東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】仙台市立七北田小学校・NSP「多様なイネ:籾の比較と地理的分布」(10/21)

2010年10月22日 (金)

 今月最後のNSPは、5年生が半年間育ててきた、バケツイネの収穫した稲わら、籾の比較と、それが世界のどの地域に分布していたのかを、講義しました。

DSCN4831.JPG この前の8/30は、まだ収穫まででしたが、乾燥させて、籾の一部をカップにとってもらって、籾の形の違い、稲わらの背丈の違いなど、日本のイネ(ジャポニカ)と東南アジアのイネ(インディカ)の違いを実感してもらいました。稲わらの背丈の順に並べて、古い品種のコシヒカリは、背が高いことを実感して、品種改良の重要性を理解してもらいました。さらに、地理的場所が違うと、日本では穂が出ないということが起きることも。それくらい、イネは多様であることを。

DSCN4832.JPG また、籾の先端に芒(ぼう、のげ)、禾(のぎ)があることを実感してもらいました。中には、自分の手に立てて、へーーーという子どもさんも。昔、作物の時間に習った、「禾(のぎ)」は、のぎへんののぎで、植物とか、イネの仲間を意味する漢字が多いと。理科の講義だったのが、社会、国語の講義にもなったようです。また、この種を来年育てたいという子どもさんもたくさんいました。ぜひ、育ててみて下さい。また、数は少ないですが、おうちで、ご飯と一緒に食べてみて下さい。ジャポニカとインディカの違いが分かると思います。


DSCN4854.JPG 5年生のNSPはこれで最後と言うことで、最後に集合写真を。6年生の環境の講義で来年またお会いしましょう。ヘチマの仲間の多様性から始まり、キャベツとブロッコリー、自家不和合性、イネの栽培など、いろいろなことを体験してもらいました。これがよい経験となり、この先の理科、さらには、研究と言うことのヒントになることがあればよいと。また、この中から、一緒に研究できる子どもさんが出れば、法外の喜びです。

DSCN4866.JPG 最後になりましたが、講義をサポート頂いた理科の椎名先生、5年生の担任の先生方。ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。


 わたなべしるす

 PS. 最後に、来週の金曜日には、東北大・サイエンスカフェで、「リンゴの不思議」の話の続きをしますといったら、目を輝かせている子どもさんもいました。来週、ぜひお会いしましょう。




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【出前授業】福島県立福島高等学校で、JST・未来の科学者養成講座・現地指導、コアSSH・ダイコン/アブラナコンソーシアム出前講義「キャベツ類の栽培と花形態観察」(10/8)

2010年10月14日 (木)

 福島県立福島高等学校へ伺ったのは、5/26の未来の科学者養成講座の説明会以来でした。それまでにも、講座で受講生とお会いしたり、コアSSHの研究会(鹿児島/岩手)でもお会いしていました。また、エクステンドコースで実験にきてもらったり。

 そうした活動を研究室にきての指導が難しい、また、キャベツ類の栽培の指導は、実際のものを見てと言うのが、大切と言うことで。渡辺は農学部で栽培について、それなりに教育を受けて、実験を始めたわけですが、高校生にとっては、小学生以来の野菜類の栽培で、かなり苦労をしていました。虫に食われたり、徒長していたり。。それをなんとかすべく、間引きをしたり、肥料をあげたり、これからの観察のポイントを講義したりしました。最後には、キャベツ類の畑もできあがり、たいしたものだと。毎日の観察をちゃんとして、キャベツ、ブロッコリー等、形態の違いを十分に観察して下さい。ダイコンの栽培も同じですから。

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 それから、未来の科学者養成講座の方では、エクステンドコースの受講生の方々と、今後の方向性などを議論しました。秋の花を使って、いろいろな交配をして、アニリンブルー染色で観察する方法論。さらに、花を解剖して、花がどうなっているのか。こうした基本的なことを高校生のうちに、体験しておくことは、大学での発展的な研究に大きく影響すると思います。ぜひ、がんばって下さい。

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 ということで、また、来月末には、バナナから、DNA単離という実習に伺います。楽しみにしています。今回も、橋爪先生にお世話になりました。ありがとうございました。


 わたなべしるす


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【出前講義】仙台市立七北田小学校・出前講義NSP「ヘチマとそのなかまたち--実は、たくさんの仲間がいます--」(10/4)

2010年10月 8日 (金)

 今回の七北田小学校でのNSPは、まだ理科専科の対象になっていない4年生にヘチマを材料にして、「ウリ科植物の多様性と相同性」というようなことの講義を行いました。種子から始まり、芽が出て成長して、花が咲いて、実ができるところ、という具合にです。

 4年生にとっては、初めてのNSPということ、ちょっと趣向を凝らして、クイズ形式にして、「ヘチマ」、「カボチャ」、「キュウリ」、「メロン」、「スイカ」、「ゴーヤ」の写真を見てもらって、どの植物が当てる講義でした。何より難しいのは、最初のふたばが出たところ。これは、ウリを専門に研究されている方ならまだしも、アブラナを研究していたり、農学部で講義を受けた渡辺でも、難しいものがあります。また、同じCucumis属になるメロンとキュウリの種子の区別。これも難しいですね。それ以外については、よく観察しているというか、毎日の野菜をよく見ているというか、ほとんどのひとが手を上げて、誰にこたえてもらうか、困るくらいでした。

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 そんな中で、メロンの果実の横断面を見て、種があるところが、大きく分けて3つの部屋からできている、それは、他のウリの仲間を見ても、似ていることに気がついた子供さんがいました。とても鋭い観察力だと思いました。感動しました。将来、すばらしい植物の研究者になれると思います。一緒に研究できる日が来るのが楽しみです。

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 質問もたくさんもらいましたし、それぞれの教室を回っての質問もたくさんでした。それと何より、当日の感想を書いた手紙をもらいましたが、たくさんの感想、質問がかいてありました。ありがとうございました。時間を見つけて、また、返事をしたいと思います。

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 最後になりましたが、椎名先生、4年生の先生方をはじめとする、関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。


 わたなべしるす



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【出前講義】JST・未来の科学者養成講座・「世界トップ水準の研究者を目指せ!!~そのために不可欠な要素とは?(キャリア教育)」特別講義(10/3, 10/9追加記事有り)

2010年10月 3日 (日)

 昨年度から始まった、all 東北大の企画である「経験・体験を通して「科学を見る眼」をもつ「科学者の卵」養成プログラム」で、10/2に、キャリア教育の講義を行いました。小中高でどのように考え、大学でなぜ、今の研究をするようになったのか。また、研究をトップ水準に持っていくためには、さらにそれを維持するために、何が必要か、ということを講義しました。

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 今年の受講生は皆さんまじめなのか、質問がありませんでしたが、そのあと、mailでいくつか質問をもらっております。ありがとうございました。

 1つだけ、訂正をしておかないといけないことがあると思います。それは、今までの人生を振り返れば、分岐点がいくつもあって、そのときに、どうするかによって、今があることをお話ししました。しかし、その分岐点は、そこまでを全力でやっていたから、良い方向に転んだのだと思っています。何も考えないでやっていたら、そうはいかなかったと。なので、まだ、人生を決めるまでに、時間があると思わず、毎日を大切にしてください。

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 また、講義でお会いしましょう。


 わたなべしるす

 PS. 講義のあとの「バックヤードツアー」は、この前、地球に戻ってきた探査衛星「はやぶさ」の見学会でした。実物の衛星を見るのは初めてで、感動しました。久利先生、安藤先生、ありがとうございました。

 11月には、沖縄の開邦高校で同様のキャリア教育をお願いされております。楽しみにしています。

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【出前講義・研究室訪問】宮城県高等学校理科研究会仙塩支部生物部会研修会「ポストゲノム時代に求められる観察眼と花の解剖実習」(9/30)

2010年10月 1日 (金)

 「科学者の卵」との共催という形で、県内の高等学校の生物教員で、仙台、塩釜地区の先生方の中から、希望者27名、生命科学研究科の方にきていただき、午後からの短い時間でしたが、これからの生物教育、改めて、博物学というか、解剖学というか、そういうことの大切さを、実感いただき、次世代の科学者であろう、高校生を指導されている先生方と議論をしながら、実習いただきました。

 最初は、花を破壊するというか、分解することに、慎重だった先生方も、最後の方には、きれいに並べて、簡易標本を作製したり、相互の標本を写真に撮られたりして、普段忙しくされている先生方には、久しぶりに心和む時間であったのであれば、幸いと思う感じでした。

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 いつも「科学者の卵」、出前講義でお世話になっている先生方等、存じ上げている先生方もご参加いただけたのは、うれしい限りです。毎年と言うことではなくても、数年に1度でOKであれば、また、お引き受けして、いきものを生き物としてみることの大切さを実感いただければと思いました。

 最後になりましたが、研修会を取り仕切っていただきました、松島高校の境先生、ありがとうございました。また、ご参加いただいた先生方にも感謝します。ありがとうございました。また、出前講義などでお世話になれれば、幸いです。

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 わたなべしるす


 PS. 世の中は不思議なもので、お世話になっていた先生だけでなく、初めて農学部の助手になったとき、学生実験を教えた学生さんが、理科の先生になって、研修会に。。。。世の中の狭さを感じるとともに。世の中の不思議を実感しました。ありがとうございました。

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