東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

お世話になった皆さまへ

2013年3月27日 (水)

事務補助の宮野です。
私事ですが、3月末をもちまして退職することとなりました。

今日は勤務最終日で、花束と色紙をいただき、
帰宅して早速飾りました。

色紙の寄せ書きというのは、学生さん(~児童)の文化なような気がします。
渡辺研でもマメに色紙を用意し、ラボメンバーの門出をお祝いする様子を、幾度となく目にしてきました。
華やかな色合いや、個性的な手書きの文字。
私宛に色紙をいただく機会は、これが最後のように思います。
お忙しい中ありがとうございました。

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渡辺先生をはじめ、多くの方々にお助けいただきながら何とかやってきた7年でした。
7年・・・。7年?。
一瞬に感じるのは歳のせいなんでしょうかね。恐ろしいことです。

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末筆になりましたが、
新しい領域にチャレンジし続ける渡辺グループの益々のご発展と、
皆さまのご活躍とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

長い間お世話になり、誠にありがとうございました。
宮野
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(フルセイルコーヒー一番町)







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正規分布、常識、境界。。。(3/25)

2013年3月26日 (火)

 金曜日に東北大の後期入試の発表があった。土曜日の新聞には各県別の去年と今年の比較なども。出身の愛媛県からの合格者が多くなったのは、何の影響かは分からないが、同県人が、仙台に増えるというのはうれしい限りである。実験をしていると、1回の実験と言うことはあり得ない。何度も繰り返して実験をすることで、その実験系が示す値に近くなると言うか。多くの場合、正規分布をする。受験などの試験の成績も同様に正規分布をする。その正規分布することを使って、そのばらつき具合を計算して、よくいう「偏差値」というのを算出しているらしい。受験生の頃は、この偏差値に振り回されたような気がするが、実験、特に遺伝学の実験をしていると、平均値だけでなく、その実験がどの様に分布しているのか、散らばっているのか、それを「分散」というが。。。正規分布は、イメージ的には「やま」というか、「なみ」というか。そのような形である。左右に行くほど、その値を示す個体というか、そうしたものが少なくなる。。。もちろん、実験系によっては、「正規分布」ではなく、「ポアソン分布」とか、いろいろあったような気がするが、思い出せない。では、正規分布を超えるところに値はないのだろうか。数学が専門でないので、分からないが、常識の範囲内にいる限り、何かを超えて達成することは難しいのだろう。これまで誰しもがやってきたのは、誰も想像しない、常識破りなことを発想して、今までの進歩があったのであろう。

DSCN5793.JPG 常識というのは、普遍かもしれないが、そうでないことも多いような気がする。もちろん、こんなことはしてはいけないというのは変わらない。ただ、昔なら、そんなことも許された時代ということも事実である。学校の帰り道に、花をとって、蜜を吸って帰っていた。花をとって、花びらを数えながら、「すき、きらい」といいながら、むしっていたような。もちろん、田舎でである。それをするにしても、花を全部とったりはしない。加減という常識は心得ていたような気がする。その花とか、植物をとって、いろいろな体験をしているので、今があるように感じる。植物の見方、などなど。。常識といえば、この前に、大学の学部生と話をしていて、「半ドン」という言葉を知らなかった。土曜日の午前中だけ、学校がある。自分の頃は、常識であったが、週休二日になって、そんなこともなくなった。。知らない方が、常識なのかもしれない。ただ、昨今の「ゆとり教育」の揺り戻しか、土曜日の半ドンが復活しそうである。良い悪いというよりも、週5日制の方が、学校で指導される先生方には、ゆとりがなくなった。低学年から、6時間目とかいうのがあるらしい。高校になったら、8時間目とか。。。。土曜日のしわ寄せなのだろうか。あと、とある校長先生から聞いたことがある。土曜日の半ドンのあと、午後から、学年ごととか、教科ごとで、集まって、食事をしながら、話ができたと。また、ベテランが、若いのと一緒に食事をしながら、あれこれと指導もできたと。確かに、研究室でも、先輩と話をしたり、スポーツをしながらなど、半ドンがあった方が、ゆとりがあったように感じる。常識というのは、それまでに培われた様々ことを統合して、確立されたものであり、何かをまねするというのではなく、確固たる意味があったことを、その歴史的背景を踏まえて考え、行動しないといけないような気がする。

 植物には細胞壁というのがある。これが動物とは異なる。中学校だったか、高校の生物で習った。細胞壁とはなんぞや。といわれた時、結構説明するのはむつかしい。単なる、glucoseが1-4で、ねじれた(beta)形で、くっついたものでなくて、もっと複雑な構造らしい。遺伝学に興味の中心があるので、どうも構造体は苦手である。また、糖というのが、かなりの複雑性を生み出しているとも聞いたことがある。では、動物の細胞で、内と外の境界はといわれば。。たぶん、細胞膜というようにこたえることができるだろうが、植物では。。。外の空気との境を考えれば、細胞壁だが。。。。物の本によると、動物と同じで、細胞膜のところが境らしい。。。。としたとき、細胞の中を理解するのは、もちろん単純ではないが、外となると、複雑な構造体の細胞壁があり、その外側の空間は、さらに複雑である。というか、内部の機能を理解するには、遺伝子を破壊したり、顕微鏡を使ったり、いろいろな方法が考えられるが、外界となると、植物がどこまでを外界と考えているのかというところから、始まるのかもしれない。めしべの先端に花粉を運ぶ虫を考えると、虫はどこから来るのだろう。。。そんなことを考えると、まずは、細胞の中で何が起きているのか、という閉じられた空間を理解しつつ、外界を理解するのが近道なのだろうか。。。何か、画期的なことで、外界を区別できれば、もう少し理解しやすくなるような気がする。そのためにも、これまでの常識を超えたところから、植物とその周りを見る必要があるような気がした。

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 わたなべしるす

 PS. この3月に小学校を卒業した方が、卒業文集に「将来の夢は、渡辺教授のような科学者になることです。」とあったというのを、伺いました。出前講義をしていて、この様なことを書いていただけるとは。。。望外の喜びです。というか、うれしさで、おもわず。。。。でした。また、これからも、アウトリーチ活動をがんばろうという「元気」を頂きました。ありがとうございました。

 PS.のPS. 「土曜日は平日」というようなところもあるらしい。。。自分としては、自然なような気がするが。。。ただ、やっぱり、土曜日は土曜日。平日ではないような。。。もちろん、日曜日でもない。。そんな気がする。


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【お知らせ・お詫び】3/23(土)~3/25(月)のHP serverの部分的downについて(3/25, 26追記)

2013年3月25日 (月)

 渡辺の研究室HPがdownしたのが、3/23(土)の昼頃だったと思います。夕方には復旧していたので、ほっとしていたら。。。今日、3/25(月)の午後から夕方にかけても。。。年度末の多忙な時期に、以前にこうしたことがあったときには、12日ほどかかりましたが、今回は、多方面のご尽力で、早くの回復でしたが。。。何とか、つながったと言うことで。。。

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 わたなべしるす

 PS. mailの方は、未だ不調のままです。いろいろなご連絡を頂いているのかも知れません。急いで、mailを頂いた方々も。すみません。もう少しかかりそうです。。。回復次第、対応しますので。。。

 PS.のPS. 26日の午後にかけて、netがどうやら、落ち着きました。mailも見ることができるようになり、webも安定してきました。何が原因だったのか。少し調べる必要がありそうです。このdownしていた期間中にmailを頂いた方で、うまくいかなかった方。再送頂ければ、幸甚です。

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選抜、生き物、フロント。。。。(3/20)

2013年3月20日 (水)

 大学・学部3年生の講義で、「植物育種学I, II」というのを日向先生から講義を受けた。出張先なので、当時のノートはないが、最初は、光合成、耐病性とか、育種、つまり、品種改良を考える上で考えなければならないポイントだったような。もちろん、他の講義でも聴いたことがあるようなことを何度も聞いたような。。。後半になってくると、実際の育種・品種改良をするためには、どのようなことが問題となり、どのような方法があるかの講義となった。そのときに考えないといけないのは、自家不和合性を持っているような他人の花粉で種子形成が起きる「他殖性」の場合と、自分の花粉でも問題なく自殖弱勢が出ない、イネのような「自殖性」の場合。自殖性であれば、簡単にというわけでもないかもしれないが、純系は作りやすい。一方、他殖の場合は、自殖弱勢が出て、雄性不稔などが現れることから、単純に自殖を繰り返すわけにはいかない。また、純系ができても、どの組合せとどの組合せがよいのか、など、最終的には、たくさんの子孫ができた中から、そのときの社会情勢あうような形質を持った系統を選抜することが大事になる。ただ、実際に育種・品種改良をしたことがないものが言うのは、おこがましいが、それぞれの親の持つ形質、それがどのように子孫に受け継がれるのか、結果、どの系統を選抜するのがよいかというのは、その選抜する眼を持たなければならない。現場の人に言わせると、10年も特定の作物を見ていれば、この系統が使えるというのが見えるらしい。確かに、30年近くアブラナを見ているが、このままの栽培では、よくないとか、そうしたことくらいはわかるようになったような気がする。それぞれの系統の特性を理解して、この場面では使いにくいけど、別の場面では活用できると言うこともある。そうしたことを理解して、育種して、品種にするというのは、植物育種学を学んだものとしては、いろいろな場面で考えないといけない、そんな気がする。

DSCN5798.JPG 今の研究室は、植物育種学という名前にすることはできなかったと言うことと、遺伝学をやりたかった、生殖という形質を扱っているので、「植物生殖遺伝分野」とした。何れ、植物、作物を扱い、その遺伝子の機能を決めるということが目標である。では、遺伝子がわかれば、その植物、作物が理解できるかと言えば。。。確かに一面、理解できるように思う。例えば、その遺伝子が機能しないと、おしべが花びらに変化するとか。確かに、理解できるように思える。ところが、どのような化学反応が起きたのか、もっと言えば、分子とか、原子のレベルで何が起きたのかという理解にはなっていない。つまり、生き物として、大まかには理解できたのかもしれない。ただ、そうはいっても、もっと小さなレベルで見たときに起きていることまで、理解できたというわけではない。つまり、どの次元でわかっているのかと言うことを理解した上で、今の現状を把握して、さらにつぎに進めると言うことを考えないといけない、まだというか、そんな時代のような気がする。では、そうしたことがいつできるようになるのか、。。ずっと先かもしれないし、異分野との交流で、意外と近いのかも。。。簡単には予想できない感は否めない。。。

 植物で遺伝子の解析をしたフロントランナーというのは誰かというと、。。これは、古い文献を調べればわかることである(たぶん、1980年代には、遺伝子がクローニングされていたと思うが、それが誰なのか、何なのかは。。。比較的早いのは、花の花色だったような。。。違っていたら、すみません。)。では、品種改良のフロントランナーとなると、。。これも、教科書的には、集団育種法とか、F1雑種育種法というのが、書かれていたが、それを厳密に誰が最初にと言うのは、書かれてなかったような。。。もっと言えば、品種改良というのは、人類が野生にあったものを、これは食べることができると言うことから、選抜し、さらなる改良をしたわけで。。。そうなると、そのフロントランナーを歴史から探すのは、ほぼというか、不可能であろう。少なくとも誰もやっていないことにトライして、その時代時代で、ここまではできるということをしたからこそ、現時点での優秀な農作物が確立されているのであろう。

 ということを、愛媛出張をして、菜の花が咲き乱れている自然を見ながら、ふと感じた、雨のお彼岸の中日であった。。。

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 わたなべしるす



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2年間のお礼

2013年3月18日 (月)

先ほど引越の荷物を送りだして、このダイアリーを書いています。
仙台に来た時には車1台分しか荷物がなかったのに、大幅に増えていました。
今度はシンプルライフを心がけます。
あと、次回はごみの収集日に引越をしようと反省しました。
引越をする上で楽しみだったのが、「冷蔵庫の裏から何がでてくるか」
小型冷蔵庫は背が低いので裏側に物を落としてしまうのですが
出たのはポテトマッシャ―、しゃもじ、乾燥わかめの袋、排水溝ネットの袋 で意外と面白いものはありませんでした。

先日はラボの追いコンやお別れケーキ会を開いて頂き、いよいよ卒業だなと実感しています。
美味しいケーキがたくさん食べられて幸せでした。

入学当初は東日本大震災の直後で、どうなることかと思いましたが、渡辺先生のお力であっという間に実験器具をそろえていただき、充実した生活を送ることができました。
先輩方・同期・後輩の皆さんには実験だけでなく様々な面で温かく励ましてもらいました。

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2年間どうもありがとうございました。

M2 山村

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