東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2012年8月の記事です。

【出前講義・研究室訪問】科学者の卵エクステンドコース実験「高等植物における受粉反応の観察、その2」(8/12)

2012年8月13日 (月)

 科学者の卵でエクステンドコースを引き受けるのは、今回が3年目。2年度目は、花粉管の人工培地での発芽の観察と比較3年度目に「高等植物における受粉反応の観察」。今年度も、昨年度と同じテーマで実験をしてもらっています。大学の設備を使う先端的な研究というのもありかもしれないですが、それはそれで、大学にきてやってみれば良いこと。卒論、修論などで。

 そこで、実験をしてもらっているのは、身の回りにある花を持ってきて、種内での交配、種間での交配をやってもらう。つまり、自家不和合性なのか、種間不和合性なのかを実際に、顕微鏡観察でやろうと。とても基礎的な実験ですが、これからの植物生殖生理学を考える上では、とても大切な基礎基盤となる訳です。実験の前半、つまり、プレパラートを作るまでは、高校でもできるようなレベルなので、それについては、6月に訪問して、技術を伝授して。後半の観察は、蛍光顕微鏡でないと。難しいと。。。SSH実施校でも蛍光顕微鏡の設置は大変なので、そこの点だけ、大学にきて観察をしてもらう。という作戦にした訳です。

DSCN3381.JPG 朝から、半日かけて、ひたすら花粉管の動向を観察し、午後から、それらにどの様なtrendsがあるのかと言うことを考える。夕方前には、無事、結論が出て。。。後は、これをまとめて、全国大会で発表しましょうかと言うことになりました。

 実験を担当した生徒さんは、浦和第一女子の3名。今年農学部に入学した2名の先輩も駆けつけてくれて、最後にパチ。と集合写真。お疲れ様でした。受験生という大変な時期に、これだけのことをやって、また、11月の発表会にも、。これからをさらに楽しみにしています。

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 わたなべしるす


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お盆です

2012年8月13日 (月)

ロンドンオリンピックが終わりましたね!

時差の関係もあり、私は朝のダイジェスト観て結果をざっくり知る。。。という感じでしたが、俄かファンとして楽しみました。

今回、日本は史上最多の38メダルを獲得しましたが、その背景には、日本の競技環境強化があるそうです。

メジャーな競技以外の多くの競技では、選手が試合に専念できない場合が多いのだとか。

そこで近年、日本初のトップアスリート専用トレーニング施設である、味の素ナショナルトレーニングセンターの活用をはじめ、選手が競技に専念できる環境強化に力を入れてきたそうです。

それが、今回の結果につながったのではないか・・・

ってNHKの閉会式でおねいさんが言ってました。 受け売り。全ては、積み重ねからですね。

次回はリオ・デジャネイロ大会で!閉会式でのサンバも良かったですね。

ところで、こち亀の日暮さんは今年起きたんでしょうか。

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閑話休題、お盆です。

イネの花シーズンで残っているメンバーも多い渡辺グループです。皆、お疲れ様。。。

そんな鉄火な時期にありながら、私は手酷い夏風邪を引き、家人にバカだと心配されました。

皆さんも体調お気をつけ下さい。

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写真はうちの庭のキュウリ・トマトです。

もう終わりかけなんで、そろそろ片付け時です。

因みに花はこんな感じ。

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キュウリ雄花、トマト花です。

キュウリは2009年、トマトは2012年にゲノム情報が公開になっているそうです。

 

立秋も過ぎ、お盆も終われば、本格的な秋もすぐそこです。

アブラナ秋の陣も遠からず、ですね。

 

増子(鈴木)

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帰省・ミッション達成!

2012年8月10日 (金)

帰省して、母校である、小松高校に行ってきました!
学校では、夏休み中にもかかわらず、三年生が補習をしていました。去年は私も、あんなふうに勉強していたのだと思うと、不思議なような、信じられないような感じでした。夏休みは、受験の天王山と言われていて、三年生はとても大変だと思うのですが、なんとか乗り切ってほしいです!がんばってください!
そんな三年生を横目に見ながら、先日、メロンボールをいただいた寺岸先生とお会いしてきました。

DCIM0326.JPG「スーパーサイエンスハイスクール推進室」
ここは私が高校生の時、寺岸先生によく生物の質問をしにいった部屋です。時には、一時間くらい質問で先生を拘束していたこともありました。お世話になりました。
写真で、なぜ私が雷鳥のティッシュ箱を持っているかというと、私が鉄道オタクなわけではなくて、寺岸先生の指示です!おそらく、渡辺先生と寺岸先生の間には雷鳥を通して分かり合えるものがあるのだと。。。思っています。。。

さて、この部屋には、渡辺先生が小松高校にいらっしゃったときに使われる机がありまして、それがこちら。

DCIM0325.JPGそういえば、高校三年生の冬、渡辺先生がいらっしゃったときに、この机に周辺に集まって、東北大のことや進路のことについて聞いたことを思い出しました。この机は、渡辺先生専用だったんですね!ちゃんと、専用の湯呑みまで置いてあるのは、寺岸先生の配慮です!

寺岸先生とお話をしていて、やっぱり、言われたことをきちんとするという素直さも大切だけれど、それ以上に、自分でもしっかり考えることが大切なのだと思いました。研究は、実験も大切ですが、その結果を見て考えることのほうが大切ですもんね。夏休みに、考える力をつけられたらいいなと思いました。
石川の暑さに負けず、頑張ります!


以上、石川から学生バイトの定池でした。


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【出前講義】平成24年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会・講評者担当-2(8/9)

2012年8月 9日 (木)

 横浜のこの場所での会議への参加の最初は、1993年の国際植物学会だったような。その当時、桜木町から会場までであったのは、70階建てのランドマークタワーだけだったような。ずいぶん町が変わりました。そのときは、自家不和合性の小さなmeetingがあったり、。。。ほんの少し英語がしゃべることができはじめた最初の国際会議だったのかもしれません。

DSCN3380.JPG 2日目の午前中は、SSH実施3年目の学校から選ばれた上位4校のプレゼン。昆虫、ナメクジ、物理現象の工学的応用という範疇でした。なるほどと思うプレゼンであり、また、こんな問題はどうするの??、実際の自然現象にapplyするとき、どうするの??等いくつか気になる点も。個別のことについては、。。

 午後は最後のプレゼンの時間。全体のポスターをゆっくり眺めて、これまで出前講義、SSH、科学者の卵など、どこかで接点のある方々のところで、少し議論ができたり、あらたな高校をご紹介頂き、新しい出前講義先も開拓できたのは、何よりでした。あまりにたくさんの高校の先生方、生徒さんたちなので、ここではありがとうございましたということで。

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DSCN3377.JPG 最後は表彰式と講評。ポスター、プレゼンの賞に加えて、高校生が選んだおもしろかったポスターの賞も。高校生の目線で見て、おもしろいというコンセプトは、なかなかのものだと思いました。もちろん、重複受賞もありましたが、そうでなかった高校生目線のものがなぜ、大人の評価で選ばれなかったのか。。。。という???もありました。

 会議全体の講評として、たくさんのポイントがありましたが、課題研究を始めるに当たってということで、小松仙台三古川黎明など、いくつかのところで、講義をしたことが、含まれていたのは、あながち、間違った見方をしているわけではないのだと。。。ほっとしました。気になったことばとして、「高校生らしさ」、「プレゼン力」、「考えること」、「小中高連携(小中高大連携)」、「次の10年に向けて」、「やりたいこととリスク」、「グローカル化」でしょうか。大学で研究をやってもそうですが、科研費などの大型プロジェクトは、長くて5年。そう考えたとき、10年が過ぎたというSSHには、感動でした。次のさらなる発展をどうするのか、自分の研究に当てはめたとき、いろいろなことをやろうとすることが大事だと、痛感しました。

 ということで、現実を見つめて、さらに将来に向けてという点では、普段のアウトリーチ活動では得られないような、たくさんの刺激を頂きました。ありがとうございました。こうした機会を頂きました、JST、SSH担当の方々にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。


 わたなべしるす


 PS. SSHは高校の理数科教育。一方でこの時期の高校関連といえば、夏の甲子園。母校の今治西高校も愛媛県代表として。。。。今日の第3試合が、ちょうど、最後の表彰と講評から移動の時間に。。。結果は。。敗戦でしたが、記録に残るような結果(22奪三振、10連続奪三振。。。)だったとは。それも戦前の中等学校野球大会の記録を塗り替えるような。。。記憶に残るのは難しいですが、記録として、残ったのはよかったのか、悪かったのか。。。。何とも言えない1日でした。。。。

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【出前講義】平成24年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会・講評者担当-1(8/7)

2012年8月 8日 (水)

 SSHの運営指導委員を盛岡三、仙台三、福島、観音寺一、錦江湾高校で仰せつかっております。そんな関係もあり、パシフィコ横浜でのSSH全国の生徒研究発表会の講評者を。昨年に引き続きは、ありがたい限りです。。。いつもこの時期の関東に出てくると、夜も猛烈な暑さなのですが、熱帯夜にならない。。。朝夕には涼しい風が。。。立秋を過ぎたからでしょうか。。。不思議な。。

DSCN3379.JPG 最初の特別講演は、九大の数学G-COEの代表も務めた若山正人教授。たくさんの数式が出てきて、数式の部分は全く理解不能。。。ただ、生物というか、生命を理解するためにも、われわれも数学分野との連携は行っており、その重要性はわかっているつもりですが。。。研究室にある様々な機器も、数学、数理科学の基盤の上に立っているのだと。。昔は好きだった数学(高校まで。)。でも、今は数式を見ただけで。。。ただ、遺伝学も今やgenomics, transcriptome解析など、数学、統計学を利用しないわけにはいかない時代。ということを考えたのでした。最後のことばに、「どこでも数学」というのがありましたが、「どこでも遺伝学」というのもありかなと思いました。身の回りには、遺伝的に多様な動植物がありふれているのを、観察することから始まるのだから。

 講演のあとには、ポスタープレゼンテーションを見て、コメント。立ち止まって話し始めると、気がついたら、20min議論していたり。。。コメント時間もあっという間に終わったのは、久し振りに、パソコンの前でない生活のような気がしました。で、研究内容は、理数の様々な分野。生物領域でも、植物、動物、微生物等、多種多様。さらに基本とも言える形態学、解剖学などの観察をベースにそこから見えてくるもの。一方で、遺伝子レベルの研究も。大学生も顔負けというような。。この研究の多様性を評価する評価者は基準をどうするかなど大変だろうなと。。。。

 ところで、コメントをしながら思ったのは、in vitroというか、実験系の中で何が起きているかを考えるのも大切ですが、本来その生物がいる場所、機能しているところで何をしているのか、それを考えないと、「実験のための実験」ということになりかねない。という気がしました。自然を観察することがまさに、自然科学の基本。自然の中で起きていることを常に頭に置いて、物事を考えてみるのがという気がしますが、どうでしょうか。

 出前講義などでお世話になっている高校の発表、科学者の卵で活躍していた受講生が、このSSHでも大活躍などもありましたが、詳細はまた、明日ということで。

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 わたなべしるす

 PS. SSHのtop pageのところでくるくる回る写真に、渡辺がダイコンコンソーシアムで大根の交配を指導している写真が。。。びっくりでした。ありがとうございました。


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