東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】JST・未来の科学者養成講座 第一回全国受講生発表会 「世界トップ水準の研究者を目指せ!!!--そのために不可欠な要素とは???--」 (8/16-18)

2010年8月18日 (水)

 昨年から始まった「未来の科学者養成講座」、東北大では「科学者の卵養成講座」と呼んでいますが。この講座の第一回全国大会が、東京大学で開催されました。東北大からも、昨年の発展コースから、2つのグループが発表し、高い評価を得ました。それぞれの大学でどの様な取組を行い、その結果、どの様な成果が受講生のレベルで達成されているのか、よく分かり、今年度以降の東北大の取組に活かしていこうと。

DSCN4416.JPG 3日間のプログラムでしたが、2日目の夜には、1日目とは違うグループで自己紹介のようなことではなく、3つの異なる講座を用意し、運営をされている各大学の先生方、受講生と討論会でした。そのうちの1つを、JSTの方からお願いされ、渡辺の方で提供しました。昨年の東北大のこの講座の1つの大きな特徴であった「キャリア教育」の一端を講義しました。少し中身をわかりやすくするようにと言うことで、「世界トップ水準の研究者を目指せ!!!--そのために不可欠な要素とは???--」と言うタイトルで講義をし、他の大学の先生方からのコメントをいただき、受講生との討論会でした。

 コメントでは、様々な分野の先生方から、また角度の話を頂き、討論会では、高校生なりの様々な質問や実際の実験、研究の相談のような形でした。お開きの後には、数人でサイエンスの話で盛り上がっていました。

DSCN4429.JPG 最後に、東北大でも行ったレポートを手渡し、帰りまでに渡辺の手元に頂くことにしました。少し時間を頂きますが、また、受講生にコメントをfeedbackをしたいと思います。

 初めての全国大会でしたが、とても良い交流ができたと思っております。来年もこうした会が引き継がれ、さらには、類似のプログラムとの交流ができればと感じました。最後になりましたが、organizeいただいたJSTの担当の方々に感謝したいと思います。

DSCN4422.JPG わたなべしるす

 PS. 1日目の東京は今年最高の暑さとか、夜になっても30oC近くありました。。。。本当に暑くて、東大までの銀杏並木の木もかわいそうなくらいでした。。。関連記事1, 2もありますので、お時間のある方は、そちらもどうぞ。

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【研究室訪問・実験】「科学者の卵養成講座」エクステンドコース・第1回実験コース実施(7/30, 8/2-6)

2010年8月 7日 (土)

 昨年度から始まった「科学者の卵養成講座」。昨年度の発展コースの受講生から、希望者をコース分けして、エクステンドコースを行っています。そのうちの3名が渡辺のところで、実験を行いました。花巻北・高橋さん、宮城第一の山田さん、福島の南条さん。実験の内容は、花粉を発芽培地の上で発芽し、伸長するにはどの様な条件が必要なのか、また、発芽、伸長時に何が起きるのか、そして、なにより、「そのそれぞれの実験の小さな違いを見つけるための観察」に重きを置いての実験となりました。

DSCN4384.JPG 今週に入っての5日間の実験では、毎日のように9:30-20:00すぎまでと言う「大学院生」なみの研究を行いました。研究室の院生・スタッフ、取材に来られた新聞記者の方ともみんな、感服していました。実験の詳しい内容については、また、別の機会に報告しますが、気がつかない意外な発見があったり、どの実験区とどの実験区を比較するかが、たいへんなようでした。考察をすることのトレーニングを覚えると、また、ひとつ上のステップに確実にいけると思えました。がんばってください。

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DSCN4397.JPG 今回の実験がよい機会となり、研究に対する考え方が少し変化して、SSHでの研究、課題研究がよい方向に行ってくれればと思っています。秋以降に、この続きの実験をして来年の植物生理学会の年会が仙台でありますので、ぜひ、発表をとはなしをしたのでした。とても楽しみな3人でした。これからの発展がますます楽しみです。


 わたなべしるす

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【出前講義】仙台市立七北田小学校・NSP「多様なイネの観察法」と地域共生科・七北田小サマー講座4「博士になろう」(7/22)

2010年7月22日 (木)

 今年で3年目になる七北田小学校への出前講義は、NSP(Nanakita Science Project)という、理科を講義することがその大半でしたが、今年から、学校評議委員を仰せつかり、さらに、七北田小学校が取り組んでいる、文部科学省・研究開発校指定である「地域共生科」の七北田小サマー講座にも、講師依頼があり、お引き受けしました。

DSCN4378.JPG 自分が小学校の頃を考えると、刷子の名前は忘れましたが、自分の住んでいる地域のお年寄りの方から聞取りをしたりすることで、今治市にどのような歴史があり、それがどう発展してきたかなど、調べた覚えがあります。いつ頃、線路が敷かれたとか。今治市全体の小学校共通の教材としての刷子があったのだけ、思い出します。たぶん、そんなようなことに近いのだと思います。地域の様々な資源、人であったり、歴史であったり、いろいろあると思いますが。。そんな方々を通して、仙台市泉区の七北田というところを知ろうという試みだと思っています。

 今回はまず、5年生のNSPで行った「イネ」について、田植えをしたあと、これという観察会もできないままでしたので、日本型、インド型というイネの特徴、さらに、品種によって、背丈、出穂の時期が違うなどということを、実際に成長途中のイネを見ながら、観察会を行いました。北海道の品種は、すでに出穂しており、近所の鳥に食べられたのか、緑でなくて、白くなってしまっているのもありました。ちょうど、受精が終わって、胚乳が発達しているお米を取り出し、つぶしたり、食べてみたり。さらには、自分の背丈と比べて、こっちが背が高いとか。様々な体験をすることが何よりということで。

DSCN4364.JPG そのあとは、地域共生科・七北田小サマー講座4「博士になろう」という講義を、地域・保護者の方、もちろん、1-5年生までの児童の皆さんもいるという、とってもヘテロな状態で、行いました。どこを中心に講義をするのか、最初は困りましたが、質問をしたり、自分の体験を説明することで、いわゆるこれまで同様の「キャリア教育」ができたのではないかと思います。この前に行ったNSP同様に、実体験をすることは、本を読むことよりも、思いがけないことを発見できたり、また、身の回り、登下校の道には、自然の不思議があると。保護者の方と一緒だった児童の皆さんには、ぜひ、一緒に道草をして、自然の不思議を体験してほしいと。また、自分が何ができるのか、何が好きなのか、さらに、自分の将来は、ということを、おうちで考えて頂くということを講義しました。最後には、恒例となりました、イネ科の作物とアブラナ科の作物がなくなると。。。とんかつ定食は。。というお話で終わりにしました。

DSCN4377.JPG この経験がどこかできっと活かされる、そんなことがあればと思った、30oCを越えた、仙台での1日でした。

 最後になりましたが、夏休み前の忙しい時期にお世話頂きました、理科の椎名先生、教務の阿部先生をはじめとする七北田小学校の先生方にはお世話になりました。ありがとうございました。夏休み明けの元気な子どもたちにまた講義ができるのを楽しみにしています。


わたなべしるす

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【出前講義】岩手県立水沢高校でのSSHアブラナ科植物多様性コンソーシアム・研修会と特別講義・実習「Brassica oleraceaの多様性と形態のどこに着目するのか??」(7/10-11)

2010年7月12日 (月)

 SSH東北地区発信のコア・SSH「アブラナ科植物多様性コンソーシアムプロジェクト」(機関校:岩手県立水沢高校)が昨年度に続き、採択され、その指導委員を務めることから、その第1回目のSSH特別講義・実習を行ってきました。昨年度と大きく異なることは、東北地区中心だったものが、関東、北陸、九州へと広がりを見せ、全体で13校の参加がありました。

 講義・実習では、新規加入校もあることから、栽培の基本ということの講義はできませんでしたが、観察の着目点、観察の重要性、自家不和合性の重要性などを概説しました。講義のあとの各校の討論の時間には、多くの高校の方から、観察、生殖など様々面について、直接質問を頂きました。より、このコンソーシアムが発展したのではと実感できました。オーガナイザーをされている、水沢高校の先生方に感謝したいと思います。

DSC03214.JPG 2月は、ずいぶん先の話かもしれないですが、そこで、年度末報告会があり、研究が大きく発展し、意見交換ができるが今から、楽しみになってきました。近日中に、このコンソーシアムのHPもできあがり、意見交換、コメントのトラックバックなどもできるようになるようです。楽しみにしております。

oleracea_アップ_1.JPG 来月には、鹿児島での「ダイコンコンソーシアム」。こちらの方もどの程度発展しているのか、どのような参加校なのか、とても楽しみです。


わたなべしるす


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【出前講義】仙台市立川前小学校・5年生「キャベツとブロッコリー--何が同じで何が違うの???--」(6/28)

2010年6月29日 (火)

 4年くらい前でしょうか仙台市川前小学校で出前講義を行いました。それ以来の依頼であり、リピーターであったことは、こちらとしてはうれしい限りでした。また、お願いを頂いた先生が、その当時の講義を見ていて、ぜひというお願いであったことに、まず、感謝を覚えております。ありがとうございました。

DSCN4335.JPG 今回の講義は、6/17に七北田小学校で行った「キャベツとブロッコリー」という身近なアブラナ科野菜を通して、それが同じ種であることを説明し、それらを交配したら、どんな植物、野菜ができるのだろうかと言うことを考える講義を行いました。当日は、保護者の方も来るような講義になっており、多くの方に参加頂いたのは、講義をした方としてもうれしい限りでした。実際には、キャベツの断面、ブロッコリーの断面などを見ながら、どうなるか考え、模造紙にその絵を描いてもらい、発表してもらいました。子どもさんたちだけでなく、保護者の方々にも参加頂き、発表してもらいました。子どもから見る大人の絵、逆に大人が見た子どもの絵がどのように写ったのか、自宅に帰ってから、その話で会話が弾んだり、食育の話になったのであれば、幸いです。

DSCN4347.JPG どこの班も皆さん、よく考えており、とても楽しい絵を描いて、プレゼンしてくれました。今年になって、最高に蒸し暑い日であり、午後から2コマの連続授業であったにもかかわらず、集中して、お話を聞いてもらい、絵を描いて、プレゼンをして、質疑応答をしていたのは、とてもすごいと思いました。これからもがんばって下さい。秋からは、実際に自分たちで、キャベツとブロッコリーを栽培して、その雑種を作ろうと言うことになり、先生方とも打合せを行いました。

DSCN4351.JPG 最後になりますが、今回の授業を競って頂いた先生、保護者の方々に感謝したいと思います。ありがとうございました。また、秋以降にお会いできるのを楽しみにして。


 わたなべしるす

 PS. 講義中にもいくつか質問を頂きましたが、最後にもこの様な質問が。。。「で、キャベツとブロッコリーを交配してできる植物の答えは?????????」。世の中全てのことに答えがあるわけでなく、答えがないも、わからないことが自然なこともたくさんあります。だからこそ、どうなっているのだろうと考えることが大切になります。最初と最後だけ理解して、その考える過程を抜きにするのは、サイエンスをする心を育てると言うことには、遠くなります。ぜひ、考える習慣をつけましょう。



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