東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】愛媛県立今治西高等学校・大学出張講義「植物の花からたねができるまでに見られる不思議--世界トップ水準の研究維持とそれを支えてきた大学・学部・学科の選択--」(9/28)

2011年9月28日 (水)

 前日は、松山北高等学校での出前講義だったですが、となりの今治市に移動して、今治西高高等学校の大学出張講義でした。昨年の6月の文化祭での講演、大学出張講義以来で、何より、母校での講義というのはうれしい限りです。

 講義の内容は昨日の松山北高等学校のものと同じpptを使いましたが、小学校から高校まで渡辺の履歴というか、歴史をしゃべるときには、聞いている生徒さんには、場所もわかるだけにより実感があったのではないでしょうか。高校3年生の時に見たテレビ番組がきっかけとなり、農学部に進むことになり、共通一次試験(今でいう、センター試験)が、思ったよりというか予定通りというか、できず、。。。仙台の東北大へ。今にして思えば、その選択がなければ、今はないとはっきりと言うことができます。もちろん、いろいろな見方をする人がいるかもしれないですが。。。

DSCN1294.JPG 今回の講義がきっかけとなり、農学、植物科学、遺伝学という分野に進むことがあれば幸いですし、将来、どこかで共同研究ができれば、何よりだと思います。受講生は高校2年生。受験までまだまだと思っているかもしれないですが、あっという間だと思います。今西の「蛍雪」の心を忘れず、がんばってください。

 数年前から、母校・今治西高等学校での出前講義を行っていますが、それが結実したのか、この春には、東北大学工学部に1名の入学者がありました。ひととの出会いというのは不思議なもので、そうした出会いがあったからこそ、渡辺自身、東北大に進学した経緯があります。今年の3/11で東北地方は大変なことになっていますが、着実に復旧、復興がなされています。ぜひ、今度は、東北大でお会いしたいと思っております。

 最後になりましたが、お世話になりました、数学の武田先生をはじめとする関係の先生方にはこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。また、来年も大学出張講義に、お呼び頂き、交配に講義ができれば、幸いです。よろしくお願いいたします。

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 わたなべしるす

 PS. 昨年の6月の文化祭の講演会の時に来てくれていた生徒さんが今年も受講してくれていました。うれしい限りです。ぜひ、次は東北大でお会いしましょう。楽しみにしております。

 また、東北地方の放射能汚染、除染、作物(リンゴ、イネなど)の生育への影響を心配してくれる生徒さんにお会いしました。とても温かい心、感謝します。ありがとうございました。


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【出前講義】愛媛県立松山北高等学校・特別講義「植物の花からたねができるまでに見られる不思議--世界トップ水準の研究維持と大学・学部・学科の選択--」(9/27, 10/25追記)

2011年9月28日 (水)

 前日は、松山南高等学校でSSHの指導でしたが、今回は文京町と呼ばれる、大学などがある地区にある、松山北高等学校での出前講義です。愛媛県の高校でも多くの出前講義を行っていますが、松山北高等学校では、初めてでした。愛媛大学ではこれまでも学会などで伺ったことがあったのですが、。。。

 講義の前半では、渡辺が20年以上研究を行っている「アブラナ科作物の自家不和合性」について、高等植物の受粉・受精における最近の進展を概説し、後半では、渡辺が愛媛・今治で生活したあと、東北大に行ってからどのような研究をしたのかという「キャリア教育」を行いました。最後には、3/11の大震災の時に何を考え、どうしたかなどを講義しました。いつもであれば、2hrくらいの講義を1hrちょっとに縮めての講義になり、駆け足でした。

DSCN1254.JPG 時間をはしょっての講義だったのですが、自家不和合性の定義、種間不和合性との違いなど、本質に迫る質問を多く頂きました。よいポイントを見ていると思います。ぜひ、その感性を大事にしてください。

 講義には、県内でも有数の「サッカー部」の部員が多く参加してくれていて、それが、キャリア教育のところで使うプレゼンシートがきっかけだったとか。サッカーの勝利も科学での成功も同じことだと思います。ぜひ、心配を反省して、誰もやらないことをやって、冬の全国大会で活躍してください。楽しみにしております。

DSCN1266.JPG 最後になりましたが、お世話になりました、化学の矢野先生をはじめとする関係の先生方にはこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。今回の出前講義をきっかけにして、さらに交流が進めばと思っております。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 当日、講義の最初からではなかったですが、先日の未来の科学者養成講座の全国大会でお会いした、愛媛大学での受講生(松山西中等教育学校、済美高校)も、数名来てくれていました。こうしたところでもつながりができるのは、うれしい限りです。

DSCN1268.JPG PS. 10/25に、松山北高等学校のHPにも、pdfで今回の記事が掲載されました。時間のある方、是非、ご覧ください。



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【出前講義】愛媛県立松山南高等学校SSH研究指導「ダイコン雑種の遺伝性と多様性実験」(9/26)

2011年9月26日 (月)

 1年半ほど前の5月の連休に、コアSSH・ダイコンコンソーシアムとのコラボもあり、キャベツ・ブロッコリーの雑種解析等の指導で、松山南高等学校におじゃまして以来です。あの時は、連休中であるにもかかわらず、指導している田中先生をはじめ、多くの生徒さんが、交配、形態観察などを活発にやられており、遺伝学実験を行う上での時機を逸しないことの大切さを理解されてやっていることに感動したのを思い出します。その後、鹿児島・錦江湾高校でのコアSSHの全国大会などでも数回お会いし、また、mailなどでも指導してきましたが、今回、久しぶりに現場を見ながらの指導となりました。耐震工事があり、よい土壌になった畑地が移動していたのは、少々残念でした。。。

 最初に伺った頃には、アブラナ科作物のBrassica oleraceaに分類される、キャベツ、ブロッコリーなどを実験に使われていましたが、このところは、ダイコンも使われ、遺伝学実験に加えて、耐塩性などの生理実験も開始しており、実験の幅も広がっていたのは、興味深い点でした。なにより、課題研究をやっている生徒さんが、楽しそうに実験をしているのが、よいことではないかと思いました。耐塩性に加えて、形態変化を調査している生徒さんと議論をでき、自分たちの実験に問題点を考えており、それを自己表現できることはすばらしいことです。また、栽培実験の方も十分に行って、その大変さを理解しつつ、成長に伴う形態変化も十分観察してください。そうすることが、さらなる発展につながると思います。不明なことがあれば、また、ご相談ください。

DSCN1247.JPG 最後には、東北大の受験を希望しているという生徒さんと、大学、学部、学科、仙台の町の復興状況などを議論でき、愛媛県からの東北大の受験生が来るというのは、何とも言えずうれしいことと、20年以上前に、仙台に来たことを思い出しました。がんばってください。次は、仙台でお会いしましょう。

 最後になりましたが、お世話になった、田中先生、清家先生をはじめとする関係の方々にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後とも、愛媛県の高等教育において、よい交流ができればと思います。よろしくお願いいたします。

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 わたなべしるす

 PS. 出張の移動中に、おもしろい表現を見つけました。「うまくいくこつは、成功例を見る・参考にするのではなく、失敗例に学ぶ」のだと。確かにそうなのかもしれません。成功例にある特殊なケースでのみ成功することがあるかもしれません。どこにヒントが転がっているのかわからない、そんなことを実感した時間でした。


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【出前講義】仙台市立七北田小学校 NSP 3年生「ひまわりのお花の秘密--たねはいくつあるのかな???--」(9/22)

2011年9月23日 (金)

 9/12には、NSPで5年生を対象に「受粉・受精」ということと「イネの多様性」を講義しました。小学校での出前講義の主体は、5, 6年生なのですが、七北田小学校でのNSPでは、先進的な取組として、昨年は、4年生にヘチマを材料として、「ウリ科の多様性と共通性」を講義しました。今年はさらに学年が下がり、3年生にチャレンジ。昔は、1年生から理科がありましたが、今は、1, 2年生は、生活科。3年生から始まった理科。時代の移り変わりを感じながらの講義でした。

 3年生の理科の時間では、植物を材料としたものでは、種を植えて、芽が出て、花がいて、種ができるというのを観察するということから、学校で育てている「ひまわり」の成長を説明しました。最後に種ができるところ、種ができるまでに、どんなような変化が花で起きるかを、実際の花を切断して観察してもらいました。

DSCN1213.JPG これだけでは、種ができることの実感が薄いことから、グループに分かれて、乾燥させて置いた種を数えてもらいました。グループ毎に、花の大きさが違うことから、もちろん、種の数も違う。新聞紙を敷いて、その上で、花をばらばらにして、30minくらいで数え終わりました。終わったあとには、少ない方から、グループ毎に並んでもらうと、200-900個くらいの幅があることがわかり、とても楽しい実験になりました。

DSCN1228.JPG 最後は恒例の質問の時間ですが、質問の内容は、とても3年生と思えない、「葉っぱの性質」、「茎の構造」、「根っこの意義」などなど、もっと高学年で習うであろう、「光合成」、「維管束」、「養分吸収」というようなことをできるだけわかりやすくこたえたつもりですが、どうだったでしょうか。質問の時間が足らないくらいで、NSPの終わりの感想文、質問カードには、たくさんのことが書かれているのだろうと。。。とても、すばらしい3年生でした。これからの発展がすごく楽しみになりました。

 最後になりましたが、理科の椎名先生、3年生の先生方、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。今回は校長先生とは出張ということですれ違いで、教頭先生と今日の講義についての反省会というか、盛り上がりを議論できたのは、何よりでした。ありがとうございました。


 わたなべしるす

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 PS. 七北田小学校のHPにも関連記事を見つけました。ありがとうございました。お時間のある方は、ぜひ。


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【出前講義】未来の科学者養成講座(科学者の卵養成講座)・第2回全国受講生研究発表会・審査員、3日目(9/19)

2011年9月19日 (月)

 3日目は、ポスター発表が午前中に。東北大からは、佐藤・守屋さんチームの「細胞間コミュニケーション・・・・」、新藤・渡辺チームの「超臨界流体の・・・」、加藤・門間の「ダーウィンが見た・・・」の3題の発表でした。渡辺は審査員だった関係で、発表の詳細は、後ほど、また、科学者の卵のHPに。

 食事のあとの1hrほどの休憩時間には、大学を超えた受講生間の交流で、愛媛大、東京大などたくさんの大学の受講生と議論をしていたのは、集団をheteroに維持し、異分野交流の大切さを卵で講義していたことが、功を奏したようです。教育的効果が出ているのを見るのは、うれしい限りです。

DSCN1189.JPG 午後の最後は審査発表でした。東北大チームでは、推進委員会賞・ポスター発表の部・優秀賞に「佐藤・守屋さんチーム」、推進委員会賞・口頭発表の部・優秀賞に「早坂・田中さんチーム」が受賞できたことは、卵としての活動が評価されたことだと思います。賞にはならなかったですが、また、カウントもしてないですが、東北大からの質問が一番多かったと思います。まさに、この発表会を盛り上げてくれた受講生の皆さんに「科学者の卵大賞」を出したいと思いました。お疲れ様でした。というか、本当にすばらしいことだと思います。

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 わたなべしるす



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