東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

  • TOP
  • 研究室ダイアリー

研究室ダイアリー

【出前講義】石川県立金沢泉丘高等学校・SSH特別講義「農学・生命科学入門」と進路特別講義「農学、生物学、生命科学系学部、学科の紹介」(10/26)

2012年10月26日 (金)

 前日、午前中までは、小松市、加賀市内の小中高(小松高校湖北小学校橋立中学校中海小学校)での講義でしたが、午後からは県庁所在地の金沢市。農学部の同期で教養、学部といっしょで、研究室は渡辺は植物育種学講座でしたが、その方は「害虫研究室」。渡辺も小学校から虫は大好きでしたので、研究室を選ぶとき、最後まで、育種にするか、虫にするか悩みました。当時の虫の部屋には松田先生と数名の学生、院生の方が。虫が好きだったこともあり、3年生の時にも1, 2度研究室におじゃましたことがあったような。その学部つながりの方とは、卒業後は年賀状だけのやりとりでしたが、昨年の3/11の東北地方太平洋沖地震があったあと、たしか、1-2週間たった頃でしょうか。突然、電話を頂き。。。「元気か、大丈夫か、食べるものはあるのか?」と。仙台に来ているので、会えませんかと。大学のある片平キャンパスで20年以上、お目にかかってなかったので。いろいろな食糧とその当時、入手が難しかった、「卵」、「ウインナーソーセージ」、「菓子パン」を頂いたのを、今でも鮮明に覚えています。毎日、どうすればよいのか、これからどうなるかという時に、こうしたものを頂いたこと、忘れずにいて、訪ねてきてくれたことがとてもうれしくて。。。その方が卒業された高校が、今回おじゃました石川県立金沢泉丘高等学校。農学科では、愛媛県、石川県出身というのは、関西というわけではないですが、仙台から見たとき、遠いところからでした。そんな震災でのつながりもあって、今回の講義となりました。

 前置きがずいぶんと長くなりましたが、講義の内容は、先日の宇都宮女子高等学校のSSH特別講義と同じ形式で、前半に渡辺が研究している「自家不和合性」、後半が渡辺が小学校から現在に至るまで、どのような決断をして今に至っているかという「キャリア教育」。慌ただしかったこともあり、出し物をできなかったのが残念でした。。。宇都宮女子高等学校では、1年生の全学年対象でしたが、ここでは理数科に限定した形式。ちょうど、月初めの豊岡高校と同じパターン。午前の小松高校での講義と同じで、ヒマワリの上で花粉、ハチミツを集めている「ハチ」は、次にどこに行くのか。ここでも「違う花。。。」。では、その種類はと。「レンゲ。。」。。。それは春の花で。。。また、相対性理論を使ったワープが必要。。。これには困りました。というか、花にしても野菜にしても、旬というか、咲く時期がわからなくならないくらい、ものが豊かになったのかもしれません。そんな前置きのあと、自家不和合性の仕組み、花粉とめしべの相互作用などをお話ししました。このあとは、渡辺の小学校から今までを語り、どこでどう決断するかという「キャリア教育」。理数科であり、課題研究があるわけですが、大学での研究は研究室にテーマがあり、それをやるのは、先輩の基礎があり、研究費があるから。などなど。少し夢がなくなったかもしれないですが、現実も見れたのでは。。。質問する時間を十分にとれませんでした。続きは、レポートに書いてください。お待ちしております。どれか、1枚のスライドはおもしろかったとか、おもしろい話があったのであれば、幸いですし、これがきっかけで、植物もおもしろいと思って頂ければ。もちろん、渡辺の研究室での研究は、Super-welcomeですので。

DSCN4341.JPG
DSCN4351.JPG
DSCN4354.JPG SSH・特別講義に続いて、農学部、生物系の生徒さん向けの講義。農学部、生物系ではどのようなことを学ぶことができるのか、また将来の就職先は。さらに、自分の高校の時を例に引いて、何を今学んでおいて、大学に進んでほしいか。そうしたことを講義した上で、可能な限り、質問をうけました。何より、自分にfitした師匠を見つけてほしいと。質問では、遺伝学をやりたいという生徒さんも。うれしいですね。ぜひ、渡辺のところでいっしょに、自家不和合性、アブラナ科作物の多様性の研究をしましょう。楽しみにしています。

DSCN4358.JPG
DSCN4367.JPG
DSCN4371.JPG 講義のあとに校長先生と話す時間を頂き、震災のことなど、ご心配頂き、また、次年度以降も今回のような出前講義をお願いしたいという依頼を頂けたのは、何よりでした。ありがとうございました。

 最後になりましたが、今回の講義をお世話頂きました、SSHの濱本先生、長谷部先生、村上先生、進路の吉村先生をはじめとする多くの先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。


 わたなべしるす

 PS. 講義の最後に、この文章の最初のところで書いた、金沢泉丘高校に来た理由を話しかけたら、震災当時のすごかったことを思い出し、あついものがこみ上げてきそうになるのをこらえるのが。。それほど、震災のことは、まだ、心の中で残っているのだなと。。。。そう考えたとき、津波など、もっとひどい被害を受けておられる方々の苦労が忍ばれ、つらくなりました。一日も早い復旧、復興を願わざるを得ない気持ちで講義を終えました。






ページの一番上へ

【出前講義】石川県立小松高等学校SSH集中講義・討論会-1(生物部員との討論会、ダイコン栽培他の指導)(10/24-25)

2012年10月26日 (金)

 話の順番が逆になりましたが、小松高校での最初の2日間。今回の出前講義がとてもwelcome頂いているのがよくわかるのが、welcome boardが毎日、変わっていること。感動でした。ありがとうございました。

DSCN4082.JPG
DSCN4086.JPG
DSCN4252.JPG また、小松高校の卒業生で、現在は東北大・農学部の1年生で、渡辺の研究室でアルバイトをしてくれている定池さんが、この夏休みに2回(8/10, 21)に亘って、高校のことを取材してHPにもupして頂きましたが、渡辺が小松高校で使わせて頂いている机は、さらにversion up。感動でした。いろいろなものが増えているのそうでしたが、何より感動なのは、机の上の数学の問題集。少しデザインは変わりますが、渡辺が高校時代にも使っていた「数研出版の数学の問題集」。愛媛新聞の記事にも書いたことがありますが、昔ながらの後ろに答えだけが載っていて、解法はないというversion。この問題で、高校時代は数学を鍛えられたのを思い出しながら、ページをめくりました。

DSCN4265.JPG 初日、2日目とも夕方に、生物部の方々、課題研究で生物を材料にしている生徒さんたちと、実験の進展具合、研究の内容をどのように議論するのがよいのか、さらには、ちょうど課題研究の要旨集の〆切り。要旨は日本語だけかと思いきや、いわゆる、Abstractの部分は英語で。そんなのを議論したり。もちろん、外回りも観察。ダイコンコンソーシアムのHPにある、守口タワー。守口ダイコン作成のための、一抱え以上ある大きなつつにダイコンが栽培されており。百聞は一見にしかず。本当にすごい栽培装置でした。高校生ならではというか、大学ではこれは作れない。。感動でした。

DSCN4083.JPG
DSCN4255.JPG 他にも、アブラナの栽培、普通のダイコン栽培も、多くの品種、雑種をトライしており、来春にかけて、おもしろい実験ができると思います。がんばってください。ダイコン以外の生物材料を使っている生徒さんたちともかなりdeepな議論ができました。ありがとうございました。

DSCN4260.JPG こうした中で見つけたもので、すごかったのは、ダイコン研究チームで計測に使っていたデジタルノギス。これは感動でした。うちの研究室でもぜひ使いたい道具だと思いました。戻ったら、買って使ってみることにしたいと思います。

DSCN4263.JPG
DSCN4079.JPG これ以降の残り2コマ分(10/26)の記事は、別枠で。


 わたなべしるす

 PS. 放課後に、以前HPでも紹介したESS部員の方々とお目にかかりました。優勝できるところまでサポートできなかったですが、このことを糧にこれからもがんばってください。









ページの一番上へ

【出前講義】小松市立中海小学校・特別講義「ヘチマとそのなかまたち--実は、たくさんの仲間がいます--」(10/25, 27追記)

2012年10月25日 (木)

 この日の午後からは、4, 5月にも伺っている中海小学校の5年生。すでに、2回の講義をしており、話を聞いてもらう子供たちもこちらもなれた状態でというのが、ちょうど、七北田小学校木町通小学校と同じ感じでした。夏がかなり暑かったこともあり、畑にはヘチマもゴーヤも大きく成長しており、ヘチマは生長ステージが異なるものをサンプリングして、講義に使わせてもらいました。

DSCN4205.JPG
DSCN4210.JPG ヘチマの講義は、この秋は人気の講義で、富田小学校木町通小学校七北田小学校。ヘチマ、キュウリなどの切り口を見てもらい、先の3つの小学校では、ヘチマは小さい時はヘチマと似ていて、人気だったのですが、中海小学校ではどうもにおいがだめだったような。。。他では、ヘチマを食べるような話もしたのですが、今日は封印。果実、雌花などは、ヘチマの他のウリ科作物(スイカ、メロン、キュウリ、カボチャ、ゴーヤ)は、比較的区別しやすいですが、種子、ふたばは簡単ではないことも写真を見てもらって実感。また、子葉はたたまれて、種子の中にあるということも発芽を見ながら。。。今まで見ていたウリ科に対する見方が、少し変わったのではと思います。この小学校でもいつものように集合写真。

DSCN4235.JPG
DSCN4238.JPG 帰り際には、教室の外までいつものようにみんなでお見送り。ありがとうございます。そんなこともあって、ダイコンの畑を見る時間を作れず。。。雪に負けず、すごいダイコンができるのを楽しみにしております。雪が降るまではできるだけたくさんの成長の違いを観察してみてください。

 最後になりましたが、お世話になりました、田中校長先生、三星先生をはじめとする関係の先生方にはこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。また、来年以降もよりよい連携ができればと思います。

DSCN4248.JPG
 わたなべしるす

 PS. 北國新聞社からも講義の取材を頂きました。新聞に掲載などされましたら、また改めて、お知らせします。ありがとうございました。

 PS.のPS. 朝からの3校の出前講義には、小松高校の寺岸先生、松原先生にお世話になりました。ありがとうございました。

 PS.のPS.のPS. 27日付の北國新聞に「ウリ科の植物学ぶ」というタイトルで記事になっていました。ありがとうございました。

ページの一番上へ

【出前講義】加賀市立橋立中学校・特別講義「キャベツとブロッコリー--何が同じで何が違うの???--」(10/25)

2012年10月25日 (木)

 加賀市立湖北小学校に続いて、近くの中学校の加賀市立橋立中学校へ。中学校での出前講義は、2008年の工学院大学附属中学校以来。橋立中学校は、海沿いから少し内陸に入ったところ。そうした立地条件もあり、近くに小学校と中学校を新しく建て直して、明日から引越をというところで、お忙しい中、出前講義となりました。

DSCN4145.JPG 講義内容は、湖北小学校と同じ、「キャベツとブロッコリー」。中学生だということもあり、湖北小学校よりは簡単に説明をして、早速、各班ごとに、両方の遺伝子を持った植物を書いてもらいました。海も山も近いことから、自宅でキャベツ、ブロッコリーを栽培しているという農家の生徒さんも。そのあたりはさすができちんと植物というか、作物を普段から観察しているなと。書き終わったところでプレゼンをしてもらい、その解説。解説では、少し難しかったかもしれないですが、キャベツの茎が短いこととか、ブロッコリーはあっという間に花が咲くようになっているとか、カリフラワーに光を当てても、ブロッコリーにはならない等、少し難しかったもしれないですが、これから学習する植物について、少し予習的な内容になったのではと思いました。

DSCN4152.JPG  最後になりましたが、お世話になりました、明翫先生をはじめとする関係の先生方にはこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。


 わたなべしるす

DSCN4196.JPG



ページの一番上へ

【出前講義】加賀市立湖北小学校・特別講義「キャベツとブロッコリー--何が同じで何が違うの???--」(10/25)

2012年10月25日 (木)

 今週の初めは、福島県立岩瀬農業高校への出前講義でした。週の後半は北陸遠征。小松高校湖北小学校橋立中学校中海小学校金沢泉丘高校への出前講義となりました。小松高校中海小学校にはこの4, 5月に講義で伺いましたが、それ以外の3校へは初めてとなりました。10/24, 25の夕方にも小松高校で、研究指導などありましたが、これについてはまた、別紙面で。

 10/25の朝は、加賀市立湖北小学校。加賀市は小松市のとなり。これまで石川県には何度か伺いましたが、初めての市町村です。講義はこれからシーズンとなる、「キャベツとブロッコリー」。途中には、たくさんのブロッコリーの畑もあり、小松・加賀地区ではブロッコリーは一大産地というか、名産というか。学校は最近建て直したところで、とてもきれいで。学校の中に畑も田んぼも。とてもよい環境でした。

DSCN4091.JPG キャベツとブロッコリーの講義は、いつもは5, 6年生向け。今回はそれを3年生がトライ。かなり大変かなと思いつつ。。。トマトの生長から説明をして、キャベツ、ブロッコリーに。そのあと、では、キャベツとブロッコリーの交雑、つまり、両方の遺伝子を持つ植物をつくったら。ここですごかったのは、いつもなら、各グループで1つの絵を描くのを、各自が1つまたは、2つ。それも、早い子供さんは15minもあれば。。。かなり感動しました。発表も各班の全員が説明するのから、代表が説明するのまで。でも、理科が3年生から始まり、植物の成り立ちを習い始めたばかり。にもかかわらず、キャベツの茎とブロッコリーの茎は、同じものという理解をしている点は、とてもすばらしいと思いました。ぜひ、この柔軟な考え方を伸ばして、自然豊かなところで、科学への興味をさらに発展させて頂ければと思いました。感動でした。

DSCN4099.JPG
DSCN4129.JPG 最後になりましたが、お世話になりました、中村先生をはじめとする関係の先生方にはこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。

DSCN4140.JPG わたなべしるす

 PS. この記事を書いたあと、出前講義関連の先生方といろいろdiscussionをしていましたが、その間の19:32に、宮城県沖で震度5弱(M5.6)の地震が。。。(仙台市青葉区は、震度3でしたが。。)昨年、3/11の余震とか。。。。出張中でびっくりだったのと、油断をしていました。慌てて、研究室に連絡を入れて、特に物事は起きてないことを。ほっとしました。




ページの一番上へ

« 216 | 217 | 218 | 219 | 220 | 221 | 222 | 223 | 224 | 225 | 226

ARCHIVE