東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

2015年6月の記事です。

【出前講義】今治市立鳥生小学校「キャベツとブロッコリー」(2015年度ふるさと出前授業-6、6/15)

2015年6月16日 (火)

 金曜日は四国中央市立川滝小学校新居浜市立金子小学校への出前講義。6月のふるさと出前授業もこの月曜日が最後。金曜日のように湿度が高いわけでなく、また、暑すぎることもなく、好天に恵まれたのが、何よりでした。午前中に伺ったのは、鳥生小学校。渡辺が小学校の頃でしょうか。以前にも出前講義で伺ったことがありますが、立花小学校から分かれてできた小学校。どこにできたのかというのは、意外と知らないままで。。。比較的町中に近いとはいえ、周りには水田があったり、畑があったりで、自然が残っている場所。最初に校長室に伺ったときには「カナヘビ」を捕まえて、学校に持ってきたという子供さんがいらしたとか。この自然をしっかり活用して、日々、がんばってほしいなと。と言うことを少し高井校長先生とお話ししたところで、会場準備。というか、高井校長先生は、昨年度まで、美須賀小学校の校長先生として。先の吹揚小学校への統合の関係で、鳥生小学校へ。新しい小学校で、こうしてお世話になることができるのもありがたいことです。

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DSCN7431.JPG 3時間目が始まるより少し早かったですが、準備が整ったと言うことで、講義をスタート。最初に渡辺の自己紹介をしたあと、先に校長先生と話をしていた鳥生小学校の周りの自然を学校の行き帰り、日々の生活でもいかして、自然の変化を学んでほしいと。こうしたことを最後に言うことを思うのですが、すぐに忘れてしまうので。忘れないうちに。で、初日の桜井小学校以来の「キャベツとブロッコリー」の講義。最初にトマトの例を出して、種子から生長して、結実、種子形成までを復習。トマトではもちろん、こうしたlife cycleを覚えているわけですが、それ以外には、ないかなということをで。たくさんの植物、作物が同じようになっていると、確認作業を。では、今日の講義のテーマである、キャベツ、ブロッコリーでは、どの様になっているのか。桜井小学校では、どちらも観察したことがあると言う生徒さんもいましたが、いないことの方が、一般的。で、キャベツとブロッコリーの生活環を説明し、実物を見てもらったあと、この2つの植物は、もともとケールというものを人間が品種改良して、できたもの。では、一緒にしたら、どの様な新しい植物ができるかと言うこと。

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DSCN7438.JPG これを各班ごとに、きちんと相談して、まとめて、発表すると言うこと。それを最初に担当の先生からコメントいただき、子供たちが何をやるかが明確になったところでスタート。いつもなら、時計だけで何時までと言うようにするところを、何かに使う逆算タイマーで、25minをカウント。もちろん、書いている途中で、渡辺の方から、のこり時間をコメントしましたが。それでも、やっているみんなには、わかりやすかったのでは。また、途中で、こちらが書いた黒板の絵について、説明を求めに来る方も。植物の基本を改めてわかったのではないでしょうか。時間が来たところで、タイマーが知らせてくれて、5年生の先生が笛を吹いて。そこで終了。時間を守って、全部仕上げることができたのは、さすがです。普段から時間を守ることができているのだと、感動でした。

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DSCN7448.JPG 発表をするとき、感動だったのは、どのグループも全員でそろって、一例をしてから、発表をはじめて、終わったら、終わりましたと。とてもしっかりしていました。また、ホワイトボードを用意して頂き、表裏にはり付けて、次々と発表できるように工夫頂きました。ありがとうございました。また、たくさんの質問があり、少し時間をoverしてしまいましたが、なんとか。最後に、では、どんな植物になるのか、はじめに書いたホワイトボードで改めて、理解を深めてもらいました。茎が相互に重なると言うことはよいですが、根っこがなくなるようなつながり方がおかしいことは、わかってもらえたでしょうか。

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DSCN7456.JPG プレゼント質疑に時間を割きすぎたので、講義が終わったところでの質問の時間が取れず。。。手紙の中に質問は書いておいて下さい。そのあと、代表の方からしっかりとしたお礼の挨拶。ありがとうございました。感動でした。もちろん、ここでも世界に向かって情報発信。そのあとは、講義をした児童の皆さんと一緒に給食。質問が取れなかったので、いろいろな質問の時間に。いろんな事に興味を持っていて、感動でした。

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DSCN7467.JPG 最後になりましたが、鳥生小学校校長・高井先生、教頭・赤宗先生、出前講義担当・長井先生、5年生の担任の先生方をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 校長室の周りには、たくさんの生き物が観察できるように。その中でも感動したのは、カブトムシが幼虫からさなぎになるところが、ガラスコップの中で見えるようにしてあるもの。この時には、すでにさなぎになっていましたが、しばらく前には、時間をかけて、幼虫からさなぎになるのを観察できたとか。普段は、土の中で起きているイベントをこうして見えるようになるのは、よいことだなと。。。他にもトンボなどあり、楽しい空間でした。是非、毎日観察してみてはと思ったくらいでした。

DSCN7468.JPG PS.のPS. 昔、日吉小学校で理科支援員をされていた方が、金曜日の四国中央市立川滝小学校の出前講義のHPを見て、「やさいのおなか」という小学生向けの本のことを教えていただきました。ありがとうございました。基本、縦断面になるのだと思いますが。そんな本。どこか大きな本屋さんで見つけてみたいなと。ありがとうございました。

 PS.のPS.のPS. 鳥生小学校のHPに出前講義の記事がuploadされているのを、見つけました。こちらが詳しく書いていないポイントなども。ありがとうございました。

 PS.のPS.のPS.のPS. 2012年に愛媛新聞に大型コラム「道標 ふるさと伝言」を掲載しましたが、渡辺の後任として、執筆された方が、渡辺の高校、大学の後輩の方でしたが、出身の小学校がこの鳥生小学校とか。。。これも不思議なご縁だなと。ありがとうございました。

 

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【出前講義】新居浜市立金子小学校「花の不思議な世界」(2015年度ふるさと出前授業-5、6/12)

2015年6月14日 (日)

 午前中が四国中央市立川滝小学校での出前講義。午後からは、川之江駅と今治駅の真ん中くらいに位置するでしょうか、新居浜駅から車で5minくらいの所、いわゆる、町中の小学校、新居浜市立金子小学校へ。金子小学校での出前講義のきっかけも、今治小学校でお世話になっていた理科専科の岡田先生が教頭先生として異動され、それ以来。岡田先生は転出されたのですが、ちゃんと岡田先生のことを覚えている方々も。それだけ子供たちに溶け込んで仕事をされていたのだろうと。。最近、気がついたのですが、学校の玄関には、多くのところで「ソテツ」が植えられていること。こんなちょっとしたことにも、目が向かないと気がつかないのだなと。

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DSCN7362.JPG 最初に校長先生から渡辺のことを紹介頂き、渡辺からも今治から新居浜に来る先のきっかけなど、いくつかのことを話して、今日の講義テーマである「花」のことから話を。花の名前を知っている、知ってないというのは、大事なことでないというと、間違いかも知れないですが、普段から身の回りを観察する、注意を払うことの大切さ。

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DSCN7368.JPG それとあわせて、どの花とどの花が似ているか、いわゆる、分類の問題。身の回りには、例えば、キク科、バラ科、アブラナ科の植物をたくさん見ることができ ます。その例として、キク科の花の形を考えて。花の真ん中の部分に種子はできるし、周辺には花弁が見える。不思議な構造をしていると。それを説明するの に、周りの花弁の花を「舌状花」と言うのですが、その言葉は難しいので、どう説明するのがよいかと思っていたら、「飾り」というようなとてもフィットした 言葉を言ってくれる児童の方が。とてもわかりやすい説明ができたなと。

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DSCN7377.JPG では、リンゴは。。。バラ科。他に似たような花、つまり、他の種はと言う問題。サクラ、モモ、ウメ、サクランボ、イチゴ。よく観察できているなと。そんな花の構造から考えてみると。雌しべの先端は複雑な構造。余りの小ささにびっくりだったのでは。また、雌しべの先端での花粉の吸水、発芽、花粉管伸長はやっぱり、「へーーー!!」だったようです。というか、受粉反応が身近の花でこんなことになっているのに、不思議に思うのかなと。

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DSCN7384.JPG で、リンゴをモデルに、花から果実形成まで。大きな果実になれば、リンゴに見えるのですが、最初は、そんな風に見えない。でも、似ているバラ科の果実には。それを考えるのも普段からの観察の賜物だなと。ここからはリンゴの品種名は知らないけど、ミカンの品種はたくさん知っていることを実感してもらい、せっかくなので、冬にリンゴが出るようになれば、新しいリンゴを食べて、この講義のことを思い出してもらえれば。。。

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DSCN7394.JPG 最後のパートはリンゴの不思議のさらなる部分の自家不和合性と受精できるものは、種子であって、その周りの果実の部分は何かというのを考えること。あと、この日がかなり天気がよかったからかも知れないですが、と言うか、渡辺のミスなのですが、リンゴに蕚片を観察できることを失念していて、次の所に話を行こうとして。この自家不和合性のところで、金子小学校での出前講義でいつもびっくりさせられるのが、「自家不和合性が必要な理由」、つまり、他の遺伝子を混ぜる方がよい理由。今回もストライクでこたえてくれた方が。この小学校の先生方の普段からの指導で何かあるのでしょうか。びっくりです。と言うか、感動です。是非、渡辺の所で一緒に研究をしましょうと。感動でした。

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DSCN7418.JPG 講義が終わったところで、質問の時間、十分な時間をとることはできなかったですが、たくさんの質問をもらいました。質問できなかった方は、講義のあとに、感想などの手紙を書くと。その中に質問を書いておいて下さい。そのあと、代表の方からしっかりとしたお礼の挨拶。ありがとうございました。感動でした。もちろん、ここでも世界に向かって情報発信。少しピントが。。お許しください。学校に到着して、講義後に本田校長先生と昨今の教育事情ついて、お話しする時間を頂戴できました。ありがとうございました。

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DSCN7427.JPG 最後になりましたが、金子小学校校長・本田先生、教頭・今村先生、理科専科・千崎先生、6年生の担任の先生方をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 前日、6/11(木)には、三陸沖、宮城県沖、岩手県沖などでM5クラスの地震が結構な頻度で。何かの前兆でないのか、気になると思っていたら、6/12(金)は、宮城県沖地震が37年前に発生したと。。。火山活動などが活発になっているので、ちょっと気になるわけですが、しばらく仙台に戻れないので。。。何もないことを祈りつつ。。。もちろん、南海、東南海という大きな地震が起きないことも。。。
 


 

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【出前講義】四国中央市立川滝小学校「ヘチマとそのなかまたち」(2015年度ふるさと出前授業-4、6/12, 15追記)

2015年6月13日 (土)

 前日は雨模様での今治市立吹揚小学校でしたが、金曜日は一転快晴というか、じめっとした梅雨の晴れ間。午前中はふるさと出前授業が始まってからはじめて伺う四国中央市。平成の大合併で愛媛県ではずいぶんの市町村の名前が消えて、新しい名前が登場。その中でも伊予三島市、川之江市、土居町、新宮村など、香川県との県境に近い、県内でも東の地域を統合してできたのが、四国中央市。地図上では、確かに。ただ、愛媛県なのに四国という名前がつくというので、いろいろあったような。。。その四国中央市の旧川之江市の川滝小学校がこの日の午前中。予讃線で川之江駅まで行く間、田植えの準備をしていたり、ちょうど田植えが終わったような田んぼ、少し早く収穫できるように1ヶ月近く前に田植えしたような緑で包まれた田んぼも。移動中もあれこれとしていた関係と電車の中からの写真だったので、そんな写真がないのが、少し残念ですが。。。ただ、川之江と言えば、紙の町。多くの製紙会社があったのは、子供の頃から。

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DSCN7301.JPG 四国中央市立川滝小学校は、川之江駅から徳島市内に抜ける国道沿いの中山間地の小学校。初日に伺った朝倉小学校を思い出させるというか、合併前の上朝小学校のようなところ。渡辺が子供の頃、遊んでいたのもこれに近いところ、とてもよい環境だなと。。。この小学校での出前講義となったのも、今治での出前講義のきっかけとなった村上先生が校長先生として、この地に異動になったこと。「理科の鉄人」だったと思いますが、理科の授業のすごい先生が当時、常盤小学校にいらっしゃるというので、是非、お目にかかって話を伺ったりできればと言うことがきっかけでした。それ以来、常盤小学校教育センター富田小学校でお世話になり、今回の川滝小学校での出前講義となりました。学校のHPにも渡辺が出前講義に来ると言うことまで書いて頂き、ありがたい限りでした。

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DSCN7351.JPG 講義はこれまではじめてと思います。4, 5, 6年生という3学年合同形式。今回は「ヘチマとそのなかまたち」ということで。これであれば、学年を超えて、植物の多様性をいろいろな側面から考えたり、観察したりできるであろうと。いつものように、いろいろなウリ科の野菜、果物を村上校長先生に用意頂きました。最初に、村上校長先生から、渡辺の過分なご紹介を頂き。。。穴があったら入りたいというのはこういうことだなと。。。渡辺からも簡単に、何で植物の遺伝学をやろうと思ったのか、ハイブリッドライスの話であったり、昔は、メロンが高くて食べることができなかったので、それを食べたかったと。。。そんな導入で始まり。。。

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DSCN7309.JPG さすがに4年生で学習するヘチマはまだ、播種をして間もない頃。なので、写真を見ながら、5, 6年生は去年までの復習。4年生は、先輩たちの実験を見ていたら、あるいはこれからどの様に生長するかを。改めて、黒板に書いて、みんなで理解して。これからあとは、スイカ、メロン、キュウリ、カボチャ、ゴーヤというウリ科の野菜、果物をいろいろな角度から観察したものを見てもらい、どの写真がどの植物に対応するか。果実はわかりやすいです。では、果実を横断面として観察したら、どうなるのか。種子が入る場所は、大きく見たら、3つの部屋に分かれていて。。。それは、このウリ科に共通していて。実際に用意して頂いた、キュウリ、ズッキーニ、カボチャでも観察をしてもらいました。また、これらの果実を切るとき、基本、横断面でなくて、縦断面が見れるように切るのは、こんなちょっとした理由からという話も。

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DSCN7328.JPG このあたりで講義の折り返し。休憩を入れて、そのタイミングで、マクワウリに近いようなウリ科の果物も切断。こちらがそんな準備をしていたら、周りに観察しに来る方も。自然豊かなところで見ているからでしょうか。とてもしっかりしていました。また、メロンの表面にはなぜ網目のも用があるのか、それがどの様にしてできるのか、。さらには、メロンには茎がTの字に残っているものと、そうでないものが。それらは、どんな理由なのか。栽培農家の習慣についても、少しお話しを。これで栄養が詰まったおいしいメロンを選ぶことができるのではと。ちょうど、この時、先生方から、ネットメロンを提供頂き、切ってしまうのはもったいないので、児童のみんなに観察して、Tの字があることの意味を実感として、見てもらえたのでは。

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DSCN7339.JPG また、果実以外の種子、花などで区別がしやすいのか、そうでないのかなども。これからウリ科の果実の季節。是非、自然の中で学校の行き帰りで観察してみて下さい。講義の最後には、代表の方から、とてもしっかりしたお礼の挨拶を頂きました。ありがとうございました。講義のあとに集合写真を撮るのを失念していたのですが、講義のあとは、サイン会。何かの励みになれば。最後まで片付けなどで6年生が残っていたので、彼らと世界に向かって情報発信。

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DSCN7344.JPG 最後になりましたが、川滝小学校校長・村上先生、4, 5, 6年生の担任の先生方をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 校長室に最初に伺ったとき、村上校長先生と一緒の写真を。鉄人と一緒の写真ですので。ありがたい限りです。また、校長室の中に天秤があったり、校長室前の廊下には、理科のいろいろな分野に関するものがたくさん並べられてあり。。。もちろん、さわって観察できるものも用意されていて。こんな校長室前の廊下を見るのは、はじめてのことでした。というか、やはり、鉄人ならではのと、感動でした。

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DSCN7346.JPG PS.のPS. ふるさと出前授業は、11月にも計画されているのですが、その時に、理科に関する勉強会というか、研究会のようなことを計画しているので、コラボしてほし いというリクエストを。ありがたいことです。どの様なことが渡辺にできるのか、いずれできるだけのお手伝いをしたいと思いますので。ありがとうございまし た。よろしくお願いいたします。と、同時に、理科専科が余り定着していない仙台の地にお招きして、講義をして頂くようなことも計画できれば。。。科学者の卵養成講座のミニ講義でお願いするというのも、1つなのかなと。。。プレゼンの仕方であったり、いろいろなことで、見え方、刺激の受け方も違うはずですか ら。。。ふと。。


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DSCN7349.JPG PS.のPS.のPS. 講義を行った理科室の前は、低学年の教室。何があるのだろうかと、のぞき込んでくれたり、挨拶してくれる方も。とてもしっかりしていました。感動でした。

 PS.のPS.のPS.のPS. 6/15(月) 19:40、というか、月曜日の出前講義に出かける前に、川滝小学校の村上校長先生からmailを頂き、川滝小学校のHPに出前講義の記事をupload頂いたと。ありがとうございました。感動です。
 

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【出前講義】今治市立吹揚小学校「花の不思議な世界」(2015年度ふるさと出前授業-3、6/11, 22追記)

2015年6月12日 (金)

 前日は曇りで何とか天気も持ちこたえたのですが、九州では集中豪雨でかなりの被害が。何とか収まってほしいなと。一方で沖縄では、平年より10日以上早い梅雨明けとか。この10日以上早いと言うことが他の気象と連動するのか、これから梅雨入りをする東北地方では気になるところです。そんな出前講義2日目は、朝から雨というか、午後から夕方にかけては、ずいぶんの雨となり。。。外を歩こうとすると、雨に降られることが多くて。。。その当たりは頭を抱えるところです。前日が朝倉小学校桜井小学校という今治市のどちらかというと南側。2日目は、吹揚小学校。初日の記事にも書きましたが、昨年度の3月いっぱいで今治小学校、日吉小学校、美須賀小学校、城東小学校が閉校となり、4行が統合されて、あたらしい「吹揚小学校」に。場所は、旧美須賀中学校の跡地。美須賀中学校は1年早く、日吉中学校と統合されるという形で。伺うこともはじめてでしたが、校長室からは、今治城をきれいに見ることができ、何かの時には、ほっとする眺めとなるというのを、このふるさと出前授業を統括頂いている高橋校長先生から伺いました。確かにそんな眺めだなと。。。

DSCN7280.JPG 玄関では、welcome boardがお迎えして頂き、その脇には、3月までの小学校で掲げていた目標の垂れ幕が。統合まで長年の短い時間の交流があったとは伺っていますが、実際に一緒に学校生活をするとなると、それはそれで大変なこと。小学校から中学校に上がるとき、いくつかの小学校が一緒になるとかというのはありますが、それより前にと言うのは、うまく慣れることができるのか、気になるところでした。なにより、渡辺は、当時、桜井小学校、桜井中学校というのは、メンバーの変更がない市内唯一の校区でしたので。学校の外観は、雨の関係で写真を撮ることができていませんが、今治市役所をイメージするような。渡辺が存じ上げなかったのですが、建築家・丹下健三氏の出身は、中学校があった美須賀地区と言うことで、それにちなんだものだと。玄関の所は、かなり広い廊下が。。。以前伺った、石川県加賀市立橋立中学校のような感じで。こうした広いスペースは、開放感があるのと同時に、このスペースで講義をするようなこともあって。渡辺も仙台市内のいくつかの小学校で、こうしたろうかを拡張したようなスペースで講義をしたことも。。

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DSCN7278.JPG 前置きがずいぶん長くなりましたが、講義は前日の朝倉小学校で行った「花の不思議な世界」。朝倉小学校同様にこの時期にリンゴを用意頂くのは、大変なこと。そんなリンゴをつかって。朝倉地区は、山沿いの山村とも言うところで、同じバラ科のナシの栽培もありますが、町中の小学校なので、そうしたものを見る機会は少ないかなと。ただ、最初の導入のところで、リンゴの貯蔵のところでは、少し緊張気味だったのか、ちゃんと挙手して発表すると言うよりも、freeにしゃべっていたので、手を挙げると言うことの大切さを。そのあとのバラ科の植物にはと言うところでは、5枚の花びらに着目したとき、リンゴ以外に、サクラ、ナシ、イチゴが立て続けに出てきたのは、素晴らしかったです。特に、イチゴ、よく観察しているなと。また、いわゆる、5枚の花びらがばらばらになる離弁花に分類されるわけですが、その点もしっかり観察していました。

DSCN7282.JPG 雌しべの先端の電顕写真でその大きさというか、花粉の小ささを実感してもらい、動画で花粉発芽、花粉管侵入を見てもらったときには、「おーー!!」と言う言葉が。どこでもこの動画は人気があるというか、感動をもたらすものだと。花粉管の伸長が根っこが伸びるのに似ていると。それもすごいことで、花粉管の伸長が先端生長であり、似ているわけですので。朝倉小学校同様に、ミカンの品種はたくさん知っていました。中でも「ブラッドオレンジ」という切ると、断面にアントシアニンの色素が広がる新しいタイプのものも知っていて、感動でした。リンゴの品種はもちろん、余り知らないのは、今年の冬からぜひ、スーパーなどで学習して下さい。

DSCN7285.JPG 最後の所は、少し難しい、自家不和合性、食べている果実はどこの部分かなど。それでもしっかり考えて、よく発表していました。もちろん、リンゴの果実の中に、がく、ひからびた雄しべ、雌しべがあるのを見たときは、感動。どこも同じです。このちょっと難しかった不思議を冬になってリンゴを食べるようになったとき、是非、思い出して、リンゴを食べてみて下さい。これまでときっとリンゴが違う味がすると思います。それから、今回の出前授業で、「きちんと人の話を聞く」、「手を挙げてたってしゃべる」、と言うようなたくさんの約束をしたと思います。それをこの後もきちんと守って、しっかりした新しい小学校の1期生になって下さい。楽しみにしております。

DSCN7286.JPG 講義の最後には、事前に準備をお願いされた方でなくて、その場で、お礼の挨拶をお願いされた方が、講義の感想などをとてもしっかりと話してくれました。先生に指名されたと言うことでなくて、自分で進んでしゃべることを決断して、きちんとした話ができたことが、とても素晴らしかったです。感動でした。これからもこうしたとき、是非、トライして下さいね。最後は、世界に向かって情報発信。で、と言うパターンで。

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DSCN7296.JPG 最後になりましたが、吹揚小学校校長・高橋先生、理科専科・岡野先生、6年生の担任の先生方をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 校内の別の場所で見つけた横断幕には「一致団結」の文字が。これを送られたのは、4つの小学校の卒業生、つまり、先輩たちから。新しい吹揚小学校の1期生として、また、最初にこの建物で学び始めた「始祖(origin)」として、新たな歴史を積み上げていってほしいなと。。。渡辺の頃は、桜井小学校が大きくなり、卒業後に、国分小学校が新しくできたわけですが、当時の先生方、児童のみんなもそんな風に思ってがんばったのだろうと。改めて、そんなことを感じた1日でした。

DSCN7281.JPG PS.のPS. 6/22(月)、出張から戻り、HPを見ていたら、吹揚小学校のHPに渡辺の記事を発見。ありがとうございました。
 

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【出前講義】今治市立桜井小学校「キャベツとブロッコリー」(2015年度ふるさと出前授業-2、6/10)

2015年6月11日 (木)

 午前の朝倉小学校に続いて、午後からは、渡辺の母校である桜井小学校。校区の境の山を越えたところ。子供頃、自転車で通っていた道ですが、高速道の建設などもあり、少し風景が変わっていたのは。。。時代の流れでしょうか。それでも変わらないのは、小学校の校庭にあるユーカリの木と今となっては一番古い鉄筋コンクリートの建物。これを見ると、桜井小学校に戻ってきたなという気持ちになります。昔は野球部の練習に使っていたバックネットがちょうど180o反対側に。雰囲気は結構違います。これだけで。

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DSCN7266.JPG 今年度も昨年度に続いて、「キャベツとブロッコリー」。考える理科が定着しつつあるのかも知れないと。最初に越智教頭先生から渡辺が桜井小学校の卒業生、先輩であることを紹介いただき、あとは、こちらから。あとから、6年生の担任の先生から伺ったのですが、かなり緊張していたと。だからも知れないです。最初に植物の生長をトマトをモデルに説明するわけですが、栽培をしたことがある方は手を上げてもらうのですが、かなり少なかったのは、緊張のせいだったのだと。。。あとから理解できました。もちろん、講義が進むごとに緊張も解けてきて。。では、キャベツ、ブロッコリーの発芽から生長、開花、結実は。。ブロッコリーの花を見たことがすくなったのは、緊張のせいか、少し観察不足なのか。観察不足でしたら、シーズンが終わってしまいましたので、是非、来春には。もちろん、自宅の冷蔵庫で。キャベツが抽苔して、開花するのを観察しているという方がいたのをびっくり。答えてもらったら、ほぼ、答えがわかってしまうので、ちょっと我慢して、こたえないで、もらって。。。

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 では、この2つの植物の遺伝子を持つ、新しい植物、キャベッコリーは、どんな形になるのか。8つのグループで考えてもらうことに。もちろん、用意していただいたキャベツ、ブロッコリーを半分に切って、それぞれの部分がどの部位なのか、はっぱ、茎、花など。そんな理科で習ったことをしっかり頭に入れて。まとまりがあって、比較的早く書いたり、色をつけたり、発表練習ができるところも。一方で、最後までまとまらず、えいやーで、書くところも。いずれも、時間内に無事完成。時間を5min, 最後は、1min刻みでなくなるのをカウントするとき、いつもであれば「あと、5minです」というところを、今治で講義ができると言うことは、今治の言葉というか、「あと、5min、はよせな、時間ないぞ。(早くしないと、時間がない)」と、話ができるのは、ありがたいことです。もちろん、研究室でも、ほぼ、今治の言葉のままでしゃべって、それを理解してくれている学生さんたちもいるわけですが。

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DSCN7243.JPG 班ごとに発表をして、時間の関係で、3名だけ、質問者を限定。ほぼ、どの班にも制限を超える質問が。とても鋭い質問をする児童の方も。また、発表する方も、なぜ、このような形になるのか、しっかり理由を説明できている班も。素晴らしかったです。と言うか、頼もしい後輩たちでした。発表のあとに、こちらでどの様な形になるかという解説を。茎を中心に考えることの重要性がわかったもらえたのでは。講義のあと、全体で世界に向けて情報発信。

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DSCN7253.JPG いつもなら、説明を手伝ってもらう「博士」たちを持つことを希望するみんなで大変なことになるのですが、この学年は上記の通り、とても静かで。床の上に置かれているのは、はじめてかも。そのあと、男女1名ずつが、お礼の言葉。どちらもとてもしっかりしていて、感動でした。男の子は、「キャベツとブロッコリーを見る眼が変わったと。。。」というような言葉。終わったあとには、片付けをしながら、将来、研究者になりたいと言うことで、世代を超えての握手。渡辺のアブラナ科植物の研究の継承者となってくれるのを楽しみにしています。

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DSCN7261.JPG 桜井小学校で給食を一緒にすると、サイン会が恒例なのですが、今回は午後の開催。ということで、それもなく。と言うか、少し寂しかったですね。ただ、体育館からの帰り道、低学年の方でしょうか。先生とゴミ捨てをしながら、こちらにしっかりと挨拶をしてくれて。しっかりしていました。講義が終わったあと、窪田校長と最近の教育事情について貴重な議論を頂きました。その中で、渡辺が子供の頃も小学校の頃は、男の子よりも女の子の方が、仕切っていたりと。ただ、最後のプレゼンくらいは、男の子がやっていたような。あれこれ言われながら。。。そんなことを思い出しながら。母校の校長室でこうした話ができるとは。本当にありがたいことでした。

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DSCN7264.JPG 最後になりましたが、桜井小学校校長・窪田先生、教頭・越智先生をはじめとする関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。やっぱり母校に戻ってくるとほっとします。楽しい時間でした。ありがとうございました。今後ともよりよい連携ができればと思います。よろしくお願いいたします。

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 わたなべしるす

 PS. 今年の夏休みには、渡辺が卒業した桜井小学校、桜井中学校の同期会を企画頂いていると。そんなお知らせを先日頂きました。今回の話をまたそうした機会にできればと。。。

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DSCN7220.JPG PS.のPS. 渡辺が小学校の頃には、鉄筋コンクリートの建物は、6年生の時にできた当時の名前で「新校舎」。それ以外は、第1から4校舎は、木造。一番小さかった、第3校舎に、今治--尾道ルートで島伝いに橋が架かるという模型があったのを思い出します。では、今の小学校の中で見つけた懐かしいというか、こんなものもあるのだなというものを。渡辺自身もへーと思ったもの。桜井漆器の歴史のようなものも。あの当時からあったのであれば、ちゃんと気がつかなかったのは。。。と思ったものですから。やっぱり母校ですから。

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DSCN7267.JPG PS.のPS.のPS. 来週、出前講義に伺う西条農・別府先生とも来週に向けて、打合せができました。この2日間。お忙しい中、時間を頂戴して。ありがとうございました。来週が楽しみになってきました。よろしくお願いします。

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DSCN7274.JPG PS.のPS.のPS.のPS. 6/11(木), 19:30、このHPをuploadしていて、桜井小学校のHPに記事を見つけました。こちらより先に記事を書いて頂き、感謝です。ありがとうございました。

 PS.のPS.のPS.のPS.のPS. 明日の講義について、川滝小学校の村上校長先生から連絡を頂き、HPを拝見したら、渡辺の記事が。ありがたいことです。感謝です。
 

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