがとうございました。もちろん、だめだった方も、その陰にはいらっしゃるはずで。。受験は始まったばかり。捲土重来。きっと希望するところに 行くことができます。もうすこしです。力を緩めることなく、がんばってください。このような応援しかできないのが、なんとも。。。。。。

 追記 今日、12/6に、新居浜市立金子小学校のHPに渡辺の記事を見つけました。ありがとうございました。







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