東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

3/11(金)、14:46から今日まで、その15(7/11)。

2011年7月11日 (月)

 前回のその14を記してから、あまり時間的にたっていませんが、今日が震災から、ちょうど4ヶ月。14:46には、黙祷と思っておりましたが、諸般の事情で、数時間遅れでとなりました。亡くなられた方々に、哀悼の意を表します。

 ここ数日、大きな地震があり、研究室にいてもよく揺れます。新聞か、netかわかりませんが、1ヶ月説とかいうのもあるとか。いずれ、気象庁のコメントでは、しばらくきのうくらいの地震はあるとか。もちろん、その程度の地震では、研究室に特に被害はないと思いますが、まさに、忘れた頃になので、気をつけないとと。。

 どこかの新聞紙上には、明治三陸大津波より、被害者は少ないという文字が。確かにあのときの構造物の強度、地震に対する考え方などを考えると、数字的には少なくても、被害の状況は、大きいのではと思います。津波も、まして、当時はなかった、原発の水素爆発など。震災以来、仙台空港の近く以外の被災地を訪れていません。いろいろなこともあり。また、カメラを向けることも。そういえば、昨日も、高校生を対象にした「未来の科学者の卵」でも、被災地の先生方とお目にかかって、是非、一度いらしてください、出前講義をとお願いされ、何とか言ってみようと思っております。また、講義を行う前に、津波、原発被害を受けている受講生がいることを考えたとき、最初は言葉に詰まりそうになり、何とかそれをこらえて、講義を行いました。

DSCN0813.JPG それにしても、今回の3/11の大地震が、日本の近くの地面というか、地殻というかそういうところに与えた影響は多いのだなと。三陸沖だけでなく、日本の様々なところで毎日のように地震が起きています。それも、このところ、多くなっているような気がします。たとえば、動物であれば、第六感のようなもので、退避できるのかもしれないですが、人間には、それがないのか、どうなのか。何か知るすべがないのか、あっても、もちろん、退避できるのかということもありますが。

 それから、前にも書いたようなことですが、頭の中の時計が、1ヶ月遅れだと。。。緊張の糸を緩めてしまうと、どうしようもないところまで落ちてしまうというように、体の方が、対応しているのではということをいわれる方も。確かにそうなのかもしれません。緩めたとき、それが戻るの恐ろしくて、緊張しているまま。。。というような。なので、いつまでたっても高いテンションのまま。体に負荷がかかるばかりなのですが。。。かといって、地震が起きない、放射能汚染が止まる、復旧が迅速に起きるなどが、担保されないと、。。ということなのかもしれません。

 そういえば、今日、東北地方も梅雨が明けたとか。いつも梅雨が明けなく、じめじめした梅雨が多かったような記憶が。。。梅雨明け10日というように、しばらく天気もよいとか。。。つゆらしい雨が降らず、バケツをかやしたような大雨が。。今日も、県境を越えたところまで、大きな雨雲が。。。少しでも雨が降れば、焼けた地面が冷めると。。。。

 3/11の直後、かなりのことが、「超法規的処置」がされたような気がします。ところが、沿岸部の大きく積まれた山のようながれきは、4ヶ月そのまま。いつになったら、どこでどうやって処理がされるのか、何のために、そこに集めたのか。もちろん、ばらばらよりよいと思いますが、。。何とか、迅速に、どこかに片付ける、焼却するなど、できないのでしょうか。。俯瞰的立場でものを見ている方々、是非、早急な対応をお願いしたいと思います。それが切なる願いです。。。


 わたなべしるす

 PS. 明日は、仙台第三高校のSSHの講義と仙台市立木町通小学校での放射線量の定点観測です。また、その結果は、後日報告します。

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【出前講義】JST・未来の科学者養成講座・「進化論を唱えたダーウィンも注目した高等植物の自家不和合性--花粉と雌しべの細胞間コミュニケーションとその分子機構--」特別講義(7/9)

2011年7月10日 (日)

 前日にも案内したとおり、一昨年度から始まった、all 東北大の企画である「経験・体験を通して「科学を見る眼」をもつ「科学者の卵」養成プログラム」で、7/9に、「自家不和合性・植物の生殖」の講義を行いました。植物の生殖の意義、自家不和合性の実態、身の回りにある自家不和合性現象という内容でした。いつもであれば、6月の開講であったのが、3/11の大地震の関係で1ヶ月遅れになりました。毎年受講生の雰囲気が違うこと、また、多くの関係者の方々がいらしていたのは、ありがたい限りです。

 いつものことかもしれないですが、普段見慣れている「作物の花」を見てもらい、その作物をこたえてもらうことをしましたが、意外に皆さん、周りの食べるものを見てないのだなと、。。最初の開講式で、小谷先生が、「自然に対する畏敬の念」という言葉を使われたのですが、そうした意味で、一番身近とも言える自然の観察をする大切さを物語っているような気がしました。

DSCN0854.JPG 自家不和合性についての動画と、名古屋大・東山先生から講義用にお借りしている「受精の動画」を見せたときのインパクトは、大きいものがあったようです。どんな説明よりも、まさに、百聞は一見にしかずということだと。。。。。

 最後に、レポートを書いてもらいながら、講義の質問をとりましたが、かなりたくさんの質問をもらいましたし、こちらがうまく、自家不和合性の喪失と栽培化ということを伝えられなかったのかもしれません。わからなかったヒトは、渡辺までmailをください。できるだけ、わかるように説明しますので。

 この特別講義では、12月にキャリア教育を講義します。お楽しみに。

 最後になりましたが、写真撮影などお手伝いいただいた研究室の皆さん、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

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 わたなべしるす

 PS. 受講生に配布されていた、「東北大学理学部物語」と言う刷子があり、研究室のM1の山村さんの取材記事が出ていました。研究室のメンバーがこうした大学のパンフレットに登場するのはうれしい限りです。電子版でもpdfで見えるようになるとか。そのときには、また、報告します。

 科学者の卵のHPにも関連記事があります。合わせてご覧ください。


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【緊急告知】JST・未来の科学者養成講座・「進化論を唱えたダーヴィンも注目した高等植物の自家不和合性~花粉と雌しべの細胞間コミュニケーションとその分子機構~」特別講義(7/8)

2011年7月 8日 (金)

 一昨年度から始まった、all 東北大の企画である「経験・体験を通して「科学を見る眼」をもつ「科学者の卵」養成プログラム」。今年の開催は、3/11の大地震の影響で危ぶまれましたが、皆様のご尽力で、ここまでこぎ着けました。

 明日は、開講式に続いて、渡辺の「自家不和合性」の講義と、あの地震は何だったのかという、講義があります。今年も受講生は、100名。関係の先生方、保護者の方もいらっしゃるかと。学内の方は、受付で、これを見たといえば、入ることができますので、お時間のある方は、片平、さくらホールで、13:00から、おまちしております。

DSCN0713.JPG なお、講義の場所など詳細については、関連のHPをご覧ください。

http://www.ige.tohoku.ac.jp/mirai/list_h23/list_h23.php
htttp://www.ige.tohoku.ac.jp/mirai/download/pamphlet20110709.pdf


 わたなべしるす

 PS. 渡辺の講義といえば、出し物。今年もやりますので。おたのしみに。

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3/11(金)、14:46から今日まで、その14(7/4, 7/6追記)。

2011年7月 5日 (火)

 前回のその13を記してから、20日近くたちました。そのあと、多くの出前講義オープンラボ招待セミナーなどあり、震災前と同じ状態かと思われるかもしれないですが、来客があり、沿岸部に行くことがありましたが、もちろん、少しずつ、電気が復旧して、信号機が自動で動いていたり、今週末からは、新幹線の徐行区間短くなったり、月末に近い頃には、空路も定期便になるという連絡があり、復旧の足音も見えつつあります。しかしながら、沿岸部の海に近いところまで行くと、まだまだ、車の山があったりで。何がどう片付いているのか、どうすればよいのか、頭を抱えます。また、こうしたところに行くことはあれど、未だ、その被災地を写真に納めることができません。どうしてもその方向にカメラを向けられません。歴史の生き証人として、そうしたことを記しておくことは重要というのはよくわかりますが、。。

 仙台での地震の回数は減りましたが、研究室の学生さんの実家の方で、相次いで大きな地震があったのは、びっくりというか。離れていることもあり、心配になりました。無事が確認でき、ホットということもありました。

DSCN0726.JPG この間には、ずいぶんと集中豪雨というか、ゲリラ豪雨のようなものがありました。これを書いている間にも、ほんの10min間で、かなりの雨が降りました。ただ、大学の周辺では、total 50mmを超えるようなことがありましたが、それによる特に大きな被害もなく。海抜ゼロメートル地帯になったところでは、大きな問題だと思います。

 先にも書いたとおり、ずいぶんと出張に出かけ、新幹線を使いますが、福島、郡山駅に止まったあと、その町の郊外を走りますが、夕方なのに人気がほとんどないというのは、何ともいえず、心が痛みます。放射線量が、時間あたり、1マイクロシーベルトを超えているところがほとんどで、局所的には、その10倍近いところもある「ホットスポット」も検出され、何とかならないのかと思います。遊び盛りに小学生が、外に行けないことは、大変つらいことだろうと。そんな折、夏休みに、北海道などでサマーキャンプをしてという企画も新聞などで見かけました。より大きな方向でこうしたことが広がることを期待したいと思います。もちろん、一部ではありますが、渡辺もお手伝いしている、「科学者の卵」も、夏休みに企画を行います。

 数回前のHPのこのコーナーに、RIの管理区域に入るときにつける、「フィルムバッチ」という、外部被曝量を簡易的に検出するものをつけたらということを書いたような気がします。同じようなことを考えておられるもので、福島県全体に、「フィルムバッチ」を配布して、常時計測という話を聞きました。なによりかと。ただ、宮城県との県境、茨城県との県境、栃木県との県境なども含めて、検討いただけないものかと。。。高所から、俯瞰的な立場にいらっしゃる方々。なにとぞ、なにとぞ。。。渡辺自身も、と思うくらいですので。。。。

 1次補正がゼロ査定ということを書いたところ、ずいぶん多くの方から励ましのお言葉をいただきました。おかげさまというか、大きくゆがんだ実験台は、研究科の方(研究科長裁量経費)で、新しくしていただけるということで、関係の方々に、この場を借りてお礼申し上げます。震災後の何度かの大きな搖れにも持ちこたえつつ、でも、ゆがみが大きくなり、危険度が増していただけに、ありがたいお話でした。8月のお盆前には、交換されるのではと思っております。また、できたら、HPで公開したいと思います。特に、天井部分のひどかった部分について。。。。

DSCN0739.JPG 放射線が苦手な渡辺には、福島第一原発の状態について、あまりテレビ、新聞での報道が減っているのは、気がかりである。一方で、ニュースというより、あのときこうだったというようなドキュメンタリー番組あったりで。。。そういえば、原子力関連学会が、関係機関に対して、事実の早急な報告というのを目にした。こんなことに限らず、研究室であれば、実験をしていて、うまくいった、行かないの報告はある。それがどこの組織でも機能しているので、うまくいっているのだと思う。是非、そうあってほしいと思うのであった。


 わたなべしるす。

 PS. 今日は大学院の講義があった。自由に質問を受け付けて、答えるということを行ったが、相互に十分な満足度があったのだろうか。言いっ放しのような状態では、お互いに進歩がない、。。そのあたりを正確に計る物差しがないものだろうか。。

 そういえば、このところ、渡辺自身はわすれものが多いのが、気がかりです。単純に、震災疲れが出ているのだと。。。。どこかでゆっくり休みたいという気持ちと、緊張の糸が切れた瞬間が怖いような。。研究室のスタッフ、学生さんたちも日替わりで体調を崩されることもあり、研究室そのものをどこかのタイミングでリフレッシュしたいと思う、今日この頃でした。皆様、くれぐれもご自愛ください。

 昨日の夕方、こんどは和歌山県で大きな地震が。。出前講義ででかけた、日高高校の近くのようで。この前から起きている、長野・松本の地震、今回の和歌山。小学校の頃に四国で見た中央構造線を思い出し、関係なければと。。。


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2011年度、オープンラボ終了・おれい(6/19)

2011年6月19日 (日)

 昨日の19:00までのオープンラボに続き、今日、日曜は13:00までの研究室公開となりました。昨日から比べると、建物自身への訪問者も少なかったようです。少し寂しさを感じ得ませんでしたが。。

 研究室を見学してくれたみなさま、ありがとうございました。他の研究室、研究内容にもよいところがあると思いますが、渡辺の研究室ならではということも話ができたのではと思います。そうした方々と、一緒に研究できることを楽しみにしております。

DSCN0552.JPG また、資料だけを持ち帰られ、研究室の内容が今ひとつわからない等ありましたら、このHPから、あるいは直接、渡辺までご連絡ください。研究室訪問など、対応したいと思います。

 2日間とも好天に恵まれたことは、運営をしてくれた、院生、PDの方々のおかげだと思っております。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 今日明日の好天のあとには、どうやら、仙台も梅雨になりそうです。そんな天気予報が出ていました。菜の花のシーズンが終わり、研究室はイネのシーズンへとというところだと思います。

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