東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2014年1月の記事です。

PAGⅻ お土産争奪会

2014年1月17日 (金)

渡辺先生が昨日夜、無事にアメリカサンディエゴの学会から戻られました。

口頭発表も無事終わり。。。前田くんも元気そうで何よりだわー。

 

さて本日昼前、アメリカで渡辺先生がゲットしてきて下さった、企業のオリジナルグッズやお菓子を広げ、恒例!PAGのお土産争奪会が開かれました。

 

Plant and Animal Genome(PAG)では、セッションでの口頭発表、ポスター発表のほか、様々な企業がブース出展しており、そこで最新情報を紹介してくれます。

企業ブースは、企業側としても自社製品の売り込み、名前を印象づけられる場所として有益です。

もちろん、研究者側としては最新情報が得られ、グッズや食べ物を頂けて有り難い場所。なのだそうです。

最近は頂けるグッズも多岐にわたり、企業努力のあとが見えます。

すごいなあ。お疲れ様です。

 

早速、メンバーがお茶のみ場に集まり、お土産を見つめます。D論、修論の疲れが、目にきてます。

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下の写真、左はマグネットシートです。BIONANO Genomixさんご提供。

ひとつひとつ切り離して遊べますし、スチールに書類を留めておいたりも出来そうですね。

右はカード型USBメモリ。Life Technologyさんご提供。

4GBの容量がある上、携帯に便利なカード型、しかも首から掛けて持ち歩けます。

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下の写真、左はaffimetrixさんの野菜フワフワフィギュアシリーズ!今年はトウモロコシです。

去年はトマトでした。

モデルの顔色が悪いのは、今日が修論提出日だからです。オツカレっす。

右は、他のいろいろ。ノートやUSBメモリ、付箋やめがね拭き、かばんもありました。

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Tシャツや帽子、オリジナルグッズの定番にして、王者です。

左のTシャツはTGAC(The Genome Analysis Cenre)さんご提供。

紺色、中厚の生地で、何にでも合わせやすいシンプルなデザイン。

ロゴでさりげなく理系を主張出来る、クレバーな一枚に仕上がっております。

右は、DATA 2 BIOさんご提供の帽子。刺繍もしっかりしており、いいものです。

カーキの柔らかなキャップで、コーディネートもばっちりです。オレンジがさし色ですね。

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食べ物もいろいろ頂きました。これは渡辺先生が買ってきて下さったKitKatですね。

日本ではネスレジャパンの製造ですが、アメリカではハーシーズがネスレからライセンスを借りて作っています。

チョコがハーシーズっぽくて日本と味が違う。気がする。美味しかったです。3種類の味があるので、楽しみ。

閑話休題、現在ネスレジャパンでは、キットメールサービスを実施中。

キットカットに思いを託し、メッセージを書いたキットカットを全国に配送出来ます。ご利用は郵便局で。

明日はセンター試験ですね。頑張れ受験生!きっと、サクラサクーよ!

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アメリカならではのチョコレートバー各種。

Milkywayとか、好きですねー。手加減なく甘い感じがアメリカンドリームです。

3 Musketeersは、Milkywayからキャラメルを抜いたもの、だそうです。ヨーロッパ版。

右は、フォーチュンクッキー。おみくじが入ってるお煎餅ですね。

中国由来だと考えられがちですが、元の由来は北陸の辻占煎餅にあるのです。ってwikiが言ってた。

因みに、AKB48の"恋するフォーチュンクッキー"の振り付けは、パパイヤ鈴木です。

ポップ&キッチュ、一見簡単な振り付けですが、女の子の可愛らしさを引き出す振りの数々が。

流石パパイヤ、さすが鈴木一族です。

もちろん、男性が踊ってもキュートだけどね。

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そんな訳で、他にも沢山あるんですが。。。皆ひとりひとり、それぞれのお土産を頂きました。

大変な中、沢山のお土産を背負って帰ってきて下さった渡辺先生、ありがとうございました!

私はUSBメモリを頂きました。ありがとうございました!

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そんな渡辺先生ですが、帰ってきてすぐ気仙沼出張に行かれました。

お気をつけて&時間が許せば、何か美味しい海産物食べて疲れを取って下さい。

 

 

増子(鈴木)

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TWO ZERO ONE FOUR

2014年1月17日 (金)

ご無沙汰しております。H24年度卒業生の前田です。

私は現在、国立遺伝学研究所にて、ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)のデータベースを運営・保守をする仕事をしております。今回、我々が運営しているデータベースの一つ、Oryzabaseの紹介ためにPlant And Genome (PAG) XXIIに参加し、ポスター発表とブース展示を行ってきました。

Oryzabaseはイネの総合データベースであり、イネの系統や遺伝子、文献情報などを掲載しています。掲載情報の検索結果から、系統の分譲が可能ですので、是非活用してください。

去年は学生としてポスター発表していたので、2年連続で参加することができました。特にシーケンス技術の進歩や、それを活用した研究の進展などが感じられ、とても有意義な時間となりました。卒業しても、学会などに参加して研究の一旦に触れられる環境にありがたく思うとともに、自分も研究したいという欲が出てしまいますね。

渡辺先生の発表のあとに、研究者の方が面白い内容だったと声をかけていらっしゃいました。

KIMG0058.JPG自分の中で、"面白い研究は世界共通"、言葉の壁を超えた瞬間でした。だからこそ、競争相手がいて、すごくシビアな世界だとも思いますが。

さて、PAGの話はこれくらいにして、2013年の反省と2014年の目標です。

2013年の抱負は、
「楽しませてもらうだけでなく、周りの人を楽しませたい」
でした。

卒業してからの自分は、完全に自分の趣味の世界に入っておりました。このラボで目覚めた趣味、アクアリウムです。5月に連れてきたシルバーシャークは90cm水槽でさらに大きく成長しております。
 
IMGP2391.JPGこのシルバーシャークたちを紹介しようと作り始めたホームページも、途中で放置しています。現状ブラウザもChrome以外ではレイアウトが崩れるというダメホームページですが、暇を見つけて構築していきたいと思います。そして、ネガティブな自分にとってはハードルが高すぎた目標でもありました。相手が楽しんでいるかどうかを感じられる受容体は欠損しており、果たして自分の周りの人が楽しんでくれたのか。不安しか残っておりません。

ということで、2014年の目標です。

「重い腰を上げる」

上記のホームページのように放置していることや、ダイエットや英語など、やろうと思ったままになっていることを実行し、継続する。これは、自分で計測することができるので、ぜひ実行したいと思います。

「明日やろうはバカやろう」


今日できることは、今日したいと思います。
 

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走る、続ける、推進力(1/16)

2014年1月16日 (木)

 昨日までの学会ではさすがに走ることはなかったような。。。いつの頃からか、万歩計をつけるようにしている。歩かないと、1日に3,000-5,000歩。歩くと10,000歩を超える。10,000歩くらい歩くのがよいらしいが。。。出張で電車の乗り換えとか。そうしたものでないと、その基準にならない。試しに、正月の前後からキャンパス内を日が暮れてから走っているが、どうも続かない。遺伝子を調べた訳ではないが、短距離なら、比較的走れる。labから慌てて出かけて、仙台駅まで。信号の代わり方を見ながら、走ることも。いつだったかは、ホームに上がったら、電車が。。。。セーフ。ということも。というか、こっちの方が多かった時期もあったが、さすがに最近は。。。もう少しセーブして余裕を持つようにしている。この「走る」。意外と普段のテレビで見ることがなくなったような。最近は、ニュース等しか見ないのもあって、走るというシーンに出会わないのかもしれないが、子供頃に見ていた「太陽にほえろ」では、イントロの音楽のところで、新人が走っていたような。。。この帰りの飛行機でも、「必殺仕事人」が走っていた。走ることがよいかどうかは別として、自分の子供の頃のテレビでは「走る」というか、「ダッシュする」というか、そんなシーンを見ていたので、走ることと言うか、ダッシュすることが習慣になってしまったのだろうか。。。いずれ、うちの学生にもよく走ると言われる。。。もうしばらくは「走ってみよう」。。。

DSCN1217.JPG さっきの話しではないが、続けるというのは難しい。すでに、片平キャンパス内を走らなくなって久しい。。。寒いから、凍っているかもしれないから、ということを理由にしておく。ただ、サンジエゴの学会会場と宿の往復の間にも毎朝、毎夕にジョギングをしている人たちを見かけた。同じ人たちなのかは、識別できなかったが。。。いずれ、何をするにしても、継続するのは、困難を極める。そんな一方で、小学校に出前講義にいくと、最後から1枚目のスライドには、「毎日、がんばること、努力すること、続けること」というのを入れている。小学校の頃に、毎日のように計算練習をするのがあった。ドリルと言われていたような。漢字の書き取りもほぼ毎日あったような。そうしたことがあったので、その当時は計算も漢字もできたが、今は計算は電卓、漢字は漢字かな変換がないと。。。いざ、ひらがなが漢字に変換されても、それが正しい変換なのか、悩むときがある。そんな時は、net環境にいれば、その漢字を入れて、意味が正しいのかを考える。何とも情けない。。。ただ、何か本を読んでいて、ふりがなをふっている漢字を見て、なるほど、と思って覚えることもあるというか、その文字の意味から考えて。。。「毟る」と書いて「むしる」と読むらしい。たしかにむしると少なくなる。。。読んで字のごとくとは、このことかと。。。せめて、身の回りにある本を読んで、「へーーー」と思ったときくらいは。繰り返し読んで、その漢字の意味というか、漢字を覚え直すというか。。。やってみよう。少しずつかもしれないが、続けてみることにしよう。

DSCN1266.JPG 国内の出張だと、外の雲を見ることはほとんどないというか、沖縄とかに出張でないと、外を見るという時間もない。そんな時間があったら、さっき受け取ったmailの返事でもと思うようになったのがよくないのかもしれない。時間に追いかけられているだけのような。。。時間を追いかけるようになれないのだろうか。。。追いかけるためには推進力が必要。もちろん、時間を追いかけるとなると、とてつもない推進力が必要となる。この飛行機の推進力は写真にもある「ジェットタービン」とでも言うのだろうか。むかしは、工学とか、機械が好きだったので、名前は覚えていたのだが。。。netもないので、調べようもない。ただ、この推進力のおかげで、対地速度はほぼ、1,000km/hrという速度。通常ならこの時期、強烈な西風で帰り道はずいぶんと向かい風のはずが。。。。このジェットタービンの推進力も継続するから、飛行機は飛んでいる、といってよいのだろうか。揚力と推進力のバランスだったような。。。一昨年の「科学者の卵」の渡辺の講義と一緒に話をして下さった、工学部の浅井先生から伺ったような。。もう少しちゃんと聞いておけば。。。もちろん、研究でも推進力は必要。どんなことが推進力になるのか。そんなことをつづったものを、この出張中に、渡辺の師匠である日向先生のお弟子さんになるのか、その前の教授だった角田先生のお弟子さんになるのか。そんな方から、書き物を頂いた。どうやって、研究を推進して、発展させるか。。。研究室の同窓会でお会いしたことがあるので、また、やっている研究も何となく理解できる範囲なので、だろうか。なるほどと思って読んだ。。。では、自分の研究の推進力と発展性は。。。。。。それは、学部4年生の時にD3だったトリ△ンさんに、「これをやったら、これをみつけたら、Na[]ureでしょう!!」と。やるなら、1番を目指さないと。。。そう言われ続けて、がんばって、努力したら、Na[]ureに論文を載せることができた。ただ、1番という訳でなく、1つの雲の上に出た感じ。なので、また、さらに新しい高い山があったのでそれを目指そうと言うか、そこに登頂しようというのが、推進力だろうか。発展性は。。。。師匠の日向先生の言葉ではないが、「餅は餅屋」。プロトのコラボがと思う。そんなことを考えながら、久しぶりの海外出張からの帰り道であった。。。送って頂いた先輩の方に感謝したい。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. mailもnetも電話も閉ざされた飛行機のなか。あれこれと、ぼーーーと考えるのにはよい時間でした。ということは、ふだん、それらにどれだけ、。。。そんな空間を作ることを考えてみることにしようと思うが。。。。なかなかできないのは、煩悩のおかげなのだろうか。。。

 PS.のPS. 飛行機の中だと、ボタンでCAの方が飲み物などを運んでくれる。何ともありがたい。最近はやりの「おもてなし」というのだろうか。そんなのをみて、自分もそうありたいというか、「人の◎□見て我が△◎直せ」という言葉がもたげてきた。。。今年はこれを大事にしよう。

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Plant and Animal Genome (PAG) XXII、後半 (1/15, 写真追加)

2014年1月15日 (水)

 PAG XXIIも後半というより、今日の夕方までで日本へ。完全に時間帯が世界中のどこにfitしているのか。。。今日の午前中は、渡辺が発表する「Systems Genomics」の時間帯。渡辺の発表はこちらの時間で昼前。最初のいくつかの話しは、しゃべるので緊張していたのか、緊張していたら、眠たい訳がないのですが。。。いずれ、時差というか、どこの時間帯に自分の体がfitしているのか。。。渡辺のセッションでは、gene duplication、ゲノム解析の手法等、扱っている内容はとてもheteroな。。しゃべり始めれば、何とか落ち着いたのですが、それでもやっぱり英語でのプレゼンはだめです。。。時間内に収まったのか、ぎりぎりだったか。。。いずれ、セッションが押していたので、質問が1つだけ。こちらの説明が悪かったポイントについて。。。。日本語のプレゼンはそれなりに修行を積みましたが、英語でのプレゼンはまだまだ修行が足りないと。それを痛感しました。

IMG_1987.JPG 昼食の前後に、共同研究をしている方と今後の方針などを詰めて。。。今回の出張が発表と情報収集だけでなく、さらなる発展の基盤となれば。。。昼食では、共著者でもある諏訪部先生と前田君との反省会。まだまだ修行が足りないというか、聞いている方が緊張していたと。。。もちろん、前田君からいろいろなコメントをもらった中に「原稿なしでしゃべるのは、niceというか、いつも渡辺がいっていることを実行していて。。。」と。原稿を読まなかったのではなくて、原稿を発表する場所に持って行ったのに、それをどこにおいたのか忘れたくらい、緊張していただけでした。。。

DSCN1236.JPG そういえば、昨日はポスターセッション。前田君のdatabaseのポスター、その内容などをパソコンで教えてもらったり。また、PDで仕事をしてもらって、今は、韓国に戻ったParkさんも参加していて。これからの共同研究を含めて、話ができました。やっぱり、卒業生は、よいものだと。特に、こうして遠く離れた場所に来ると、ありがたみがしみます。ありがとうございました。

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DSCN1263.JPG PAG XXIIでも、企業ブースで、この先のゲノム解析に関わる様々な機器展示、それらを使ったときに、なにがどの様に使えるかという、セミナーも。日本の大きな学会と同じですが、大変なのは、やっぱり、全てが英語と言うこと。これがグローバルと言うことでしょうか。。。

 3年ぶりのサンジエゴでしたが、これからのゲノムの立ち位置などを考える上で有益な4日間でした。また、これからコラボの話しを頂いたり。。。時差がつらかったことと、英語漬けだったこと以外は、収穫の大きかった4日間であったかと。。。もどったら、氷点下の世界が待っているようですから。24hrくらいしたら、すでに飛行機で太平洋の上を日本へ。。

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 わたなべしるす

 PS. 先日の記事でないですが、1月15日の方が、成人式というか、共通一次試験というか。そんなmailを友達から頂きました。何というか、やっぱり時代によって、その日付に対する思いも違うというか。。。


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春を待ち焦がれて ~スプリング・エフェメラルの魅力~

2014年1月13日 (月)

 こんにちは。農学部一年の木幡です。平成二十五年は大学への入学を端緒として大きく環境が変わりましたが、恙無く、得ることも多い良い年でした。今、新春を迎え思うことは、本年もますます成長と進歩を目指して日々無駄なく過ごしてゆきたいということですね。
 
  さて、このたび私が紹介させていただきますのは、魅力的な草花の話題です。スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)という言葉を聞いたことがありますか? これは直訳すれば「春の儚いもの」というニュアンスのものになり、ephemeral自体はギリシャ語の「一日の生命の」を意味する語に由来する英単語です。ちなみにephemeraは昆虫のカゲロウをあらわすそうです。では、スプリング・エフェメラルとは一体何かと申しますと、それは春の短い間にだけ我々に姿を見せる植物を総称したものです。すなわち、春に芽を出し、夏までに休眠を始めてしまう植物を指します(広義には夏以降に地上部があってもこれに含む場合があるようです)。どのようなものがあるのでしょうか?具体的な植物名を挙げて見てみましょう。

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撮影/木幡/埼玉県にて(H.21/04)

 まずはカタクリ(Erythronium japonicum Decne.)です。東北大の植物園でも多く見られる植物で、デンプン質の多い鱗茎はかつて片栗粉の原料として用いられたようですが、生産性が低く希少種となってしまった今では、そのように用いられることはありませんね。この植物は3~4月ごろ萌芽と同時につぼみをあげ、数日間開花し、受粉後に実をつけ、種子の散布を終えると夏までには休眠してしまいます。薄桃色の花を二枚の葉の間からすっと伸びた茎の先に一輪だけ咲かせる姿は凛としていて美しいものです。 

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撮影/木幡/栽培品(H.25/02)
 
 続いてセツブンソウ(Shibateranthis pinnatifida)です。その名の通り節分の時期に萌芽と同時につぼみをあげて花を咲かせる球根植物です。カタクリ同様種子散布を終えると夏までに休眠してしまいます。小さな球根からたくさん茎を上げて咲く姿はとてもかわいらしく、群生地ではしばしばこの花が絨毯のように咲き誇ることもあるようです。
 
 他にも、スプリング・エフェメラルにはフクジュソウ、イチリンソウ、アマナ、ヤマエンゴサクなど、さまざまな種類のものが見られ、一般的には植物体は小さく、明るい色の花を咲かせるかわいらしいものが多くを占めます。一方、すべてがそうというわけではなく... 

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撮影/木幡/栽培品(H.23/04)

 これはハシリドコロ(Scopolia japonica)と言う植物です。 早春に萌芽し、開花後は実をつけて夏ごろまでに休眠を始めます。巨大になり、花の色も赤紫色に近くどこか不気味な雰囲気を与えます。 そして、この植物は猛毒を持っています。こちらはその猛々しい姿が「はかないもの」にそぐわないのか、スプリング・エフェメラルとして紹介されることはほとんどありませんね(^ ^;) 

 これらの植物は、落葉樹林にあって、早春から初夏にかけて樹木の葉がまだ茂らず、日照が林床に届く短い期間に開花から種子散布までを終わらせることに特化しためにこうした生育サイクルを持っているのです。しかし、このスプリング・エフェメラルの草花たちは夏以降に地上部がないからと言ってその間に何もしないわけではありません。春の間に光合成によって蓄えた栄養分を用い、新たな球根を形成したり、来年に向けて花芽を形成したりと、地面の中では着々と活動を続けるのです。人の目にもうれしいこの春限定の植物は、ただかわいらしいだけでなく厳しい自然環境の中で生き抜くためのたくましさをしっかりと持っているのですね。
 
 今年も春になれば、林床の花たちは堰を切ったように一斉に咲きだし、雑木林がとてもにぎやかになることでしょう。今から春が待ち遠しい限りですね。街に咲く桜を見上げて春を感じるのも一つの楽しみですが、山に入って少し下を向いて歩けば桜とは違う野趣あふれる春の楽しみを発見できるかもしれませんよ。

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