東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

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【出前講義】平成26年度岩手県立盛岡第三高等学校・SSH第1回運営指導委員会(7/9)

2014年7月 9日 (水)

 朝、起きてテレビをつけてびっくりしたのは、W杯の途中経過。何が起きたのか。あちこちで議論しているようですが、こちらは、それを見る間もなく。流れというか、勢いというか、一度、傾けたときに、難しいのだなと。。。。と言うことと、やっぱり台風の進路。中心気圧は970ヘクトパスカルまで上がり、最大瞬間風速も45m/sになったのもあって、一時よりは、かなり弱まったものの。。。仙台を通過するのが、金曜日の夕方から夜にかけて。速度は余り変化してないようなので。いずれ、各地で風、雨が尋常でないので。。。今週は気にならない日がなさそうです。。。。

DSCN3288.JPG さて、岩手県立盛岡第三高等学校のSSHも今年度が4年目。5年計画の教育プログラムですので、次の5年に向けて考える時期かと。。。そんなことを委員長の高木先生から。確かに、今年あたりからきちんと考えるのが、重要だと思います。是非、次期プログラムにスムーズにつながるように、サポートできればと思います。4年目と言うことは、1年生から3年生まで受講した生徒さんが大学生に。そんなこともあり、SSHクラス卒業生への聞き取り調査結果が出ていました。SNSのようなもの(LINE)で、SSHクラスがつながっていることから、アンケートを投げたようですが、responseがよい生徒さんは速いが、なかなかないという生徒さんも多いようで。回答そのものはとてもpositiveでよい試みだと思いました。ただ、回収率が余りよくなかったのは、科学者の卵養成講座でも頭を抱えているところ。。。何度も調査をしたり、方法論を変えてアンケートをしたというのも、重要ではないかと。科学者の卵養成講座も修了生で、大学生になった方がを「ひよこ」と呼んで、活動を手伝ってくれていますし、受講生、修了生の両方に刺激的になるのではと思いますので。

DSCN3295.JPG 評価の問題。生徒自身が自己評価はこれまでも実施していて。。。では、教員側から生徒を評価したときに、教員間の評価の誤差というか、差異というか。その当たりは大学の同じ教科を担当する教員間でも問題のはずですが。。。そうしたことが議論になったことは。。。と言うか、大学も考えないといけないのだと。また、教員サイドからの評価としては、例えば、それぞれの評価項目の目標値を決めて、それに対して、どのレベルまで達成しているかなど、評価方法を工夫することが大事なのだろうと。。。さらに、大きな問題として、高大連携・接続の問題。高大連携、高大接続というのは、そもそもどの様な定義なのか。これでずいぶんとdeepな議論でした。東北大でも前期、後期の一部の講義を高校に公開し、渡辺が後期に行う「展開ゼミ」でも、宮城第一高等学校の2名の生徒さんが受講してくれます。東北大に入学できれば、単位認定をすると言う仕組みで、他の大学にもある訳です。ただ、それだけでは足りないようで、とあるHP上では、「高大連携としては、キャリア教育などの講義を通じて高校から大学へスムーズにつながるように」と言うことのようです。一方、「高大接続は、高校と大学の教員が共同して講義を行う」と言う定義のようです(会議中のメモが間違ってなければ。。。)。これが公式なものか、そうでないのか。。。明確にSSHを統括されている側で回答が示されないと、どうにも動きにくいところがあると思えてきました。その当たりに関する妙案と言うより、その立場から回答(解答)が示されないものかと。。。

DSCN3296.JPG 最後の議論は、今年度の活動状況と今後の方針。予算が厳しい折と言うことがありましたので、おもしろい試みとして、SSH活動を使われている学校もあると言うことを。どこかと言うことについては、。。また、何かの折りに。なるほど思えるようなと言うか、考えてみればと言うような。。。最後になりましたが、今回の運営指導委員会でお世話になりました県教委・中村指導主事、岩井高校教育課長、和山校長先生をはじめとするSSH関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。今年度も秋に出前講義でうかがえればと思いますし、さらなる発展を祈念しております。今後ともよろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 岩手大での打合せの途中で、科学者の卵養成講座の修了生である「ひよこ」の方にお目にかかり。。。。。農学部でがんばっておられるのを聞いて、。。頼もしい限りです。打合せの食事会をご一緒したりして、相変わらず、activeに活動されているのを伺い、お願いを忘れたのですが、今年度からの「飛翔型科学者の卵養成講座」もサポート頂ければと。。。また、秋にも出前講義で盛岡に来ることになるかと。。。その時に、また、お目にかかることができれば。。。さらなる進化を期待しつつ。。。。

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【研究室訪問】宮城県宮城第一高等学校理数科「研究室見学」で来訪(7/8)

2014年7月 9日 (水)

 前日は、秋田県立秋田南高等学校の自然科学部が研究室見学と研究打合せで来訪。午前中は久しぶりの「ケーキ会」大型というか、7月とは思えない台風が低速できている関係もあって、かなり動きが気になりつつと言う火曜日。そんな中で、4月にキャリア教育の出前講義6月は科学者の卵養成講座の広報で伺った宮城県宮城第一高等学校の理数科1, 2年生・10名と柏葉先生、福地先生が研究室見学でいらっしゃいました。それぞれの生徒さんの進路は様々でしたが、植物をやりたいという方がいらしたのは、ほっとでした。どうも、動物に比べて、植物に軍配がありません。ただ、最近は。。。植物は食糧である以上に、植物が光合成をする関係で、酸素が発生していて、その酸素を使って、動物が生きていくことができるわけなので。そう考えると、植物の立ち位置というか、基礎であると。。。もう少し植物が評価を受けてもよいのではと思う、今日、この頃でしたので。。。

DSCN3271.JPG 最初に研究室で何をやっているのか、何をやろうとしているのか、どこに目標を置いているのか。大学、大学院で誰に師事するかで、ものの見方などいろいろなことが変わるというのは、出前講義でも話をしてきたとおり。研究内容では、高等植物の自家不和合性分子メカニズムの解明。というか、なぜ、自己花粉を排除して、非自己花粉をacceptするのかと言うことから考えてもらい。。。高校時代、地理、日本史、政経、倫社を履修した渡辺には、中近世の欧州がどうなっていたかというのは、最近、少しずつfollowしている訳ですが、「ハプスブルク家」の例を出すと、まだ、世界史を履修してないにもかかわらず、知っている生徒さんも。それくらい、遺伝的多様性を保持することが動植物で重要だと。そうしたことをしっかりわかってもらえたのでは。また、最近の遺伝学というか、ゲノムを比較的低価格で解明できる現状では、昔のようなmappingをしてということもだんだんと必要でなく、ゲノムを開けて、比較することで解析する時代が。。。ただ、一方で、数学、統計学のようなものとの融合も重要であると。さらに、品種改良というのは、栽培化と重要な関係があり、進化と同じようなものであると。。。農学が違って見えたのではないでしょうか。

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DSCN3279.JPG そのあと、labの中をM2の田口さんに案内頂き、大学で生物系の実験室にあるもの、どの様なことをしているのかなど、わかったのではないでしょうか。書き忘れましたが、宮城第一高等学校の前身は宮城第一女子高等学校。その卒業生が実験補助をしてくれている増子さん。要所要所で登場頂き、また、写真撮影も。ありがとうございました。おかげでこちらは、柏葉先生と9月に予定している課題研究の中間発表会などについて、discussionなどできました。講義の最後(実際には、講義全体が始まる前にもなのですが。。。)に、「科学者の卵養成講座」の広報。5名くらいの生徒さんが興味を持ってくれ、運営サイドとして、高校時代にはできるだけ幅広く学んでほしい、また、英語をしゃべるのは、「気合いと根性だ」というようなことを。。。こちらの意図は十分に理解してもらえたのでは。より多くの方にさらに興味を持ってもらえれば。。。〆切は今週末7/11(金)の消印有効ですから。最後になりましたが、今回の研究室見学を設定頂きました柏葉先生、福地先生にお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

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 わたなべしるす

 PS. 午前、午後とハプニングがあり、記事を当日のうちにあげることができず。。。申し訳ありません。見学に来ている生徒さんたちの中には、HPをスマホで見ておられるという方もいたのに。。。申し訳ありません。思ったよりも時間がなく、また、盛岡での打合せも長引き。。。。前日の秋田県立秋田南高等学校の生徒さんのキャラもなかなかでしたが、今日の生徒さんたちのキャラもniceでした。次世代シークエンサーの宣伝をしてあるT-shirtで説明をしていたのですが、その背中のキャラを気に入ったようで。。。図版の意味を説明したら、わかってもらえたのですが。。。あと、教授のいすに座って、教授の気分を味わっている生徒さんも。是非、教授になって、共同研究ができればと。。。

 PS.のPS. この日も「バリィさん」は、大人気でした。。。。遺伝学の人気はいまいちなのですが。。。「バリィさん」と「遺伝学」の融合研究が必要なのではと。おもうくらい。。。。

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ケーキ会~愛媛より愛をこめて~

2014年7月 8日 (火)

こんにちは。M2の田口です。
昨日、ラボに届いたダンボール。開けると・・・

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送ってくださったのは、なべさんのふるさとである今治小のPTAの方々でした。
中身はみかんのロールケーキとブルーベリーのタルトでした!
もちろん、今治産のみかんとブルーベリーです。

先月、なべさんが今治小で、お子さんを持つ保護者の方を対象とした
講義を行ったそうです。(ブログはこちら)
ケーキはそのときのお礼ということでした。
ラボのメンバーでおいしくいただきました。

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2つもケーキが食べられるなんてとても贅沢です。
また、なべさんの後輩の方からさくらんぼが届いたので、
一緒にいただきました。

最近は時間的にもタイミング的にもなかなか開催されなかったのですが、
思いがけずケーキ会ができました。
ケーキマップも県外に飛び出して、さらに充実しましたよ!

M2 田口

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【研究室訪問】秋田県立秋田南高等学校・自然科学部「イネ多様性研究」で来訪(7/7)

2014年7月 7日 (月)

 世の中的には、きょうは七夕。ただ、今治も仙台も1月遅れの8/7が七夕という感じ。なので、特に、これというイベントもなく。そういえば、先日、東京出張の時に、七夕関連のイベントをやっていて、願い事を書いて、貼り付けているようなのを見かけました。ただ、今日はあいにくの曇り。。。星空を見ることは難しそうです。というか、週末にかけて、巨大な台風が来ていて、どうなるか、気をもみながら。。というところでしょうか。

DSCN3257.JPG さて、毎年、科学者の卵養成講座にたくさんの受講生を輩出され、また、大学のオープンキャンパスの時には、labの方にも顔を出して頂く、秋田県立秋田南高等学校の遠藤先生と7名の生徒さんが今回は「自然科学部」の活動ということでいらっしゃいました。宮城県仙台第一高等学校の小松原先生、生物部の方々と行っている、出穂期の異なるイネの栽培も行って頂いているので、その関連のご相談ということで。こちらの連携不足で「コシヒカリ」の種子だけのようでしたので、ある材料を使って、昔の「作物学」の教科書を引っ張り出して、形態観察などをすることが可能であることなどを議論して。形態観察はあまり楽しくないことかもしれないですが、これからの次世代シークエンサーの発展等を考えると、これから先は形態観察などは重要なことになりますので。しっかりやってもらえればと思います。

DSCN3264.JPG その後、labの簡単な説明をして、研究室見学。いつもテレビの上に置いてある「バリィさん」がことのほか気に入ったようで、見学中も肌身離さずという生徒さんも。植物を研究したいという方々はいらっしゃらなかったですが、「バリィさん」を目的に、渡辺の研究室で実験というのもありですから。最後はいつものように世界に向けて情報発信。次回は、オープンキャンパスの時にいらっしゃるとか、楽しみにしております。最後になりましたが、今回の研究室見学、討論会を設定頂きました遠藤先生にお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

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 わたなべしるす

 PS. いつものことですが、参加してくれた生徒さんに来た証ということで、名前を書いてもらっています。今日が七夕だからでしょうか。願い事を書いている生徒さんも。。。びっくりでしたが。今日が七夕なのだなと。。。


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第24回生命科学セミナー開催(7/4)

2014年7月 4日 (金)

 以前にお知らせしていた第24回生命科学セミナー「効率的なコムギ形質転換系の開発とその活用」を農研機構・作物研・安倍博士が来仙されるというので。。。渡辺が日向先生のlabの助手をしていた当時の最後に卒論を最後まで指導した学生。1997年12月から岩手大に異動になったので、当時はM1の院生。渡辺が学生実験であの当時、それぞれの学生さんに自己紹介をさせていて。。。横浜翠嵐高校の卒業の神奈川県出身と言うので「大洋か!!」、つまり「大洋ホエールズファンか!!!」と。それ以来、labにきてからも、一緒に「大洋」を応援していたのを、紹介してくれて、思い出しました。今では「大洋」、「ベガルタ」と言うサッカー・野球の話題で盛り上がれるよき後輩です。

DSCN3248.JPG コムギは、パン・麺類などの原料で、生産面積では世界最大。生産量ではトウモロコシだとか。その意味では、コムギの品種改良は重要な問題。ただ、ゲノム情報は重要な訳ですが、コムギゲノムはイネの40倍。また、6倍体。と言う意味では、解析の困難さは。。何より、まずは形質転換系。パーティクルガン法、アグロバクテリウム法。イネの形質転換系に遅れて開発されたようですが、やっぱり大変さがかなりあり、なにより、アブラナもそうですが、品種間差異が大きいこと。では、その品種間差異の何が起因しているかは、未だにそのぶんは不明だと。。。もちろん、アブラナでもこの品種は使えるけど。。。と言う話で。このあたりは、作物を使う限り同じなのだなと。。。また、培養条件というか、培養をするときのちょっとした工夫で、細分化、遺伝子導入効率が全然違ってくる。これが培養系を使って実験をするときの難しさ。むかし、日向先生がナスの培養をされていたとき、プロトプラストが取れたり、取れなかったり。うまく取れるようになったので、実際にやっている院生がちょっと手つきを変えただけで、全くうまくいかなくなったりというのを聞いたことがありました。培養系という難しさを改めて知ると共に、アブラナでもどの様な系統でも再分化できるわけでないと言うことも考えさせられたというか、考えるヒントというか、そんなものを頂きました。

 遺伝子機能解析の実例として「湿害」、「穂発芽」。もともと、ムギがチグリス・ユーフラテス川の流域が起源。乾燥したところなのに、日本は多湿。いずれの形質も日本でのコムギ生産には重要な問題。湿害については、不思議なことに、第23回生命科学セミナーでお話し頂いた、名古屋大の中園先生と共同研究をされているとか。不思議なご縁でつながっているのだなと。。。穂発芽は、今年もコムギでなくてオオムギでは関東地方でずいぶん被害が出たとか。。。また、倍数性があり、A, B, Dゲノムのどの遺伝子が寄与しているかも、難しい問題。難題はたくさんありそうですが、重要形質、倍数性、transgenic vs. trangentと言う実験系の工夫など、アブラナでも考えないといけない問題を考えるためのヒントになりました。

 最後になりましたが、打合せの合間の忙しい中、セミナーありがとうございました。また、ぜひ、来仙の折には。。。逆に、つくばに伺った時には、こちらでセミナーをさせて頂ければと思います。ありがとうございました。

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 わたなべしるす

 PS. セミナーの前に、突然の来客が。詳細は、また、別の機会にと言うか、別のスタッフから紹介があるかと。。。

 PS.のPS. うちのメンバーだけのセミナーかと思っていたら、ゲノムの佐藤先生がご参加頂き、deepな議論になりました。ありがとうございました。Natureにオオムギ、コムギのドラフトゲノムが出ているという情報も頂きました。。。早速探してみないと。。。


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