東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

3/11(金)、14:46から今日まで、その23(9/11)。

2013年9月11日 (水)

 この文章を書き始める少し前、14:46を過ぎた。ちょうど、2011.03.11から2年半が過ぎた。時間の流れ方が頭の中でおかしいのか、ついこの前のような気もするし、ものすごく前のような気もする。地震の後、電気が消えて、周りが足の踏み場もなく、外は吹雪いていたのを今でも思い出す。そこからあとは、ひたすら駆け足で、研究室、研究体制の復興に向けて、lab member共同研究者など多くのサポートがあって、ここまでたどり着いたように思う。不思議なもので、震災の時には何の異常もなく、その後、使えていたものが、最近になって故障、壊れたということに出会っている。震災の復旧・復興に伴う予算措置は、もちろん、震災直後だけであったのが、実は、あとになってというものも、因果関係を示すのが難しいとはいえ、あるのではないかと思っている。

 震災以前からかもしれないが、netの普及もあり、十分に新聞に目を通していない。出張にでた時くらいであろうか。ところが、今日はnetの新聞を見て、避難生活除染震災交付金がれき除去など、今日だけでもたくさんのものを見た。新聞によっては、特集が組まれてあった。読むだけで心が痛くなった。。。。確かに、実態としても遅れているし、心の回復も遅れているのではと思う。というのも、朝の連ドラは、先週の最初が地震があった日のことから始まったと思う。もちろん、津波など実際の映像は何も出ないが、それでもあのときのことを思い出して、つらくなった。あの頃の言葉の、「自粛」、「絆」などあったなと。。あのときだけ流れたコマーシャル。そんなことを思い出して、2.5年立っても、心はまだまだ回復途上なのだと。。。。仙台の町の中という沿岸部、福島原発の近くなどとは比べものにならないくらいの被害しかなかったところにいたものでも。。。そう思った時、今日のnetの新聞が意味するところは、あまりに重たかった。。。。。何とかしたいとみんな思っているのだと思うが、なぜに、このように動かないのだろう。。。何か、これというスイッチがないのだろうか。

DSCN3026.JPG この次の記事を書くのは、3年たった時かもしれない。その時、今より明らかに目に見えるものが変化していてほしい。そうでないとあまりにつらすぎる。。。そんなことを考えた、震災から2.5年の今日であった。。。最後になったが、この震災で亡くなった方々に、黙祷。。。


 わたなべしるす

 PS. 放射線被曝から数十年を経て発症する白血病の原因遺伝子が発見されたと。。。広島大学の研究チームで、広島、長崎の被爆者で現在問題になっている事柄だと。。。今回の震災では、こうしたことがないことを切に祈りつつ。。。

 PS.のPS. 少しくらい話しばかりでしたので。。。昨日、新聞記者の方がいらして、出前講義についての取材が。。。また、新聞で発表されましたら、報告します。

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【出前講義】鹿児島県立錦江湾高校・コアSSH「課題研究支援ネットワークと教育資源活用プログラムによる中核拠点形成」・研究発表会コメンテーター(8/17-18)

2013年8月18日 (日)

 一昨日の運営指導委員会に続いて、2日間は今年度の研究発表会。昨日も書いたとおり、「ダイコン」が出発点だったですが、それ以外の分野への展開もすすめる2年目。そんなこともあり、全体の1/3の課題は、ダイコン以外の研究で、動物、食物、火山灰、火山雷、津波など、去年とはまた趣も異なり、相互に連携もできるのではと。。

 研究計画発表を聞いていて、気になっていたことは質問しましたが、いくつか記しておきます。新しい実験をしているチームもあれば、先輩の実験・研究を引き継いでいたり。。。その時に、せっかく興味深いことを先輩が発見しているのに、それを継続して、追求しないのは、少し残念なのでは。。。もちろん、引き継ぎをする方々の興味もあると思いますが。。。また、植物、作物であれば、それが生育している環境などをしっかり考えて、やっている実験が自然環境からの何を見ているのかということ、つまり、自然界でそうしたことが起きないことを実験するとしたら、実験のための実験にならないかと。。また、実験をするためには、様々な準備が必要です。ダイコンを使うとしたら、まず、種子が必要です。市販の品種であれば、購入すればよい訳ですが、例えば、ハマダイコンのような自分で種子を増殖しないといけないものは、その労力も実験のうち。そこを計算に入れないと、実験系は機能しなくなります。時間の制限もあるかもしれないですが、グラフだけでなく、可能な限り、実際の現物の写真があること、その写真に物差しがあれば、大きさも想像できます。

DSCN7163.JPG 遺伝学の実験もいくつかありましたが、考えなければならない要因はできるだけ少ない方が、結果を考えやすい、つまり、なるべく単純系にするということではないかと思います。そんなこともあり、特定の染色体の領域のみ置換したような系統もあります。もちろん、イネとか、シロイヌナズナとかのようなモデル植物の場合ですが。。。そうしたものを使うのは難しくても、できるだけ、比較するものの遺伝的背景をそろえるというのは、実験を組み立てる上で、考えないといけないと思います。大変かもしれないですが、ぜひ、トライしてみてください。もちろん、遺伝学だけでなくても、実験は単純系の方が比較しやすいです。統計を駆使して、複雑系を扱う方法もありますが、主成分分析のような多変量解析として。。。ただ、高校生が扱うのは、大変さがかなりあると思いますので。。。いずれ、次回の発表会で、おもしろいdataが出るのを楽しみにしておりますので。

 いつも議論となるのは、繰り返し実験と統計処理。育種、遺伝学というところでは、分離比などを検定するのは、当たり前のようにたたき込まれているのですが、高校生レベルでは、受験に出題が少ないということから、統計は余り、数学で扱わなかったような。。。ただ、課題研究では、測定値の間の有意な差があるかないかは、重要な問題。ただ、それをどうやってこのコアSSHで指導するのかということで、今回は、運営指導委員もされている、鹿児島大の秦先生が「科学データの統計的取り扱い--入門編--」ということで、正規分布、分散、推定、検定、相関などについて、いろいろな例を出して、課題研究をやる高校生、指導される高校の先生方には、参考になったのではないかと思います。というか、こちらもたくさんのヒントを頂きました。ありがとうございました。

DSCN7164.JPG 各校の交流をするために、3min speechと質疑。3minで自分の学校、県のことを宣伝できるくらいのしゃべることはSSHをやっているからには、ぜひ、身につけてほしいことだと思います。プレゼンをする上でも、しゃべることは、大事ですから。交流会の最後をしめてくれたのは、運営指導委員会の委員長をされている鹿児島大の内海先生から進路というか、人生というか、そんなことについて。自分の癖を知る、目の前のことを努力する、自分で決めて自分で覚悟を決めて実行する、ヒトとの出会いを大切にするなど、たくさんありましたが、他の運営指導委員の先生方もほとんど共通していて。。。人生とは、そんなものなのかもしれないなと。。。また、1日目の会議終了後には、各校の先生方とSSH、課題研究などを含めて、deepな議論を含めて、今後の方向性、出前講義の依頼などもいただきました。ありがとうございました。

 2日目の講演会は、防災について。これもこちらに来てから毎日のように降ってくる桜島からの火山灰に苦労されている都市ならではという感じを受けました。実際には、鹿児島大の柿沼先生から「津波の数値シミュレーション」という演題で。もちろん、2011.03.11の東日本大震災のことは、忘れることはできません。実際に東日本大震災の時には、現地調査にも入られた方と。。。講演では、津波、山崩れ、土石流、火砕流等の実際のモデル実験とそのシミュレーションの比較。あのときのことを思い出すとともに、その物理的な基礎、こうしたシミュレーションを他にも応用できないかなと。。。。最後の締めとしてよい刺激を頂きました。ありがとうございました。

DSCN7133.JPG 最後になりますが、今回の会議をorganize頂きました、鹿児島県立錦江湾高校・郡山先生をはじめとする関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 生徒交流会の中で、なぜ、SSHをがんばることができるのかということについて、「高校がSSH予算で潤うから。。お金が来るから。。。」というのが、。。。高校の時から、こうした意識を持っているというのは、感動でした。自分たちももっとたくさんの論文を書いて、科研費をがんばらないといけないと。。。。自分もまだまだなと。。反省しきりでした。。。とてもすごい刺激になりました。ありがとうございました。

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評価、地方在来、忘れない。。。。(8/6)

2013年8月 6日 (火)

 大学時代の師匠であった日向先生がよく言われていた。。。「日本人は評価をするのもされるのもへただ」と。。今から、20年以上前の話である。日本という島国であることも関係あるのだろうか。ただ、20年前に評価というのがあったのは、何があったのだろう。少なくとも、講義を評価するということもなかったし、どこかに出かけて、すぐにアンケートということもなかった。ところが、最近は、何かをやったら、内部、外部評価というのが付いてくる。評価ということでは、論文は審査と呼ばれるのかもしれない。それぞれの雑誌に合わせて、その雑誌が求めていることを理解した上で、審査をしたり、コメントを書く。初めてやった時には、何をどう書いたらよいのか困った。なにより、英語でコメントを書く。評価をするというのは、さらにハードルが。。ただ、これもある種の慣れかもしれない。さほど時間はかからなくなったが、それなりの緊張感とどうコメントすることが、その論文をさらによくするのか。。。審査と評価、同じようで違うことかもしれないが、やっぱり難しい。。。

DSCN6626.JPG 評価とか審査は、育種、品種改良にはつきものである。どれくらいそろいがよいか、他の品種と比べてどうかなど、品評会があり、金賞とか、様々な賞がある。市場でのそろいがよいということから、この前の河北新報にも書いたが、F1雑種育種法により、種子がほとんどである。そんな中、明日からのSSHの全国大会のタイトルを見ていて、地方野菜の研究が。。。地方に在来しているものは、評価を受けることもないのかもしれないが、地元では大切にされていて、場合によっては、最近の品種の拡大で絶滅、絶滅危惧になっているものもある。詳細は、また、ポスターを見てにするが、◎△菜とあったので、アブラナ科野菜とばかり思ったが、そうではないようだ。明日がさらに楽しみになってきた。。。

 来週にはお盆になる。最近すっかり書くことを忘れているが、お盆の前に、8/11というか、震災から2年と5ヶ月この前も大きな地震があった。というか、最近地震が多いと感じる。あの地震のことは忘れている訳ではないが、11日というにが、毎月来るが、「忙しさ」で流しているのは、。。反省しないと。。。最近になって、市内のマンションなどの大型建築物の補修が始まっているところもある。2年以上たって。。。と思わざるを得ない。何とかならないのだろうか。と、念じることしかできない。どこでどうなって、こんなに遅れているのか、どうもよくわからない。。。忘れないというのでは、今日は広島に原爆投下されてから68年目。小学校6年生の修学旅行でみた、広島平和記念資料館の展示物の悲惨さ、今でも忘れられない。震災のことも、同じくらい忘れられない。。。というか、忘れてはいけない日であった。。。黙祷。。。

DSCN6918.JPG わたなべしるす

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【お知らせ】2013年8月4日, 12時28分頃, 宮城県沖(M6.0)地震に伴う影響(8/4)

2013年8月 4日 (日)

 仙台も梅雨明けして、朝から、片平地区は作業停電。。。。いつも夏の暑い時期で。。。梅雨明けしてなければ、涼しいので、labの温度などを気にしなくてよいと思っていたのが、。。。梅雨明けは想定外でしたが、イネの生育、蔬菜、果樹の生長には梅雨明けは必要ですので。。。

DSCN6464.JPG そんな日曜日、渡辺は学会の仕事というか、。。そんなで関西に。。。labの停電の最後を見て、帰ろうとしていた高田君から、こちらの携帯に電話が。こちらは会議の直前でした。地震の速報で、宮城県でM5強があったと。。。去年の鹿児島出張の時もそうでしたが、出ている時に限って、。。。いつも頭を抱えます。こちらも慌てて、netをつないだら。。。震度5強は石巻市だけ。仙台市青葉区は、震度4。たぶん、これなら、大丈夫だろう。ただ、陸地に近いところが震源だったので。。。そのあと、改めて高田君から、研究室内の変化はないという連絡があり。。。かなりほっとしました。

 netという便利なものができたことで、迅速にこうしたことに対応できるというのは、何よりもほっとします。ちょうど停電で研究室のHPがdownしている時で。。。世の中、よくできているというか、。。。困ったものというか。。。今回は、Twitterなるもので、速報を打つことができるというものトライしてみました。あらかじめ、ご覧になった方もいるのでは。。。


 わたなべしるす

 PS. 作業停電も予定通り終わったと。。。研究室も改めて、スタッフ、院生の方々が確認してくれて、特に被害はないと。。。被害がないのと、netの迅速な復旧はありがたいものです。と、作業停電の対応頂いた皆様に、感謝です。。。ありがとうございました。

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そういえば。。。(8/2)

2013年8月 2日 (金)

 そういえば、きがついたら8月になっている。というか、7月が終わっていた。が。。。まだに梅雨が明けない。仙台の気温の50%増しの温度が西日本。というか、もっと高いのかもしれない。ただ、明日あたりから、少しずつ晴れ間が見えるようだ。どれくらいぶりだろうか。。。これでどうやら梅雨も明けて、冷害も回避できそうである。ほっとした。。。というのは、梅雨明けをして、冷害が出なかったことを確認してからにしよう。

DSCN6602.JPG そういえば、きょうは大学院の入試。うちの研究室を受験してくれた方も。。。無事にというのを祈るばかりである。。。で、そんな大学院の入試の日に「東北新幹線で遅れ」というを朝のnetで見て。。。こちらも関西方面へだったので。。。気になりながら。。。入試に影響が出たのか、そうでないのか。。。その当たりが、情報がないが。。。ないことを祈るばかりである。。。大学の入試だと、雪の影響だが、。。。さすがにそこまで寒くはないので。。。ただ、こうした非常事態に備えることの大切さも教えてくれた。こんな時、「万が一の時になって、思いをめぐらすのではなく、常日頃から非常の事態に備え、一生懸命にわが身を生かす心構えを養うべきである。」という言葉を思い出す。

 そういえば、最近物忘れが激しい。というか、忘れる。あれをしないといけないのは、やらないといけない日のずいぶん前に考えているのだが、書き記していないと、それをやる時には、忘れている。。。脳みそがどこがどうなったのだろうか。治せないのか。。

 そういえば、明日は土曜日。明後日は日曜日。日曜は片平地区の電気点検。なぜ、この暑い時期に。。。ドライアイスなど、careが大変なのに。。。冬だったら、と思う。2011.03.11も、雪が舞うくらい寒かったので、ずいぶん、助かった面があったと思う。あれが真夏なら。。。もっと研究室の被害もという気がする。

DSCN6603.JPG ということで、mailなどの返事が遅くなるかもしれないですが。。。急ぎの方は、土曜日の日中に。。。ご連絡を。。。


 わたなべしるす

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