東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】仙台市立七北田小学校・NSP科学クラブ「花を解剖して、花の構造を理解しよう!!」(11/12)

2010年11月14日 (日)

 今年最後の七北田小学校NSPは、4, 5, 6年生で構成されるクラブ活動である、科学クラブで、花、葉っぱ、茎を解剖して、それを並べてみたり、顕微鏡で観察してみたりという、昔であれば、学校の帰り道で悪さをしながら、よくやったようなことだったことを、顕微鏡という科学の力と、やっぱり、手作業の重要性を実感してもらいながら、実験を行いました。

DSCN5069.JPG キク、カーネーション、ストックなどの花を持ち込み、ピンセットで解剖を始めましたが、最初は、1つの花をばらばらにするのにも時間がかかっていましたが、最後は、葉っぱの表皮を葉がしてみたり、茎の輪切りの横断面を観察したりと、手慣れてきました。

 実験の途中で花には一般的に、がく、花びら、おしべ、雌しべがあることを講義して、でも、今の花の多くは、遺伝子が変異を起こして、花びらが多いものがたくさんある。ストックは、アブラナの仲間で、本来なら、4枚の花びらなのに、10枚以上の花びらが観察されたのはなぜだろうかと。おしべが花びらに変わったといったら、「へーーーー!」という感じで。また、キク科の花は小さな花が集まったものだということを、最後に種ができるのを、ヒマワリなどと比べて考えてもらいました。

DSCN5070.JPG これで、また、自然を毎日見たときに、少し違った目でものを見れるのではと思います。

 ということで、科学クラブの椎名先生、お世話になりました。ありがとうございました。NSPも今年度は、年明けの環境お話を6年生にすれば、最後になります。楽しみですね。

 わたなべしるす

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【出前講義】沖縄県立開邦高等学校SSH・ダイコンコンソーシアム研究指導「ダイコンの栽培と多様性」(11/5)

2010年11月 6日 (土)

 昨日の特別講義と討論会に続いて、ダイコンコンソーシアムで行われている研究について、実際のダイコン栽培、実験の方法などを討論しました。9月上旬に播種して、ちょうど2ヶ月くらいのところでの観察会でした。これまで多くのSSH高校での植物栽培を見てきましたが、3つの異なる品種はとても立派に育っていました。栽培には、かなり苦労されたようで、ダイコンということで、たくさんの土を入れた袋での栽培という工夫でした。もう1つ栽培が順調なのは、いずれも沖縄の品種を使っていることかもしれません。昨今話題となっている、亜熱帯特有の赤土に適応した品種だからかもしれません(立派に育っている脇には、小さくしか育っていない、火山灰に適応した桜島ダイコンが。。。)。こうしたことを考えても、これまでに多くのSSH実施高校に指導で伺っていますが、2ヶ月、それも亜熱帯で高温ということを考えると、とてもよく育っていました。研究をしている生徒さん、先生の管理が行き届いているからだと。12月にあるコンソーシアムでの発表がたのしみです。栽培されているダイコンの細かな情報は、ダイコンコンソーシアムのHPに近日中にuploadされるでしょう。

DSCN5060.JPG ダイコンを使った研究ということで、栽培をする以外に、辛味成分の測定、抗菌性なども実験をしていましたが、いくつかの壁に当たって困っていました。実験の時間制限、材料の制限など。もう少し間口を広く考えて、実験を考えれば、気持ちも楽に実験できるでしょうと、。

 2日間という限られた時間でしたが、亜熱帯でもダイコン栽培が可能で、楽しい実験ができる素地が構築されつつあるのを見て、うれしくさせてくれました。また、空いた時間で自然観察をしましたが、どう見ても、virusに感染したモザイク症状だなというような植物もたくさんありました。こんなvirusと共存している自然に感動できたのも今回の出前講義の収穫でした。


 わたなべしるす

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【出前講義】沖縄県立開邦高等学校SSH特別講義「世界トップ水準の研究者を目指せ!!!--そのために不可欠な要素とは???--」、特別討論会「高等植物の自家不和合性」で講演(11/4)

2010年11月 5日 (金)

 沖縄県での出前講義は、2008年の石垣島にある沖縄県立八重山高校以来です。今回の講演のきっかけは、8/20にあった、コアSSH・ダイコンコンソーシアムでのキャリア教育を聞いた、開邦高校の先生、生徒さんからのリクエストでした。何より、今年、サイエンスの講義というより、キャリア教育の講義が多いのは、それだけ、高校でも進路について、真剣に考えているからだと思いました。先週の宇都宮女子高校でのSSH講義も、キャリア教育でした。

 沖縄県立開邦高等学校の特徴は、理数科、英語科、芸術科という学科構成で、普通科がないということでした。自分が高校の頃を考えると、なんか不思議な感じでした。校内には、至る所に、芸術作品や英語の文字、サイエンスのポスターなどがあり、それを実感させてくれました。

 最初のキャリア教育は、理数科の1-3年生が対象で、渡辺の子供時代からの話をし、自分の将来に向けた、アドバイスのようなものが少しはできたのではと思います。講義のあとにもたくさんの質問をもらいましたが、mailでの質問を受け付けるとしたら、2名の生徒さんから、早速、質問を頂きました。みんな一生懸命なんだなと。実感できた瞬間でした。

DSCN4976.JPG 全体の講義のあと、20名弱の生徒さんを対象に、アブラナ科植物の自家不和合性の話をし、30min程度の質問時間としました。自家不和合性の不思議さ、自家和合性があることの意味、品種改良など、様々な質問を頂き、予定の1hrはあっという間でした。

 最後になりましたが、お世話になった新城先生をはじめとする多くの先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

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 わたなべしるす

  PS. 開邦高校のHPのtopに講義のことが記してありました。ありがとうございます。


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【出前授業】東北大学サイエンスカフェ第64回「花の中のミステリー~めしべは自分と他人の花粉を識別できる!~」開催(10/31)

2010年10月31日 (日)

 HPでもお知らせしていたとおり、先週の金曜日、10/29(金)に、東北大学サイエンスカフェを担当しました。第64回目で演題は、

「花の中のミステリー~めしべは自分と他人の花粉を識別できる!~」

でお話ししました。

DSCN4896.JPG 16:00から会場の準備を行い、18:00-19:45までの講義と質疑でした。花がなぜ必要なのか、花から何ができるのか、自家不和合性のことなどを、お話ししました。当日は、今年に入って、最高の入りだったそうで、100名越えだったそうです。何より、こういう多くの方にご参加頂いたのは、これまで行ってきた出前講義でお世話になった先生、生徒の方々、また、科学者の卵の受講生をはじめ、多くの関係の方々でなく、HPを見て、きて頂いたり、感謝に堪えません。ありがとうございました。

DSCN4952.JPG 講義のあとに、お二人の方から、mailでの質問も頂きました。疑問が残った方、また、おたずね下さい。

 最後になりましたが、今回のカフェに推薦頂いた、安藤先生、久利先生、ありがとうございました。また、当日のファシリテーターをお手伝い頂いた、研究室の方、アルバイトの方々、当日までの準備を頂いた研究室のスタッフの方に感謝します。最後になりましたが、広報の方々に感謝します。ありがとうございました。また、こうした機会があれば、こちらとしても幸いです。ありがとうございました。


 わたなべしるす

 PS. 大学のサイエンスカフェのHPにも写真があります。併せて、ご覧下さい。

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【出前授業】栃木県立宇都宮女子高等学校で、SSH「進路を決めるために必要なことは??--東北大・生命科学・渡辺教授はどのような子ども時代を過ごし、どうやって進路を決めたのだろうか??

2010年10月25日 (月)

 3年連続で、栃木県立宇都宮女子高等学校で実施されているSSHの取組である「第1学年講演会」に招待され、出前講義を行いました。昨年、一昨年は、「自家不和合性」というサイエンスの話をしましたが、今回は、担当の先生と話をした上で、自然科学への興味関心を喚起しつつ、進路決定の一助とするということで、「キャリア教育」をということになりました。

DSCN4872.JPG 講義の内容は、これまでのものと同じですが、女子校ということで、理系にどれくらい進学するのか、こちらも気にしていましたが、講義の前に校長先生とお話ししたときに、今の2年生は、理系の生徒さんの方が、文系の生徒さんよりも多いと。とてもすばらしいことだと。今年の1年生もぜひ、そうあってほしいと思いました。というか、最後の質問の時には、研究者として必要な素質のようなことを話したことについて、たくさんの質問をもらいました。英語で論文を書くこと、英語をしゃべること、論文を書くことの大切さ、博士にならないと研究ができないのか等々。すでに科学に目をむいているなと。ぜひ、将来、東北大で一緒に研究できる日が来るのを楽しみにしています。そういえば、東北大を目指している生徒さんからは、仙台は寒いのかということを聞かれたのを思い出しました。そんなことはありません。毎日の天気を見ていたら、わかると思いますが、宇都宮の天気と仙台の天気はあまり変わらないと。ぜひ、多くの生徒さんが、東北大に来てくれるのを楽しみにしています。

DSCN4883.JPG 渡辺がたどった人生を参考にして、よりよい進路選択になってくれればとおもいます。まだ、1年生です。ぜひ、来年は、東北大の科学者の卵に参加してください。

 講義のあとには、コアSSHの「アブラナコンソーシアム」の取組である、キャベツの仲間の栽培の様子を視察しました。とても上手に育てており、1人の生徒さんが一生懸命やっていると聞いて、大量の植物の世話をよくやっていると。ぜひ、がんばって、年度末の報告会での発表を楽しみにしています。

DSCN4884.JPG 今日の講義でお世話になった、吉永先生、山本先生をはじめとする先生方にこの場を借りてお礼申し上げます。
 
 
 わたなべしるす

 PS. 来週は、同じSSHを実施している沖縄・開邦高等学校で同様のキャリア教育を行います。楽しみにしています。



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