東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

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研究室ダイアリー

【お知らせ】PCP表紙コンテスト 結果発表(5/12)

2011年5月12日 (木)

 2/19のHPで、第52回日本植物生理学会年会での、PCP企画「Cover Design Contest」他についてのお知らせをしました。残念ながら、3/11の東北関東大震災により、当日開催される予定の2つのPCP企画は開催できませんでしたが、PCP表紙コンテストは、on-lineでの投票を集計することで、結果が先日公表されました。

 みなさまが予想されていたものか、それともそうでないものか。お時間のある方はぜひ、結果のHPをご覧下さい。また、投票いただきましたみなさまにこの場を借りてお礼申し上げます。

DSCN1740.JPG PCPのeditorもあと半年ちょっと、少しでも良い論文が掲載され、高く評価されるよう、努力したいと思います。


 わたなべしるす

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【出前講義】福島県立福島高校・SSH「アブラナ科植物を利用した研究指導」(5/10)

2011年5月12日 (木)

 連休も明け、通常であれば、出前講義、科学者の卵の活動という、「アウトリーチ活動」もあちこち始まっているところですが、3/11の大地震があったこともあり、スタートがかなり遅くなりましたが、ようやく、あちこちからの依頼も始まりました。来月には、新しいSSH校の運営指導員も仰せつかり、また、新しい発展が楽しみです。

 なんと言っても、アブラナ科植物はこの時期が開花と言うこともあり、遺伝学の交配実験、形態観察のポイントなど、実際の植物が植えてある、プランタ、畑を観察しました。100個体を超える植物を管理している生徒さんも、震災直後に、学校が休みとなり、しばらく観察しないと、あっという間に抽苔して、開花していたことに驚いていました。地震がなく、福島原発の影響がなければ、毎日観察して、どの様に抽苔するかをみることができる大切な時期を逃したことを残念がっていたのが、とても印象的でした。それまで手塩にかけて育ててきた、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなどが、ちょっとみない間にこんなになるとはと。それくらい大事に思って栽培してくれていた生徒さんがいたことを感動するとともに、ぜひ、SSHの活動でその思いを発展させ、遺伝学実験、形態観察などを行ってもらえればと思います。前回の4/12の訪問時には、新幹線もなく、在来線での福島へと言うことで、時間もかかりましたが、新幹線も開通しました。ぜひ、東北大での実験、研究指導での訪問も継続したいと思います。なにより、地震、放射能という大きな被災地ですから。

DSCN0227.JPG 以前にもこのHPで記したように、アブラナ科植物には、セシウムを吸収する能力が高く注目されています。そうした話にもなり、今回のことが放射性セシウム137のことを研究するというか、放射能、放射線と言うことを今まで以上にSSHの活動として、考えることができるのだと痛感しました。

 ただ、今回の活動を通して感じたこととして、放射性物質はいわゆる、「管理区域」という閉鎖された部屋の中で使い、その外では一定以下になると言うのが、RIを利用することだったような。つまり、現状では、部屋の中が管理区域外になっていて、外が管理区域という逆さまというか、何とも不思議な状況でした。と言うか、こんなことが、放射性物質の取り扱いという点から、法律上、問題はないのでしょうか。RI取扱主任者でれば、分かることなのでしょうか。少し調べないといけないと。。。。

 科学者の卵の受講生の方々ともお会いでき、この3月にできなかった「発表会」のことを残念がっていましたが、夏休みに開講されると言うこと、表彰状などは、すでに受講生のところに届いていると言うことで、その点を喜んでいただいたのは、こちらもうれしい限りでした。また、何より、今年のこうした状況で、「科学者の卵」があるんだと言うことが励みになっているのを感じ取れたのは、うれしい限りでした。

 今後もよりよい連携ができ、アブラナ科植物を利用した研究指導だけでなく、それをベースとした、生物学、科学、物理学との融合の研究を発展させることができればと思った次第です。

 最後になりましたが、様々な面でお世話になり、また、研究状況のお話を頂いた、福島高校・橋爪先生、原先生、秦先生をはじめとする多くの先生方にこの場を借りて感謝します。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 新幹線からの風景では、宮城、福島県内でも、水田を作り、田植えの準備が進んでいたのは、ほっとする風景ですが、これを記している5/11には、神奈川県の「お茶」から、基準値以上の放射性セシウムが検出されたとか。そんな遠い場所でと思うと、宮城、福島のことが心配になるのは、農学部を卒業したものだからでしょうか。。。

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はじめまして

2011年5月10日 (火)

新しくポスドクとしてメンバーに加わりました坂園です.仙台から遠く離れた九州の福岡から移ってきました.今からすでに冬を無事に越せるか心配です.

このたびは,東日本大震災でお亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに,被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます.復興には長い年月が必要になるかと思います.私もできることから始めたいと思っています.
私は地震当日,偶然にも仙台に滞在しており,夕方の便で福岡へ帰るために仙台空港へ向かおうとしていたところでした.結局帰ることができたのは1週間後だったのですが,仙台滞在中は渡辺先生を始め,多くの方々に大変お世話になりました.この場をお借りして改めてお礼申し上げます.
あの1週間は人の温かさを改めて実感した期間でもありました.被災1日目にひとりきりで避難した小学校では,見知らぬ私に食べ物や毛布を分けてくださり,そばで一緒に過ごしてくださった方々もいました.今回の被災時に限らず,困ったときにはいつも誰かに手を差し伸べてもらっているなあと感じることが最近多いのですが,ではどうやってそのお返しをすればよいのかと考えると...なかなか難しいです.

ともあれ,仙台にできた新たなご縁を大切に,自分にできることを精一杯していきたいと思っております.どうぞよろしくお願いいたします.

PD さかぞの

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心の問題、眠っているdata、風が吹いたら、。。。(5/9)

2011年5月 9日 (月)

 先週末、とある学会の評議員会で東北大、仙台、東北地方の東北関東大震災に伴う被害などについて、報告する機会がありました。昔と違って、mailなどがあり、それで返事が来るので、それなりに復活していると思われる方もいれば、まだ、これからという点を話すと、継続的なサポートの声を頂いたり。その中でも議論になったのですが、3/11のM9.0というのはとてもすごい搖れでした。3Fという場所でさえ、かなり揺れました。もっと高層建築の建物にいれば、もっと大きかったと思います。場所によってもかなり違います。そのときから比べれば、余震はあるものの、小さくさほどでもありません。ただ、これは、人の心の感じ方の問題です。渡辺は大きな搖れにひたすら耐えてと言うか、何もできずに立っていました。天井が落ちるなどが起きなかったおかげか、特に恐怖心は植え付けられませんでした。ので、搖れがきても、さほどという感じです。一方で、RIを使わないで、遺伝子実験をやった世代でもあることから、放射性物質の飛散には頭を抱えるというか、そちらの方が恐怖の塊でしかありません。いずれ、こうした「心の問題」で、仙台に帰ることができない学生がずいぶんたくさんいると言うことを伺っていました。本当は、そうなんだけど、それが言えないという方も多いのではと危惧しております。そんなとき、共同研究が例えば、関西方面などであれば、また、違った雰囲気で実験できるでしょうし、共同研究ベースがなくても、新しくそうした方々を受け入れてくれると言うことを学会として、とりまとめていただけると言うことを聞き、ほっとしております。頭では分かっていても、心の問題はそれとは違う反応をしますので。。。

DSCN0498.JPG そういえば、出張先で「放射線遺伝学」に造詣のある先生とお話しする機会がありました。今も農水省には、放射線育種場というのがあり、gamma線照射により、新しい品種が出ています。自家和合性に変異した、「おさ二十世紀」梨というのもあります。そうしたpositiveな面は、学生の頃の「植物育種学」で習ったのを思い出しました。ところが、この様なことが確立するまでには、放射線が生物に対してどのような影響があったのか、動物、植物を交えて様々な研究があったようです。植物でも、trickyな系を使って、低線量の放射線が与える影響というのを調べた方がいたというのを伺い、今の状況を想定していたかのようで、驚きと感動と感謝の気持ちになりました。渡辺の方でも十分に咀嚼できてない部分があるので、また、改めて、このことは記したいと思います。お時間をいただければと思います。ここで思ったことは、植物、生殖、遺伝というこの別々のことを見ても、渡辺の知らない眠っているdataがたくさんあり、それらを死蔵しないように、利活用できるようにしなければ、なんのために、それが積み上げられたのか、ということを思い知らされたような気がしました。これを機に、昔の本を探してめくってみるだけでも、考え方がずいぶんと変わるのではと思いました。

 心の問題も、古いdataも、こうした事態が起きたので、考えるようになったのかもしれない。まさに、「想定外」とも言えることと言うか、「風が吹いたら桶屋が儲かる」みたいな関連がないようなことを関連づけるしか、これからの社会全体を考えるのしかないという気がする。社会だけでなく、サイエンスもかもしれない。ありきたりのことでは、このあと大きな発展は見込めない、そんな気がしてならない。。。。


 わたなべしるす

DSCN0500.JPG


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前田です。

2011年5月 7日 (土)

はじめまして、渡辺研新M1の前田です。

 

この度の東日本大震災において被害にあわれた皆様にお見舞い申し上げます。

もう2カ月がたとうとしていますね。当時は、山形県の日本海側、庄内にいました。

あちらも揺れはしたのですが、住んでいた日本海側とテレビ越しに見る太平洋側とではまるで世界が違うようでした。

引っ越しなども遅れ、GW直前にようやく仙台にくることができました。

あのような大災害にも関わらず2カ月足らずで不自由なく住めるようになっていて、仙台の方々のパワーに圧倒されています。

しかし、まだ避難所生活をしておられる方がいるのも事実で、何か自分にもできればいいと思います。

 

GWは部屋の片づけや足りないものを買いに行っていたのですが、仙台の街は賑わっていました。

東北魂、底力を感じました。

1日でも早い復興、1人でも多くの笑顔を願っています。

 

また、ラボのみなさんはとてもいい人たち、熱い人たちで感動しました。

そのメンバーとしてしっかりしていきたいと思います。

 

前田。

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