東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

研究室ダイアリー

愛媛県立西条高校での特別講義「博士になるとは?研究者とは?---いろいろな出会いがあり、決断があり、そして。。。---」と意見交換会(10/27)

2009年10月29日 (木)

愛媛県の高校では、7校目になりました。最初に、進路担当の先生方と意見交換を行い、今後、東北大へも進学を考えている生徒がいるということ、この4月から東北大学理学部生物学科に、生徒さんが来てくれていることなどを伺いました。とても楽しみです。

 講義では、大学、科学者、農学部などというキーワードで話をしたあと、生徒さんからこういう研究をしたいのだけど、農学部のどのような学科がよいのか、その先どのような就職があるのかなど、という質問をいただきました。生徒さんたちは植物、特に、品種改良、遺伝子工学、栽培など、いわゆる、農学科と昔呼ばれていたような進路を考えているということまで決まっていたのは、とてもすばらしいことだと思いました。ぜひ、目標に向かって、がんばってください。植物科学研究は、低炭素社会実現には欠かせないこれから必須な研究領域でもあります。一緒に研究できる日が来ることを楽しみにしています。

 わたなべしるす

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愛媛県立今治西高校での特別講義「博士になるとは?研究者とは?---いろいろな出会いがあり、決断があり、そして。。。---」(10/26)

2009年10月27日 (火)

 25年くらい前に卒業した母校での講義になりました。生物講義室での講義となりましたが、小生が講義を受けた当時と何も変わらない、机、黒板など、懐かしさもあり、講義は盛り上がりました。進学を直前にした3年生が多かったこともあり、また、これから進路を決めるという1年生も数名おり、「サイエンス」より、「キャリア教育」に重点を置いた講義となりました。小生の共通一次(センター試験)の得点の話から、受験校を決めるまで、その後、人生がどうなって、現在に至っているか。ということを話しました。聴講生の半分以上は、模擬試験の状況は、小生よりもすばらしく、きっと志望校に合格できるのではと思いました。そのためにも、どのような出会いが重要で、どこで決断をするのか、それによって、人生がどのように変わるのかということを講義しました。そのことをヒントにして、よりよい人生を送ってください。楽しみにしております。

 そういえば、東北大を受験したいという生徒さん。ぜひ、一緒に研究をしましょう。世界で最高の研究・教育環境を提供したいと思います。お待ちしております。ということで、講義は終了しました。

 このように、講義をした生徒さんと一緒に研究ができれば、この上ないうれしさです。

わたなべしるす

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愛媛県立今治南高校での特別実験と講義「トマトの交配実験、高等植物における生殖・受粉反応、ダーウィンも注目した高等植物の自家不和合性」(10/26)

2009年10月26日 (月)

 10:00-17:00という長丁場で、交配実験、講義を行いました。今治では2校目になります。今治南は、普通科と園芸クリエイト科という構成で、園芸クリエイト科では、実験と講義、普通科では、講義となりました。

 昔は、たぶん農業科といわれていたのかもしれませんが、今は、園芸クリエイト科といわれ、農作業の基礎から、花きの飾り付け等幅広く行われており、そうした生徒さんたちに、温室のトマトを使って、花の解剖・観察、おしべの数を制限したときに、トマトがきちんと結実するかということを、実験してもらいました。さらに、講義では、果樹園芸で学習済みである「自家不和合性」をアブラナでその分子機構まで概説し、最後には、F1育種の重要性を講義しました。いつも思うのは、とても作物が管理されており、こうしたところできちんと管理された植物で、形質評価をしたいものだと。。。

 夕方にかけては、普通科で、「自家不和合性」の現象をダーウィン生誕200年の意味から始め、自家不和合性の遺伝学的意義、分子機構、多様性などについて講義しました。ぜひ、園芸クリエート科の生徒さんたちと、将来共同究をしてほしいものだと思いつつ、質問を受けたりしたのでした。


わたなべしるす

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栃木県立宇都宮女子高校でのSSH特別講義「植物科学研究における最近のトピックス--自他識別が起きる自家不和合性とは。。。--」(10/22)

2009年10月23日 (金)

 昨年に引き続き、SSH実施高校である、宇都宮女子高等学校1年生全体への特別講義、「植物科学研究における最近のトピックス--自他識別が起きる自家不和合性とは。。。--」を行いました。理系の生徒さんに講義が多い中、ここでは、文系・理系に分かれる前の1年生にこうした理系の講義を実施するというのは、科学の発展を社会に広めるという意味で、重要と思いました。

 最初に、身近な野菜の花の写真を見て、その写真がどんな野菜かというのを考えてもらいましたが、以外と知っているというのか、以外と知らないというのか。また、校内にある「ペチュニア」の花に気がついてない生徒さんがいたのは、少々、残念でした。ぜひ、身の回りの植物、花を観察してください。

 花の構造、自家不和合性、受精などについて最新の話をし、この分野の理解を深めてもらいました。最後には、2名の方ら、とてもすばらしい質問もいただきました。自家不和合性があるということは、自家和合性もあるわけで、なぜ、自家和合性の植物で自殖弱勢がでないで成立するのか。現在、われわれもこの問題には興味あるというか、誰がこの問題を最初に解決できるのかが、近いうちの世界的競争ではないかと思います。ぜひ、こうした生徒さんたちと研究ができればと思います。

 最後に、11/11に、植物・生殖に係わる実験をするということを案内して終わりました。最近の技術進歩で、低炭素社会の実現というのが、最近の合い言葉のようですが、「植物」が、動物と大きく異なるのは、CO2である二酸化炭素を固定できるということ。これは、低炭素社会実現に不可欠な素材というか、「植物」抜きには考えられません。植物・作物の重要性も理解をこの講義で深めて頂けたのではと思いました。


 わたなべしるす

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仙台市立川平小学校、科学・工作クラブへの出前講義「キャベツとブロッコリー--両方の遺伝子を持つ植物は??? --」(10/21)

2009年10月21日 (水)

 9/1の仙台市立川平小学校での出前講義「「花の不思議な世界」--りんごの花からリンゴができるまで??--」が、児童の皆さん、先生方に好評だったこともあり、今回は「科学・工作クラブ」で、「環境問題・低炭素社会」という問題を解決する重要な因子である「植物」の多様性、ということで、キャベツとブロッコリーを取り上げました。

 キャベツとブロッコリーは、いずれもラテン名で、「Brassica oleracea」に分類される植物というのか、農作物で子供たちにもおなじみの野菜であり、この両者を交配して、雑種を採ることができます。前回の講義をしたあと、子供さんの1人が、「アサガオ」と「ヘチマ」を交配しようとしたとか。アサガオはヒルガオ科、ヘチマはウリ科。科が違うので、雑種を採ることが不可能です。そこで、子供さんたちの興味である、「雑種」を作るということには、キャベツとブロッコリーが、よいだろうと判断して、講義をすることにしました。

 キャベツとブロッコリーの育ち方を講義したあと、キャベツとブロッコリーの苗を観察したり、食味が同じか、違うのか、体験してもらいました。最後には、畑に植えてある「キャベツとブロッコリー」の小さな双葉になった苗に水やり、栽培管理を説明して、終わりとしました。

 12月には、「雑種」がどのようなものになるのか、まず、想像してもらい、来春に、実際に交配をして、雑種を作ってもらおうと思っています。子供さんたちと楽しんで、新しい植物を作ってみます。


 わたなべしるす

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