東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

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研究室ダイアリー

今月からM1になりました山村です。

2011年4月26日 (火)

今月からM1になりました山村です。
まずは大震災の被害をうけられた大勢の皆様にお見舞い申し上げます。
心に大きな傷を負いながら、誇り高い日本を体現するような立派な態度を貫いている被災者の方々の姿に打たれました。

私は3月11日もラボにいましたが、地震の揺れと被害、その後の市内の大混乱は想像を絶するものでした。地震後には大学の指示により実家・長野に帰り、大学に入って以来最も長い帰省となりました。長野県も北部が大きな被害を受けましたが、実家のある長野中部あたりはいたって通常の生活をしていて、被災地とのあまりのギャップに驚き、周りの人と話していても、大震災の混乱と心細さを十分に伝えきれない、理解してもらえないもどかしさを感じました。仙台を離れても地震のことが頭から離れず、何事にも集中できず自分が自分でないような状態で、周りの人たちが当たり前のように日常の仕事を継続できることが不思議にも理不尽にも感じられたのですが、考えてみれば、東日本にあれだけのダメージがあったにもかかわらず日本が動いていけるのは、被災地以外の人々が日常業務を継続してくれているおかげに他なりません。

思いやりとは何だろうと考えます。10代半ばまでは飢えた子が一人でもいるなら、自分も食べてはいけない不安で眠れない子が一人でもいるなら、自分も寝てはいけないそれが思いやりの形である と思っていました。

今思うのは、辛い人と一緒に泣くのは思いやりのひとつの形ではあるけれど、それが絶対ではない。自分が少しでも有利な環境にいて何かが可能であるなら、その時それを行う、食べられるなら食べ、眠れるなら眠り、学べるなら学ぶ、他人の辛さに共感することは必要だけれど、引きずられずに自分の仕事を継続することもまた必要であり強さなのだと思います。

5月6日には生命科学研究科の入学式が行われます。
良い出会いの春になることと期待しています。

M1   山村 香織

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外部評価、アブラナ・ヒマワリ、歴史は繰り返す。。。。(4/24)

2011年4月24日 (日)

 新年度が始まり、この週末からはいわゆる「ゴールデンウィーク(大型連休)」が始まる。ただ、大学の入学式が5/6と言うことが関係あるのか、ないのか、どうも新年度が始まった感じがない。同じように、昨年度が終わったという感じもない。3/11の大地震があって、まだ、頭の中は中に浮いているのかも知れない。こんな脳みそ状態であるが、大地震以降、それなりの決断をして、labにとっての損益が最小になるように「危機管理」を行ってきたつもりであるが、それが良かったのかどうか、どこからか、いわゆる、「外部評価」を受けるしかない。実際、渡辺が行っているプロジェクトにおいても、多くの場合、必ず「外部評価」を受ける。あらゆる部分において、「外部評価」が適正に行われれば、「危機管理」もよりよい方向に機能するのではないかと感じる。誰か、御願いできないものだろうか。。。

 先日の新聞か、netに「セシウム」の回収に、「ヒマワリ」を植えようと。放射能汚染された土壌を改善するために。さらに、堆肥化を行い、体積を小さくして、保存というのを見つけた。「ヒマワリ」だけでなく、「アブラナ」も良いそうである。そういえば、「アブラナ」を栽培するとき、かなり肥料をやってもどんどん育ち、「肥料負け」しないという記憶がある。どんどん、窒素、リン酸、カリを含む肥料をあげていたような。。。この「カリ」つまり、「カリウム」と「セシウム」が植物栄養学というか、植物肥料学という点で、同じような挙動をするようである。つまり、できるだけ、貧栄養の状態でやるのがよいようである。「カリ」はあげないで、「窒素」、「リン酸」だけをあげる工夫をしなくてはいけないのは、最近の高度化成肥料になれている人間にとっては、不自由を感じるが、工夫をして、この「ヒマワリ・アブラナ」プロジェクトが成功し、放射能汚染された土壌が改善されることに、アブラナで役に立つのであれば、ぜひ協力したい。そういえば、5年ほど前に、とあるプロジェクトで、「イネ・アブラナ」を「戦略作物」という定義をして、この作物が重要であると提案したが、rejectされた。今日のようなことがあることを予測した説明を行い、その重要性をもっとアピールできれば、その間の実績で今回の震災に、より大きく貢献できたのではないかと痛感している。

DSCN3096.JPGのサムネール画像 こうした被害をtotalに解決するためには、やはり、人類の全知全能をかけて、解決することが重要であろう。つまり、領域融合を行い、使える科学技術を総動員する必要がある。すでに周知となっているが、「貞観地震」と言うのが、1,000年くらい前にある。それについても、東北大学の10年前くらいの学内の冊子にとある教授が書いていて、警鐘を鳴らしているらしい。つまり、歴史は繰り返すと言うことであり、領域融合は文理融合まで考える必要があるのだろう。そういう意味で、東北大学で行っている高校生教育プログラムの「科学者の卵養成講座」でそうした予測した人がいたことを紹介できなかったのは、科学者の一人として、反省すべきであろう。つまり、こうしたかつての歴史の意味であったり、昔からの言い伝えであったりするものが、その時代の科学というか、英知の全てをもって記したものであるのだろうということを伝えれなかったのは、。。。新しいことばかりに目がいきがちなことを、そうでなく、「温故知新」をすることが、いまのことをする大切なことなのであろう。そういう目で、自分の研究全体を見つめ直す良い時期なのかもしれない。


 わたなべしるす

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3/11(金)、14:46から今日まで、その9(4/23)。

2011年4月23日 (土)

 その8を記してから、10日近くたちました。一時期、よく揺れる頃がありましたが、今、比較的仙台方面は揺れなくなりました。ただ、ニュースで見たのですが、震源をプロットすると、空白域があり、それがこの近くとか。早く小さな地震でよいので、その空白を埋めてくれないかなと思う今日この頃です。

 あれから10日たち、研究室もメンバーがだいぶんそろい、日中は後片付けをしたり、花が咲いて、アブラナの実験ができる準備をしたり、イネの作付けの準備をしたりという毎日になってきました。

 ただ、こまったことは。。。。

 あれほど、急ピッチで、被害状況の調査などが行われ、研究室にも、被害の番号を示すシールが壁などにあるのですが、それが貼られてから、1ヶ月近くたつにもかかわらず、また、その間に学内の安全に関する委員会の調査もありましたが、いわゆる、「復興」ということに向けて、そうしたところの補修であったり、予算的な措置であったりすることがいまだに実施されてないのが、頭の痛いところです。もちろん、しかるべきところでは考えておられると思いますが。。。

DSCN5403.JPG どこのどのようなシステムのところが、「動脈硬化」、「血栓」のようになっているのか、よくわかりません。分かる人がいたら、ぜひ、その当たりに対して、しかるべき処置をお願いできれば、来週からそろうであろう、新しいM1の大学院生の方々を良い形でお迎えできるのではと思います。もちろん、今回の震災ではここから比べればはるかに、被害の大きいところがありますので、そこから比べれば、ずいぶんとましなのかもしれないです。テレビだったか、netだったか、「仙台のことはさておき。。。。」というようなことも拝見しました。確かに、仙台の町中は、外見上はそれなりに立っています。建物は。しかし、細かく見ると、団地の中には、赤い紙が貼ってあり、使用できないということが書かれてある地区も拝見しました。その意味では、「仙台のどこのことはさておけるのか、。。。。」。。。。

 それから、学生さん、スタッフの方々、皆さんそうだとおもいますが、なんとか復旧、復興と言うことで、研究室、自宅でがんばっておられ、かなり無理をされているのだと思います。震災という大きな心の傷を負ったにもかかわらず。そう考えたとき、休めるときには、ぜひ、無理をせず、休んでほしいと思う次第です。心はかなり無理をしているのですから、気をつけるように。休むようにと、外から支援物資を送って頂く方々の手紙などに書かれてあります。知らず知らずに、疲れているのに、がんばりすぎていないか、そうした面の方をケアーしながら、連休前の1週間を乗り切って、連休でリフレッシュして、また、新しい観点で復興をできればと思うのでした。

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 わたなべしるす

 PS. 復興に向けての遅れと言うことを記しましたが、もちろん、学外の様々なところから、支援のお知らせが届きます。先日は、国内外の遺伝子工学試薬のメーカーさんからのありがたいお知らせも。実験に使っていた、予定して冷凍庫にあった試薬のうち、特定のものですが、停電で使えなくなったものを「新品」と交換してくれるとか、他のメーカーさんでは、半額とか。支援の手が様々なところからあるというのは、うれしい限りです。

 この記事をupする直前に、nazunaにも東北大学の状況を書いてくれているのが、流れていました。いろいろなところで、仙台のことを綴っていただき、サポートいただけますように。。。

DSCN4268.JPG 今日、渡辺の高校の後輩が、東北大工学部に入学と言うことで、仙台に来られました。そんなことも、心強いというか、心和むことです。



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測定

2011年4月23日 (土)

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【出前お手伝い(ボランティア)】仙台市立木町通小学校、仙台市西花苑たんぽぽホーム・放射線計測のお手伝いと現状視察(4/21)

2011年4月22日 (金)

 先週は、福島高校に出前講義の打合せに伺い、今週の初めには、「宮城県立古川農業試験場での水稲播種」を行いました。また、最近、工学部の先生からご紹介いただき、研究室でガイガーカウンター(放射線計測器)を購入することができました。また、原発の工学的な側面、放射線の専門的な話も併せて聞くこともできました。おかげで、研究室の状況などを外からの情報(理学部・物理)以外にも、手にできたことは、ほっとできたことと、自分たちの研究環境がどうなっているのかを、実感できました。そんな折に、出前講義のつながりで、小学校、ホームから「測定依頼」を受けて、22日の午後は雨模様と言うことで、今日、伺ってきました。

 校長先生、園長先生とも、自分の学校、園がどうなっているのか、気にされておりました。もちろん、こうしたことが今までなかったと言うことと、何よりも、「放射線」という目に見えないものがあるというのが、困りものの原因のような気がしました。普段よく使われる場所などを、高さを変えて測定して、現状がこうなっている、また、文科省からの通達がこうなっているという昨日のニュースのことなどをお知らせして、これからの運営の参考にしていただきました。植物が専門であることから、本当の意味での専門的なことは、その道のプロに橋渡しをするというお約束をして。計測だけであれば、今やデジタルで見ることで分かるような機械ですので。ということで、継続支援のお約束をして、それぞれの学校、園をあとにしたのでした。

DSCN2830.JPG また、他からもご希望があれば、伺いますので。何より、安全と安心とが今のこの時期には重要ですから。小学校というような外で遊びたい時期に、それに制限がかかるというのは、何とも言えない気持ちになります。自分が小学校の頃に、野山、田畑で、無制限に遊べていたことを考えると。やりきれない気持ちでいっぱいです。そうした子どもさんたちのためにも少しでもお役に立てればと思います。


 わたなべしるす

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