東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

【出前講義】今治市PTA連合会研修会・基調講演「子供が転んでも「ただ」では起きない人生を歩むためには-いち科学者の子供時代を振りかって考える-」(3/3)

2013年3月 3日 (日)

 前日は、同じ今治市内でも、今治自然科学教室という、小学校5, 6年生向けに「キャリア教育」。今回は、保護者向けと言うことで、「今治市PTA連合会研修会」からの依頼。子供の頃に、PTAというのは、親宛の手紙というか、資料を自宅に持ち帰ることくらいで。子供だった自分には余り関係ないというか、実感がないというか。。。これまで出前講義を小学生向け、保護者向けに行ってきましたが、保護者向けの場合、学校単位で、七北田小学校岩沼西小学校、くらいだったような。。。今回のように、今治市全体のPTA連合会研修会での「基調講演」というのは、初めてのことでした。出身の今治でこうしたことをお願い頂けたのも、昨年の母校・今治西高校での講演同様愛媛新聞に連載した「道標」のおかげでしょうか。また、ここ数年、ふるさと出前授業と称して、小学生向けに1週間うち抜けで出前講義をしているからでしょうか。いずれ、ありがたい限りです。

DSCN5770.JPG 研修会に出られているのは、年代の幅はありますが、少し若い世代の保護者の方々。ただ、同じ今治の自然を共有している方々が多いこともあり、話す方としては、やりやすいことがありました。もちろん、自分が子供時代には、夕方、日が暮れるまで、空き地、山、稲刈りあとの田んぼ、川で遊んでいたこと。その当時は、高価なおもちゃがある訳でなく、外で遊ぶのが常。もちろん、けがをしたり、虫に刺されたり。。たくさんの経験をしたことが、今につながっていると。今から見たら、危ないことをしていたのかもしれません。屋根の樋にボールが詰まって、はしごを持ってくる。もちろん、誰にもばれないように。。。ばれないというのは、危ないからやめろと言われるからもあったかもしれません。でも、実際には、はしごをしっかり持つことを覚え、はしごの危なさも、理解できた訳です。やったことがなければ、危ないことはわかりません。もっと大きくなって、中学、高校、大学、大人になってもっと危ないことをというようになると、それが危ないのか、そうでないのかを理解できないというのは、さらに危ないことではないかと。だから、少しくらいの危ないことは、経験しておく。もちろん、程度というのはあると思いますが。。。そうした意味での親の子供への関わり方。難しいことかもしれないですが。。。

 また、小中高は、学校での授業について、理系、文系の選択、理科、社会の科目選択などはありますが、基本、担任の先生など、選ぶことができない、というか、考えなくて、宿題が出る。ところが、大学に行くと、そうはならない。自分が何をしたいのか、何を習得したいのかで、講義枠も自分で決める。つまり、小中高の頃から、自分で何かを決める、将来の職業も含めて。そうしたことを持つことが、大事だと。誰に出会うかも自分で決めることができると言うこと。最近は、不景気なので、将来に夢を持てないとか言いますが、どんな仕事であっても、責任を持ってしっかりやることが、ヒトとして大事なこと。また、そうした決断をするためには、何よりも自分で考えることの大切さを、。。何をするにも、考える習慣というのは大切で、今は、マニュアルがあって、それに従ってやれば、よいと。確かにそうかもしれないです。考えない方が、テストで高い点が取れるというようなこともあるとか。。。ただ、その枠から外れたら、1か、0かの世界なので、0では、だめな訳で。。。というようなことも。今回の講演会が何かのヒントになればと思いました。

DSCN5778.JPG 質問では、昨今のいじめ、体罰のこともあって、「命の大切さと3.11の震災のこと」など、deepな議論ができました。今回のことがきっかけとなって、いろいろなことがよい方向に進んでもらえればと思いました。

 最後になりましたが、本会を企画頂きました、今治市PTA連合会・南條会長様、今治市教育委員会をはじめとする関係の方々に、お礼申し上げます。ありがとうございました。今後とも何かの形で連携できれば、幸甚です。


 わたなべしるす

 PS. PTA会員だけでなく、一般にも講演会が公開されていたことから、小学校時代にお世話になった先生、同級生と会のあとに、最近の今治の教育事情を含めて、様々な意見交換ができました。ありがとうございました。

 PS.のPS. 一昨年、出身の今治市立桜井小学校で出前講義をしたときの子供さんが、今は、中学生に。ずいぶん先の話なのですが、夏休みの宿題で、愛媛出身で活躍する人を調べて、ポスターにするとか。それの取材対象に渡辺を選んでもらい、会が始まる前までに、いろいろな話を。ちょうど、手元に、科研費の報告書などがあったので、お渡しして。。。何かの参考になればと。講義をしたときに、リンゴについて説明したので、リンゴを持ってきていたのが、とても印象的でした。ありがとうございました。

DSCN5755.JPG PS.のPS.のPS. 来年度の出前講義について、いつもお世話頂いている、今治市立美須賀小学校の高橋校長先生、理科でお世話になっている、今治市立富田小学校の村上教頭先生ともお話しでき、6, 9, 12月あたりで、ということも、おおよそ決めることができました。ありがとうございました。6月のについては、早めに調整をしたいと思います。よろしくお願いします。

 PS.のPS.のPS.のPS. 一昨年の今治市立日吉小学校でお世話になった、理科支援員の方とも、お会いできました。事業仕分けとか言うシステムで、この理科支援員の制度も、今年度で終わりとか。。。今治は、まだ、理科の教育システムが、それなりに構築されてますが、他の県では、こうした方がいなくなるのは、とても大変なことなのでは。。。高所から物事を考えておられる方には、より現場を見て、様々な制度改革があってもよいのではと。。。

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【出前講義】今治自然科学教室・特別講義「博士になろう!研究をしてみよう!-東北大・渡辺教授はどのような子ども時代を過ごし、研究者になったのだろうか??-」(3/2)

2013年3月 2日 (土)

 今年度も、出身の愛媛県、今治市では多くの出前講義を行いました。6月には、松山市立小野小学校今治市立日高小学校愛媛県立今治南高等学校愛媛県立松山南高等学校。9月には、愛媛県立西条高等学校愛媛県立今治西高等学校今治市立富田小学校。11月が一番多くて、今治市立今治小学校、今治市立美須賀小学校、今治市立日吉小学校、今治市立城東小学校今治市立立花小学校新居浜市立金子小学校今治市立常盤小学校今治市立吉海小学校愛媛県立伯方高等学校今治市立桜井小学校今治市立国分小学校今治市立上朝小学校、今治市立下朝小学校今治市立乃万小学校愛媛県立今治西高等学校。11月には、FMラヂオバリバリにも出演しました。

 そんな愛媛、今治での今年度最後の2つの出前講義は、1つが、この今治自然科学教室。翌日には、今治市PTA連合会研修会。今治自然科学教室での講義は、2年ぶり。前回は、2011年3月5日でした。あの、2011.03.11の1 week前。。。あのときに講義をしながら、そのようなことが起きるとは。。。また、昨年は、愛媛新聞の道標にコラムを書き、この今治自然科学教室、今治市の理科教育のことを書かせて頂きました。何より、自分自身が、小学校の時に、この活動に参加していて、今も、連綿と続いているというのが、うれしい限りですし、そうした後輩たちの前で、講義ができると言うことも。50年以上の歴史があり、今回が571回目になると。。

DSCN5754.JPG 最初に、会長の竹内先生から。昨年の今治市立立花小学校でもお世話になった校長先生。すごくぴしっとしていて、渡辺が小学校、1, 2年生だった時の、越智先生ととても感じがよく似ていて、その当時、怒られると、後ろとか、廊下に立たされたりしたのを、今でも思い出します。なので、こうした「ぴしっと」したのを聞くと思い出すとともに、気合いをもらえるのもありがたいです。今年度の活動内容について、簡単な紹介があり、サンプリングしたものから、虫が。。よくあることと思いながら、最近は、木の実、ドングリなどを集めることはないなと。。。懐かしかったです。このあと、今治市教育委員会からいつもであれば、教育長の方から挨拶なのですが、所用でいらっしゃれないことから、越智次長様から挨拶がありました(前2回、参加したときには、教育長の方がお話し頂いたのは、感動だったのを覚えています。)。その中で、渡辺の出前講義のことを紹介頂いたり、「蘖(ひこばえ)」という文字について。学部の3年生の作物学の時間にイネが株を増やすときに、「分げつ」するというのを習いました。要するに、腋芽が横に広がると言うことなのですが。これを漢字で書くと、「分蘖」と書くというのを、当時の、教授から習ったのを思い出しながら、話を聞かせて頂きました。

 前半は、今年度、どの様な活動をしたのかという、1年間のまとめ。毎月の活動について、。。ハマダイコンがあるというのは、自分のふるさとでありながら、知らずにいました。また、いつか、現地を観察したいと。岩石の収集をしたようで、そういえば、学研の科学と学習の中に、鉱物サンプルが付録であったのを思い出しました。風を使った実験というのもあったそうで、風力発電との関係も学習したようでした。最近の科学も取り上げているのは、自然科学教室も進化しているのを実感しました。なにより、どの小学校の発表も、とてもしっかりしていたのが、感動でした。

DSCN5722.JPG さて、講義の内容は、今治で子供時代を過ごして、どの様にして、今のように研究をするようになったのか。自然豊かな愛媛、今治。そんな中で、虫を捕まえたり、花をむしったり、そうした自然に多くふれあったことが、今になって大きな力になっていると。また、昔は今のようにコンピューターとか、そうしたものがなかったので、あれこれと考えるという習慣があったのかもしれません。今なら、寒ければ、酸素とふれあうことで発熱する、「ほっかいろ」のようなものがありますが、当時はなくて、ゴミ捨て場にあった、ビンビール、ジュースの王冠をくつの裏で引きずって、アスファルトとの間で、摩擦を発生させて、それを握ると熱かったり。。。いろいろな小学校時代を思い出しました。つまり、いろいろなことに対して、マニュアルではなく、考えると言うこと。普段の学校の勉強では、理科でも小学校だと、覚えることがほとんど。自分もそうだったと思いました。でも、自然の中に出れば、なぜなのかなとか、不思議だなと思って、考えること、それがとても大切だと。自然がたくさんある訳で、その自然の不思議さを考えるところから始めれば、きっと、いろいろなことを考える習慣になるのではと。。。

DSCN5715.JPG ここで出会った子供たちが大学生になるのは、6年後、大学院生になるにしても、10年後。まだ、渡辺は研究をしています。学位を出すには、そのあと、6年、今のシステムなら、まだ間に合います。そんなことになるのを楽しみにしています。講義の最後は、いつものように、世界に向けて。。。。全体での写真撮影でした。

DSCN5752.JPG 閉会時には、東予教育事務所の原田指導主事様から、冬眠についての研究の第一人者、近藤宣昭先生のご紹介。元は、臓器移植のために、低温での臓器保存をやっていて、それが発展して、冬眠に。なんと、今治の出身で、今治西高校の15級先輩でした。どこかで聞いたことがある名前と思いつつ、昔、お世話役をしていた岩手大の21世紀COEプログラムでの「フォーラム」の中を調べたら、名前を見つけました。第36回(2006年10月27日)で、年周性に冬眠を制御する分子シグナル"冬眠特異的蛋白質(HP)複合体"という話題提供を頂いていました。こんなところでつながっているとは、びっくりでした。この26回の時は、何かの用事で参加できなかったのだけ、思い出しました。最後に、副会長の松本先生から、この今治の自然科学教室が、研究をしたり、考えたりする基礎になっていると。また、この世代からも、研究者になってほしいと。ぜひにと、こちらも思った次第でした。

 最後になりましたが、本発表会でお世話になりました、本会会長の竹内先生をはじめとする多くの方々に、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。ぜひ、こうした活動に、また、ご協力できれば、幸いです。


 わたなべしるす

 PS. 会が始まる直前に、渡辺が小学校5, 6年生の時に、担任をして頂いた白石先生のお孫さんとお会いできました。先生が亡くなられて、どれくらいたったのか。。。愛媛新聞の12月のコラムにもお世話になったことを書きました。この自然科学教室に参加していたのも、6年生の時。その当時のことを思い出して、。。。。心にこみ上げるものがあり、。。 講義だけでなく、こうした出会いがあったのも、何かのご縁だと。本当にありがとうございました。

 PS.のPS. 講義のあと、今治市内のいろいろな小学校の先生方と交流ができ、次年度以降、また、幅の広がった出前講義が展開できるのではと、今から楽しみになってきました。

 PS.のPS.のPS. 昨日、3/1は、生命科学研究科の旧農研、旧遺伝生態研時代からお世話になっていた、ゲノムの佐藤先生の最終講義(イネ遺伝資源探索の旅)でした。渡辺はこの出前講義の前日、別の打合せがあり、拝聴できませんでしたが。。。これから遺伝資源は重要だと。。。常々思っていたのですが。また、いつかゆっくりお話しできればと。ありがとうございました。

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福島高等学校・SSH生徒研究発表会に参加して。

2013年2月27日 (水)

こんにちは。学生アルバイトの南條です!試験が終わり成績が全て開示され、初めての大学生活も一年を迎えようとしています。東北大農学部一年は学系が成績によってもうすぐ決まるので毎日が落ち着かないです。

ところで先日、渡辺先生に誘われて、わたしの母校である福島県立福島高等学校に訪れました。福島高等学校はSSH指定校で今年度は二期コアSSHを実施しております。わたしの在学中よりSSHの環境がかなり発展していて、とても羨ましいかぎりです。

福島高等学校のSSHの生徒研究発表会ということで、後輩たちの成長を覗いて来ました。今回、磐城高校を招待するという初の試みだったようです。内容は文系理系問わず学校全体で取り組めるSSHの体制や、海外への情報発信、震災復興プランなどSSHの活動内容が多種多様で、発表数も多く大変充実していました。また、わたしの同級生で科学者の卵養成講座OBの後藤弘宣くんも来てくれました。後輩の発表や自分たちの代との比較について、話し合え楽しかったです。

DSCN5616.JPGここで OGから辛口コメント(笑)
発表会としてとても良かったです。磐城高校も呼んで、文系の生徒にも飽きさせない工夫がされていたと感じました。しかし、ひとこと言わせていただきますと、校内で行われた発表会だということにもう少し注目してみては良かったのではないかと感じました。どの生徒にもわかりやすく、楽しめる発表の方法や、唯一聴講者が発表者に意見を述べられる質疑応答の重点を行ったらなおよいかと思います。後輩たちのさらなる発展を願っております。ぜひぜひ自分たちを超えていってほしいです。このように、大口叩いておきながら自分はどうなんだと訊かれると困ってしまいますが...

最後に、発表会を作り上げた先生方や生徒の皆さんお疲れ様でした。一部でしたがお世話になった先生方と少しだけでも話ができてよかったです。また伺うのでそのときはよろしくお願いいたします。


以上ちょっとだけ帰省した南條でした。

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【出前講義】福島県立福島高等学校・SSH運営指導委員会・生徒研究発表会(2/21)

2013年2月21日 (木)

 前日までは寒さだけでしたが、朝には積雪が。。。。本当に今年はよく降ります。昨日、一昨日の仙台三盛岡三に続いて、福島。3日連続のSSH関連。今まででも初めてのことかもしれません。

DSCN5617.JPG 今年度から2期目が始まり、新しいことにいろいろとtryされており、課題研究をやっているグループが、全国クラスの大会に参加し、表彰をされているグループもあるのは、よいのでは。何より、井の中の蛙にならないで、外との交流はよい刺激になると、感じた次第です。プレゼン力については、特別講義を大学教員を招聘して実施したのは、これからの力になるのでは。。。それに対して、秋のこの会議でも問題となった「文章力」については、まだ、検討課題のようでした。次年度に向けては、少しサポートできればと感じた次第です。2011/03/11を踏まえて、「福島復興・再生」にむけて、ITとも融合して、チャレンジングなことをしているのは、興味深いことでした。ぜひ、次年度発展してほしいと。全校での「運営体制」。これは、一部の高校を除いて、実施する上で大きな問題。運営指導委員の先生からも、これまでの運営の見直し、全校での運営体制の構築がリクエストされました。ぜひ、次年度はこうしたことの改善が見られればと思いました。コアSSHの取組としては、サイエンスコミュニケーション、科学オリンピックへのtryをkey wordに、福島県全体での実施で、科学力の底上げ、地域への還元というのは、よい方向性ではないかと思いました。会議のあとには、授業公開と言うことで、1, 2年生の授業風景を拝見しました。SSH以外の普通の授業を見るのは、本当に久し振り。今の高校生が、何をどのように学んでいるのか、というのを再認識できたと思います。いろいろな教科の現状も含めて。1年生で電気というか、物理の基礎をやっていたり、数学の解法、国語、英語等も。これからの出前講義の参考にしたいと思います。また、黒板に板書をしている授業風景を見えて、30年以上前の自分を思い出したり、数学の授業はあんな風だったなとか。苦手だった、英語とか、国語の授業は、。。。やっぱり敷居は高かったです。あの時、もっと、ちゃんと、いろいろなことを注意して聞いていたらよかったなと。。反省でした。

 午後からの生徒研究発表会では、福島県内で同じくSSHをやっている磐城高校も合同で。もちろん、磐城高校もプレゼンをして。ちょうど、今年度の初めに講義をした1年生の発表というのには、感動しました。2011/03/11の原発、津波の影響もあり、放射線、復興というテーマでの発表があったのは、痛々しくもあり、また、これからの復興を支える人材としては、頼もしいものもありました。発表会の講評をお願いされ、「考える」ことの大切さを数学を例に、普段から自然の変化の感じることの重要性、つまり、「観察力」を。。また、次年度以降の発表会が楽しみになりました。

DSCN5622.JPG 運営指導委員会・発表会でお世話になりました、校長先生、県教委の先生方、橋爪先生、原先生、遠藤先生をはじめとする多くの方々にこの場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。今年度のさらなる発展を祈念しております。


 わたなべしるす

 PS. 昨年までSSHをやっていて今は、大学1年生の方も参加してくれていました。科学者の卵がひよこになるように、ここでもSSHが少しずつ発展しているのだなと。。。うれしい実感でした。詳細は、別の時に。

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星、妥協点、繰り返し(2/14)

2013年2月14日 (木)

 小学校、それより前からであろうか、自然は好きであったというか、自宅は自然の中にあった。田舎である。有線放送というのがあり、朝は桜井地区で何かがある、例えば、どこかで家の新築のイベントでもちまきがあるとか。それを聞いて、自転車をこいで、ずいぶん遠くの餅まきというか、餅拾いにも行った。そうした自然というか、理科の中で、どうしてもというか、今もかもしれないが、fitしないのが、星の動きというか、星座板。春の星とか、何時頃の星とか。子供時代を過ごしたのは、1960-70年という高度経済成長期というか、「公害」というのが騒がれたり、怪獣映画に公害のキャラがいたり。。。そんな時代であったが、田舎では空気も澄んでいて、多くの星が見えた。光る程度も違うというのもよくわかった。ところが、星座板とつきあわせると、どうもうまく見えない。。。そんなこともあり、「星」、「星座」、「天体望遠鏡」に対する興味はあまりないままに過ごしてきた。友達のところで天体望遠鏡に、「月のクレーター」、「土星の輪」が写っていても、そうなのくらいだった。その代わりというのは変かもしれないが、「星」というと、テレビアニメの「○人の星」。プロ野球チームで、子供の頃に好きだったのが、川崎球場を本拠地にしていた「△洋ホエールズ」で、その野球帽をかぶっていたこともあって、。。あの当時は、へたでも草野球をしていた時代だったので、まねをしてというわけではないが、軟式テニスボールを使って、稲刈りの終わった田んぼで野球をしていた。「○人の星」も見たが、それ以外の野球アニメも見た。そうした中で、今でも有名なのは、「ちゃぶ台返し」。子供頃は、丸いちゃぶ台ではなかったが、正座して、食事をしていたので、あのシーンはよく覚えている。実際にひっくり返すのは、そうは簡単ではないような気がする。結構重たかったし、何より、後片付けが大変だと思う。元に戻すのかもしれないが、全く同じに戻すことは不可能なので、結局やり直しというか。。。子供の頃には、あのシーンを見て、こんなことを考えなかったが、実際にはどうなっていたのか、今頃になって気になる。

DSCN5088.JPG 先日のテレビでとあるプロ野球チームの監督が「君たちの妥協点は低すぎる。。。」と。確かに、何年だろう、連続で最下位になれば、という気がする。これが、昔自分が野球帽をかぶっていた「△洋ホエールズ」が、名前を変えて「□浜ベイスターズ」となったとなると。。スター、つまり、星はついているが、目標が高くないと言いたかったのだろう。確かに、最下位に甘んじると、そうなるのかもしれない。というか、プロ、つまり、職業であれば、なおさらであろう。ただ、プロという職業でなくても、この言葉は重要な気がする。常に高い目標、優勝という星をgetするというか。。。もちろん、こうした目標達成のための体調管理、基礎体力などということは、サイエンスに限らず、どんな職でも大事なポイントであろう。ただ、妥協点と言うことを考えた時、単に上へ、上へと言うのではなく、今の自分の環境、コストということをあわせて考えることも大事であろう。費用対効果という言葉は、あまり好きではないが、様々な場面で言われるようになった。費用をどこまで考えるかによるが、時間というのはあまり費用に数えないのかもしれないが、時間は買うことができない。そう考えたとき、時間を考えた時、どこで妥協して、その後、どう展開するのかというも大事になってくるのではないだろうか。

 田舎では有線放送があると書いた。そこでは、地域の情報に加えて、農業に関する情報が毎日のように流れていた。今の時期なら、イネの管理はこうとか、こんな野菜の播種時期であるとか、病害虫が出るので、こうした農薬で駆除するとか、こうした肥料を田んぼ一反あたり、これくらいやるとか。。そうした中に、もちろん、商品名であるが、殺菌剤、殺虫剤の「キタジンP乳剤」、「マラソン乳剤」というのを覚えている。小学生だった自分に乳剤の意味もわからなければ、名前の意味もわからない。ただ、毎年、同じ頃になると、同じように繰り返して、ラジオ放送される。これなら、覚えることができた。というか、知らないうちに、頭に入った。「マラソン」には、なんで、田んぼで走るのか。。。そんなことももちろん、想像した。ただ、農学部に入り、農薬学というのを学んだとき、この2つの農薬の作用機作、つまり、どのような物質で、どのように機能することで、植物を病害虫から守るのかと言うことを、容易にイメージできたのは、この子供時代の繰り返しのおかげなのかもしれない。繰り返していれば、何でもよくなるかというと、繰り返しているのに、一定のところで同じような失敗をするということも経験する。一定のところまでうまくいくので、それで満足するのか、。。。。そんなとき、「歴史は繰り返す」というのを思い出す。同じようなことが起きるので、それを覚えておくこと。3.11の震災も、これまでの長い歴史の中で大きな地震があったことを、ふと忘れていたのかもしれない。ただ、それとは逆に、うまくいったので、それがかえってあだになるという意味で、「歴史は繰り返す」ということにも使うのだそうな。四国の冬空の「星」を見ていて、そんなことを思ったりした。。。「星」だけでなく、四国という風土がこうした一連のことをイメージさせてくれたのかもしれない。。。

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 わたなべしるす


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