東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2013年11月の記事です。

【出前講義】石川県立小松高等学校SSH集中講義-5(課題研究発表会・審査員)(11/2)

2013年11月 2日 (土)

 11/2の午後は、小松高校のSSH、課題研究発表会。これまでポスター発表を見て、コメントすることはありましたが、県大会出場発表課題を決める発表会の審査員。渡辺の投票が県大会出場発表課題を決めるかと思うと、ずいぶん緊張して拝聴しました。本来なら、この記事をあげる前に、昨日の記事をuploadしないといけないのですが、。。時間の関係で、番号も逆になりますが。。。。お許し下さい。。。

DSCN0451.JPG 全体で10課題。物理、化学、生物、数学がそれぞれ、2, 2, 1, 5課題。数学が半分の課題というのもここ、小松高校の特色ではないかと。。。最初の課題が数学で、いきなりn次元のような。。。昔、科学者の卵養成講座で、小谷先生が高校生向けに数式を使わないで、説明されていたのを思い出しましたが、それでも難しかったというか、。。。数式では。。。やっぱり苦手です。。。なので、インフォマティクスを外部の方々と共同研究しているというか。。。同じ数学でも統計、検定というのは、遺伝学でよく使う手法。Chi-square(χ2乗)検定というのは、とてもなじみがあり。。。楽しく聞けるとともに、もう少しこうやればということも。。。未だに大学の教養の時の「統計入門」という教科書を使って、計算しているのもあって。。3つめの課題は、その数字を見た時、何の倍数になるか。よくあるのは、数字だけを足して、それが3の倍数なら、そのもとの数字も3で割れる。高校の時に説明できたような。。。それをn進数に拡張したら。。それは、n進数でいえるのか、また、それを10進数に戻してもいえるのかというような説明だったような。こちらが数学がきちんと理解できてないからでしょうか。もう少し最初の仮定がはっきりしていれば。。。。という気がしました。4つ目が任意の四角形の分割というような課題。プレゼンはなるほどと。。ただ、平面、つまり2次元から3次元というところに最後飛躍して、それは無理と。。論理的な飛躍が大きすぎるのでは。。。また、決まった長さの線をn等分するというのは、。。という質問をしたら、。。。これができたらという仮定の話を繰り返しで。。。。理論と実際が一致してなかったのは、少し残念でした。特定の数を等分して、何回繰り返したら、一通り、全体と組になれるか。それのたとえとして、麻雀をする時、20人で。何回したら、均等にできるか。なるほど。。。実用性としては、十分あるのでは。。

DSCN0471.JPG 化学の課題では、蓄電池とメッキ。身の回りにあるNaClと寒天で蓄電池という発想はおもしろいと思いましたが、もう少し普段使っている乾電池などの内部構造を理解したらよいのではと。。。そういえば、昔、かなづちを持ってきて、電池をこわして中に、炭素棒があったりするのを見たような。。もちろん、かなり危ないことをしていた訳ですが。。。そんなこわしてみることから学ぶこともたくさんあるかと。。。どうでしょうか。2つめの課題は、複合メッキ。この課題が最後でしたのもあって。。。。1点、はがれやすいということをどの様に定義したのか。。。

 物理の課題では、水滴の衝撃音。身の回りの材料でおもしろいことをしているなと。ただ、数式が出てきたのは、。。。難しいです。水滴、つまり、水(H2O)は水素結合があり、物性的には結構、取り扱いにくい物質だったような。なので、まだ、水の物性としてわかってないことがあったような。。。それが何だったか忘れましたが、ここ1年ほどのNatureだったと思いますが、おもしろいことがわかったというのがあったような。。。水以外の物性のものでこの実験をしたらという気がしたのですが、何せ、遺伝学が専門なので、。。。間違っていたら、すみません。。もう1つは北陸本線を走行する特急電車からの騒音。騒音の実測と理論値の比較。電車、レールの構造など、実際に起きていることを理解して、騒音のことを考えているのは、niceでは。。。ただ、騒音の指向性が、cosθ2だというのは。。。理由がいまいちわかりませんでした。

DSCN0472.JPG 生物の課題では、コマツナの加工適性というか、50oCというちょっと高い温度で洗う。50oCというのは、phageをplateにまく時にtop agaroseと混ぜてまくのですが、その時の温度だったような。。。その温度が、加工適性。。。課題研究を始めた時から見ていて、その時は、ハマダイコンの多様性だったような。。。さまざまな経緯があり、今日の発表になったのだと思いますが、まとまった形にしていたのではないでしょうか。

 この日は、高校の一般公開日にも当たっており、卒業生の方が質問するということも。自分自身、遠く離れたところにいることもあって、このような機会があってもなかなかいくことはできないのですが。。。先輩からの質問というのは、とてもよいことではないかと。。。

 最後に講評。評価員の先生方から、反復実験の重要性、結論を明確に、要旨を書く時の文章力up、わかるプレゼン、自分のプレゼンを自分で撮影(これは、昔、共同研究をしている先生から伺ったことがあります。ぜひ、渡辺も参考にしたいと思います。)、大学に入って伸びる生徒とは、めげない姿勢、共同研究の重要性について。。どれも重要なことだと思います。で、渡辺は「実験をやる時の可塑性」というか、適宜、その場その場で対応することの重要性、あとは「運営面の改善点」。これは、国内外の学会、他のSSHでの運営から参考になるようなことを。。

DSCN0469.JPG わたなべしるす

 PS. 渡辺の質問、講評で不適切な点があったようです。。。大変失礼しました。以降のSSHの活動をsupportするときに、参考にさせて頂きます。ありがとうございました。

 PS.のPS. 「めげない姿勢」、そういえば、お世話になっている寺岸先生から情報を頂いたような。。。改めて重要性を認識しました。ありがとうございました。共同研究の重要性では、今日、渡辺のHPに論文発表があったことをお知らせしましたが、その通りだなと。。

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【出前講義】石川県立小松高等学校SSH集中講義-3(SSH特別講義「進化論を唱えたダーウィンも注目した高等植物の自家不和合性」)(11/1)

2013年11月 2日 (土)

 記事を書いているのは、11/2(土)。いつもなら、当日のうちにuploadするのですが、今回は何故か、出張先に論文掲載、学会参加、12月の出前講義の依頼など。。。この出前講義のタイミングでなければ、すぐに対応できるような案件なのですが。。。いくつか対応が遅れている案件、週明けには急ぎ対応しますので。。。という、excuseはさておき。。。

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 11/1の前日、10/31に続いて、1日3コマの講義。10/31は、小学校中学校高校でしたが、11/1は高校で2コマ、小学校で1コマでした。講義を行った11/1は昨日になりますが、その午前中は2年生生物履修の方々に「生殖・自家不和合性」 の講義から。自家不和合性だけの講義をするのも実に久しぶり。最初にここでも花の写真を見てもらいますが、意外と知らない。。。小松駅から小松高校まで徒 歩で来る生徒さんも多いということから、郊外の田畑の風景を知っている方も多いのではと思いましたが。。。もう少し石川の自然を観察してほしいなと。。。 あと、花がいつ咲くのかという季節感も欠如している感じです。農業技術の進歩で、周年出荷が可能になったことによって、いつがその花、野菜の旬なのかとい うことがわからなくなってきているのも事実ですが。。。もう少しは覚えていてほしいなと。。

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  あと最近の傾向かもしれないですが、女子生徒さんが洗濯物で、お父さんのものを嫌うというか、年頃なのでだと思っていましたが、最近はそんなこともなく て、。。MHCの共通性を考えると、嫌うということは不思議なことではないのですが。。。。もちろん説明をすると納得してくれて、それなり反応があるので すが。。。Homo sapiensが急速に進化なのか、何なのか変化しているのではないかと。。。というのを感じる側面かもしれません。

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 高校生にとっても動画というのは、「へーーーー!!」という対象。花粉管伸長、自家不和合性反応、受精の時の花粉管誘導。受精の時の花粉管誘導の動画は、名古屋大の東山先生か ら講義用にとお借りしているのですが。。。植物が動かないというか、時間を縮めれば、動いているのがわかるので、もう少しそうしたことを多くの講義で入れ れば、植物に対するpositiveな反応が見られるのではないかという気がします。あと、自家不和合性が1999年の大学入試問題で出題以降、たまに出 題されるということで、話しとして聞いたことが、あと、10数ヶ月したら、「あれだ!!」と思う方もいるのではと思いつつの講義でした。。。

 最後になりましたが、担当の先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. この日も、新しいwelcome boardが。。。感動ですね。ありがとうございました。あと、いつもですが、SSH担当の先生方と机を並べた形で、机をお借りしています。その部屋の入り口にも。。。ありがとうございました。

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【出前講義】石川県立小松高等学校SSH集中講義-2(図書室講座「いろいろな本を読む」他)(10/31)

2013年11月 1日 (金)

 午前の橋立中学校午後の芦城小学校に続いて、最後は小松高校。1日で、小中高のすべてのカテゴリーというか、違う学校で行うのも、はじめてのことかもしれません。小松高校はこれまでもずいぶんたくさんの出前講義、実験指導等を行ってきました。講義としては、最初のころは、サイエンス関連で自家不和合性、その後、キャリア教育と行い、課題研究とはというような講義も。今回も、明日(HPに記事をあげている時点では、すでに、今日、行って、このあとに、記しますが。。。。)には自家不和合性とそれらの講義をお願いされています。

DSCN0343.JPG 今回は初めて、「図書室講座」と言う講義をお願いされました。依頼を頂いたのは、初めて小松高校に伺った当時、SSH室長をされていた数学の板東先生。小学校の頃には図書館に少し通ったのを覚えていますが、中学、高校ではほとんど図書館に行った覚えもなく。。。手元にあったというか、自分で買って読んだ本は、。。。というと「核融合」にまつわる新書本くらいだったような。もちろん、あの当時、週刊のマンガを読むのはほぼ誰もが行っていることでした。話し始めには「図書委員」の担当者だったでしょうか。丁寧にご紹介頂きました。ありがとうございました。

DSCN0344.JPG そんな渡辺が今では本を読むようになり、新聞をめくるようになった。で、講義の内容は、そのきっかけは、何だったのかと言うことで「いろいろな本を読む---小中高と本を読まなかった渡辺は西村京太郎の鉄道ミステリーを読みまくり、その後。。。。---」と題して、小学校1年生の時に読書感想文で、とてもいやな思いをしたこと。それが高校時代まで尾を引いて。。。。大学に入って、就職をしてからどのような本を読んでいるのか、それらから何を学んでいるのか。。。ということを、labの本棚にあったいくつかの本をsampleとして、1hrほどお話をしました。

DSCN0347.JPG 大学に入った当時は、西村京太郎のトラベルミステリーを読みあさり、そのあとは。。実験・研究をするようになって、また、本を読まなくなり。。。出張が多くなって、また違う種類の本を読むようになり。。。。そんなことで、何かこれという本でよいので、時間を見つけて、読むようになれば。。。もちろん、高校生、受験が頭にあるので、なかなか本を読む時間、新聞を読む時間がないのではと思います。今すぐ出なくてよいと思いますので、どこかで時間を作って、本を読むという習慣を作ればよいと。。。何より、渡辺の師匠の日向先生の言葉に「本を最初から、最後まで読むことはなく、読みたいところから、読みたいほど読めばよい」と。。。そんなことを思い出して、。。何らかのきっかけになれば、幸いです。

DSCN0351.JPG 最後になりましたが、今回の機会を頂きました板東先生をはじめ、関係の先生方に感謝します。はじめのこうした機会でしたが、こちらも楽しめました。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. HPへの掲載が遅くなりましたが、今朝のwelcome boardも今日の講義にあわせた形に変更されていました。さすがです。毎日、朝来るのが楽しみになります。ありがとうございました。

DSCN0266.JPG PS.のPS. 以前にも紹介したかもしれないですが、小松高校の先生方がお気に入りの本「My favorite book 2013」に、渡辺の方で紹介した本も出ておりました。ありがとうございました。

DSCN0268.JPG PS.のPS.のPS. 講義のあとには、生物部の方と研究の方向性について議論。これまでは3年生という指導的な立場の人がいて、。。。それが下の学年になり。。。今、2年生はSSHの課題研究があり。。1年生が支えている状態。大変だと思いますが、ここを乗り切ることが自分たちの時代を作ることになると思います。がんばって下さい。(写真と思ったのですが、。。。電池切れで。。。。)

 PS.のPS.のPS.のPS. この日は、ハロウィン。そんな飾りの「甘いもの」を頂きました。ありがとうございました。

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【出前講義】小松市立芦城小学校・特別講義「花の不思議な世界--りんごの花からリンゴができるまで??--」(10/31)

2013年11月 1日 (金)

 午前中は小松市のとなりの加賀市。午後は小松市立芦城小学校。初めて伺う小学校です。小松市内でもいわゆる旧市内に該当する、古くからある小学校。何でも創立220年とか。。。江戸時代の藩校から数えているということですが、それにしてもすごい歴史です。東北大の倍くらいですので。。。歴代の校長先生、歴史を物語るたくさんのものを講義前に拝見させて頂きました。まさに感動としかいえないような。。。本当の感動は、講義のあとにもっとすごいところを拝見しましたが。後ほど。。

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DSCN0307.JPG 講義の内容は、午前に引き続き、「花の不思議な世界」。とてもしっかりしていて、2コマ連続の講義でしたが、余裕を持って、振り返る時間をとる予定が、最後まで質問の時間などもあり。。。

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DSCN0316.JPG 午前中ではないですが、北陸では「リンゴ」はmajorではないので、品種名は「ふじ」くらいしかわからないと。ただ、一方で、自家不和合性、つまり、自分の遺伝子と同じ花粉で子孫を残すことがよくないことの理由を説明できた児童がいたのは、とても感動でした。また、いつもなら、単にリンゴの下のところに、蕚片とか、おしべ、雌しべが乾燥しているのを見てもらうところを、午前の中学生用のpptにしかない図を出して、雌しべと果実の対応の図も見てもらい、それを理解してもらったのは、とてもすばらしかったです。これで覚えたリンゴの不思議、この連休でスーパーに行って、改めて観察してみて下さい。

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DSCN0329.JPG 最後には、日曜日に小松高校で行う「小学生向けの実験講座」の広報。まだ、応募枠があるということと、きてもらった方には、ちょっとしたプレゼントがあるかもと。。。

DSCN0339.JPG 江戸時代の藩校から「集義堂」と呼ばれていた時代のものが残っており、寺子屋と思えるような机などもありました。感動でした。

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DSCN0342.JPG 浅野校長先生は出張されており、お会いできませんでしたが、中出先生、5年生の担任の先生方には大変お世話になりました。ありがとうございました。次年度以降もまた、こうした活動ができればと思います。


 わたなべしるす

 PS. この記事を書く当たりから、様々な案件が重なり、。。。。記事をあげるのがずいぶんずれ込んでいます。何とか、一連の講義が終わる頃には、。。。講義だけでなく、論文がacceptになっていたのが、掲載されたというお知らせもしないといけないのですが。。。

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2013稲刈り

2013年11月 1日 (金)

今年も農学部の田んぼで稲刈りをしてきました.

栽培した品種は宮城県を代表する「ひとめぼれ」「ササニシキ」,

それから日本のイネ研究でよく用いられる「日本晴」の3品種です.

量が少なかったので全て手作業で刈り取りました.

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台風による倒伏を心配していましたが,意外と倒れることなく頑張ってくれていました.

ですが,よく見てみるとほとんどコメがついていない品種もあり・・・

どうやらネズミが株元をかじって倒し,おいしいお米部分を食べてしまったようでした.

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そして今回はM1田口さんの出身ラボの方のご好意で脱穀機をお借りすることができました.

本当は一旦乾燥させてからがよいのかもしれませんが,時間と場所の関係で脱穀まで

一日で終えてしまいました.

初脱穀作業でしたが,おもしろかったです.

機械自体はごくシンプルながら,きれいに籾のみが取れていきました.

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この後しばらく乾燥させてから,籾殻取りと精米ができるという噂のコイン精米機を探して

念願の白米を手に入れたいと思います.


さか

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