東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

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研究室ダイアリー

【出前講義】愛媛県立今治西高校での特別講義・討論会「博士になるとは?研究者とは?---いろいろな出会いがあり、決断があり、そして。。。---」(6/11)

2010年6月14日 (月)

 昨年に引き続き、母校での講義となりました。今回は、授業の一環として、また、別記事の文化祭での講演という2日連続の講義となりました。

 特別講義は午前の2コマを利用して、3年生の理系4クラスを2回に分けて、行いました。「キャリア教育」は、あと半年となった3年生によい刺激となったのではと思います。また、渡辺がこれまでに歩んだ道のりを知ってもらうことにより、自分たちにもこんなふんにすれば、これからの半年間の受験勉強に、少しの光明を見いだして頂けたのであれば、後輩たちに良い刺激となったのではと思っております。

P1020156.JPG ある意味、人生の岐路だと思いますし、受験というプレッシャーがあるのも、20年前の自分のような気持ちで講義をしたのは、やはり、母校だったからでしょうか。これまでに歩んだ道のりを振り返り、本当に自分がやりたいと思えるもの、そんなものを見つけ出せれば、今までとは違った受験勉強ができるのではと思います。

P1020173.JPG 今日は早速模擬試験とか。大変と思いますが、がんばってください。それから、講義の最後にお渡しした、レポート。昨年の東北大での「科学者の卵」で使ったものですが、時間のあるときにぜひ、書いてみれば、自分が見えてくると思います。そんな後輩たちのレポートを読むことができるのを楽しみにしています。

P1020178.JPG 午後からは、1, 2年生の希望者、3年生で午前の短縮versionでなくてfull versionを聞きたいという方に対して、同様の講義を行いました。時間に制限もないことがあり、講義は、1.5hr。そのあとの討論会が終わったのは、20:30を過ぎていました。討論会では、受験に直結した悩みなどが多く、また、1年生はこれからの進路に対して、3hrを超える討論会でした。討論会での生徒さん、あれこれと考えることがあると思いますが、何かあったら、また、mailなどください。相談、議論ができると思いますので。

DSCN4293.JPG 最後になりましたが、この講義の準備を頂いた、3年担任の藤本先生、生物の稲葉先生をはじめとする関係の先生方に、感謝します。ありがとうございました。


わたなべしるす




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【出前講義】愛媛県立今治南高校での特別実験と講義「作物の栽培管理・遺伝学実験とアブラナ科植物の自家不和合性と多様性

2010年6月13日 (日)

 13:00-17:00という長丁場で、作物の栽培管理・遺伝学実験交配実験、講義を行いました。6/10は、午前に今治小学校、午後は高校となりましたが、今治南高校では昨年の秋以来で、園芸クリエイト科では、実験と実習、普通科では講義・討論会となりました。

DSCN4298.JPG 養液栽培をしているトマト、セリ、新しい作付けの野菜の播種、キクの整枝剪定、ウリ科作物の管理など、実践的なことの科学的裏付けなどを議論しつつ、交配実験の基礎もお話ししました。新しく作付けするホウレンソウが「暗発芽種子」であるので、最後に新聞で被いをするというのは、良くできていると、感動でした。

DSCN4304.JPG 講義では、昨年に続いて、アブラナ科植物の自家不和合性、アブラナ科作物である、キャベツ、ハクサイ、ダイコン類の多様性と平行進化などを講義しました。将来は農学部で植物・作物を使って研究をしたいという生徒さんと最後に議論ができたのは、うれしい限りでした。ぜひ、がんばって将来、一緒に実験できれば、何よりうれしいことです。

DSCN4308.JPG 今回の幅広い講義を設定頂いた、別府先生をはじめとする先生方に感謝したいと思います。ありがとうございました。また、こうした機会ができればと思います。


わたなべしるす



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【出前講義】今治市立今治小学校・特別講義・実験「新しい植物・「きゃべっこりー」の観察」(6/10)

2010年6月12日 (土)

 これまでの今治小学校での講義・実験で、「キャベツ」と「ブロッコリー」が同じ種のBrassica oleraceaであることを講義し、その植物がどんなものになるかを議論して、絵を描いたり、実際に作るための交配実験を行ってきました。昨年の春に交配を行い、秋にその雑種の種播きをして、この春に、「新しい植物・「きゃべっこりー」」ができたという連絡を受け、実際に観察して、どんな特徴を持っているのかという講義をしました。

 今まで多くの小学校、高校で講義を行ってきましたが、実際に雑種の作出に成功し、観察までできたのは、この今治小学校が最初でした。たしかに、両親の特徴を持っており、これまでアブラナ科植物を材料にして研究してきましたが、見たときには、強烈な感動を覚えるとともに、小学生たちががんばってこれを作ったと思うと、そのすごさを覚えたのでした。

DSC08744.JPG 雑種にも、ブロッコリーに近いもの、キャベツに近いものがあり、それをそれぞれの班で観察して、その特徴をスケッチしました。観察は、何より研究の第一歩ですし、これからの植物科学研究というか、科学をする上での重要なことですので。ぜひ、この春に、それぞれの個体ごとに自分の花粉をかける、自殖を行い、F1植物から、F2個体を育成してください。F2で遺伝子が分離し、さらに形態の変化が見られるのを観察してみてください。また、来年の春に今治小学校に行くのが、楽しみになってきました。

DSC08758.JPG 最後になりましたが、この実験を指導された、渡邉先生、岡田先生に感謝し、急な出前講義になったにもかかわらず、welcomeして頂いた山本校長先生をはじめとする関係の先生方に感謝します。ありがとうございました。

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わたなべしるす

PS. 今治小学校のHPにも関連記事がありました。ありがとうございました。



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【出前講義】香川県立観音寺第一高等学校・特別講義「博士になるとは?研究者とは?---いろいろな出会いがあり、決断があり、そして。。。---」(6/12一部改変)

2010年6月10日 (木)

 昨年度も、科学者の卵弘前高校、SSHの小松高校福島高校など多くの高校で、キャリア教育ということで「博士になるとは?研究者とは?---いろいろな出会いがあり、決断があり、そして。。。---」と題する特別講義を行ってきました。今年最初は、渡辺の出身県のお隣である、香川県立観音寺第一高等学校でした。最初に講義依頼があったとき、サイエンスの話である自家不和合性のお話とキャリア教育の両方を提案しましたところ、両方というところでしたが、時間的な制限もあり、今回は、キャリア教育になりました。観音寺の駅は、渡辺がこれまで何度も予讃線に乗るたびに、通過していた駅で降りたのは、初めてでした。

 講義の当日に、古典文法テストが入っていることもあり、40名あまりの受講生でしたが、とても熱心に聞いて頂いただけでなく、終わったあとに多くの質問を頂きました。博士研究員で生活できるのかなど、未来を見据えて、また、現状のことをよく理解している質問で、こちらが答えに窮するようなこともありました。さらに、博士、研究者というテーマの話であったにもかかわらず、文系志望の方の受講もあり、最後に片付けているところに、質問にまで来てくれた熱心さには、感動でした。受講をしてくれた皆さん、ぜひ、がんばって自分の目標を達成できるよう日々、努力してください。

DSCN4279.JPG 講義の前の時間で、校長先生をはじめとする先生方との意見交換で、今後の連携を含めてお話しできたのは、初めての経験であり、また、先生方の熱心さに感動しました。こうした先生方に教えてもらっているので、熱心な生徒さんになるのだろうと。。。自分もがんばらないとと思った次第です。良い経験でした。ありがとうございました。

DSCN4288.JPG 最後になりましたが、今回のセッティングをして頂いた、石井先生をはじめとする先生方に感謝します。ありがとうございました。


 わたなべしるす

PS. 観音寺には、銭形の砂の模様があり、とてもおもしろい風景でした。
また、観音寺第一高等学校のHPに関連記事がありました。お時間のある方は、ぜひ、どうぞ。

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継続性、新規性、その先にあるもの。。。(6/10、追加更新)

2010年6月 9日 (水)

 6/6からシロイヌナズナの国際会議が横浜で開催され、研究室からもいくつかのポスター発表などを行った。シロイヌナズナがこのように、世界中で研究するようになることを誰が予想しただろう。初めて、シロイヌナズナの栽培風景を確か、宮城教育大の後藤先生のところで拝見したときに、驚いたことがある。イネの栽培ではないのに、アブラナ科という比較的乾燥地に起源があり、その当時、カブ、キャベツなどを栽培して、自家不和合性の研究をしていた渡辺には、水浸しの中に、ロックウールをおいての栽培には、びっくりした。というより、こんなことをして、栽培できるのだと。カブとか、キャベツであれば、数日に1回、たっぷり水をやるということ、それが教えだった。20年近く前であるが、このとき、シロイヌナズナを材料にしている人は多くなかったし、また、自分でシロイヌナズナを使って、研究し、論文発表ができることさえ想像できなかった。そういった意味で、何十年と1つのこと、あるいは、1つのものに対して、集中して研究することは、大きな意味があるのだろうと。シロイヌナズナは良い例かもしれない。ただ、継続の中に発展を持たせて、アブラナ科植物全体、あるいは、アブラナ科作物、さらには、植物全体に研究を展開することも大事であろう。ところで、水浸しのシロイヌナズナと土の上のシロイヌナズナで何か、変わったところがないのだろうか。きっとあるような気がする。そんなことを、ふと思ったのでした。

DSC_0925.JPGのサムネール画像 継続という点では、教育も同じである。続けることの大切さ、難しさは重々承知している。一度、欠落するとそれを取り戻すのには、何十年もかかると、教育だけでなく、継続の重要性は話になる。そういえば、渡辺も運営委員を務めている東北大のプロジェクトである「未来の科学者の卵」で、昨日、去年1年間の活動を毎回、そのときの感想をまとめていた生徒さんがいた。毎回、講義に出れば、こちらからレポートを課すわけであるが、それ以外のものを毎回、その感想としてまとめるのは、高校生という忙しい時間の中でやり続けることは、大変だったと思う。他にも同じような受講生がいるだろうし、今年の受講生にも同じことではなく、もっと発展させた何かを継続してもらいたいものである。

DSC_3072.jpgのサムネール画像
 同じように教育の継続という点では、先の横浜でのシロイヌナズナの国際会議にダイコンコンソーシアムに参加している数校の高校生が、ポスター発表をしていた。これもこれまでの継続した研究の積み重ねをまとめたものかもしれないが、高校生の国際会議での発表という点では、継続から新規なことへの転換とも言えるような気がする。SSHをやっている高校で海外への研修というのがあるが、海外がどんなところというのも大切かもしれないが、世界レベルの研究者が来ている、国際会議で発表をし、外国の研究者とdiscussionをすることは、海外への研修では得られない経験となるような気がする。少なくとも、渡辺にそんな機会があれば、また違った人生になったような。。。。

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 新しいこと、新規なことというのは、大変なことである。ただ、よく考えれば、何かを継続していたとき、それもその現象なり、材料をよく観察していれば、ふとしたことで、新しい面が見えてきて、それが新規なことになっていくのかもしれない。その意味で、身の回りに四季折々に変わる花であり、植物の様子を観察し、カメラに納めて、並べてみるだけでも何か新しいものが見えるのかもしれない。絵心のない渡辺には、カメラという道具の力を借りるしかないのであるが。。

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わたなべしるす


PS. ダイコンコンソーシアムについては、アブラナ科植物をこれまで研究材料にしたということもあり、運営指導委員を仰せつかっているが、この活動が、文科省の方でも評価しているという記事を見つけた。指導している立場としても、うれしい限りである。

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