東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】仙台市立七北田小学校・NSP 5年生「キャベツとブロッコリー--何が同じで何が違うの???--」と第1回学校評議員会への参加(6/17)

2010年6月22日 (火)

 5/28に、異なる品種のイネの田植えをしましたが、実は、そのとき、肥料計算を渡辺がまちがっていて、栄養過剰となり、「枯れ上り」が起こり、肥料成分を水で洗い流すことなど、関係の先生方にご迷惑をおかけすると共に、子どもさんたちには心配をかけました。先生たちの絶え間ないご努力のおかげで、いくつかのポットではかれてしまったのもありましたが、ほとんどは復活して大きく成長をしているのを確認するのが、この日のNSPの最初の仕事でした。

P1010052.JPG 従来であれば、午後からの講義のみですが、今年度から、学校評議員を引き受けた関係で、午前中は七北田小学校の運営、討論会でした。自分が小学生の頃には、この様なものはなかったのかもしれないですが、今はまさに、どこかの研究機関、大学と変わらないように、外部評価というか、そういうコメンテーターがいるというのは、世の中の変化を感じると共に、研究室運営でも、何が欠けているか、何をどうすればよくなるのか、考えさせていただいたような気がします。ありがとうございました。よりよい方向に進むことを祈念しております。

DSCN4311.JPG 午後からは、5年生にキャベツとブロッコリーが一見すると全く違う種(しゅ)のように見えるけど、実は同じ種である。だから、交配ができる、雑種を作れる。では、実際に実験するのは、大変なことなので、それがどんな植物になるのかをキャベツとブロッコリーを考えながら、各班ごとに絵を描いて、授業の最後に全体にプレゼンをしてもらいました。どの班もよく考えられていて、キャベツとブロッコリーが、それぞれ、葉っぱと花の集合体であることを理解し、葉っぱと花のどちらが先に出てくるかと言うこともよく考えられていて、観察力というか、みんなでの討論力というか、感心しました。

DSCN4315.JPG 今月の頭には、このHPでも紹介したように、今治市立今治小学校では、実際に雑種の作成に成功しています。ぜひ、来年の春には、自分たちでも花を咲かせて、雑種を作ってみましょう。想像と実際とは、ずいぶん違うと思いますので。

DSCN4316.JPG 最後になりましたが、準備を頂いた、理科の椎名先生、5年生の先生方、校長先生をはじめとする多くの先生方に感謝したいと思います。ありがとうございました。次にお会いするのは、ウリのなかまの講義か、自家不和合性だと思います。楽しみにしております。

わたなべしるす




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【出前講義】愛媛県立今治西高校での文化祭・特別講演会「進化論を唱えたダーウィンも注目した高等植物の自家不和合性」--花粉と雌しべの細胞間コミュニケーションとその分子機構--(6/12

2010年6月18日 (金)

 昨日に引き続き、今回は母校での文化祭の特別講演会でした。文化祭での講演は、昨年の松山南高等学校での文化講演会に続いて、2年連続でお話をできる機会を頂いたことに感謝しております。

DSC_8290.JPG 講演会には、小学生からお年を召した方まで、幅広い年齢層でこれまでずいぶん多くのの出前講義を行ってきましたが、これほどの年齢層では初めてだと思います。講義の最初に「野菜・果物」の花の写真を見て頂き、それがどんな野菜、果物になるのかを考えてもらいました。元気の良い小学生、中学生、高校生から、発表をもらえたのは、うれしい限りでした。そのあとは、いつものようにお花の不思議ということで、「自家不和合性」のお話をしましたが、予定の1.5hrはあっという間でした。最後の質問では、高校生、小中高の先生方から、鋭い質問を多く頂き、とても盛り上がった講演会となりました。

DSCN4270.JPG 渡辺の地元ということもあり、また、渡辺が話すということで、出前講義を行ってきた小学校、知人などに声をかけておきましたが、そうした方々が人づてで広げて頂き、こちらが予想もしなかったような方々にご参加頂いたことは、感謝に堪えません。ありがとうございました。また、渡辺の恩師に当たる先生にもきて頂き、いつもは教室で教えていたいていたのに、立場が逆で話をするというのは、こんなにもプレッシャーなのだということも、実感しました。

001.JPG このような形で地元に科学を還元し、社会貢献できたことは何よりもうれし限りでした。また、参加頂いた小学生、中学生とは、昨年までの出前講義でこちら講義をした生徒さんたちでした。渡辺の話があるというので来てくれたのは、何よりうれしいことです。ありがとうございました。また、いつか講義でお会いしたいと思います。

DSCN4272.JPG 最後になりますが、この企画をサポート頂いた生物の稲葉先生、そして、多くの聴衆を集めて頂きました多くの方々に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。また、5-10年立って、研究が発展したところで、お話ができればと思います。ありがとうございました。


わたなべしるす

PS. 人のつながりとは不思議なもので、知らないところでつながっていたり、そのネットワークが思いもよらないすごい方向に発展したり。普段、研究をしていて、人のつながりのありがたみを感じているわけですが、その人のつながりの違った不思議な一面を見せてもらったような気がしました。ありがとうございました。




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【出前講義】愛媛県立今治西高校での特別講義・討論会「博士になるとは?研究者とは?---いろいろな出会いがあり、決断があり、そして。。。---」(6/11)

2010年6月14日 (月)

 昨年に引き続き、母校での講義となりました。今回は、授業の一環として、また、別記事の文化祭での講演という2日連続の講義となりました。

 特別講義は午前の2コマを利用して、3年生の理系4クラスを2回に分けて、行いました。「キャリア教育」は、あと半年となった3年生によい刺激となったのではと思います。また、渡辺がこれまでに歩んだ道のりを知ってもらうことにより、自分たちにもこんなふんにすれば、これからの半年間の受験勉強に、少しの光明を見いだして頂けたのであれば、後輩たちに良い刺激となったのではと思っております。

P1020156.JPG ある意味、人生の岐路だと思いますし、受験というプレッシャーがあるのも、20年前の自分のような気持ちで講義をしたのは、やはり、母校だったからでしょうか。これまでに歩んだ道のりを振り返り、本当に自分がやりたいと思えるもの、そんなものを見つけ出せれば、今までとは違った受験勉強ができるのではと思います。

P1020173.JPG 今日は早速模擬試験とか。大変と思いますが、がんばってください。それから、講義の最後にお渡しした、レポート。昨年の東北大での「科学者の卵」で使ったものですが、時間のあるときにぜひ、書いてみれば、自分が見えてくると思います。そんな後輩たちのレポートを読むことができるのを楽しみにしています。

P1020178.JPG 午後からは、1, 2年生の希望者、3年生で午前の短縮versionでなくてfull versionを聞きたいという方に対して、同様の講義を行いました。時間に制限もないことがあり、講義は、1.5hr。そのあとの討論会が終わったのは、20:30を過ぎていました。討論会では、受験に直結した悩みなどが多く、また、1年生はこれからの進路に対して、3hrを超える討論会でした。討論会での生徒さん、あれこれと考えることがあると思いますが、何かあったら、また、mailなどください。相談、議論ができると思いますので。

DSCN4293.JPG 最後になりましたが、この講義の準備を頂いた、3年担任の藤本先生、生物の稲葉先生をはじめとする関係の先生方に、感謝します。ありがとうございました。


わたなべしるす




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【出前講義】愛媛県立今治南高校での特別実験と講義「作物の栽培管理・遺伝学実験とアブラナ科植物の自家不和合性と多様性

2010年6月13日 (日)

 13:00-17:00という長丁場で、作物の栽培管理・遺伝学実験交配実験、講義を行いました。6/10は、午前に今治小学校、午後は高校となりましたが、今治南高校では昨年の秋以来で、園芸クリエイト科では、実験と実習、普通科では講義・討論会となりました。

DSCN4298.JPG 養液栽培をしているトマト、セリ、新しい作付けの野菜の播種、キクの整枝剪定、ウリ科作物の管理など、実践的なことの科学的裏付けなどを議論しつつ、交配実験の基礎もお話ししました。新しく作付けするホウレンソウが「暗発芽種子」であるので、最後に新聞で被いをするというのは、良くできていると、感動でした。

DSCN4304.JPG 講義では、昨年に続いて、アブラナ科植物の自家不和合性、アブラナ科作物である、キャベツ、ハクサイ、ダイコン類の多様性と平行進化などを講義しました。将来は農学部で植物・作物を使って研究をしたいという生徒さんと最後に議論ができたのは、うれしい限りでした。ぜひ、がんばって将来、一緒に実験できれば、何よりうれしいことです。

DSCN4308.JPG 今回の幅広い講義を設定頂いた、別府先生をはじめとする先生方に感謝したいと思います。ありがとうございました。また、こうした機会ができればと思います。


わたなべしるす



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【出前講義】今治市立今治小学校・特別講義・実験「新しい植物・「きゃべっこりー」の観察」(6/10)

2010年6月12日 (土)

 これまでの今治小学校での講義・実験で、「キャベツ」と「ブロッコリー」が同じ種のBrassica oleraceaであることを講義し、その植物がどんなものになるかを議論して、絵を描いたり、実際に作るための交配実験を行ってきました。昨年の春に交配を行い、秋にその雑種の種播きをして、この春に、「新しい植物・「きゃべっこりー」」ができたという連絡を受け、実際に観察して、どんな特徴を持っているのかという講義をしました。

 今まで多くの小学校、高校で講義を行ってきましたが、実際に雑種の作出に成功し、観察までできたのは、この今治小学校が最初でした。たしかに、両親の特徴を持っており、これまでアブラナ科植物を材料にして研究してきましたが、見たときには、強烈な感動を覚えるとともに、小学生たちががんばってこれを作ったと思うと、そのすごさを覚えたのでした。

DSC08744.JPG 雑種にも、ブロッコリーに近いもの、キャベツに近いものがあり、それをそれぞれの班で観察して、その特徴をスケッチしました。観察は、何より研究の第一歩ですし、これからの植物科学研究というか、科学をする上での重要なことですので。ぜひ、この春に、それぞれの個体ごとに自分の花粉をかける、自殖を行い、F1植物から、F2個体を育成してください。F2で遺伝子が分離し、さらに形態の変化が見られるのを観察してみてください。また、来年の春に今治小学校に行くのが、楽しみになってきました。

DSC08758.JPG 最後になりましたが、この実験を指導された、渡邉先生、岡田先生に感謝し、急な出前講義になったにもかかわらず、welcomeして頂いた山本校長先生をはじめとする関係の先生方に感謝します。ありがとうございました。

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わたなべしるす

PS. 今治小学校のHPにも関連記事がありました。ありがとうございました。



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